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第百八十七話 ある種の日常
しおりを挟むそれから数日は何事も無くのんびり過ごした。
邸の部屋でごろごろして漫画読んだり、ドーラはこっち向けの漫画にするために吹き出しの文字を入れ替えていたり。
たまに呼び出しがあってヘルプに森に行くとか、他国に行くとか、主に強力な魔獣討伐。ユータらが一番暇ですぐ動けるので行く。
「よう、ユータ」
ユータとドーラが外から邸の入り口に転位で戻ったときに、ユーリが前庭にいた。
「あれ?もうこっち来て大丈夫なの?」ドーラ
「ああ、まぁ、以前も不安なだけでな、明確な理由はなかったんだ。で、今は扉がほぼちゃんと出来上がったので多分大丈夫だろうとダンマスと結論出した。」
「よかったね!」ユータ
「ああ、もうユータ達もあの扉を使ってもいいと思うぞ。ただ、ユータだけは一度洞窟を使って向こうに帰り、そっからムータンに飛んでムータンの扉からこっちに来なさい。でないと不安定要素は残るから。」
「うん、そうする、んじゃ今から行って戻ってくる」
ーー
「ダンマスは?」ドーラ
「え?こっちだろ?」ユーリ
「あー、ダンジョンかな?」
「本業はそっちだもんな」
それからドーラはユーリを案内した。
ドラゴニア王都の街を歩き、食事やお茶をした。
その後、飛んで各地を周り、水路ダンジョン側の街、水路ダンジョン、中間の街、北の森の街をザッと見せ、水路ダンジョン荒地側の出口の街に行く。砦の前の宿のミノを紹介する。
その後、ゴンザール上空を飛んでから、ダンマスのダンジョンの森の入り口に転移し、新しくなったダンジョンの森の入り口の宿に顔を出してからダンジョンに潜った。
最下層が50階になっていた。
「俺んときは10階層だったんだけどなー」
「えらく成長したんだなぁ、、俺んときもまだ10階そうだったぞ」
「・・・んじゃ、その時から全然成長していなかったんだな?」
「もしかしたら洞窟に魔力獲られていたのかもなー」
ダンマスはマスタールームにいた。
「ちーす!」
「おかえりドーラ、おや、ユーリも来たんですか」
「ええ、もう向こうも大丈夫だろうと。」
「そうですね、何かあったら王様か側近たちが私を呼ぶでしょうし」
「え?向こうからダンマスを呼べる人がいるの?」ドーラ
「ええ、扉が完成したんで、洞窟のときよりもかなり少ない魔力でも呼べる様になってますね」
それはべんりな!
「そー言えばユーリ、市とタカは?」
「向こうを見てくれる。今は向こうには移住しない者達が残っているだけだけど、それでも魔法がある無いとではえらく違うので、皆は真剣に稽古しているよ。」
「ふーん、移住したくないってーだけで、魔法に抵抗はないんだ、それはよかった」
「ああ、魔法が嫌いとか怖いって人は今はもういないね」
「そのおかげで国を守れたんだからな」
「そうだね、皆直接見たわけじゃないけど、上空のミサイルが爆発したのとかは見たり聴いたりしたろうし。」
「あと、皆TVで見ているでしょう」ダンマス
なるほど。こっちにTV無いのであまり気にしていなかった。
ドーラもユーリも向こうのTV番組を面白いと思わないので見ないのだ。ネット見ている方が役に立つし。
「ダンマス、人魚は?」
「ああ、50階の奥に海を作りましたんで、そこで魚人に魔法の訓練をセレーネにつけてもらってますよ。」
「見に行っていい?」
「ええ、大丈夫だと思いますよ」
ユーリは残るというので、ドーラ一人で見に行った。
?
なんか、セレーネが人間形態で走っている。見ていると、大きな円を描いて何周も回っている。
セレーネの速度が遅くなると、魚人が怒鳴っている。遠くなので声が聞こえにくいが、罵倒している?
で、またセレーネが走り出す。
なんだろう、体力付けるの?
シュン!
