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3.本当に醜いのは…
しおりを挟む私が了承すると、
普段仕事を全くしない義母と妹の2人が、この時ばかりは早く行動を起こした。
まず妹は2週間ほど家に引き篭り、病気にかかり寝込んでいると噂をばら撒いた。
義母は、アイロワニー伯爵の元へジュリーが病にかかってしまった為このまま婚約関係を続ける事が難しくなり、代わりに姉である私と婚約して欲しいと記した文を出した。
……父はやけに私のご機嫌を取るようになっただけであった。
文を出してから数日後に伯爵家から返信があった。
そこには、
"そちらの状況は分かりました。改めて一度、フレミア嬢と顔を合わせて話せないか"
と記されており、本日ラウル様の遣いが迎えにくると書いてある日となった。
身支度をして、執事のオディロンと侍女のリアーナとラウル様の遣いを待っていると、(仮)病で寝込んでいるはずの妹ジュリーがニヤニヤした何とも嫌らしい笑みを浮かべて私に近付いてきた。
「あら、フレミアお姉様。そんな素敵な格好をしてどうしたのかしらぁ?」
「何を白々しい。今日はラウル様と顔合わせの日よ。貴女の無礼を詫びてくるのよ」
「あっ!そうでした!ラウル様には、私が泣く泣くお姉様に婚約者の座を譲ったと言っておいてくださいねっ!恨みを買って復讐なんてされたら大変だもの」
…何をぬけぬけと…。
思わず言い返してしまいそうになった
その時、タイミング良く外から馬車の音が聞こえてきた。
ジュリーと話している程無駄な時間は無い。
そう思い無視をして立ち上がり、外へ向かおうと歩み出した時、私の背中に向かって妹が続けた。
「あら、もう行かれるのね。あぁ、あんな醜い化け物のような人の妻になるなんて本当に可哀想…。でも、お姉様にぴったりだわ」
荷物を持つ執事のオディロンの眉毛がピクリと動き、侍女リアーナは思わず振り返った。
(2人とも…だめよ。)
妹の後ろには義母がついている。父は義母の言いなりだ。妹の怒りを買えば妹が2人をクビにする事など容易い事だろう。
そう思い、2人に目配せをする。
(少なくとも貴女の心よりも醜い物は無いと思うわ)
そう心の中で呟いて、その場を後にするのだった。
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