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8、染谷和人という人物【Rin side】
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喧嘩の翌日。
「ちょっといい?」
振り返れば最近頭から離れない男の顔があった。
今一番見たくない子だったかもしれない。
なんていうか、優男って感じでコノちゃんが信頼してそうな顔。
「なんですか?」
「話がある。少しいい?」
染谷和人はコノちゃんといるときには見せない挑発するような顔でそういわれれば頭の悪い俺の答えはイエスしかない。
「俺のこと知ってる?」
「はい。まあ、アンタ有名だし、いつもこのちゃんといるし」
「罰ゲームなんだってね。クズなの?それとも、ガキなだけかな」
少し微笑を浮かべながら、軽蔑したようにこちらを見てくる染谷にムカつくけど、それ以上に放たれた言葉に動揺させられた。
この人も知っているなら彼女は多分何らかの相談をこいつにしたのかもしれない。
それで何かを決断して俺にああ言ったのだろうか。
「知ってたんですか?……なんで」
「ほんとなんだ?俺はコノの大事な相談相手だからね。知ってて当然。わかってないだろうって高をくくってるのもムカつくよ」
余裕な顔でそんなことを言われる。
大事な相談相手。
嫉妬で狂いそうだった。
俺は彼女に何かを相談されたことはない。
「それでも本気なんです。俺も本気で離したくない。そもそもあなたの許可なんていらない」
「はあ?舐めてんの?クソガキが。このが何も言わないからって。」
突然にまとう雰囲気が変わった染谷に何も言えなかった。
突然悪くなった言葉にも驚いたが全身からあふれ出すオーラみたいなのがさっきまでは凍えそうだったのに今は内側からマグマが突き破ってきたみたいだった。
この人は本気でコノちゃんを心配していて、怒っていて俺なんかよりよっぽどコノちゃんの隣が似合う人だった。
それを知ってクズな俺の口から出てくる言葉はない。
俺は完全に当て馬だ。
「……」
「本気だなんて言うなら。本当のことを話して許してもらってそれからだろ」
「すみません。俺が無神経でした」
「お前のことを認めないわけじゃない。ただ君の味方になることもないと思ってほしい。俺はこのが守りたい」
どこまでもこのの味方でいようとするこの人に俺の心はずだぼろだった。
ゆっくり元に戻る染谷のまとう空気に知らずに止めていた息を吐き出した。
「口出したりしてごめん。それじゃ」
早く彼女に会いに行かなきゃいけない。
負けるなんてわかっているけど、何としても勘違いされたままあんな風に別れるのは嫌だった。
別れるならちゃんときっかけとかタイミングとか関係なしに目を見て向き合って好きだというべきだと思った。
駆け引きとか先読みとか脈絡とかじゃなくて、俺の心が伝わるように話さなきゃ意味がない。
こんなにもどうしようもなくすきなのだから。
「ちょっといい?」
振り返れば最近頭から離れない男の顔があった。
今一番見たくない子だったかもしれない。
なんていうか、優男って感じでコノちゃんが信頼してそうな顔。
「なんですか?」
「話がある。少しいい?」
染谷和人はコノちゃんといるときには見せない挑発するような顔でそういわれれば頭の悪い俺の答えはイエスしかない。
「俺のこと知ってる?」
「はい。まあ、アンタ有名だし、いつもこのちゃんといるし」
「罰ゲームなんだってね。クズなの?それとも、ガキなだけかな」
少し微笑を浮かべながら、軽蔑したようにこちらを見てくる染谷にムカつくけど、それ以上に放たれた言葉に動揺させられた。
この人も知っているなら彼女は多分何らかの相談をこいつにしたのかもしれない。
それで何かを決断して俺にああ言ったのだろうか。
「知ってたんですか?……なんで」
「ほんとなんだ?俺はコノの大事な相談相手だからね。知ってて当然。わかってないだろうって高をくくってるのもムカつくよ」
余裕な顔でそんなことを言われる。
大事な相談相手。
嫉妬で狂いそうだった。
俺は彼女に何かを相談されたことはない。
「それでも本気なんです。俺も本気で離したくない。そもそもあなたの許可なんていらない」
「はあ?舐めてんの?クソガキが。このが何も言わないからって。」
突然にまとう雰囲気が変わった染谷に何も言えなかった。
突然悪くなった言葉にも驚いたが全身からあふれ出すオーラみたいなのがさっきまでは凍えそうだったのに今は内側からマグマが突き破ってきたみたいだった。
この人は本気でコノちゃんを心配していて、怒っていて俺なんかよりよっぽどコノちゃんの隣が似合う人だった。
それを知ってクズな俺の口から出てくる言葉はない。
俺は完全に当て馬だ。
「……」
「本気だなんて言うなら。本当のことを話して許してもらってそれからだろ」
「すみません。俺が無神経でした」
「お前のことを認めないわけじゃない。ただ君の味方になることもないと思ってほしい。俺はこのが守りたい」
どこまでもこのの味方でいようとするこの人に俺の心はずだぼろだった。
ゆっくり元に戻る染谷のまとう空気に知らずに止めていた息を吐き出した。
「口出したりしてごめん。それじゃ」
早く彼女に会いに行かなきゃいけない。
負けるなんてわかっているけど、何としても勘違いされたままあんな風に別れるのは嫌だった。
別れるならちゃんときっかけとかタイミングとか関係なしに目を見て向き合って好きだというべきだと思った。
駆け引きとか先読みとか脈絡とかじゃなくて、俺の心が伝わるように話さなきゃ意味がない。
こんなにもどうしようもなくすきなのだから。
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