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13.皆との別れ?
「さぁ!フレミア様!完璧ですわ!そろそろラウル様のお迎えも来る時間です。行きましょう」
そう言って、数名の侍女が私の荷物を持ちロビーへ向かう。
(あら…こんなに荷物って多かったかしら…)
ロビーへ行くと、義母と父と妹と使用人が集まっていた。
さすがに、伯爵家の迎えが来た時に誰も見送りがいないと体裁が悪いと分かっているのだろう。
「フレミア、その、なんかすまないな、身体には気をつけて…」
父は気まずいのか私の目を見ずに挨拶をする。
「はい、お父様こそ…」
「あぁやっとね!この日が待ち遠しかったわ!もう戻って来ないように」
義母はやけに上機嫌だ。
着ている物もいつもより華やかで、アクセサリーもとても良い物をつけている。
それを見て嫌な予感がする。
「お義母様…その宝石達はどうしたのでしょうか…」
「侯爵家を出て行く貴女には関係無いでしょう?っと…まあ、教えてあげても良いかしら…ねぇ、ジュリー?」
見ると、ジュリーも派手な装いをしている。
「アボン様が送ってくださったのよ!羨ましいでしょう?お姉様はこんな素敵な宝石なんて貰えないでしょうけど!!それと、私も帳簿を見たけれど、お姉様ったら経営がお下手だわ!もっと搾り取れる所はいっぱいありましてよ」
2人の言葉に思わず目眩がする。
ワルヤーク伯爵家は経営難だと聞いているのに、このような宝石を婚約者でもなんでも無い女性に簡単に送れるとは思わない。
それに……お金はどこから搾り取ったというのだろうか……。
その時、外から馬車の音が聞こえてきた。
「フレミア様、お迎えですわ」
いよいよ、ここを出る時が来た。
使用人の皆に別れを言わなければ…
ん?
別れを………??
言おうと思ったら、皆の立ち位置がおかしい。
見送りされる立場なら向かい合っているはずだが、皆私の隣に並んでいる。
私と向かい合って立っているのは、義母、父、妹とここ5年以内に義母が雇った数人の使用人と執事オディロンだけ。
その他大勢の使用人はこちら側に立っている。
私が困惑していると隣に立つリアーナが義母達に、深々と頭を下げた。
そして、
「それでは侯爵様、お世話になりました!私達は今日限りで退職させて頂きます」
そう挨拶をして、ゾロゾロと荷物を抱えて出て行こうとする。
「ま!待ちなさい貴女達!!!」
「何か」
リアーナが氷ほど冷たい目で義母を見る。
「勝手に辞めるなんて許しませんからね!!し、しかもこんな大人数でっっ」
興奮する義母とは反対にリアーナや使用人達はとても冷静だ。
「侯爵夫人。貴女が私達に辞めろと言ってきたのですよ?"給料が高すぎる!半分で良い!"とおっしゃって、私達がそれは酷いと訴えたら、"文句がある奴は辞めろ"とね」
(なんて事……!!
先程搾り取ったと言ったお金の出所の1つは使用人の給金だったなんて…)
「そっそれは…」
「元々は貴女も私達と一緒に働いていた使用人…。給金が半分になれば生活して行く事ができない者がいる事は知っているでしょう」
「しかし!それだけ大人数に辞められたら私達はどうすれば良いのよ!!」
「知らないわ。私達、文句があるので辞めます!では、ごきげんよう。」
オディロンは笑顔で辞めて行く使用人に手を振っている。
(オ、オディロン!?貴方は大丈夫なの!?)
「ま、まあ良いわ!!貴女達のような役立たずこちらからクビにしてやるわ!優秀なオディロンがいればこっちのものよ!ねえ、お母様!?」
「そ、そうね!!そうよね!貴女達出ていきたいなら出ていきなさい!!」
妹と義母がキャンキャン吠えている。
「そうですか、お望み通り出ていくわ。さぁフレミア様。伯爵家様がお待ちですよ」
そう言ってリアーナが私の荷物を持ち、私だけに聞こえる声で囁く。
「オディロンは大丈夫です。何も心配はいりません」
「えっ…でも…」
「しっ!」
心配になりオディロンを見るが、オディロンは変わらずニコニコと笑みを浮かべている。
心配ではあるものの、伯爵家の遣いを待たせる訳にはいかない…そう思い出発するのだった。
「えっ!?何ですの!?」
そして外に出てみると、驚きの光景が広がっていた。
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