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後後217 他の妖精 手のひらの上
しおりを挟む意識を失ったケースを、、
泉さんに担がせるわけにはいかないし、、俺が担いて宿に戻る。
おっかさんとシューレは話し込みっぱなし。
ひとごときに入る隙きなしw
外は涼しく、おっさん担いでいても暑苦しくはない。
「丁度いい気候ですね」
「ああ、農国はこのくらいが一番だな」
2人は以前の農国の旅を思い出しながら無言で歩いた。
懐かしい感じ。それだけでも、2人にはなんか嬉しいのだ。
2人ともに、初めてのでかい冒険と言えたであろうあの長期間の、大陸全体を回る旅。
その後それ以上のものがあろうが、2人にとってあの旅は特別なモノなのだ。
と言っても、その後の旅は遠征のみで碌でもないことばかりであったが。
西の大陸は死の国であったし、東の大陸は「不味い」もんばかりで、、不味いもんは人心を荒廃させるものだ。
そういった意味では、その2つに行って、「自分たちはココの大陸に飛ばされて良かった」と心底思ったものだ。
異世界へ飛ばされた先が東の大陸や西の大陸だったら、と思うと、、、考えたくもなかった。
宿に着いたらまだ下の食堂が開いていた。ケースを部屋に寝かせ、下に降りる。
「もう終わりかい?」泉さんが厨房に声をかける。
「まだいいよ?酒かい?」
「悪いな、酒となんか肴ができたら、頼む。2人前で」
「わかった。」
俺らは席に着いた。
煙管を出して吹かす泉さん。
「・・・二週目、かな?」泉さん
「ですねぇ、、なんか、一周目が面白すぎたんで、、」
「だよなぁ、、」
こっちの世界に来てから、大体一周目が終わった、ということだ。
それは俺も感じていた。
俺らはできることをやっていた。
そしてそれらの中で安定するもの・こと、は、この世界に落ち着いた。
「俺の、、結婚が、、二週目突入の始まり、ってな感じですかね」
「まさにそうだなぁ」
「・・泉さん、頼みますね、俺の子どもたち」
「おま、、いや、わかった。」
泉さんは否定しようとした。自分が人外になってること、少なくとも寿命は人間とかけ離れてきてるんだろう、ということを少しは認識しており、今はそれを認めた。そして、先に寿命で消えていくガクの子どもたちを見守る役を引き受けてくれた。
なんだかんだ、親子、兄弟以上のなんかよくわからん強いつながりを2人はいつの間にか持っていたのだ。
ーー
昼過ぎに起きた。
いや、早朝に泉さんに起こされて鍛錬してからまた寝たので。
宿の親父が、ケース氏は商売に出かけたと言っていた。
あ、アノ人、そう言えば仕事に来てたんだなぁ、、と思い出す。
昼間自分のビジネスして、夜に俺らに付き合って夜中まで、、って、凄いね?
洗脳された社畜じゃなく、自分のビジネスだもんな。
と思ったら
「やあガクさん。」
と戻ってきた。
「あれ?お仕事終わったんですか?」
「ええ、早朝に行って終わらせてきました。あと夕方に一件あるだけです」
「ご苦労様です。なんか夜中まで引き釣りまわして申し訳なかったっす」
「いえいえ、好きで、というか、一生見ること聞くことができないことを見聞きできる機会をのがしてなるものですかっつ!!」
「流石自営ビジネスマン、、、」
あっはっはと笑い飛ばすケース。
「それはそうと、、なんか、昨晩、夢現で聞いたか夢か定かじゃなかったんですが、大精霊シューレ様が現れましたか?」
「ええ、来ましたね。」
「・・・・やはり、、で、あのレストランの主と?」
「ええ、同期だとか」
「ふむ、、夢ではなかったのか、、、」
「ですねー」
「それだけでも一生の自慢になりますよ」
そうなの?
「あそのこの娘のほう、ああいう精霊なら、結構居ますよ?」
「ほう?」
「美味しいお店の、特に夜開いている店の夜番の子なんか、大半がそうなんじゃないかなぁ?」
「?そうなんですか?」
「農国だけですよ?多分。美味しい、ってのが重要ですから。」
「では妖精がいる店は美味しい?」
「確実に!」
「ほほう!!良いこと聞いた」
?
