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第二百二十四話 ぼけ老人と海 2
しおりを挟む結果は!
逆だった。
老人たちは、担当してくれている子どもたちをリクルートし始めた。
向こうの世界に来ないか?
冬は雪降るよ?雪遊びできるよ?
海に来たかったらここに来ればいいんだし、簡単に来られるだろう?
向こうは高原だし、秋があるので、果物がおいしいんだよお!!いろいろいっぱいあるんだよ!
春になったら一斉に花が咲き始めてきれいだぞお!!
春と秋は空気はお菓子みたいに美味しいんだぞ!
寒い季節があるんだから、おしゃれできるぞ?
向こうは高原なんで牛乳が違う!だからアイスクリームも凄く美味しい!
勿論マソも多い!なんたってダンマスが作ってくれたんだからな!魔法も同じように使えるぞ、心配はない!
そうそう!転位使えれば、え?使える?んじゃ、どこの国にでも遊びに行けるぞ?じいちゃんとばあちゃんがいっしょについていくから困ることはない。なんでもおしえてあげるぞ!
いろんな国が在るから、料理の種類も数え切れないほどだ!
勿論お菓子の種類もケーキの種類もアイスの種類も数え切れない!!
で、
子どもたち籠絡されました。
海千山千の老人達かかれば、子供なんぞ即籠絡されてしまう。
これにはフクジン達もドーラもユータも呆れ果て、お手上げだった。
予想の斜め上を行かれてしまうのだから。
老人達が海に来て2週間ほど経った。
「まぁ、魔法で畑に虫がついたり鳥に荒らされないようにして来たから大丈夫だと思うが、」
「ああ、ちょっと開け過ぎかな、心配ってわけじゃないが、」
「おお、畑をみたいなぁ」
「みてないと、なんか物足りない」
と言い出す老人達。
そんなものなのか?
なので、帰るのか?と思いきや。
「半数が帰える。で、半月後、もう半分と入れ替わりにする。つまりだ、月の半分は向こうで、半分はこっちにいるってことだ。いいじゃろう?」
まぁ、こっちに慣れてくれるのは良いことだが、
なんだかなぁ?
良いようにあしらわれているのは何も子どもたちだけではなかった。
ドーラもユータもフクジン達も、このように老人達に良いようにあしらわれているのだ。
くっ、、老人、、侮りがたしっつ!!と悔しがるポーズをとるユータであった。
ただ、ハンカチの隅を噛み締めひっぱるのは違うと思う。
「あ、オレもやればよかった」ドーラ
「うん、そういう機会は逃しちゃ勿体無いよね!」ユータ
まだまだ言ってみたいお年頃なんだろう。
老人達はいつの間にか大正モダンなワンピース水着を手に入れて着ている(男)。女物は長袖。日焼けしないで良いらしい?
スイムキャップもかぶっていて、なんかもろ大正期のモボ・モガみたいである。
しかもいつの間にか身体強化使って水泳しているしビーチバレーとかどっから用意したのか、ちゃんとコート作ってやってるし。長い昔のサーフボードでぷかぷかしてる者もいる(波はほぼ無い)。
ただ、
老人達はなぜか人魚達を見ない。見ようともしないし、「あれなに?」とかの質問すらしない。
「老人って、自分がわからないものを無意識に見えないように、つまり存在しないことにしちゃうんだよね!」
と解説するのはユータ。
「へぇ?」ドーラ
「何?私達、いないことになってるの?」ワリディ(人魚国姫様)
いつの間にか側に来てアイスを食べているワリディ。
「セレーネは人間形態になってるからフツーに相手されてるぜ?」
ドーラが注文した焼きそばを運んできてくれたのはマッハだ。
「まぁ、そのおかげで筏が混雑しないでいつもどおりなので助かってるけどなー。これだけの老人の一部でも来られたら、人魚達の席が足りなくなる」マッハ
「そーだね、このままにしといたほうがいいね!」ユータ
「おう、いじらんでおこうな。そっとしとこう」ドーラ
皆頷く。うざくなるのは嫌だしw
前半組を連れてムータンに帰るドーラとユータ。居残り組はマッハとセレーネに頼んだ。ニヤも手伝いに来てくれてるんで大丈夫だろう。
前半組は老人28人位プラス子どもたち15人ほど。
ゲートのある島に転移させ、そこでゲートをくぐってムータン王国の王都に出る。
あっという間にムータンに着く。
「なんじゃ、こんな楽ちんだったっけ?」
「ほんに、あっというまですねぇ?」
「わし、数歩しか歩いておらんけど」
「あたしもですよじいさん」
「んじゃ、朝こっちに来て野良仕事して、夕方に向こうに帰るってんでいんでねーか?」
「おお!!おめーにしては名案じゃのう!」
「こりゃ大地震がおきるんでねーか?」
「いんや、地球最後の日が近いじゃ!」
・・・・だめじゃん?
「おやおや、そすたら、おら達みなあっちに逃げねばなぁ?」
んだんだ、という同意の声。
そっかー、地球最後かぁ、、滅びるんかぁ、、
ゴンスケチョカムッチが賢いこと言ったおかげで、、
とか老人達皆なんか納得し始めている。
????(ユータ、ドーラ)
うん、理解できるわけないよね?
何言ってんだろこのボケな人たち、って思うよね!
「んじゃ、皆のもの、引っ越し、じゃねー、避難の用意じゃ!」
おーっつ!!!と、全員一致の雄叫び
(じじぃばばぁども、頑固だからなんかの立派な大義名分なけりゃ、向こうへの転居などできなかったんだな?)
と、やっとわかったドーラ。
「ムータンでさえこうなんだから、・・・・・」ユータ
ああ、ユータの国の老人なんかとんでもねーだろうな?と、ユータの言葉が途切れたのを理解したドーラ。
で、
その日のうちに皆手荷物だけ持って集まってきて、島に戻った。
島に戻ってから残留組と前半組が話して「よし!その手があったか!!よううやった!!」って、なんか喜んでて
「ドーラ!わしら後半組は明日帰るからな!引っ越しの用意じゃ!!」
「おうワラージよ、引っ越しじゃかろうが?」
「あいや!しまった!ええと、、避難の準備じゃ!!」
どっちでもいいよ
んなこんなで2日で移転終わり。
海岸領の本土側に小さな街を作り、老人達はそこに住むことになった。
で、
「ムータン?あっちは旅行先じゃ!買い物やウインタースポーツ!料理にすいーつ!子どもたちを連れて行くんじゃ!!」
と、日本のある側の世界のムータンは、観光地になった。
なので、ムータン王様もやっとドラゴニアがある世界のほうの新ムータン王国に常駐できることになった。
どうにか、なった、のかな?
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