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アラナギ編
青い月夜に咲く
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「サクヤ」
微睡みから覚めた無防備なサクヤの耳朶を甘やかな声がくすぐって、サクヤは小さく鰓を震わせた。
寝台はもう随分と明るく、真っ白い光が敷布を眩く照らしていた。
真昼の日差しは水底のこの宮まで届いていた。
珍しく、随分と長く眠っていたようだった。
「今夜は満月だ」
耳元で甘やかな声を響かせるのは、サクヤを正面からから抱き込む、深い海の色の体の持ち主。サクヤの伴侶、海の神のアラナギだった。
「アラナギ」
サクヤは甘く染まった吐息を吐く。アラナギに声を吹き込まれるだけで、サクヤの身体は胎を疼かせる。
サクヤの意識は、もう日暮れの後へと向いていた。
「月が昇ったら、たくさん愛してやる」
耳朶をくすぐる低く芯のある声は甘く濡れて、サクヤは思わず喉を鳴らした。
あれからサクヤは毎日のように胎に精を注がれた。昂りには柔らかなものを注がれ、以前よりも吐精で放つ卵の数が増えた。
身体中を余さず愛されて、サクヤの身体はすっかりアラナギに染められていた。素直なサクヤの身体は、アラナギの手で肌を優しく撫でられるだけで腹の奥がせつなくなるほどだった。
アラナギの腕の中で、微睡みがその意識を攫うまで、サクヤは月の満ちた夜に思いを馳せた。
陽が落ち、宵闇で塗りつぶされた空には、丸く満ちた月が昇った。
明るい月の光は、アラナギの宮まで届いていた。
深い海まで降ってきた月明かりは青く寝台を照らす。これから始まる甘く爛れた時間とは対照的な、冷たく清廉な光だった。
「サクヤ」
微睡から呼び戻されたサクヤは、瞼を持ち上げる。
サクヤの瞳に映るのは、穏やかなアラナギの笑みだった。サクヤは返事の代わりに頬を優しく包む手のひらに擦り寄る。
「目覚めたか」
「ん」
アラナギに擦り寄ると、アラナギは頬を撫でてくれた。アラナギの腕の中は、サクヤにとってどこよりも安心できる場所だった。
「見えるか、サクヤ。月が満ちた」
「あ……」
寝台に溢れる青白い光にサクヤは声を上げる。その光に誘われるように、腹の奥が疼いた。
熱を帯び始めた身体をアラナギに抱き寄せられ、薄い腹を撫でられる。
大きな手のひらに臍の周りを優しく包むように撫でられ、それだけで腹が温かくなる。
「アラナギ」
素直に反応する身体が恥ずかしくて、サクヤは思わず身を引こうとするが、アラナギの腕に捕えられて身動きが取れなかった。
「っ、ふ、ぁ」
腹の奥で、何かが弾けるような感覚があった。柔らかな泡が、腹の中にいくつも生まれるような、知らない感覚だった。
「あら、なぎ、っあ、なに、これ」
見上げると、アラナギは微笑む。腹を撫でるアラナギにもそれは伝わっているようだった。
「サクヤの卵だ」
「たまご……」
自分の腹に卵があることが不思議だった。これが、花嫁の身体になったということなのかとサクヤは思う。
「お前と俺の子が宿る、卵だ」
不思議がるサクヤにアラナギはそっと甘やかな声を吹き込む。
「サクヤ、抱いてもいいか」
「ん、して」
大きな手のひらに労わるようにそっと触れられて、サクヤは肌をざわめかせた。
いつになくアラナギの手は優しかった。
早く欲しいのに、アラナギは後孔には触れず、昂りの先端同士をくっつけた。丸く張ったサクヤの先端に、アラナギの平らな先端が吸い付くように密着する。
覚えのある感覚に、サクヤは喉を鳴らした。
これから行われることを、サクヤは知っている。悦楽の予感に、サクヤの胸は甘くざわめいた。
先端の孔同士が触れ合い、狭い管をくすぐるように、柔らかな弾力を持つ何かが入ってくる。白濁と卵を吐くための器官となったそこは随分と敏感になったようで、細い管を擦られる感覚が前よりもはっきりとわかるようになっていた。
