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第二百三十七話 先生たち、ドラゴニアへ
しおりを挟むざざーん!!ざざざああーーーん!ざーん!
林のすぐ向こうから波の音が聞こえる。
足元は真っ白な砂。
転移門からぞろぞろ出てくる者達。
「いやー!これは!南洋だねっ!こんなとこなのか!いいねぇ」
「老後はこういうとこでのんびりしたいですねぇ」
「こっちには何日いる予定なんですか?」
「一ヶ月くらいいたいねぇ!」
など、全くビビっていない。
高校の職員室からムータン王国王都に転移させたときは、やはり幾分驚いていた。
え?え?え?みたいな感じで。
でも
「高校からここまで転移魔法で一瞬で来ました」
と説明すると、
「へぇ、便利だねぇ」という話になった。
事実である現象をまず受け入れる、という、かなりレベルの高い学者、それとか熟練の職人並の聡明さだろう。
再々先生たちを見直すユータとドーラ。
そしてすぐにゲートをくぐった。
「んじゃ全員来ましたねー?全員いますよねー?余したら大変なことになりますよー?いいですねー、街に転移しますー」ドーラ
シュン!!
あの時職員室に居た全員30人ほど。
今はドラゴニア王都王宮上空。
あれが小さいけど王宮。別に今はまだ困っていないのであの大きさでいい。
広がっている田畑はウチの国の田畑。この王都はぐるっと水路で囲まれているけど、魔獣からの防衛用。同時に水路は魚の養殖にも使っている。また、西に見える北側の水路は漁業用。もっと西にある大河から水を引いて、魚もはいってくるし、ほら、小さく船が見えるでしょ?あれが大河で魚を獲ってくる。
また、南の水路、でっかい船がいるでしょう?あれは南の海に向かうフェリー。
さて、
ひゅーん!と、全員を包み込んだバリアがダンジョン側の街の上空に。
ここが同盟国などに開放している街。悪意を持った者は入れないので安全。ここの田畑は同盟国に貸している。
商売も自由。税は無し。別名目での取り立てなどもなし。けんこーなんとかとかねんきんかんとかとかすいどーなんとかとかげすいなんとかとか全て無い。
周囲に森が見えるけど、あれらには獣、猛獣、魔獣が生息している。俺らの食う肉は基本それらの肉。美味いのが多い。
あ、ほら、冒険者が飛んでるでしょ?ここらの者達は大概魔法を使え、飛ぶことくらいまではできる。
うちの子どもたちも今は5歳位になれば飛べるようになっている者も少なくない。
など、ドーラは場所を変えどんどん説明していった。
ムータン王国の引っ越しの件まで言う。
別にバレてもいいのだ。
他の国を引っ越させるつもりは無い。
あそこは、ダンマスとムータン王の信頼関係の結果だったから。
地上に降り、ドラゴニアの食堂に入る。3箇所ある大食堂。数百人入るところ。
で、ミノのステーキを振る舞う。
で、王宮(屋敷)に行って、ガンダと校長を会わせる。
「この校長先生の学校で、ウチの子たちを勉強させてもらおうと思うんだ」と説明
「あ、ユータの高校!、いいトコだって言ってたよな。なるほど、決まったらどうしよう?俺がやる?」
「うん、もしガンダが忙しかったら誰かにまかせてもいいよ」
「様子見てそこは決めるわ」
「よろしく!」
「子どもたちのためだからな!」
「ガンだが行ってもいいんだぜ?」
「この仕事を誰かに変わってもらえたらな!」
あっはっはっは!
「ということで、よろしくお願いします校長先生!」ガンダ
「あ、ガンダはウチの宰相ね」ドーラ
その後、ガンダと校長の2人は少し話をしていた。
その後海岸領に行って人魚達との交易?を見せ、人魚王国の海中宿まで連れて行った。
そしてゲートの島に戻り、向こうのムータンに戻って、転移で高校に戻った。
「なんだー、泊まらなかったのかー」
「何泊かしたかったなー」
という声が大半。
「だがしかし、我々には授業があるのだよ」
と校長。
「ま、わかったよ。理事長に話してみる。結果は、どうやって知らせればいい?」
「・・・どうしよう?3日後くらいにまた来ます。けど、その前に決まったら心の中でドーラー!!って叫んでみてください。こっちの世界に居れば聞こえますから」
へぇー。おもしろいもんだねぇ。と呟く校長。
聡明さは無能な疑いを持たない。
学校から出て、ドーラとユータは駅前の蕎麦屋でそばを食べ、電車に乗ってユータの街に戻った。
たまには乗ってみたいのだ。
駅の向こう側の道場に向かって歩く2人。
あ、
「家。泊まる所、宿舎・・。」ユータ
「あー、そうだな。転移でムータンから通ってもいいよな。」ドーラ
そらそーか。
「でも、もしこっちに住みたいってなったら、学校に通える範囲に土地買って建物立てちゃおうぜ!」
「そーだね、ドラゴニア王国で買ちゃうのがいいね!」
「あっはっは!難癖付けられるだろうけどな!」
「もしそうなったらダンマス王国名で買えば?」
「そっちがいんじゃね?ビビって何もいわんだろ!」
あっはっはっはっ!!
道場到着。
3人ほど稽古してる。
ドーラを見て、「やった!」「らっきー!」と言っている。
多分頻繁に来ているのだろう。エライな!
ドーラは3人に1時間ほど稽古をつけてやる。それ以上はへばって動けなくなるのだ。
で、
休憩で干し肉を分け与える。
少しでもマソを多く得られるようにだ。
それから家に帰り、風呂に入って食事してアニメ見て寝た。
ふとんの中からユータが
「先生たち、あれは夢だった、とか思わないよねー?」
「あー?だいじょーぶだろー、写真や動画撮っていたし。」
あーそうだった。
早く良い返事がくればいいなー、と期待するユータだった。
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