「よう、おつかれ!」
と、初対面の魚人に言う。
「あ、先輩ですか?私は奥の海のボスで魚人です。」
まだ名前を付けてもらってないのか、、
「おう、よろしく!俺はドーラ。昔10階層のボスやっていた」
「よく耳にします。大活躍してるそうですね、外で。皆羨ましがってますよ」
「へぇ、、そうなんだ、、大したことしてないけどなー」
「そういう人は、そう思うんですねぇ、、」
「それはそうと、セレーネは何やってるんだ?」
「陸上で体力付けないと、魔力だけでは死にますからね」
「まぁそうだけど、、魔力は付いた、、みたいだな、人間形態になれるほどなのだから」
「そうですね、そこそこです。目標は、人間形態でクラーケン10匹を一人で仕留められるくらいですね」
・・・・・・・・・・・「厳しくねーか?」
「いえいえ、そのくらいできないと地上だと危険でしょう?」
・・・・そうか?、クラーケン10匹できる程度なら、、、、赤ドラゴンくらいなら知能がクラーケン程度だし、、やっぱ10匹くらい行けるよな。
「赤ドラ10匹行ける程度になるぞ?」
「え?そんなですか?、、、まぁ、強いほうがいいし、、」
そりゃそーだ。
「いつ頃終わりそうだ?」
「周回100周をノンストップでできるようになったら、魔法の方の仕上げやるので、、」
「ちなみに、今何周できるの?」
「50くらいですね」
「身体強化して?」
「いーえ?」
「あっほかーいっ!!!人間の大魔法使いでも身体強化しかけりゃできんわあ!!!」
「え?そうなんですか?」
「ユータにやらせてみろ、20周か30周で音を上げると思うぞ」
・・・・
「おーい、セレーネー、、しまいにしろーー!!」魚人
「・・・・」ドーラ
で、休憩の後魔法の訓練らしい。が、ぜーぜー言ってて喋りもしない、、
ストレージからアイスを出してあげた。
日本のなのでビニール袋の棒アイス。袋を取って差し出すと、アイスとわかったらしくバッ!と奪い取るように取って口にツッコミ、頬張って一口で食べてしまった。
で、手を出すセレーネ。
仕方ないのでも一つ袋をとってからやる。
それを5度ほど繰り返し、やっと人心地ついたみたいで
「あー、やっと落ち着いた、、助かったわドーラ。」
「いや、、お前も大変だな?」
「まぁ、強くなれるし、人間形態に成れるようになったし、、努力に見合う結果は頂いているわね」
「目標のクラーケン10匹くらいに行けば、おまえ、国で最強だとさ」
「まぁ、その程度いかなければ地上で暮らせないものね」
・・・
「あのさ、お前たち、地上で暮らすのって、どのくらいな難易度だと思っているんだ?」
「毎日ドラゴンが襲ってくる程度」×2人
「ねーよ」
結局それからそこそこ説明して、2人が思ってるまでの脅威はめったに無いとわからせた。
けど、クラーケン10匹できれば、それはかなり人魚国への貢献になる。防衛もそうだけど、漁でも大量の漁獲量を見込めるだろう。
そういう観点から、目標は達成したほうがいいと言った。
「で、いつ頃になる?」
「来月?」魚人
「おっせーよ!!マッハはセレーネの帰りを待ってるんだぞ!!」
「・・・・・・」もじもじして地べたに指でのの字を書き始めるセレーネ!
「おめーは昭和の少女かよっつ!!!」
さっききからツッコミ役爆裂なドーラ。
「んじゃ、明後日」魚人
・・・
「今、セレーネってどんな魔法使えるの?」
「やってみるね!」セレ
どどーーんん!!!
ずごごごごぉおおおおんんん・・・!!
地下50階層中に轟く破壊音。
「ストーっぷ!!!やめー!!おまえ、ダンジョン潰す気かっつ!!!」ドーラ
「いやー、まだ足りない感半端ないんですけどー」セレ
「・・・もう十分、最初の一発で10匹のクラーケンの8匹は死ぬわ、」
「一撃必殺したかったのにー」
こんな子だったか???
マッハもかわいそうになー(棒)他人事ですw
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