「あう、あら、なぎ」
奥へと流れ込む柔らかな何かは、縮こまった膨らみを満たしていく。
「あ、ぅ」
サクヤの口がだらしなく開く。端からは唾液が溢れ、顎まで伝い落ちた。
昂りの根元の膨らみの中で、小さな泡が弾けるような感覚が続く。
「んあ、きもちい、おかしくなぅ」
縋るような視線を向けると、アラナギは宥めるように美しい金の目を細めた。
「心配するな」
「アラナギ」
アラナギの手のひらが、膨らみを優しく揉む。
「っう、あら、なぎ、きもちいい」
膨らみが張り詰めているのがわかる。中が何かで満たされて、早く出したくて仕方ない。サクヤの頭は、もうそのことでいっぱいだった。
「だしたい、アラナギ」
「ふふ、出してみせろ、サクヤ」
膨らみを揉んでいた手が、反り返った幹を撫で上げる。
「あう」
その刺激だけで、幹が跳ねる。
「あ、いく、でる、あらなぎ」
細い管を駆け上がる熱に、サクヤは甘い声を漏らす。
「あ、ぁ」
何度も脈打つ幹から噴き上がる白濁には、無数の金の卵が混ざっていた。
「ふあ、とまんな、ぁ」
何度も噴き上がる、白濁と、卵。
サクヤは無意識に腰を揺らし、吐精の快感に感じ入っていた。
「たくさん出せたな、サクヤ」
甘い声とともに頬を撫でられる。
ゆらめく白濁は金の卵を乗せて窓の外へと流れていく。
寝台に沈むサクヤはぼんやりとその様を眺めた。
腹の奥はきゅんきゅんと戦慄き、アラナギを求めている。
「きもちい、あらなぎ」
「ふふ、そこだけでいいのか?」
その言葉が何を意図するのか、わからないサクヤではない。
「っ、はらに、出して」
「いい子だ。よく言えたな」
ようやく叶えられる願いに、サクヤは喉を鳴らす。
だらしなく投げ出された脚を、アラナギが抱え上げ、拡げる。
秘処を晒されて、サクヤは肌を羞恥に染める。それでも、もはやそれはサクヤの興奮を煽るものでしかない。
聳り立つ花芯は震え、綻んだ蕾は期待に戦慄いてアラナギの猛りを待ち望んでいた。
微睡みから覚めた無防備なサクヤの耳朶を甘やかな声がくすぐって、サクヤは小さく鰓を震わせた。
寝台はもう随分と明るく、真っ白い光が敷布を眩く照らしていた。
真昼の日差しは水底のこの宮まで届いていた。
珍しく、随分と長く眠っていたようだった。
「今夜は満月だ」
耳元で甘やかな声を響かせるのは、サクヤを正面からから抱き込む、深い海の色の体の持ち主。サクヤの伴侶、海の神のアラナギだった。
「アラナギ」
サクヤは甘く染まった吐息を吐く。アラナギに声を吹き込まれるだけで、サクヤの身体は胎を疼かせる。
サクヤの意識は、もう日暮れの後へと向いていた。
「月が昇ったら、たくさん愛してやる」
耳朶をくすぐる低く芯のある声は甘く濡れて、サクヤは思わず喉を鳴らした。
あれからサクヤは毎日のように胎に精を注がれた。昂りには柔らかなものを注がれ、以前よりも吐精で放つ卵の数が増えた。
身体中を余さず愛されて、サクヤの身体はすっかりアラナギに染められていた。素直なサクヤの身体は、アラナギの手で肌を優しく撫でられるだけで腹の奥がせつなくなるほどだった。
アラナギの腕の中で、微睡みがその意識を攫うまで、サクヤは月の満ちた夜に思いを馳せた。
陽が落ち、宵闇で塗りつぶされた空には、丸く満ちた月が昇った。
明るい月の光は、アラナギの宮まで届いていた。
深い海まで降ってきた月明かりは青く寝台を照らす。これから始まる甘く爛れた時間とは対照的な、冷たく清廉な光だった。
「サクヤ」
微睡から呼び戻されたサクヤは、瞼を持ち上げる。
サクヤの瞳に映るのは、穏やかなアラナギの笑みだった。サクヤは返事の代わりに頬を優しく包む手のひらに擦り寄る。
「目覚めたか」
「ん」
アラナギに擦り寄ると、アラナギは頬を撫でてくれた。アラナギの腕の中は、サクヤにとってどこよりも安心できる場所だった。