「いえ、美味しい店を見つけて、夜番が居れば妖精がいるかも、ってんだから、美味しい店を先に見つけないと」
「あ、、ああ、そうかっ、、、」
妖精の美味しい店!とか、どっかの世界のいかがわしい嘘くせー公告みたいなんじゃないんだからw
おっさんが2人分の昼食を持ってきてくれた。いつの間にかケース氏も注文していた様子。
「なんだ、あんたら妖精見たのかい?」おっさん
「え?ご主人も見たのですか?」ケーズ
「いや、見たという話しが出ててな、なんかパタパタ空飛んでる妖精を2-3人?匹?見たという話があってな」
「・・・人、でお願いします、、」俺
「お?、おう、そうか、、2,3人な、」
他の店であの娘の方を見たのは、多分娘が妖精探しに駆り出されたのであろう、おっかさんに。
で、美味しいお店で、夜も開いている店に、あの後寄ってみて、妖精がいたら”思い出させて”たんだろう。そのときに一緒になって空とんだんじゃないかな?
と、おっさんが厨房に戻ってからケースに言ってみた。
「なるほど、、一気に妖精を自覚した者が増えたんですね」
・・・・・・・でも、それで?とか、、でしかないよな、、今は。
おっかさんになんか目論見あるのかな?
「今晩も俺らあの店に行きますけど、、」
「勿論ご一緒させてください!!」
どっぷりだなこのおっさん、、、
泉さんが起きてきた。
「おう、皆早いな!」
・・・・・・
ーー
仕事を終えたケース氏が帰ってきたので、外に行く。
「美味しくて、夜もやっている店、いろいろ聞いてきました!」ケース氏
流石である!
ケース氏の情報に従って行ってみる。
3軒あった。あのおっかさんの店以外で。
3軒目にしてやっと夜番の子が居た。丁度交代の時間だったようでメシクッているときに代わっていた。
「妖精さん?なんか食べたいものありますか?」
と、そのウエイトレスを呼んで、耳元で小声で訊く。
少しビクッとしたのは、妖精だと自覚しているからだろう。
「大丈夫、パスタ屋のおっかさんの知り合いだから」
と言うと安心したように息を吐き出した。
「んじゃー、このケーキとあのケーキとあのシューが食べたいです」
遠慮なしだな!!
で、席について食べ始めた妖精に訊くと、案の定昨晩に娘のほうがやってきて自分を妖精だと思い出させたとのこと。
で、そらを飛び回ったと。
それからあとの2軒について聞いたが、知らないと。
なので、そこで食べ終わったら、また、さっき夜番の子が居なかった店に戻る。
夜番の子に代わっていた。
同様にして妖精だと確認。2軒とも。
その後おっかさんの店に行く。
結構腹がくちくなった。
からんからんからん!!
「ちーっす!」
「いらっしゃーい!」娘の方
「今晩はおそかったねー」
と厨房から聞こえる。
「他の3軒にも寄ってきたからー」
「おや、早いねぇ、、あんたらは、、油断も隙きもあったもんじゃないね、料理はおまかせでいいのかい?」
「はい、それでお願いしますー。あとなんか合うお酒も少しお願いします」
「・・洋酒でいいかい?」
泉さんを見る
「おう、ダイジョブだぞ?」
「ケースさんは?」
「ええ、私も洋酒も好きですよ」
「んじゃ、洋酒でダイジョブです!」
「んじゃそれに合うものをつくってやるから」
俺らは期待して席に座る。
娘が水を持ってくる。
「君が他の店に居たのは、妖精探しだったんだね?」
と訊くと、、
「??・・・・、あ、あーあーあー、それもありましたね」
(食う方がメインだったんだな?)泉さん
(そうみたいっすね)
(・・・)
で、すぐに干し肉の炙り焼きと洋酒のお湯割りが出てきた。
両方香りがとてもよく、、、
乾杯し、一気にその一杯を飲んでしまった。
で、すぐに2杯めが出てきた。
「だろうと思って用意していた、ですって」娘
「もう俺らおっかさんの手のひらの上だな」
あっはっは!×4
やっぱそこらはシューレ並だったおっかさん。
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