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アラナギ編
愛しい指先2
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腕の中に閉じ込められたまま目を覚ましたサクヤの身体にはまだ快感の残滓が残っていた。腹の底に燻る熱がある。
それに気付いて身動ぎするとアラナギが目を覚ます。
「サクヤ」
その声はまだ眠そうで甘く蕩けている。
顔にアラナギの唇が触れる。額に、頬に、鼻先に、それから唇に。
サクヤはまだ夢現のぼんやりした頭でアラナギの愛撫を受ける。
ゆったりと優しく触れられているうちに、腹の底の種火は大きくなっていく。
アラナギはそれを知ってその大きな手でサクヤの下腹を撫で回す。それだけではサクヤが満足できないことを知っているのに、わざとそうしているようだった。
「アラナギ、さわって」
「さわっているだろう、サクヤ」
「ン、ちが……、こっ、ち」
サクヤは震える手でおそるおそるアラナギの手を取り、自らの昂りへと導く。
「俺の、さわって」
見上げて乞えば、アラナギは嬉しそうに目を細めてそれに応じる。
「ふふ、いい子だ。よくできたな」
アラナギの思惑通りで悔しい反面、アラナギが甘い声で褒めてくれるのが嬉しかった。
張り詰め濡れる先端を指の腹で円を描いて撫でられると、それだけで腰が溶けそうなくらい気持ちがいい。すっかり硬くなった幹を緩く擦られると、サクヤの口からはすっかりふやけた声が漏れた。
「あう、あら、なぎ」
「ほら、欲しかったのだろう。存分に啼いてみせろ」
アラナギの大きな手に包まれて根元から先端まで丹念に擦られる。
そこから生まれる快感はサクヤの神経を焼き尽くすほどだった。
「ッア、あ、ひゃ、きもちい、きもちい」
アラナギの手の動きに合わせ、腰が揺れる。
「ふふ、こんなに跳ねて。お前の身体は素直だな」
「あら、なぎぃ、きもちい」
「ふふ、お前は本当に、愛らしい」
堪らないとでも言いたげにアラナギが目を細め、サクヤの唇を塞ぐ。
声を上げて快感を逃せなくなり、快感は身体の中で滞留して渦を巻く。
口の中はアラナギの厚い舌に埋められ、熱い粘膜を余さず蹂躙される。
「ん、むぅ」
口を塞がれたまま、くぐもった声を上げる。
アラナギの手は止まらず、サクヤの屹立は溢れる蜜で濡れそぼっていた。
サクヤは鰓を震わせる。
口の中は舌に擦られ、昂りは手で擦られて、声も上げられないサクヤは快感で全身が強張る。
絶頂はそこに見えている。
「っふ、ぅ」
アラナギの舌を噛まないように、サクヤは震える舌をアラナギに擦り付ける。アラナギはすぐそれに応えてくれる。
唾液が混ざる音が鼓膜を犯す。
それに重なって聞こえるのはアラナギが昂りを擦る濡れた音と、微かな吐息だ。
「んう、う」
アラナギの手の中でサクヤの昂りが跳ねる。
サクヤは腰を突き上げ、射精の衝動に駆られるまま、白濁を吐き出した。気持ちいい。腰が小刻みに震え、何度も白濁が散る。
ようやく唇が解放されて放出の余韻とともにため息が零れた。
「ふふ、卵が出たな」
二人の身体の間には金の粒が混ざった白濁が漂っていて、サクヤはぼんやりそれを眺める。
「そのうちもっと濃いのをここへ入れてやろう」
アラナギの指が震える昂りを指先でなぞり、根元の下に縮こまる膨らみをやんわり揉んだ。
「あ、う」
サクヤの腰が跳ねる。
アラナギは楽しげに笑むとサクヤの痩せた太腿を割り開き、その指先をさらに奥へと滑らせていく。
くすぐるように会陰をたどり、慎ましく震える色付いた窄まりに触れた。
サクヤは期待に喉を鳴らす。
「サクヤ」
「あ、う、ほしい、アラナギ、拓いて」
「ふふ、お前本当に、いじらしい」
