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第百十八話 D(Death)Dayまであと数日
しおりを挟むムータンだけを先に侵攻しようとするならば、其の用意は整っていた。
が、戦略的に見て、劣勢側が分散で行うことほど馬鹿なことはないと、アホウなりに判っていたようで、、、
ムータンはまだ侵攻されていない。
そして、最強国の支配下から離脱した国々は、自国の金(きん)が消え失せる心配は解消されたが、その後は様子を伺うだけだ。お米の国などの被害の情報は、なぜだか全ての国に入ってきている。お米の国とそのシンパ国共にだけ入ってきていないだけだ。
ーー
「ドーラ、サーチ、どれだけ広くなったぁ?」ユータ
ユータとドーラは、サーチの広範囲化、高能力化、
と、
バリアの広範囲化、と強化、の鍛錬を毎日しながら国の防衛についていた。
「あー、国境線の半分に限定すれば、その向こう側2千キロ、までいけるようになった。。その条件で50キロ以上なら人間の集団以上。以内なら単独でも。くらいかなぁ、、上空は楽なので1万mくらいかなぁ。衛星は狭い範囲でサーチしないと届かない。全方位になると半分以下になるから効果的じゃない。」
「すごいね!!よくそこまで!!」
「ああ、ダンマスに強化してもらって、それをおとさない様にしてるだけだけどなー。ユータは?」
「えい!・・・こんな感じー」
域内にサーチも掛けたバリアを国の国境8割程度をカバーし、高度1万m位までカバーしている。強さはダンマスのそれの半分くらい。
「うん、多分強さも大丈夫じゃないかなぁ、、バリアはほかが使えなかった場合や、急に来た場合に使うだけだし、、」
近距離からいきなり発射される、というのもあるかもしれない。が、そういうのは車両で来るので其の時点で終わらせられる。
「侵攻は、まずミサイル、その後航空機に寄る爆撃、そして陸上から。だってダンマス言ってたよな、地上のほうがおそいから楽だよなー」
50キロ以内にはまず入れないだろう。
もし本気でこの2人の防備を崩そうとしたら、全周囲から大軍を同時投入、同時に航空機による爆撃。味方の同士討ちも仕方ないとしてやって、どうにか崩せる程度だろう。
でもそうやってどうにか入った一部は、すぐあとで殲滅されてしまうが。
でも、敵は防備の要がたった2人の少年の姿をした者達なんぞとは知らない。
なので、そういう作戦を考える者はいない。
もし、
聡明な者が一人でも居たら、今までの不審な案件を全て目を通し、取捨選択し、該当情報を精査分析したら、それなりなことを見いだせたかもしれない。とても近代兵器とか多数の軍の仕業ではないとどうにかわかるかもしれなかった。
が、そういう聡明な者はいないし、もしいたとしても閑職においやられているし、もしその者が情報を得て分析し結果を見出し、上に進言しても、耳を貸す聡明な者は、そこにはいない。
そういう敵だった。ユータ達の敵は。
ダンマスは太平洋の島に戻り、また実験していた。
”地雷”というものがあると、なんかの拍子にユータが言ったのだ。
海でそれを使えば面白いかな?と。
例えば、敵艦隊全てが領域内に入った途端、全てを消滅、、は、つまらないので、爆破させるとか、、跳ばしてその残骸をお米の国全域に高空から降らせるとかしたらおもしろいのではないか?と。
「そうですね、、跳ばすのにしましょうか!二度美味しいですからね!!」ダンマス。
なので、まだ来る小型艦艇などをモルモットにして、領域設定などを行ったり、飛ばしたり、シェイクはどの程度するのが降らした時に被害が最大になるのか?
