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後後271 そこそこ不毛な2日目
しおりを挟む翌朝は未明に起きた。この村から定期馬車が出ている。最近は毎日出るようになっているそうな。
以前は週に1-2本くらいだったはず。
朝飯もとらずに焦って停車場に行く。
席は余裕であった。
「どうせ途中で結構拾うんだ、満杯になる前に出るさ」
と言うチケット売りのおっさん。以前はチケット売りは居なかった。
馬車が2台いる。
「あれ?ここから北以外にも馬車あるの?」
チケット売りのおっちゃんに訊いてみた。
「おうあるぞ。南に出ている。これも毎日だ。領内の海側の街に行くんで、結構いいぞ。食い物やヒモノとか仕入れたりなー」
へぇ・・
「今度行ってみたいっすね?」
「なんなら今から行くか?」泉さん
「馬車、いつ出るの?空きある?」とおっさんに訊いてみる。
「おう、もうすぐ出る。北行きより早いんだ。なんせ今日中に往復してくるからな!席も余裕だぜ。」
「近いんだ?」
「半日で着くからな」
と行ってもまだ夜も明けきっていない。6時間くらい掛かるのだろう。
アニャータを見ると頷いてくれた。
「んじゃ行きますか?」
「おう!んじゃおっさん、南への席3つにしてくれ!」
2日目からもう予定外になりはじめました!!。
南への馬車は夜が明けてほどなく休憩のために茶屋の前に停車した。
朝食の時間でもあり、ここでも客を拾う。
丁度「はんぶんくらい来たところだねぇ」と御者。
この茶屋も多分にもれずに蕎麦らしい。みな蕎麦を注文していた。
アニャータも蕎麦は大丈夫。
ねこって人間の食べ物で食べてはいけないもの多い感じなのだが、ねこ獣人になると、食べ物はどっちかというと人間と一緒みたいになっている様子だ。ネギ系もアレルギーみたいになって駄目な者もいるが、なんともない者も多いという。
ちなみにアニャータは「今までだめだった食べ物無いです」と誇らしげ!
街道は昔ながら、とは少し違って、かなり固めてあり轍にならない。簡易モルタル?。更に中央側がゆるく盛り上がり雨水が両側に流れていくようにされてる。
領内路線だからか馬車はフツーの箱馬車。
話の通り昼には港町に着いた。
街は小さい。が、港はそこそこ。完全な漁師町のようだ。航路はない様子。そういう大きな船用桟橋は見えないから。
まずは美味いもの食おうぜ!という泉さんに当然従う!
海辺と垂直に伸びる大通り。と言っても荷馬車3台分くらいの道幅。それが1キロほど内陸の街道に突き当たる。
その両側は店やら商会、たまに宿と食堂。街道のちかくに野菜や肉の小さい市場があるそうだ。
「その付近の宿ならいんじゃないかな?」と、いろいろ訊ねてみた通りがかりのおっちゃん。
あと、「さしみ?港付近の食堂の方が幾分いいかも?ま、どこでも似たりよったりだ、この街ちっさいからねぇ」とも。
適当にぶらついて、客が多そうな食堂に入る。
刺し身と酒を頼む。ガクはみりん干しあるか訊くが、この街では作っていないとのことだった。
ちなみにねこの多くもみりん干し好きだったりする。
その後市場を見に行く。魚の市場とそれ以外のとで場所が別れている。
魚は水揚げあったその場でどんどん売れていく。
現代農家だったガクの実家。セリに連れてってもらったこともあるガクにしてみれば、朝だけ、というイメージがあった。
が、水揚げその場で、というのは極自然なことで最も効率的だな、と思い直した。
魚市場から肉野菜の市場に向かう時は裏通りを通ってみた。
あまり店がない。
が、
「やっぱ裏のほうが面白いな」泉さん
「うん、俺もそう思う」
アニャータもいろいろ見て楽しんでいる様子だ。
肉野菜市場に近くなった所に銭湯があった。でかい。裏路地にあるのは、大通りに面してる部分は商会や商店で占められてるからだろう。一般向け銭湯は、ガクが湯釜を開発した以降に広まったので、最近のことなのだ。
街が海の脇なので、ほぼ全員が毎日入りに来るのだろう。だから小さな街でもでかい銭湯なのかもしれない。
まだ歩くので夕方に入りに来よう、となった。
中央市場はちょい小さめ。この街の取扱の半分は魚なのかな?肉がそう多くないのだ。ここに住んでいれば、やはり日頃は安くて新鮮な魚の食べるだろう。
だからか、あまり活気があるという感じではなかった。
南部領のあのでかい港は魚市場と同じ敷地にあったのでそれなりの活気があった。
もしかしたらここも最初そうだったけど、魚市場が拡大して押し出されて別の名場所になってしまったのかも。
小腹が空いたと、その中央市場の隅の方にある食堂に入った。
?