アラナギは身の内に湧き上がる獣性を堪えるように金の目を細め、唇を舐めた。
アラナギは腕の中からサクヤを解放すると、仰向けにして柔さな寝台に縫い留めた。
「上手にねだるようになったな、サクヤ」
視界を埋めるアラナギに吹き込まれる嬉しそうな声は、サクヤの鼓動を溶かしていく。
「アラナギ」
早くしてほしくて、サクヤは縋るようにアラナギを見上げる。
その視線を受け止め、アラナギはサクヤの頭を撫でると身体を起こした。サクヤはずっとその姿を目で追う。
サクヤの脚を開き、アラナギはその間に座る。
アラナギの大きな手に膝を掴まれ、サクヤの脚はさらに大きく開かれて性器も後孔もアラナギに見えてしまう。
サクヤの顔に熱が集まる。
「サクヤ、ここに手を」
恥ずかしいのに、アラナギに言われるまま、サクヤは膝裏に手をかける。そうすると美しい金色の目の前に秘所を余さず晒すことになり、サクヤは居た堪れない気持ちになる。
サクヤの震える後孔へ、アラナギは二本の指に、唾液を絡め、揃えて埋めていく。
すっかり馴染んだアラナギの唾液は、痛みもなく指を中へと導いた。
圧迫感と異物感はあるが、痛みはない。アラナギが丹念に解したからだ。
「は、ふ」
「そうだ、ゆっくり息をしろ」
アラナギはしこりに触れることはせず、ゆっくり根元まで埋めていく。
「っあ、深い」
深く埋まった指が、優しく隘路を押し拡げる。
「中、拡げ、にゃ、れ」
「拡げてやらねばここに俺は受け入れられぬぞ」
切羽詰まったサクヤの声とは対照的に、アラナギの声は楽しげで余裕すら見えた。
中を拡げた指はそのまま引き摺り出される。
「っひゃ」
後孔が口を開け、中がひやりとしたものに晒される。その隙間に、アラナギの指が捩じ込まれた。
「あ……!」
後孔が目一杯押し拡げられているのがわかって、サクヤは声を上げた。もう開かないと思えるくらいに拡がったそこは、遂にアラナギの三本目の指を咥え込んでしまった。
「ふふ、サクヤ、見えるか。三本、入ったぞ」
「ふあ」
おそるおそる目を向けた後孔には言われた通りアラナギの指が三本埋まっていた。
中を埋め尽くされている感覚に、サクヤは苦しげに息を吐く。唇が震える。落ち着いたはずの圧迫感と異物感が帰ってきて、サクヤの意識を苛む。
「よく頑張ったな、サクヤ」
甘やかな声に喉が鳴る。
アラナギがそれをゆっくりと抜き差しすると、中をみっちりと埋める肉の感覚に、サクヤはアラナギの性器を受け入れているように錯覚する。
「ひ、あ、あら、なぎ」
前立腺はずっと押され、中は今までにないくらいに押し広げられている。
中を質量で満たされる感覚に、サクヤは眩暈を覚える。
「うぇしぃ、あぁ、あぃ」
サクヤの舌っ足らずな声に、アラナギは甘やかに微笑んだ。
「よく頑張ったな、サクヤ。ご褒美をやろう」
挟まれたしこりを押し込むように潰されて、大きく見開かれたサクヤの目から涙が溢れる。
「あ、ひゃ、ら、ぇ」
ご褒美と言うには苛烈な快感に、サクヤは上擦り溶けた声しか出せない。
背はしなり、白い喉が晒される。
「ふあ、ぁ、あぅ、ぃぅ」
もう、自分が発する声がどうなっているのかわからないくらいに、サクヤは快感に飲まれていた。下肢は言うことを聞かなくて、勝手に跳ね回り、胎の中はきゅんきゅんと喜びにうねっている。
薄い腹がひくんと震えた。
その様を見て、アラナギは眩い金の瞳を揺らして満足げに笑った。
喜びに満ちたアラナギの綺麗な笑みを見て、安堵したサクヤは辛うじて繋ぎ止めていた意識を手放した。
やっと、アラナギに抱いてもらえる。サクヤの胸を、歓喜が埋め尽くしていた。
それに気付いて身動ぎするとアラナギが目を覚ます。
「サクヤ」
その声はまだ眠そうで甘く蕩けている。
顔にアラナギの唇が触れる。額に、頬に、鼻先に、それから唇に。
