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この日私は、とある上流貴族が開く夜会へ警備のため騎士として出席していた。
「なあ、ニーナはああいうドレスに憧れを抱いたりしないわけ?」
隣にいた同僚騎士のトマスが、小声で私に耳打ちしてくる。近くには美しいドレスに身を包んだ麗しい令嬢たちが、礼服に着飾った令息たちと優雅に談笑している。
「憧れ、ねぇ……なかったわけじゃないけど、今は全然ないかな。むしろ、動きにくそうとか思っちゃう」
「ああ、お前、それは女として終わってるね。俺は騎士としてのお前のこと好きだから別にいいけどさ」
「すみませんね、女として終わってて」
ベッと小さく舌を出すと、トマスはくすくすと笑っている。そんな時、どこからともなく黄色い歓声が聞こえてくる。
「何?」
驚いて声のする方を見ると、人だかりができてる。一体どうしたのだろうかと目を凝らしてみると、人だかりの真ん中に見慣れた顔があった。
「ガイアだ」
「ああ、お前の専属魔術医務官の?すげぇな、令嬢に囲まれてるじゃん」
いつもの白衣姿とは違い、今日はきちんと礼服に身を包んでいる。元々イケメンで背も高く、国の機関で働く魔術医務官だ。イケメンエリートを令嬢たちが見逃すはずがない。たくさんの令嬢に囲まれたガイアは、ものすごく困った顔をしている。
(ああ、可愛そう)
ぼんやりそんなことを思っていると、ガイアがこちらに顔を向ける。あ、目が合った。え、なんだろう、すごく嬉しそうに笑ってる、なんで?
そう思っていたら、どんどんガイアがこちらに向かってきて、いつの間にか目の前に来ていた。もちろん、取り巻きの令嬢たちも当然のようにガイアにくっついて来ている。
「ニーナ!来てたのか!」
「ガイアも来てたのね。随分めかしこんでる」
「ああ、別に来たくなかったんだけど……そんなことより、えっと、同僚のトマス君だっけ?ニーナのこと、ちょっと借りてもいいかな?」
「へ?あ、ああどうぞ?」
借りてくって、どこに?疑問に思っていると、ガイアは私の手を取って歩き出した。近くにいた令嬢たちが小さく悲鳴をあげる。
「ガイア様、どちらに行かれるのですか!?」
「ああ、仕事仲間にあったから、ちょっと仕事の話をしに行ってきます」
「仕事って……ああ、騎士の方?令嬢なのにそんな姿で夜会に似つかわしくないし、ガイア様にも似合いませんわね」
令嬢の一人がツンとした顔で言ってくる。はーい、わかってますよ、そんなこと。ガイアと一緒にいるだけでこんなことを言われてしまうのだ、女のやっかみってめんどくさいな、なんて思っていたら。
「ニーナは騎士として命をかけてこの国を守っている。今日だって、この場所を騎士としてきちんと守っているんだ。そんな相手に、よくもそんなことが言えますね」
うわ、ガイア、もしかして怒ってる?ものすごいドスの効いた低音だし、ものすごい形相で令嬢を睨みつけている。ガイアのあまりの様子に、令嬢は青ざめて何も言えなくなった。
「行こうか、ニーナ」
「え?ええ」
「なあ、ニーナはああいうドレスに憧れを抱いたりしないわけ?」
隣にいた同僚騎士のトマスが、小声で私に耳打ちしてくる。近くには美しいドレスに身を包んだ麗しい令嬢たちが、礼服に着飾った令息たちと優雅に談笑している。
「憧れ、ねぇ……なかったわけじゃないけど、今は全然ないかな。むしろ、動きにくそうとか思っちゃう」
「ああ、お前、それは女として終わってるね。俺は騎士としてのお前のこと好きだから別にいいけどさ」
「すみませんね、女として終わってて」
ベッと小さく舌を出すと、トマスはくすくすと笑っている。そんな時、どこからともなく黄色い歓声が聞こえてくる。
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驚いて声のする方を見ると、人だかりができてる。一体どうしたのだろうかと目を凝らしてみると、人だかりの真ん中に見慣れた顔があった。
「ガイアだ」
「ああ、お前の専属魔術医務官の?すげぇな、令嬢に囲まれてるじゃん」
いつもの白衣姿とは違い、今日はきちんと礼服に身を包んでいる。元々イケメンで背も高く、国の機関で働く魔術医務官だ。イケメンエリートを令嬢たちが見逃すはずがない。たくさんの令嬢に囲まれたガイアは、ものすごく困った顔をしている。
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「ああ、別に来たくなかったんだけど……そんなことより、えっと、同僚のトマス君だっけ?ニーナのこと、ちょっと借りてもいいかな?」
「へ?あ、ああどうぞ?」
借りてくって、どこに?疑問に思っていると、ガイアは私の手を取って歩き出した。近くにいた令嬢たちが小さく悲鳴をあげる。
「ガイア様、どちらに行かれるのですか!?」
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「仕事って……ああ、騎士の方?令嬢なのにそんな姿で夜会に似つかわしくないし、ガイア様にも似合いませんわね」
令嬢の一人がツンとした顔で言ってくる。はーい、わかってますよ、そんなこと。ガイアと一緒にいるだけでこんなことを言われてしまうのだ、女のやっかみってめんどくさいな、なんて思っていたら。
「ニーナは騎士として命をかけてこの国を守っている。今日だって、この場所を騎士としてきちんと守っているんだ。そんな相手に、よくもそんなことが言えますね」
うわ、ガイア、もしかして怒ってる?ものすごいドスの効いた低音だし、ものすごい形相で令嬢を睨みつけている。ガイアのあまりの様子に、令嬢は青ざめて何も言えなくなった。
「行こうか、ニーナ」
「え?ええ」
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