「おばちゃん、この、ばーめん、って何?」
「黄色い麺だよ。汁はあっさりした塩味っぽい何かで、具は豚肉と菜っ葉ともやしとネギと豚の皮の揚げたやつをぱらぱらっとかけてね。誰にでも合う食べやすいもんだよ」
「んじゃおれそれね」
「俺もそれくれ」泉さん
「では私もそれください」
なぜみなそれっていうんだろ?
(ばーさんにならいいけど、おばちゃんに婆麺とは言いにくいだろ?)泉さん
(・・・バー麺です。)ガク
(まぎらわしいな?)
すぐ来た。
ずるずる
ちゅるちゆる・・
ぱくぱく
アニャータは一度レンゲの上に載せて食べるので、ちゅるちゅるすすらないで食べる。上品な
食べ方だなー。
「これー、南部諸国・・」
「おう、同じだな」
「なんだい、行ったことあるのかい?南に」
カウンターの前につったって見ていたおばちゃん。
「おう、南部諸国の飯、うまかったぞ」泉さん
「ええ、最初1週間くらい大変だったけど、それからはまぁどうにか」
あっはっはっは!だろうねぇ!
「んじゃ、もし要望あれば何でも作れるよ?あたしゃあっちの出身なんでね」
へぇ?
「おう、んじゃータムソムとナムトック?だったっけ?くれ。」泉さん
「おばちゃん、ムーサリム料理できるの?」
「カレーかい?」
「そう。」
「南部カレーでいいならできるけどね」
「んじゃそれください!アニャータは?辛いの大丈夫だっけ?」
「まぁ唐辛子くらいは一応。じゃ、私もカレーくださいそれと、ヤムは何ができます?海なのでプーでできますか?」
「へぇ、おもしろいね。んじゃ、ヤムタレーでいってみようか?」
「ええ、じゃそれでお願いします」
まったくわからん?
泉さんをみると、さっぱり?のポーズしてる。
「アニャータ?詳しく?」
「南部諸国に居た時、辛くて酸っぱくってさっぱりのサラダみたいのありませんでした?」
「「ああああった!」」
あれが一般的にヤムってよばれ、それに何を入れるかで、やむなんとか、になります。ぷー、というのはカニですね。
「ああ、たむそむにもカニ入れるやつあるな。俺は食わんけど。」
「そうですね、でもここは海なので海のカニいれるんで臭みあまりなく美味しいはずです」
厨房の中からたんたんたんたん、すり鉢でいろいろなものを叩き潰している音が聞こえている。
「あの音が聞こえると、南部の飯だな、って感じだなぁ」
「そうですねー、なんか懐かしい。」
「・・・このまま南から周るか?」
「で、厳冬期に農国入りっすか?。勘弁ねがいますっつ!」
「まぁ、そうなるか。」
美味かったので更に追加して、なんだかんだ夕飯分も食べてしまった。
その間にいろいろここらのことを訊いた。
「港以外特に何もない」とのこと。
西の大陸とかに行かないの?と訊いたが、
あっはっは!海を渡るほどの船なんかないわ!と笑われてしまう。
「典型的な海辺の田舎町の、ほんの少し賑やいだ所なだけさ。」
という。
旅してると言うと、
「・・・特に無いねぇ、、釣り好きかい?釣り好きな者なら、一週間とか滞在しているけど」
とのこと。
馬車はそのまま北上し、2日でゴラーテ(北山領)まで行くのがあるという。
「んじゃ、明日それに乗るか?」
「そーですねー。アニャータ、もっと居たい?魚とか食べる?」
「いえ、特に。皆さんが刺し身尽くししたいというのであれば。私は肉でも魚でもおいしく食べますので・・」
そいや、好き嫌いなしので何でも好きな子だったなー。
なので明日の馬車で北上することになった。2日でゴラーテ、距離を考えたら、街道が昔より整備されて走りやすくなっているんだろうな。
ゴラーテまで行けば、多分食生活に農国文化が見えるようになるだろう。期待できるかもなー。
で、
それから
「次いくぞ。刺し身つくしな!」
と、おばちゃんに訊いた刺し身の旨い店に行く。
「あ、風呂忘れてた・・」
「まぁいーだろ?旨い店いもの優先だ!」
どこの出張中年リーマン?
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