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下−76 毎日が日曜日 イサム達 そして 天界も

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宿の食堂に戻ってきて隅の定位置に座って茶をすするイサム。
同テーブル斜向かいに座って一緒に茶をすするメフィ。
食堂は空いてる時間である。
最近は宿も食堂もほぼメギーとたらにまかせているメフィ。


「アラタもまだまだ脇が甘いよなー」イサム
「まぁ、、、誰に似たんでしょうかね」メフィ
・・・
「・・・・タカシ、だよ、な?、、、タカシ、、アラタのせんぱいだし、、、」イサム
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」メフィ

「あ、アラ、、、いや、殺されるからだめだ、、せっかくここまで来たのに面白いからってこんなつまらんことで殺られちゃたまらん」
「また、良からぬことを考えましたね?アラタを夜のお店に連れて行こうとか、、、?」メフィ
クッ、勘のいいやつ嫌いっ!!!

なんか、主様は自分で自分の頸を締めるのが好きなのだろうか?だからの10回?とかたまに思うメフィであった。


「ときに、銀翼と銀猿は?」
「今日は、、訓練してるんじゃあないですかね?あと2,3日続くはずですよ?」
流石メフィ、把握している!有能現場総責任者兼秘書筆頭だな!!

「面白そうなことならば大体おまかせくださいませ」メフィ
限定かよ

んじゃ、翔太とゴッツ、交代でアラタを鍛えてもらおうかな?
一ヶ月位で筋肉モリモリにさせてもらって、、、それを見た桜の反応を見てみたいからw
んで、俺はたまに覗いて遠くから攻撃かける、とw
まんべんなく避けられるようになったらおkとかー、かな?

魔力は、、ソニックビームw撃てるようになるくらい?
そーすりゃ、翔太のパチもんくらいいくだろうから、まぁ、そんでも他に勇者が生えても、、100人くらいなら一気に刈り取れるだろーし、、(除く変態クラス=タカシ級)。


勇者養成の青写真は、こーんな感じで作られる。
イサムはなんだかんだいいながら、天界の連中と似たようなもんなのだ。
天界を気に入った時点でそのくらい気づくべきだろう、イサムは。
だから延々繰り返させられるのだ。天界の神々に”わかりやすい”手駒なのだから!!
ど・う・る・い・♪


ーー


さて、
天界、使い回し勇者待機所。

ここでは下界ビジョンが大人気。
待機者は大体日がな一日それを見ている。

イサムは過去の日本のTV番組を好んでみていた。
その時代の番組はイサムの時代のよりはだいぶマシだし、イサムのあとの時代の番組なんか、くだらなすぎてどうしてこんなのをつくれるのか理解できなかったから。
漫画を読んでる時以外は、大概TVを見ていた。

当然、他の待機者たちも似たようなもんである。
最初に来た3回目あたりの勇者達は、天界が物珍しいので街に出るが、数日で飽きる。
「下界に降りている方が万倍おもしろいわな」
だそうだ。
「なんか、上品なスラムみたい」
と評価する者も少なくない。

一応神々の街なんですけどね。


で、
ここんとこずっと人気なのは、イサムの世界を映している番組だ。

イサムが、召喚者一派を根絶やしにし、勇者が召喚されたということを知っている者達をことごとく亡きものにした。
皆、目からウロコ、だった。「その手があったかっつ!!」だったのだ。

つまり、召喚された直後、その宮殿や教会全体を瞬時に燃やしてしまえば、あとはもう勇者は自由になれる。
数回転生勇者しているのであれば、即時全員抹殺し城を更地にするくらい容易だし、
そのくらい転生していれば剣も魔法もまず負け知らずになっている。なので生きていくのは難しくない、どころか、楽勝だろう。

イサムの世界の番組を見ている待機者達は、皆次の転生を楽しみに待っている。ワクテカしながら。

更にさらに!
魔人たちを手下にすることといい、冒険者たちをたぶらかして鍛え上げ、その世界ではほぼ負け知らずにして自分の代わりにこき使うことといい、
いつか自分を狙うかもしれない奴らを先手を打ってことごとく根絶やすことといい、
参考になることばかりなのだ。
攻略本どころではないのだ!!


