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10 結ばれる心
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「ヴィア、私はあなたを助けたい」
静かに、強い意志のこもった声でフィオナはヴィアに告げた。フィオナの言葉にヴィアは驚き、動揺している。
「だめだ、君は男に触れられたら苦しくなるだろう。フィオナに辛い思いをさせてまで俺は自分が助かりたいとは思わない。フィオナの辛く苦しむ姿を俺は見たくないんだ」
「だめじゃない、私はあなたを助けたいの。このまま何もしないで、あなたが毒に蝕まれていく方がよっぽど辛いわ、そしてもしあなたがこの世からいなくなってしまったら、私はもっと苦しくなる」
自分の胸を押さえて必死に訴えかけるフィオナを見て、ヴィアは困惑するしかなかった。
「だからと言って、君が俺を受け入れられるわけじゃないだろう。それに、呪いは愛する人と心から愛し合うことでしか解けない。フィオナは俺を好ましく思ってくれているかもしれないが、愛しているわけではないだろう」
悲しげに少し微笑みながらヴィアは言う。ヴィアの言葉に、フィオナの胸はギュッと押し潰されそうになっていた。
(愛していない?本当に?だとしたら私のヴィアに対するこの気持ちは一体なんだっていうの?)
「……わからない、わからないの。でも、私はあなたを助けたい。あなたのためならきっとなんだってできる。もし可能性があるのなら、私はその可能性に賭けたいのよ、ヴィア」
フィオナはキラキラとした瞳で見つめそう訴えかけてくる。愛する相手からひたむきにそんなことを言われて、気持ちを抑えられる男なんて果たしているのだろうか。
そっと、ヴィアはフィオナの頬に手を伸ばす。いつものように、頬には触れずすぐそばでその手は止まった。
「本当に、いいのか?」
ヴィアの問いに、フィオナは静かに微笑んで頷いた。それが合図になったかのように、ヴィアの手がゆっくりとフィオナの頬に触れる。ヴィアの手の感触がフィオナの頬に伝わってくるが、フィオナは嫌悪感もなく、吐き気もめまいも起こらなかった。ただ、心臓だけはバクバクとうるさく鳴り響き、顔に熱が集中していく。
(ヴィアの手は暖かいのね。それに私に気を遣ってくれているのがわかる。本当に優しい人)
フィオナが苦しそうになっていないのを確認して、ヴィアは内心ホッとしていた。そして、そのことがヴィアの心を軽くしていく。もしかしたら自分は、自分だけはフィオナに受け入れられているのかもしれない。そう思うと、ヴィアの全身に血がどくどくと流れ始めていった。
ゆっくりと静かに、ヴィアの顔がフィオナの顔に近づいていく。今にも触れてしまいそうな距離にヴィアの顔があるのに、フィオナは全く嫌な気持ちがしなかった。そっと、静かにヴィアの唇がフィオナの唇に触れる。
(柔らかくて、暖かい……)
そっと唇が離れ、ヴィアがフィオナの顔を確認すると、ヴィアは一瞬目を見開いてからすぐにまた唇を重ねた。ゆっくりと、何度も何度も唇を重ねる。時折、小鳥が啄むように優しくフィオナの唇を食む。そうして、いつの間にかヴィアの舌がフィオナの口内に侵入していた。
不思議な感覚がフィオナを襲う。だが、決して嫌な気持ちにはならない。やっぱり自分はヴィアのことを好きなのではないかとぼんやり思っていると、唇が離れヴィアの瞳がフィオナの瞳を覗き込んだ。ヴィアの瞳に映り込んだ自分の蕩けた顔に、フィオナはぼんやりとしながらも驚く。
蕩けた顔で見つめてくるフィオナの体を抱き抱え、ヴィアは自分のベッドにゆっくりとフィオナを下ろした。
「辛くなったり、苦しくなったら言ってくれ。すぐに止めるから」
不安そうで心配そうな顔をしながらも、瞳の奥にはチラチラと熱い欲望が渦巻いている。そんなヴィアを見てもフィオナは嫌な気持ちがしないし、むしろなぜか体が疼くのを感じていた。
「大丈夫、ヴィアになら何をされても大丈夫ってわかったから。あなたの毒を消せるなら私は嬉しい。だから、ヴィアの好きにして」
顔を赤らめ潤んだ瞳でそう言われてしまったら、ヴィアの理性も限界だった。ぷつり、と脳内で何かが切れた音がする。そうして、ヴィアはフィオナを思う存分抱き潰した。
◇
(あ、れ……?私、寝てた?)
