放課後はダンジョンに行って憂さ晴らしのつもりがいつの間にか学園最強になってたことに気が付かなかった

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第二百三十二話 ここの人

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「ああ、これ、ここの人」ユータ
ここの人ぉ?

「何?ユータ、何度か来ているの?」セレーネ
「・・・そうだね?どうだろ?そうなの?」
と、ユータは”ここの人”に訊く。

そのここの人は、顔も体もあり、人間のようでよく見えるのだけど、見えたそばから記憶から消えていくような感じで顔も体つきも纏ってるモノ、服?も覚えてられない。

「はじめまして皆さん。ここのモノです。このユータさんとは何度か会っています」
やはり、

「みなさんがここに来た、ということは、かなり親しいのですねユータさんと。」
どういうこと?

「ユータさんが心をゆるしてるからここに来られたのです」
・・・・

「ドーラさんとは一度会っていますね?」
「ごめんなさい、覚えてない」ドーラ
「仕方がないですよ、私はこんななので。」
見えるけど見た端から忘れてしまう=記憶に残らない、ということを言っているのだろう。

・・・・・・・・・・・・

皆黙り込んだ。何言って良いか・・・
ここの人も何も言わない

沈黙


「あ、そうですね。私から言わないと。
ついこの間初めてユータさんがここにきましてね。ひと、が来るなんて初めてだったので私もね、こともあろうことか驚いてしまいました。面白いですね驚くって。初めての体験でしたよ。
まぁそれはいいとして、

貴方方はユータさんに引っ張って来られたので今ここに居ることが出来ます。
ドーラさんとあなた(ダンマス)は、自力で来られる可能性はありますね。

何もないですよ。貴方方が感じたとおりのここです。

「ユータが、長く眠っていた時は、ここに居たということですか?」ダンマス

「そうですね。ここで私と話をしたり、遊んだりしてましたね。彼は何もないここにさえ興味を持つ。面白いですね。」
まぁ、な。と思う皆。

ここで息をしたりしてるだけで・・息?しているのか?
いや、全身から染み込んでくる感じというのだろうか、自分がなにかに漬けられてる?みたいな感じでもあり、空気の中で何か自分全体に染み込んでくるような感じでもあり・・なんだろう?

「ここは・・凄まじいですね」ダンマス
「流石ですね。ユータさんの親代わり、の方ですか。そうですね。ユータさんの保護がなければ厳しかったでしょう。というか来られませんけどね。」

「転移で使う亜空間とも違うな」ドーラ
「ああ、あれは普通の空間ですからね」ここの人

「ここにきた、ひと、は初めてなので、ここの名前もどうなのかも、ひとが認識するようになってないんですよ。ことばでの説明が用意されて無くってね。」

「それまでは?」
「ひと、より上?の存在のみでしたからね。概念なぞ必要なかったのです。」

そーゆーとこですか。と、ダンマスとドーラは納得。

マッハとセレーネは腕を組み合って、怖がっては居ないが、くっついている。不安ではあるのだろう。

あ、
ユータが起きそうだ
と皆が感じた。

「それではごきげんよう!」ここの人

ーー

朝。
マッハとセレーネが朝食の支度をしてくれて、ドーラとユータとダンマスが席に着いた。
5人で食事をもそもそ食べる。皆特に喋ろうとしない。

「あ、昨晩は面白かったね!皆が来るとは思わなかった!」ユータ

ここで、皆思い出す。
朝起きてからなんかもやもやがずっと溜まっていたのだ。皆自分の中のそれがなんだかわからなかった。

「それか!」マッハ
「それね!」セレーネ
「・・・」ダンマスとドーラ

「どしたの?」ユータ
「朝からなーんかおかしかったんだ。こう、なんだろう、もやもやっとしたものが胸の辺りにたまってて消えなくってさ!!」
「そうそう、気になるんだけどどうしようもないし、無視しようと思ってて・・・」セレーネ

「ユータ、あそこ、なんなんだ?」ドーラ
「え?しらない。あーんな感じなとこでしょ」
「私にもわかりませんでしたからね。でも、より高位の存在の来る場所、みたいなことを言っていましたね、あそこの人」

「ああ、なんかそんなこと言ってた。どういう意味なんだろう?」ドーラ
「我々の世界の高位ではないですね。魂が高位とか、そういったわけわからん類のものなのでしょう」ダンマス
なんとなくわかる皆。

「で、なんでユータが?」
と言ったドーラは、その言ったそばからなんとなくその理由が判った。

「そうか、もし俺達が似たような力を持ってても・・・」ドーラ
「ええ、多分あそこに逝く機会は得られなかった可能性が高いですね。あ、逝くではなく行くですね」ダンマス
あの場所は逝くの方でもいいかな?と思う一同。

「神、とは少し違う感じに思えたけど、なんでだかわらないけど・・」ドーラ
「私もそう感じました。ユータは、あそこの人を神だと感じましたか?」ダンマス

「えー・・・・・、案内人の人だと思ったけど、違う?」
ナイスだユータ。
「しっくりきましたね」
「おう、びっくりするくらい俺の感じがはまった」
マッハとセレーネも頷いている。

朝食は減っていない。

その後、ダンマスやドーラがユータにいろいろ、こう感じなかったか、あー感じなかったか、と質問してもあまり進展はなかった。理屈ではなく感覚でのみわかるしかないのがあの場所だったから。

マッハとセレーネも少し質問したが、否定された。
「普通の生活ってあるのかな?普通に幸せとか、あるのかな、あそこに」マッハ
「愛情とか生まれてくるかな?あそこで。」セレーネ
この2つは、ユータとは思えないほど、完全に否定された。「無いよ。」と。

ユータはその自分にも驚いたが、皆も驚いた。

「ユータ、あそこ、キライなんだ?」ドーラ
「・・・・わからない。好きでもないし、キライ・・でもない?そういうの、無いかな、あそこに対しては。多分、、」ユータ

多分、とユータは続けた。
「愛情とか、好きとか、キライとか、悲しいとか、嬉しいとか、そういうのって・・体があるから感じられることだとわかった。あそこで。なんか、そう感じた。
居たい場所ではないよあそこは。居ていい場所ではないよあそこ」

ほんの少ししか居なかったが、たしかにそう感じたかも知れない、と皆思い返した。

ユータが朝食をまた食べだしたので、皆も食べだした。

朝食後、マッハとセレーネは少し出勤を遅らせようと目配せで言い合う。
少しユータの様子を見てみたかった。なんかあっちに連れて行かれないか、と不安。

だが、その心配をよそに?
ユータはもう眠くはないらしいようで、

「ドーラ、海に逝って泳ごう!!」
「行く、だろ?ナニ逝こうとしてんだよ!!」
あーっはっはっはっは×2

2人は外に走っていった。

「大丈夫みたいですね。あなた達も安心して行ってきなさい」ダンマスがマッハとセレーネに。
「「はい!」」
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