などのテストをしていた。
もちろんそのダンマス式地雷にする領域は上空も含まれる。上空はもっとダンマス諸島に近づいたところにした。近くても遠くても同じなので、より警戒が低くなる諸島近くにしたのだ。先を行く機が地雷に掛かっても、「んじゃ、近くに行かなければ大丈夫」とか、勝手に思い込むだろう。なので敵集団が指定範囲に全部入ったら同時に発動とかもできるようにした。
ダンマスはその一方で、同時に、お米の国以外の軍事基地で、一人でもお米の国人がいる基地に激しく電磁波障害を与えた。対策されている戦闘機ですら、電子機器が全て焼ききれた。スマホはその電池が爆発性なのでいたるところでボンボン爆発発火おり、火まみれな者も少なくなかった。同じ電池を積んだドローンは全焼していた。
更にダンマスは、そのことについて、警告のアナウンスを世界に出した。
現状把握能力の全く無い一部の国を除いて、大半の国では、お米の国人の国外退去を始めた。
別になんでもよかった。びるだーなんとかの連中が、最も美味しく利用しているのがお米の国だったので、それを孤立させるほうが面白いと思ったのだ。軍事、金融、経済、情報、全の手綱を握っているのがあそこだからだ。あの連中だ。
実際のところ、おもしろいおもしろくないとは関係なく、それができたら各国の非支配化をもっとも効率的に進められるだろう。
「リターニア王とかゲスザンス王とかが単なるいたずらっ子な天使レベルに感じられますねぇ、、あいつらを見ていると」ダンマス
あの連中の、それぞれの一族の首領はもう寿命が尽きているのに、特殊な、しかし種を変異させてしまうほどの特異な薬剤?で臓器移植の拒否反応を消し、ばんばん臓器移植をしてまだ生きながらえている。
ただ、もう、”ひと”という種ではなくなっていそうである。薬剤が原因だと見ていいだろう。
ダンマスには、それは、今まで見た生命体の中でも最も悪意に満ちた、というか悪意のみが生命体になってるようにさえ感じられている。北の西の方の欧州などあっちにいくつもそれを感じている。
なので、その一族達の中で”まともな者達だけ”を消した。逆だろ?と思うだろう?違うんだなこれが。
もう、その一族達の暴走を抑止する者はいない。その消された者達は、暴走する一族の者達の行動を半減できるように毎回色々手を回していたのだ。だが、まとも故に一族内では迫害されたり無視されたりしていた者達だった。
案の定、半月後の侵攻は最大戦力になった。今までしぶっていた国、少数だけだしてお茶を濁していた国なども許されず、最後の一兵、弾丸の一発まで供出させられた。それら各国の、軍事出動に反対していた政治家や軍人達は例外なく行方不明になっている。
ダンマスはそうなることをわかってやっていた。
陸軍は全てムータンへ。
海軍は全てダンマス群島に。
そして空軍とミサイルは飛距離に応じてわけられた。
陸軍と海軍が配備に付いた時、全てが一斉に侵攻を始める。
ダンマスは、それらの情報・発言も全て、欧州全域に掛けた魔法によって得ていた。アジアオセアニアは常時聞き耳のみで大概拾えるのでおk。
ニタリ!
エボラ菌を残しておくバカは居ない。エボラ菌がいたら、その全てを退治し消滅させんばならない。
ダンマスはそう思っている。そして、それが今のこの世界にもっともベストなことであろう、と、知っていた。
ダンマスによる電磁波攻撃の被害もどうにか復旧し、ほぼ全ての機体が整備修了。よりダンマス群島に近いガムや豪州大陸などに移送されていた。
旧型機も改造キットで改造され、戦闘機も増槽を付け、対地ミサイルの最大のを搭載できるようにされていた。
なぜか見えない壁に閉鎖されていた、あの中近東の最も力を持っている王族の国の見えない壁も、侵攻に合わせて閉鎖が解かれていた。自国の物を供出などもったいなくってしたくないケチくさすぎる王家だが、拒否はさせられなかった。王家どころかお前の国を滅亡させるぞ、と言われれば。今までは舐めてても大丈夫だったのに。
D(Death)Dayまであと数日。
ほう、DeathDayですか、、いいですねwアホウらしい命名で。
それを耳にした時は呆れたような顔をしたダンマス。
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