追放された元聖女は、イケメン騎士団の寮母になる

腐ったバナナ

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6話

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 街から戻ったリーリアは、ゼノンに購入した品々を報告するため、彼の部屋を訪れた。彼は黙って報告書に目を通し、満足そうに頷く。

「…感謝する」

 その言葉に、リーリアは胸が熱くなった。すると、ゼノンは一転して真剣な顔つきになり、私を見つめた。

「…お前は、なぜ我々を助ける? 見返りも何もない、ただの厄介者なのに」

 リーリアは、ルシアンから聞いた話を思い出しながら答えた。

「あなたたちが、何かを守るために戦っていると知ったからです。だから、私はその戦いを支えたいのです」

 リーリアの言葉を聞いたゼノンは、静かに目を閉じた。そして、ゆっくりと重い口を開いた。

「…我々は、元は王都の第一騎士団だった。だが、ある日、王子の命を受けて、とある村を襲撃した。そこは、王家の敵対勢力が潜伏していると、報告されていた」

 ゼノンの口から語られる事実に、リーリアは息をのんだ。

「だが、そこには武器を持たない、ただの村人しかいなかった。…我々は、無実の村人を、何人も…殺してしまった」

 その話は、リーリアの記憶にある、ある事件と重なった。

 それは、リーリアが聖女として、初めて遠出の巡礼を行った際に耳にした、不穏な噂だった。

 王家の敵対勢力はすでに捕らえられていたにもかかわらず、その村が襲撃されたという、奇妙な話。だが、当時の彼女は、王家を疑うことなどできず、その噂をすぐに忘れてしまった。

「私たちは、王子の命令を信じた。だが、それは罠だった。王子の真の目的は、敵対勢力の力を完全に削ぐことだったのだ。真実を知り、王子に抗議した我々は、『はぐれ者』として、ここに追いやられた」

 ゼノンの声には、深い後悔と、怒りが宿っていた。彼らは、王子の正義のために戦ったのではない。王子の欺瞞によって、罪を背負わされたのだ。

「…彼らが、聖女の癒しの力があれば、救われた命だったのだろうか…」

 ゼノンはそう呟くと、自嘲するように笑った。

 リーリアは、その言葉に胸を締め付けられる思いだった。あの時、聖女として、その噂を深く追及していれば、この悲劇は防げたのかもしれない。

「私は…何も知らなかった」

 リーリアは、聖女だった頃の自分を恥じた。ただ王家の言うことを信じ、何も疑わずに生きてきた自分。

「だからこそ、今、この場所で、あなたたちの力になりたいのです」

 リーリアの目に、強い光が宿る。それは、聖女としての使命感ではなく、一人の人間としての、純粋な決意だった。
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