しかも、それを、その番組を知っているのは、見ているのは、転生待機組だけではなかった。

天界の、ややまともな神々たちも、イサムの活躍が面白くてたまらない、といったところだった。

ただ、たまにイサムの世界の担当の神がわざとらしい横やりを入れたり、お約束を放り込んだりするのが「つまらない」。担当の神のセンスがそうとう無いんだろう。致命傷かもしれない。

なので、見ている神々は抗議の手紙を番組に出す。
ネガテイブな内容しか来ないので、イサム世界担当神はどんどん立場がなくなり、力が弱まる。
担当神のセンスが良ければ、放り込んだ問題がおもしろく、それを解決するイサムたちもおもしろくなるので、番組は更に人気出るはずなのだが、いかんせん現担当神はそういうことは無理。

その待機所がある神の街は、人間が神になった神達の街。
もとから神として湧いた神たちの街はその上にある。その街のトップ連中もイサムの番組を知っており、そのうえ気に入ってもいる。
なので、「せっかくおもしろいのに、担当変えろや!」と言い始めた。

さあ!どうする?担当神?おとなしく変えられてしまうのか?
一発大博打をかましてみるのか?

なんかおもしろいことしろや!!


今ココ。


ーー


んなこと思いもよらないイサムとかメフィ達。
メフィが知ったら怒髪天だろーな。

かといって、ありきたりの”敵キャラ、敵軍団登場”とかやった日にゃ、即打ち切り確定だ。
普通の新キャラ投入も、まず無意味だしw

そういった、誰でもできることなんぞやっちゃいけないのだ。今はもうやったら即斬られるとこにいるのだから。
しかも、担当替えの被害は担当本人だけではない。

担当替えされてしまうとめんどくさいかもしれないのだ、「ベースから、もっとこう、、あーしませんか?」とか殺られた日にゃ、もうイサム達この世界の者達全員に大迷惑だ!!
なので、担当神頑張れ!!
外人部隊とかに入って強烈な人生経験積んでこい!!
っても今は入隊したその日にそのままテロ組織におくられちゃうかwてへ!テロ♪

あ、あれだ、萱場昭彦みたいに、神がそのまま地上でひとにまじって、、、ってのは面白いかもな?
めんどくせーけど。
誰が?

だって流れがもう見えちゃったからつまんないから、進めてもめんどくさいだけじゃん?
めんどくさいと、ねんどくさい、って間違えやすいよね?



「何さっきからどっかでボケ老人の独り言みたいのがぶつぶつダダ漏れになって流れてきてるんでしょうかね?」
とメフィがなんか失礼なことを言っている。

「あ?ああ、、気にしたら負けだぞ?」
イサムは正しい。

「ハエの羽音みたいなもんだから」イサム
よけいだよ、、その余計な一言がなぁ


トントントン、、、
「たらちゃん、ごはんよろしくー」
タカシが厨房内に声を掛けてからイサムのテーブルの方に歩いてくるのがイサムの視界の隅に入った。

そういえばガッコウの助手連中、まだ楽しみ残ってたな(=見ていない助手達いたな)と思い出し、
「んじゃ、学校言ってくるから!」
「あ!ぬしさm・・・
シュン!と、メフィの言葉も聞かずに跳ぶイサム


ひゅー、、、からからから・・・・


土日は学校はおやすみです。

タカシが朝遅くに宿にいることで気がつくべきだったろう、、、相変わらず。
ケモミミ喫茶での教訓が全く活かされていないイサムであった。


曜日に関しては、基本毎日が日曜日なイサム一派。というか、毎日が平日でも同じか、、
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