瞼を開けると、目の前にはヴィアが寝息を立てて寝ている。この美しい男にさっきまで言葉にできないようなことをされていたのだと思い出してフィオナの顔は一気に赤くなった。
「ん……フィオナ……?起きてたのか」
ヴィアの瞼がゆっくりと開いて、綺麗な琥珀色の瞳がフィオナを見つめる。
「今目が覚めたところよ」
「体は、大丈夫か?」
ヴィアは上半身を起こして心配そうに尋ねる。確かに気だるさやあちこち痛い気がするが、苦しさや辛さはどこにもない。
「私は大丈夫。そんなことよりヴィアは……」
そう言ってから、ヴィアの右肩の痣が無くなっていることに気がつく。ヴィアも自分の体の状態に気がついて、フィオナに抱きついた。
「フィオナ!痣が無くなっている!毒が消えたんだ!……って、すまない、急に抱きついてしまった」
慌てて離れると、顔を真っ赤にしたフィオナがいる。ヴィアは思わず片手で口元を覆って顔を赤らめた。
「痣が消えたってことは、フィオナも俺を愛してくれていたってことだよな」
嬉しくて思わず笑みが溢れてしまうヴィアに、フィオナも嬉しくなってそっと抱きついた。
「そうみたい。私、あなたをずっと愛していたんだわ」
ヴィアを抱きしめながら嬉しそうにフィオナが言う。その言葉を聞いて、ヴィアはどうしようもなくなっていた。
「フィオナ、今度は毒を消すためではなく、純粋に愛し合いたい」
そう言って、フィオナの顔を覗き込む。その顔はとてつもない色気を纏っていてフィオナはクラクラしそうになる。
(そんな顔でそんなこと言うなんて、ヴィアはずるい)
顔を赤らめながら静かに頷くフィオナに、ヴィアは嬉しそうに口付けた。
静かに、強い意志のこもった声でフィオナはヴィアに告げた。フィオナの言葉にヴィアは驚き、動揺している。
「だめだ、君は男に触れられたら苦しくなるだろう。フィオナに辛い思いをさせてまで俺は自分が助かりたいとは思わない。フィオナの辛く苦しむ姿を俺は見たくないんだ」
「だめじゃない、私はあなたを助けたいの。このまま何もしないで、あなたが毒に蝕まれていく方がよっぽど辛いわ、そしてもしあなたがこの世からいなくなってしまったら、私はもっと苦しくなる」
自分の胸を押さえて必死に訴えかけるフィオナを見て、ヴィアは困惑するしかなかった。
「だからと言って、君が俺を受け入れられるわけじゃないだろう。それに、呪いは愛する人と心から愛し合うことでしか解けない。フィオナは俺を好ましく思ってくれているかもしれないが、愛しているわけではないだろう」
悲しげに少し微笑みながらヴィアは言う。ヴィアの言葉に、フィオナの胸はギュッと押し潰されそうになっていた。
(愛していない?本当に?だとしたら私のヴィアに対するこの気持ちは一体なんだっていうの?)
