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第五章
学園生活2
「コックスさん、補講のお手伝いはしますから、一緒に――」
「レイン! それ以上嫉妬に狂ってヘンリエッタを侮辱するなら、俺にも考えがある」
「はあ」
レインは思わず呆けた声を出した。
この方は、何を言っているのかしら、と思ったのだ。
「なんだ、その反応は!」
「いえ」
「まったく……今なら許してやるから、早くヘンリエッタに謝るんだ」
オリバーが呆れたように言う。レインはいいえ、と首を横に振った。
ありもしない非を認めることなどできない。レインは正しいことをした。だから間違っていると謝れば、アンダーサン公爵家まで――ユリウスまで貶めることになってしまう。
レインは顔をあげ、きっぱりと言った。
「私は間違ったことをしておりません。したがって、謝る必要もございません」
「なんだと……!」
「ひどい!レイン様……!」
「ほかに言うことがないならこれで失礼します」
言って、レインは踵を返した。顔をあげたまま、顔を隠しても、それだけはきちんとしなければ。
そうしないと、泣いてしまう。それだけは――ユリウスの、アンダーサン公爵家の令嬢が、無様に泣くわけにはいかなかった。
けれど、そういうことはそれからも何度も続いた。
ヘンリエッタの持ち物が盗まれたときは、レインのせいになった。レインが取り巻きにやらせたのだと、噂になっていた。
おかしいわ、とレインは薄く、泣くように笑った。だって、孤立したレインには友人なんていないのに。
――汚い、赤い目。血みたいね。怖い。
ヘンリエッタの言葉だ。それでレインはますます委縮した。立っていることがやっとだった。
オリバーもレインをかばうことはなかった。
そればかりでなく、レインが睨んでヘンリエッタを泣かせたのだとまで言ってレインを詰った。
オリバーには、もう、最初に出会ったときのような熱はないらしかった。……それは、それでありがたかったけれど。
「レイン! それ以上嫉妬に狂ってヘンリエッタを侮辱するなら、俺にも考えがある」
「はあ」
レインは思わず呆けた声を出した。
この方は、何を言っているのかしら、と思ったのだ。
「なんだ、その反応は!」
「いえ」
「まったく……今なら許してやるから、早くヘンリエッタに謝るんだ」
オリバーが呆れたように言う。レインはいいえ、と首を横に振った。
ありもしない非を認めることなどできない。レインは正しいことをした。だから間違っていると謝れば、アンダーサン公爵家まで――ユリウスまで貶めることになってしまう。
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「私は間違ったことをしておりません。したがって、謝る必要もございません」
「なんだと……!」
「ひどい!レイン様……!」
「ほかに言うことがないならこれで失礼します」
言って、レインは踵を返した。顔をあげたまま、顔を隠しても、それだけはきちんとしなければ。
そうしないと、泣いてしまう。それだけは――ユリウスの、アンダーサン公爵家の令嬢が、無様に泣くわけにはいかなかった。
けれど、そういうことはそれからも何度も続いた。
ヘンリエッタの持ち物が盗まれたときは、レインのせいになった。レインが取り巻きにやらせたのだと、噂になっていた。
おかしいわ、とレインは薄く、泣くように笑った。だって、孤立したレインには友人なんていないのに。
――汚い、赤い目。血みたいね。怖い。
ヘンリエッタの言葉だ。それでレインはますます委縮した。立っていることがやっとだった。
オリバーもレインをかばうことはなかった。
そればかりでなく、レインが睨んでヘンリエッタを泣かせたのだとまで言ってレインを詰った。
オリバーには、もう、最初に出会ったときのような熱はないらしかった。……それは、それでありがたかったけれど。
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