「見えるか、サクヤ。月が満ちた」
「あ……」
寝台に溢れる青白い光にサクヤは声を上げる。その光に誘われるように、腹の奥が疼いた。
熱を帯び始めた身体をアラナギに抱き寄せられ、薄い腹を撫でられる。
大きな手のひらに臍の周りを優しく包むように撫でられ、それだけで腹が温かくなる。
「アラナギ」
素直に反応する身体が恥ずかしくて、サクヤは思わず身を引こうとするが、アラナギの腕に捕えられて身動きが取れなかった。
「っ、ふ、ぁ」
腹の奥で、何かが弾けるような感覚があった。柔らかな泡が、腹の中にいくつも生まれるような、知らない感覚だった。
「あら、なぎ、っあ、なに、これ」
見上げると、アラナギは微笑む。腹を撫でるアラナギにもそれは伝わっているようだった。
「サクヤの卵だ」
「たまご……」
自分の腹に卵があることが不思議だった。これが、花嫁の身体になったということなのかとサクヤは思う。
「お前と俺の子が宿る、卵だ」
不思議がるサクヤにアラナギはそっと甘やかな声を吹き込む。
「サクヤ、抱いてもいいか」
「ん、して」
大きな手のひらに労わるようにそっと触れられて、サクヤは肌をざわめかせた。
いつになくアラナギの手は優しかった。
早く欲しいのに、アラナギは後孔には触れず、昂りの先端同士をくっつけた。丸く張ったサクヤの先端に、アラナギの平らな先端が吸い付くように密着する。
覚えのある感覚に、サクヤは喉を鳴らした。
これから行われることを、サクヤは知っている。悦楽の予感に、サクヤの胸は甘くざわめいた。
先端の孔同士が触れ合い、狭い管をくすぐるように、柔らかな弾力を持つ何かが入ってくる。白濁と卵を吐くための器官となったそこは随分と敏感になったようで、細い管を擦られる感覚が前よりもはっきりとわかるようになっていた。
「あう、あら、なぎ」
奥へと流れ込む柔らかな何かは、縮こまった膨らみを満たしていく。
「あ、ぅ」
サクヤの口がだらしなく開く。端からは唾液が溢れ、顎まで伝い落ちた。
昂りの根元の膨らみの中で、小さな泡が弾けるような感覚が続く。
「んあ、きもちい、おかしくなぅ」
縋るような視線を向けると、アラナギは宥めるように美しい金の目を細めた。
「心配するな」
「アラナギ」
アラナギの手のひらが、膨らみを優しく揉む。
「っう、あら、なぎ、きもちいい」
膨らみが張り詰めているのがわかる。中が何かで満たされて、早く出したくて仕方ない。サクヤの頭は、もうそのことでいっぱいだった。
「だしたい、アラナギ」
「ふふ、出してみせろ、サクヤ」
膨らみを揉んでいた手が、反り返った幹を撫で上げる。
「あう」
その刺激だけで、幹が跳ねる。
「あ、いく、でる、あらなぎ」
細い管を駆け上がる熱に、サクヤは甘い声を漏らす。
「あ、ぁ」
何度も脈打つ幹から噴き上がる白濁には、無数の金の卵が混ざっていた。
「ふあ、とまんな、ぁ」
何度も噴き上がる、白濁と、卵。
サクヤは無意識に腰を揺らし、吐精の快感に感じ入っていた。
「たくさん出せたな、サクヤ」
甘い声とともに頬を撫でられる。
ゆらめく白濁は金の卵を乗せて窓の外へと流れていく。
寝台に沈むサクヤはぼんやりとその様を眺めた。
腹の奥はきゅんきゅんと戦慄き、アラナギを求めている。
「きもちい、あらなぎ」
「ふふ、そこだけでいいのか?」
その言葉が何を意図するのか、わからないサクヤではない。
「っ、はらに、出して」
「いい子だ。よく言えたな」
ようやく叶えられる願いに、サクヤは喉を鳴らす。
だらしなく投げ出された脚を、アラナギが抱え上げ、拡げる。
秘処を晒されて、サクヤは肌を羞恥に染める。それでも、もはやそれはサクヤの興奮を煽るものでしかない。
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