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第百二十一話 嵐の後
しおりを挟む日本は平和だった。
結構脅されたようだったが、軍を出さなかったから平和だったのだ。あの国の日本駐留基地からのミサイル発射も、日本の軍によって制止させられていた。よって戻ってくるミサイルも無く、戦争の被害はなかった。
もちろんそれ以外の混乱はダイレクトに受けていた。お米の国べったりに隷属していたのだ、影響が無い方がおかしい。
軍を出すと決めた強行派が与党2党の大半だったが、なぜか立法の臨時国会には其の全員が現れず、その日以降行方不明になって、大騒ぎになっていた。
それくらいだ。
ユータの両親は心配していた。
もちろん国内のニュースに流れていたことは全て嘘ばかりで、それを流した企業はなぜか今は全く企業活動をしていないし、いろいろごたごたあるようだ。
どうにか機能しているネットで、ニュースを見ることができる。
ーー
あれから、D・Day2日目に入った朝、皆が集まった時にダンマスの説明があった。
敵はほぼ殲滅され、黒幕共も全て消したので、残るは小物共と、敵対しなかったまともな国々のみ。
ダンマスの意思を伝え、それに応じた動きを世界がするのであれば、ダンマスは容認すると通達しておいた。
なので、今日から警戒を解き、平時に戻ります。
皆好きにしていいですよ、何かあったら念話で呼びますから、と言われ、皆解散。
それから朝食を皆でのんびりとり、その後茶を飲んでだらーっとして、その日は皆、なんか、ふぬけた感じで過ごしていた。
あっけなさ過ぎた。というか、ほぼダンマスとモモンガ達で終わっちゃったので、、
「ボク、何もしなかったよ、、」
「俺もだぜ?」
・・・・・・・
宮殿の屋根の上でドーラとユータは屋根の斜面に寝転がりながら、きれいに晴れた空に目をやっていた。
「・・・あ、日本に帰らなきゃ心配しているかも、、」
「あ、だなぁ、、帰るか、、」
シュン!
スーパーの裏に出る。
スーパーでドーラが好きなアイスを買って家に、、
「あ、お土産何も無い、、」
シュン!
王宮。王様とダンマスがまだティールームに居たんで、先程買ったアイスをあげて、街に出る。
が、、、土産物屋なんぞなかった。観光の国じゃないからね。
仏像とか曼荼羅とか、貰っても、ねぇ?
珍しい果物とか無いし、、
藁に結ばれたヤギの干し肉とかうまいけど、、普通の人は食わないだろうし、、
ヤギの毛皮のチョッキとか、皮がごわごわで使っていくと柔らかくなるってんだろうけど、、最初に自分で油塗ってよく塗り込んで、放置して柔らかくしなけりゃ長持ちしないし、、
毛皮の帽子とか冬はあったかそうだけど、うちの方はそこまで雪積もったりしないし、、
「お、ユータ、宝石あるぜ!きれいだなー」ドーラ
魔除けとかのお守りにするらしく、小さな装飾されたペンダントに入れて鎖で首に掛けるらしい。
きれいな石を選んでペンダントにしてもらった。で、
「鎖は、あの金で作ろーぜ?今回だけだからいいじゃん?」ドーラ
一応持ち主のダンマスに確認する。
「いいですよ、あとで必要になるかもしれないでしょうし、1トンくらいユータのストレージに入れて持ってっていいですよ」と太っ腹だった。
なので、一度ドラゴニアに帰る。
「ただいまー!」×2
「おう!どうだった?」
前回こっから日本に行ったのはあの金を子供の遊び場にした、ダンマスと3人で行った時。その後の茶の席で日本に戻ったので、そこに出た。
「さっきダンマスも戻ってきたけどすぐどっか行っちゃった。」
・・・・(ドーラ、ユータ)
「まーいーや、向こう、終わりました!完了です!ダンマスの圧勝です!!」ドーラ
まー、だろうなー
そーだよねー
一方的だったろうな
などのことばしか出てこなかったw
「俺らは城の上にいたんであまり見えなかったんで、後からダンマスに各地の映像見せてもらったけど、すごかったな?!」
「うん!圧倒的!でも、ほぼぜんぶ敵の爆弾とかが自分んとこに戻っただけで、自分で自分をやった、みたいな?」
「おう、すげー、なんというか、、ユータの世界で言うところの、エコ?」
「そうだねぇ!エコな戦争だったね!!」
・・・
よくわからんが、今度ダンマス来たらその映像ねだってみよう、と皆思った。
で、金の山の頂上付近をほんの少しだけ1tほど貰って洞窟に戻り、眠って起きてから、首に下げる用のチェーンを作って、家に戻った。
ーー
心配したと言ったわりに、それほど心配した顔じゃないし、、、
「まあ、なんかしらんが、2人が一緒なら大丈夫なんじゃないかな、という気持ちが俺にも母さんにも強くってな。
少しは心配だったが、でも大丈夫だと、なんか、、わかってた?」
「ええ、わかってた、って感じだったわね、、なんか。だから心配もそれほど”できなかった”のよ。不思議よね」
(なんだろう?)ユータ
(ダンマスじゃね?)ドーラ
(ああ、ダンマスなら、、)
(そう、できそうだし、やってくれそう、、そういうときに気を回すのうまいよな、、)
お土産を渡す時、ドーラが少し触ってから渡した。
(マーカー付けといた)
(ナイスどーら!!)
金だから見えないようにしてね。
寝る時も付けといてね。
風呂の時以外はいつも付けといてね!
見えちゃう場合は、鎖を外してお守りだけ財布に入れとくとかしてね!
と念を押した。
今金(きん)の価格がダンマスの決めた値段になっている。
取引量はあまりなく、装飾品としては手に入りにくくなっている。なので危ない。
ダンマスは、落ち着いたら向こうから万の桁で持ってきますよ、とか言っていたが、
なんか、こっちの資源でも地下にいくらでもあるような事言っていたので、、、
様子見しているだけだろう。品薄で悪事を働く者達を炙りだすとかかも、、
「ユータとドーラが向こうで大活躍したんで、私も少しはやらないとねぇー」
とか言っていたし、、
風呂入って、その晩はヒモノで夕食。
のんびりして、寝た。
ひさびさのうちのベッド、ふとん、、なんか少しくさかった。
「こんな匂いだったっけ?」ドーラ
そうです、こんな匂いだったんです。どこのうちもそーですこっちでは。
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