【ありがとうございます!!底辺の壁突破!!】拉致放置?から始まる異世界?生活?【進めー!!モフ☆モフ!!】

uni

文字の大きさ
79 / 409

後−6 ノンストップおっさん少女の食い気

しおりを挟む

ここは本当に小さな街だ。
市場を中心に商店がある道が広がる。その範囲は、一日あればだいたい見て回れるほど。
その外部に、普通の家がポツポツ立ち並ぶ。その家々には畑がある。中央市場の朝の野菜売りは、ほとんどここらの者たちだという。
「魔獣や猛獣の防護柵も見えないけど、」とそこらの者に訊くと、いままで出たことは無いと。
出てもイノシシや鹿程度だとのこと。
魔獣は生息地域が限られているからわかるが、猛獣もそういうのがあるのだろうか。まぁあるんだろうなぁ。

少々標高が高いので、冬には雪が積もるという。そしたら馬車の車輪がソリに変わる。
山脈の南側なので、積もることは積もるが、日常生活が出来る程度の「ほどほどだぁな」だと。

冬があるのと、土地がいいので、麦はいいものが収穫される。肉類は森からも得られ、ほぼ自給自足が成り立っているとのこと。村の南の斜面には「茶畑もあるぞ?ここらの茶は香りが良くて国内でも人気だ」と。

また、北側ではヤギ、羊、牛、などが放牧されている。
乳、肉、毛皮、毛、が得られる。バター、チーズも自家製だと。
「だから、菓子類もうまいんだ」と自慢げな喫茶店の者たち。


特に秀でた何かがあるわけではない。
が、
彼らは、自分の街が自分達でしっかり立っている。自立できている、ということが自慢なのだ。
と、数日滞在して気がついた。


「おまえが来る前の小館村。自立と言えたかどうか、というほどの貧相な村だったと聞く。
確かに自分達で作ったもの、森や川から取ったものだけで生きてきたろう。だが、生きる歓びは当時の者たちは得ていたろうか?
そこだろ?」
と泉さん。

この街の者たちは、食べて生きるだけではなく、同時に生きる歓びをも自分たちで生み出しているのだ。
だから誇らしげに成る。無意識に。


ま、きのこのラザニアおいしいけどね。塩と胡椒だけの鹿の串焼き美味いけどね。他の街にもあった。多分多くの街と同じだろう。が、ここのはここの旨さがある。同じではない。
元の世界のことを出すのは嫌だが、、量産されたまがい物ではないのだ、ここのものは。
この世界には、量産されたまがい物はまだ無いのだ。そういう物を作る者はいないし、量産がはじまっても、それを買う者は限られるだろう。積極的に買う者はいないだろう。刑務所くらいか。軍隊も敬遠するだろう。待遇もそうだが、何より「うまい飯」の軍は人気なのだ。

あの峠の宿屋のように、あのジジのカレーのように、
同じ素材を使っても、丁寧に、考えて、素材を可能な限り活かして料理をする。
そうすれば、今までよりも倍もうまくなる。
それをあの峠の宿からはじまって、各地で見てきた。
やっとそれらにまともに気づいたのが今日ってことだ。

俺も、小館に帰ったら、皆とよく考えなければなー。


で、
こっちに居るときは、こっちの良さ、旨さを存分に味あわなければ罰が当たるってもんだ!


小さい街だが、なぜか喫茶店が多いのはほかも一緒。
いや、なぜか、じゃないんだけどね?農国人は菓子が大好き、ケーキが大好きだから、喫茶店が多いだけなんだけどね♪

で、今その喫茶店。クリームシチュー食い終わってケーキ食っている。抹茶とブルーベリーのケーキとブルーベリークリームシューと木苺とブルーベリーのパイを頼んだ泉さんと、草団子!があったのでそれと番茶を頼んだ俺。

あれ?
「ソー言えば、ちっさい村って見たこと無いですね?農国入ってから」
「アレだろ?雪が降るからだろ?」泉さん
???
「昔だよ。まだ今ほど寒さに対抗できない頃、人数が小さい集落だと、少し何か問題があっただけでも対処できないかったりするだろ?ネズミが大量発生とか、穀物カビた、とか、病気、とか、、冬は脚気になりゃすかったとかあったよな?」
「ああ、、、なるほど、、ある程度以上の集団に成ると、何か在っても存在継続出来る可能性が格段に高くなる、と。」
「ああ、ソレの最小限度が、この街程度なんじゃないかな?」泉さn
なるほどなー、、、
恐るべし”冬”っつ!!

