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後後249 博子と薙刀とナノビッチ
しおりを挟む学園での授業中。
ジゴローとナノビッチは、後ろの壁際に席を置いて座って授業風景を見ている。勿論制服は着ていない。
学園の教師の授業を、華子と博子がどう受けるのだろうか?の観察だ。
今は数学の時間。特に頭を使い集中を必要とするはずなのだが・・
後ろから見てると、落ち着きの無さがよく判る。
博子は寝ているようだ。
数日は様子見して、どの授業がどうなのかを確認するつもりの治五郎とナノビッチ。
次の時間は武芸。
華子は元気になり、博子は鼻息荒い。
得物は薙刀の授業。
最初は型を一通りやって、そのご生徒どうして防具を着て打ち合う。
皆うまい。変に力を入れいる者はいない。薙刀は剣道と違って力任せはいけない。だから男が不得意とする武芸だ。
ナノビッチが知っている薙刀で最強の者は、ふわふわっとしていた。すり足さえ浮いているような、全身に全く力がないんんじゃないか?と思えるほど、だが体勢だけはきれいにまとまっていた。が、どうやって負けたのか今でも不明なくらいに翻弄された。
そこまで、というか、雰囲気さえそういう者は今ここには一人も居なかった。
ナノは教官に言って混ぜさせてもらった。
教官も生徒たちの中に入り、指導を始めた。
ナノは博子の前に行く。
博子は闘気を出してナノに斬りかかる。半歩で避ける。それにムカッとした博子は冷静になり、間合いを開け、中段に。
ほう、とナノは感心した。
ナノが浮くようなすり足で接近、博子は近づいているのに気が付かない。リアルなレベル差。
パン!
面を打たれるまで身動きしなかった、できなかった博子。
が、気を取り直して構え直した博子。
ほほう、とナノ。
次に横に移動するナノ。これならわかりやすいだろう、と。
博子はそれに追随して僅かに体を回す。が、すり足はごく一般的な練習生のそれ。
だが、
(コヤツには言わんほうがよいだろう。脳でわかるのではなく体でわかるタイプだ)ナノ
と思い、言葉での指導はしないナノ。
博子は集中は今まで無いほどに成っているから気づかなかったが、周囲の者達は打ち合いをやめ、ナノと博子を見ていた。物音一つたてずに。
今まで博子が打たれるなんて一度もなかったのだ。教官にさえも。
ナノが切っ先を僅かに振るう。挑発。
博子が乗って飛び出した。ナノは動く必要もなく、博子はなぜか放り投げられてナノの後方に飛んで行った。
「いて、てててて・・。ダメだ、全く勝てる気がしねー、イメージなんぞもありえねぇ」
とひっくり返ったままの博子。
見ていた者達は、まだできるんじゃね?としか思えなかったが、桁外れに強い博子がそういうのだ。そうなのだろう。
ナノは博子の側に行き
「ふむ、おまえ、素質はあるかもな」ナノ
・・・・
「まじか?あんたみたいに成れるのか?」
「それは知らん。お前の努力次第だろ?私はおまえには素質があるかも知れんと見ただけだ。あとはお前がその芽を出すことができるかどうか?だけだ。」
博子。この世界に来てはじめて目が変わった。
ちなみに、以前小館に居たときも泉に翻弄されていたのだが、泉は博子に合わせていたのでこれほどの差を見せてもらったことはなかった。泉にしてみれば子供相手だったということだ。
また、もし、泉が本気を見せていても、博子はその差を感じられなかったろう。全く理解できないで終わっていたことだろう。
差がありすぎるのだ。
見ていた華子もナノと博子の差に幾分気がついた。
勿論教師も。
ただ、教師は(これは子どもたちに指導するレベルとか違う。弟子に教えるタイプだ)と感じた。
こういうのを、1年以上遊ばしておいた学園長。そのことに気づく者はいなかったw
その件から、皆がナノビッチと治五郎を見る目が変わった。
なんだか知らない人が居る → すげー使い手の人たちなんだ?
近寄りがたさは同じだったが。
その後、ダンス、刺繍、生花、などでも一度だけはナノは参加した。ダンスは治五郎をパートナーとして。
全て桁外れの素晴らしいものだった。
博子はわかった。全て自分に見せつけたのだ、と。
あそこまでの使い手になるのは、このくらい出来なければ成れないものだ、と見せつけたのだ。
僅かにダンスだけだったが、治五郎もその力量のほんの一部を見せられ、彼も本物なんだろう、と皆は理解した。
学園長がこの2人を選んだのは間違いではなかった。1年以上放置していたのが大失敗だったが。
逆に困った者がいる。
華子だ。
今まで教わってきた教師達より格段に上の2人。彼等が華子専属の指導者になっているのだ、今現在。
「あそこまでなれと言うの?」
など勘違いしていた。
どうやって逃げようか?どこに逃げようか?
そういう方向にムカッてしまっている華子。
でもそれは博子を巻き込んでこそ可能な事。なので、
どうやって博子をそそのかすか?
に腐心していた。
ーー
王宮。華子の部屋。
博子もいる。
「博子、逃げない?どっか自由なところ!二人だけで自由に生きるの!!好きなことをやって生きるのよ!!」
料理も洗濯も掃除も仕事もなんにもできないのに、どうやって2人で?と突っ込んではいけない。
華子はまじでそう思っているのだ。
凄いよね?!!
「私は逃げない。あの人に追いつくまでしがみついていく」博子
「どうしたのよ博子?洗脳されちゃったの?あなたなら、あなたは面白おかしく生きて行きたいんでしょ?博子らしくもどりなさいよ!!」華子
「うーむ、なんと言っていんだろう?今までいなかった、なかった、というか、そんなのあるとも思えなかったものが現われて、私が素人の上の方だったと知ったのだ。プロにならなきゃいけないんだ。」
「まじめなんか博子に似合わないわよ!」
「まじめとかと違う。わたしの行くべき道?な、だけだと思う」
「どー違うのよ!」
「悪いね、でもケーキ屋とかカレー屋とか脳国レストランとか、ちゃんと付き合うからさ!」
「仕方ないわね、んじゃ、明日午後はカレー屋ね!」
「カツカレー食いたい」
「あーいいわねぇ、じゃ目玉焼きも乗せるわ私」
「んじゃ私はソーセージを載せよう」
「じゃ全部のせで」
「だなー」
物事は今まで無いようなシリアス展開に向かい始めた?
とても問題である!!
これはギャグなはずなのだぞ?
とっても困った問題だ!!
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