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第二百十六話 チュータ達その後 2
しおりを挟む食堂でドーラとユータはストレージにある狩った魔獣を全部出して食堂の者達に渡した。使ってくれと。
ただ、食堂にストレージが無かったので、ユータが大きめの魔石を出して食料庫を作ってあげた。生き物は入れられないけどストレージの食料庫なので、状態保存する。
その後、気合をいてれくれた食堂の者達が作ってくれた食事が出来てきた。
当然と言えば当然。とても質素な食事。
焼いた肉。でも、少ない塩をよく揉み込んでちょうどよい塩気に成っている。
肉と野菜のスープ。あるったけの野菜を味のバランス良く入れている。具からでた味がスープをとても美味しくしている。
まだこの村ではできない小麦を使ったパンケーキ。ふくらし粉など無いし卵もないのでチャパティみたいなもの。前回ユータが置いてきたもの。大事に少しづつ使っているようだ。
食べ終わってユータとドーラは知った。
小麦粉。塩。胡椒の種とできれば苗。鶏の番いをいくつか。砂糖。やぎ(乳をとる)の番いをいくつか。そして食用油。
これらが必要だ。
「なぁ、鶏って、ここの世界にはいるのか?」
「いますぜ?卵をとるために飼うとりでしょ?」
「うん。あと、やぎは?めへぇええええーとか鳴く角がある小型の獣」
「ああ、山とかにいるやつっすね。素早いからなかなか捕まえられない。」
大丈夫だ。こっちに持ってきても生態系に問題を起こさないだろう。
「少し待ってな。」とドーラは言って、シュン!と転位して消えた。
その間にユータと3人は雑談する。食事はどうしているのか?何度食べているのか?腹いっぱい食えているのか?どういう食事か?と。
返事を聞くと、やはりまだ貧相な食事だ。
「怪我は?病気は?」と訊くと、チュータが治してくれるそうな。いつの間に治癒できるように成ったのだろう?ドーラが教えていたのかな、多分そうだろう。不可欠だからね。
他に街はあの差別や迫害好きの奴等の街しかない。支配者どもは殲滅したが、一般人たちも同様でここの者達と対等な取引などしないだろう。逆にこちらの村を知られたら襲ってくるのは間違いない。チュータとこの3人がいるので返り討ちで全滅させられるが、面倒事を起こされる時間あったら畑をしてるほうがいい。
どっかに岩塩ないかな?と、ユータはサーチしてみる。岩塩なんかサーチしたことはない。なかなかみつからない。
サーチできないのか、もしくはここらには無いのかな?
シュン!
「ただいま!」
「おかえりー」
ドーラはその場でストレージから大量の物資を出した。
塩。胡椒の種と苗。砂糖。小麦粉。
そして、ドーラは転送で呼び寄せた。通路の出口にでもおいてきたのか、鶏の番いを10くらい。やぎ(乳をとる)の番いをこれまた10くらい。
そして、更にストレージから醤油とウスターソース。
「鶏の飼育はできるか?卵をとるんだ。それと、やぎは増やして乳をとる。」
「はい、誰かはできるはずです。そういうのやってる者いました。」と神田
で、ドーラは肉に小麦粉をまぶして揚げることを教えた。パン粉が無いのでカツにはならないが、唐揚げみたいになる。それを包丁で切り、ウスターソースを少しかける。
料理人達と3人組みに食べさせたら喜んでいた。
油は古くなったら腹を壊すので、様子見ながらまっくろくなったり味が悪くなったら交換すること。と教えた。
「ちゅーちゅちゅー!!」
「え?おまえが再生させる?できるのか!頼むぞ!」ドーラ
油は再生して使えるようだ。助かる。
ユータはここに寄った後にまた周辺行きの調査をしたかったが、塩も胡椒も全てここに置いていくので、また今度でいいか、と思った。
なるべく早めに全域調査しておきたいと思ったのだ。
ユータ達はチュータと3人組に、街の奴等がここを知ったら襲ってくるだおるから気をつけてな。と言って帰る。
ーー
遺跡から出てくる2人。
「ごはんが少ないとか、あまり美味しくないとか、寂しい生活だよね」
「おう、飯だけはがっつり、そしてできるだけ美味いものを食べたいよな!!」
2人はドラゴニアの邸に転移した。
ーー
2人は夕食後、皆に顛末を報告した。
「行ってみたいにゃ!」
猫は好奇心旺盛!
「んじゃ、次に行くときは誘うよ」と、ドーラ。
今晩はなぜかマッハとセレーネがここにいる。
ニヤと話していたのでついでに訊く。
「ああ、こっちの家が出来上がったにゃ。」
「へぇ?どこ?」
大通りを東に(ダンジョンの街の方角)行き、噴水のロータリーを山側に折れて(左折)少し行った所だと言う。
明日明るくなったら遊びに行ってみようと思ったドーラ。
今日は疲れたので早く寝ようと、ドーラもユータも思ったので、それから風呂に入ってさっさと上がって寝た。
翌朝。
朝食後の茶の時に、ドーラはニヤに向こうに何を持っていったらいいか?と聞いた。
「今は別にいいんじゃにゃいか?一所懸命村を作ってるんにゃろ?それで手一杯にゃ。」
そらそーか。ある程度落ち着いてから、だな。
なんかしてやりたくなる奴等なんだよなー、と向こうの村を思い出しながら思うドーラ
余計なこと考えず一生懸命頑張ってるからではなかろうか?
そういう者達を好きではない者はあまりいない。少々無理しても何かしてやりたく成るのが人情ってもんだ。
「それじゃ、マッハ達の家に行ってみようぜ?」
とユータを誘う。
「うん!新居2号だね!」
・・まぁ、わかるからいいか・・。
のんびり歩きながら行く。
途中で貸自転車屋で自転車を借りて乗って行った。
「あ!なにそれ!」
庭で何かしていたセレーネがドーラ達に気づき、自転車に興味を持った。
「あなたー!ドーラとユータが来たわよー」セレーネ
(あなた・・)ドーラ
(うん、笑っちゃいけないね。彼等は幸せなんだから!)ぷ、とか小声でドーラに答えるユータ。
ドーラとユータはマッハとセレーネに自転車を教えて一日が終わってしまった。
ほしいのというので、とりあえず貸した。
「今度ユータの世界に行ったら買ってきてあげるから。」と約束して。
セレーネにはギア付きママチャリにしよう。
ちなみに、ママチャリのデザインは日本開発らしい。スカートでの乗り降りがしやすいように、と作られたそうな。
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