「ま、春が一番難儀な季節なんだがな・・」
「え?」
「いや、俺、東北の出身でな、、雪崩は起きるわ、道はぐちゃぐちゃで荷馬車がダメだわ、、そーいった冬の後始末が終わるのが大体6月ころかなぁ、、一番嫌いだったwあはっはっはっは!」
凍え死ぬ冬より嫌われる春かよ、、、なんか冬のせいで不憫なやつ、、、

一応地雷覚悟で、、
「泉さんの故郷って、なんか甘いものあったんすか?」
「・・・食った覚えないな、、貧乏もいーとこだったからなぁ、、よく生きてたもんだよ、、、
あ、でも、なんか名物はあったという話を聞いたことがあったなぁ、、、なんだっけ?」
ごめんなさい、訊いてごめんなさい!!!

そうだよね、日本は近代まですっげーんだったんだよね、、60年台まで奴隷が合法だったアメリカより法制上はましだったけど、実体はおしんだったんだよね、、、おしんはまだマシな方だという話だけど、、

「だからな、わしは、あそこで死んで幸運だった。」
実感こもっているよなぁ、、、


こんな事言われちゃー、あの公爵への詫びもあるし、、泉さんの食い物には待ったをかけられないなぁ、、
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。

かの
ファンタジー
 孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。  ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり? 異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました! 完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

スマホアプリで衣食住確保の異世界スローライフ 〜面倒なことは避けたいのに怖いものなしのスライムと弱気なドラゴンと一緒だとそうもいかず〜

もーりんもも
ファンタジー
命より大事なスマホを拾おうとして命を落とした俺、武田義経。 ああ死んだと思った瞬間、俺はスマホの神様に祈った。スマホのために命を落としたんだから、お慈悲を! 目を開けると、俺は異世界に救世主として召喚されていた。それなのに俺のステータスは平均よりやや上といった程度。 スキル欄には見覚えのある虫眼鏡アイコンが。だが異世界人にはただの丸印に見えたらしい。 何やら漂う失望感。結局、救世主ではなく、ただの用無しと認定され、宮殿の使用人という身分に。 やれやれ。スキル欄の虫眼鏡をタップすると検索バーが出た。 「ご飯」と検索すると、見慣れたアプリがずらずらと! アプリがダウンロードできるんだ! ヤバくない? 不便な異世界だけど、楽してダラダラ生きていこう――そう思っていた矢先、命を狙われ国を出ることに。 ひょんなことから知り合った老婆のお陰でなんとか逃げ出したけど、気がつけば、いつの間にかスライムやらドラゴンやらに囲まれて、どんどん不本意な方向へ……。   2025/04/04-06 HOTランキング1位をいただきました! 応援ありがとうございます!

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~

うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」  これしかないと思った!   自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。  奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。  得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。  直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。  このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。  そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。  アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。  助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

【一秒クッキング】追放された転生人は最強スキルより食にしか興味がないようです~元婚約者と子犬と獣人族母娘との旅~

御峰。
ファンタジー
転生を果たした主人公ノアは剣士家系の子爵家三男として生まれる。 十歳に開花するはずの才能だが、ノアは生まれてすぐに才能【アプリ】を開花していた。 剣士家系の家に嫌気がさしていた主人公は、剣士系のアプリではなく【一秒クッキング】をインストールし、好きな食べ物を食べ歩くと決意する。 十歳に才能なしと判断され婚約破棄されたが、元婚約者セレナも才能【暴食】を開花させて、実家から煙たがれるようになった。 紆余曲折から二人は再び出会い、休息日を一緒に過ごすようになる。 十二歳になり成人となったノアは晴れて(?)実家から追放され家を出ることになった。 自由の身となったノアと家出元婚約者セレナと可愛らしい子犬は世界を歩き回りながら、美味しいご飯を食べまくる旅を始める。 その旅はやがて色んな国の色んな事件に巻き込まれるのだが、この物語はまだ始まったばかりだ。 ※ファンタジーカップ用に書き下ろし作品となります。アルファポリス優先投稿となっております。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

処理中です...