放課後はダンジョンに行って憂さ晴らしのつもりがいつの間にか学園最強になってたことに気が付かなかった

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第百九十二話 野菜

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宿を取ってから風呂屋に行く。風呂に行ってから宿を探すと湯冷めするので。いい宿が無ければ何軒も探すことになるから。ちなみに宿の料金を払う時に「お金がいい?肉がいい?」をまたやってみた。
ここでも「肉がいい」と言われた。街が良さそうだったので少し意外だった。


2ブロックほど先にあった銭湯はデカく新しかった。

じゃぼ、じゃぼっ、、ちゃぽん、「ひふぃーーー、あーー」ドーラ
「うん、いいねぇ、、」ユータ
少し熱め。

「やるなぁおまえら」
と、その湯に入っているおっさん。

「え?」
「この湯船はあっちより熱いんだ。」
ああ、なるほど、、触って向こうがぬるいんで何気にこっちを得たんだんだが。

「あっちはぬるいからねー」ユータ
「へぇ?、おまえらここらのモンじゃないな?」
「うん、ドラゴニアから」
「・・なら、そうか、。いや、銭湯はドラゴニアから来たらしいからな」
へぇ?
そうなんだ?

「もともとはなかったの?」ユータ
「ああ、俺らは水浴びだけだったぞ。というか、どこでもそうだろ?」
「そうなの?」ユータはドーラを見る
「・・・そうかも?」
ドラゴンだからね!知らなくても仕方ないね!

「・・・まぁ、なんだ、良いもんだよこの湯に浸かるってのは」
「だよねー」
「だろう?!」

おっさんはこの街の近くの百姓。主に野菜などを作っているそうな。昔は大変だったが、今はかなり楽になってるとのこと。
「毎日畑に行くのが楽しみになったのは、領主共が消えてからだ」
「盗まれると判っているものを作るのはきついよな」ドーラ
「ああ、・・・それでも、暮らしていくに十分な程度残ってればまだよかったんだが・・」

「ここも、そんなにひどかったのか?」ドーラ
「逃げようと何度考えたことか。」
「なんで逃げなかったの?」
「畑って、土ってな、簡単に作れるもんじゃないんだ」

合成肥料撒けばいいっていうなんちゃって農業じゃないホンモノの農業をやっているホンモノの百姓が年月掛けて作った畑。農家の多くの畑は、その畑に何世代もかけたものだ。
財産だ。
自分の畑の土を知っている。
が、
逃げた先で、またゼロから作れるだろうか?どれだけ時間がかかるだろうか?

(彼等には魔法が無いからな)ドーラ
魔法によって、悪いものを取り除くことがそこそこできる。なのでドラゴニアの田畑は初期の苦労はほぼ軽減されている。
それを人力のみでやっていたら・・・。

「そっか、よくなってよかったな!」
「ああ、おかげさまでな!」
(ドラゴニアのやったこと、知ってるんだな)ドーラ
(そうみたいだね、もう知れ渡っているのかな?)ユータ

ざばっつ!
湯船から立ち上がるおっさんは、鋼みたいにごっつい、ずんぐりむっくりのもろ百姓体型だった。顔、首、腕は真っ黒に日焼けしてこびりついているように。

(戦士みたいだね)ユータ
(おう、タンク体型だな。良いタンクになりそうな)ドーラ

こっちには機械が無い。全て人手と牛くらいでやらねばならない。
自然に馴染み、うまくそこで生きて、時には闘う、百姓の漢。そう見えたドーラとユータだった。


銭湯から出て、外の屋台で冷たい飲み物を買った。小型冷凍庫がある屋台らしく氷を3個くらいいれてくれた。
外は丁度気持ち良いくらいの夕方の風が少しある。

のんびり通りを見ながら宿の方にあるく2人。
食堂も繁盛している様子だ。
道端にむしろを敷いてる物売りもまだ居る。
だが、道端の家々の灯りで通りは明るい。

「街灯って無いんだね」ユータ
「ああ、もうそろそろできるんじゃないか?」ドーラ

「今までは灯りの魔石とか盗まれちゃうんで作らなかったんだろ?」
「なるほど」
悲惨な情況だったのだ今までは。灯火の魔石やランプなどが手に入れば、うちでの灯りの費用が助かる。
一銭でもどうにかしたい、というレベルだったのだろう。


宿の夕食はイノシシ。ユータの支払いした2頭のイノシシ。店主は1頭でも貰いすぎだと言ったが、お金より肉を優先した情況は、多分この街は見た目よりは少しまだ厳しいのかもしれないから、2頭あげた。

イノシシの厚焼き(ステーキ)、いの肉の入ったゴッタ煮スープ、ドレッシングを揉み込んである野菜サラダだ。
店主直々に持ってきた。
「いいのか?こんなに?」ドーラ
「いーの!いーの!あんなに貰ったんだから。この街は野菜がうまいから楽しんでってな」
「おう、ありがとう!」
「うん、いただきます!!」

確かに旨い。煮込まれた野菜も、まだ新鮮なサラダも、野菜はうまかった。

「これ、あのおっさん達の野菜だよな」
「うん、それっぽねぇ、、無骨でマッチョなホンモノが丹精込めて作った野菜、って感じだねー」
「そうだなぁ、そんな感じだなぁ・・。」

イノシシのステーキもうまかった。
もともとこっちの世界のイノシシは臭みが無く、肉もよくたたいて硬さを取れば美味しいのだ。
こっちの野生動物には寄生虫もいない。

腹いっぱいになったら速攻眠くなった、、
2人は部屋に戻ってそのままばたんきゅー!
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