「……わからない、わからないの。でも、私はあなたを助けたい。あなたのためならきっとなんだってできる。もし可能性があるのなら、私はその可能性に賭けたいのよ、ヴィア」
フィオナはキラキラとした瞳で見つめそう訴えかけてくる。愛する相手からひたむきにそんなことを言われて、気持ちを抑えられる男なんて果たしているのだろうか。
そっと、ヴィアはフィオナの頬に手を伸ばす。いつものように、頬には触れずすぐそばでその手は止まった。
「本当に、いいのか?」
ヴィアの問いに、フィオナは静かに微笑んで頷いた。それが合図になったかのように、ヴィアの手がゆっくりとフィオナの頬に触れる。ヴィアの手の感触がフィオナの頬に伝わってくるが、フィオナは嫌悪感もなく、吐き気もめまいも起こらなかった。ただ、心臓だけはバクバクとうるさく鳴り響き、顔に熱が集中していく。
(ヴィアの手は暖かいのね。それに私に気を遣ってくれているのがわかる。本当に優しい人)
フィオナが苦しそうになっていないのを確認して、ヴィアは内心ホッとしていた。そして、そのことがヴィアの心を軽くしていく。もしかしたら自分は、自分だけはフィオナに受け入れられているのかもしれない。そう思うと、ヴィアの全身に血がどくどくと流れ始めていった。
ゆっくりと静かに、ヴィアの顔がフィオナの顔に近づいていく。今にも触れてしまいそうな距離にヴィアの顔があるのに、フィオナは全く嫌な気持ちがしなかった。そっと、静かにヴィアの唇がフィオナの唇に触れる。
(柔らかくて、暖かい……)
そっと唇が離れ、ヴィアがフィオナの顔を確認すると、ヴィアは一瞬目を見開いてからすぐにまた唇を重ねた。ゆっくりと、何度も何度も唇を重ねる。時折、小鳥が啄むように優しくフィオナの唇を食む。そうして、いつの間にかヴィアの舌がフィオナの口内に侵入していた。
不思議な感覚がフィオナを襲う。だが、決して嫌な気持ちにはならない。やっぱり自分はヴィアのことを好きなのではないかとぼんやり思っていると、唇が離れヴィアの瞳がフィオナの瞳を覗き込んだ。ヴィアの瞳に映り込んだ自分の蕩けた顔に、フィオナはぼんやりとしながらも驚く。
蕩けた顔で見つめてくるフィオナの体を抱き抱え、ヴィアは自分のベッドにゆっくりとフィオナを下ろした。
「辛くなったり、苦しくなったら言ってくれ。すぐに止めるから」
不安そうで心配そうな顔をしながらも、瞳の奥にはチラチラと熱い欲望が渦巻いている。そんなヴィアを見てもフィオナは嫌な気持ちがしないし、むしろなぜか体が疼くのを感じていた。
「大丈夫、ヴィアになら何をされても大丈夫ってわかったから。あなたの毒を消せるなら私は嬉しい。だから、ヴィアの好きにして」
顔を赤らめ潤んだ瞳でそう言われてしまったら、ヴィアの理性も限界だった。ぷつり、と脳内で何かが切れた音がする。そうして、ヴィアはフィオナを思う存分抱き潰した。
◇
(あ、れ……?私、寝てた?)
瞼を開けると、目の前にはヴィアが寝息を立てて寝ている。この美しい男にさっきまで言葉にできないようなことをされていたのだと思い出してフィオナの顔は一気に赤くなった。
「ん……フィオナ……?起きてたのか」
ヴィアの瞼がゆっくりと開いて、綺麗な琥珀色の瞳がフィオナを見つめる。
「今目が覚めたところよ」
「体は、大丈夫か?」
ヴィアは上半身を起こして心配そうに尋ねる。確かに気だるさやあちこち痛い気がするが、苦しさや辛さはどこにもない。
「私は大丈夫。そんなことよりヴィアは……」
そう言ってから、ヴィアの右肩の痣が無くなっていることに気がつく。ヴィアも自分の体の状態に気がついて、フィオナに抱きついた。
「フィオナ!痣が無くなっている!毒が消えたんだ!……って、すまない、急に抱きついてしまった」
慌てて離れると、顔を真っ赤にしたフィオナがいる。ヴィアは思わず片手で口元を覆って顔を赤らめた。
「痣が消えたってことは、フィオナも俺を愛してくれていたってことだよな」
嬉しくて思わず笑みが溢れてしまうヴィアに、フィオナも嬉しくなってそっと抱きついた。
「そうみたい。私、あなたをずっと愛していたんだわ」
ヴィアを抱きしめながら嬉しそうにフィオナが言う。その言葉を聞いて、ヴィアはどうしようもなくなっていた。
「フィオナ、今度は毒を消すためではなく、純粋に愛し合いたい」
そう言って、フィオナの顔を覗き込む。その顔はとてつもない色気を纏っていてフィオナはクラクラしそうになる。
(そんな顔でそんなこと言うなんて、ヴィアはずるい)
顔を赤らめながら静かに頷くフィオナに、ヴィアは嬉しそうに口付けた。
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