サクヤはまだ夢現のぼんやりした頭でアラナギの愛撫を受ける。
ゆったりと優しく触れられているうちに、腹の底の種火は大きくなっていく。
アラナギはそれを知ってその大きな手でサクヤの下腹を撫で回す。それだけではサクヤが満足できないことを知っているのに、わざとそうしているようだった。
「アラナギ、さわって」
「さわっているだろう、サクヤ」
「ン、ちが……、こっ、ち」
サクヤは震える手でおそるおそるアラナギの手を取り、自らの昂りへと導く。
「俺の、さわって」
見上げて乞えば、アラナギは嬉しそうに目を細めてそれに応じる。
「ふふ、いい子だ。よくできたな」
アラナギの思惑通りで悔しい反面、アラナギが甘い声で褒めてくれるのが嬉しかった。
張り詰め濡れる先端を指の腹で円を描いて撫でられると、それだけで腰が溶けそうなくらい気持ちがいい。すっかり硬くなった幹を緩く擦られると、サクヤの口からはすっかりふやけた声が漏れた。
「あう、あら、なぎ」
「ほら、欲しかったのだろう。存分に啼いてみせろ」
アラナギの大きな手に包まれて根元から先端まで丹念に擦られる。
そこから生まれる快感はサクヤの神経を焼き尽くすほどだった。
「ッア、あ、ひゃ、きもちい、きもちい」
アラナギの手の動きに合わせ、腰が揺れる。
「ふふ、こんなに跳ねて。お前の身体は素直だな」
「あら、なぎぃ、きもちい」
「ふふ、お前は本当に、愛らしい」
堪らないとでも言いたげにアラナギが目を細め、サクヤの唇を塞ぐ。
声を上げて快感を逃せなくなり、快感は身体の中で滞留して渦を巻く。
口の中はアラナギの厚い舌に埋められ、熱い粘膜を余さず蹂躙される。
「ん、むぅ」
口を塞がれたまま、くぐもった声を上げる。
アラナギの手は止まらず、サクヤの屹立は溢れる蜜で濡れそぼっていた。
サクヤは鰓を震わせる。
口の中は舌に擦られ、昂りは手で擦られて、声も上げられないサクヤは快感で全身が強張る。
絶頂はそこに見えている。
「っふ、ぅ」
アラナギの舌を噛まないように、サクヤは震える舌をアラナギに擦り付ける。アラナギはすぐそれに応えてくれる。
唾液が混ざる音が鼓膜を犯す。
それに重なって聞こえるのはアラナギが昂りを擦る濡れた音と、微かな吐息だ。
「んう、う」
アラナギの手の中でサクヤの昂りが跳ねる。
サクヤは腰を突き上げ、射精の衝動に駆られるまま、白濁を吐き出した。気持ちいい。腰が小刻みに震え、何度も白濁が散る。
ようやく唇が解放されて放出の余韻とともにため息が零れた。
「ふふ、卵が出たな」
二人の身体の間には金の粒が混ざった白濁が漂っていて、サクヤはぼんやりそれを眺める。
「そのうちもっと濃いのをここへ入れてやろう」
アラナギの指が震える昂りを指先でなぞり、根元の下に縮こまる膨らみをやんわり揉んだ。
「あ、う」
サクヤの腰が跳ねる。
アラナギは楽しげに笑むとサクヤの痩せた太腿を割り開き、その指先をさらに奥へと滑らせていく。
くすぐるように会陰をたどり、慎ましく震える色付いた窄まりに触れた。
サクヤは期待に喉を鳴らす。
「サクヤ」
「あ、う、ほしい、アラナギ、拓いて」
「ふふ、お前本当に、いじらしい」
アラナギは身の内に湧き上がる獣性を堪えるように金の目を細め、唇を舐めた。
アラナギは腕の中からサクヤを解放すると、仰向けにして柔さな寝台に縫い留めた。
「上手にねだるようになったな、サクヤ」
視界を埋めるアラナギに吹き込まれる嬉しそうな声は、サクヤの鼓動を溶かしていく。
「アラナギ」
早くしてほしくて、サクヤは縋るようにアラナギを見上げる。
その視線を受け止め、アラナギはサクヤの頭を撫でると身体を起こした。サクヤはずっとその姿を目で追う。
サクヤの脚を開き、アラナギはその間に座る。
アラナギの大きな手に膝を掴まれ、サクヤの脚はさらに大きく開かれて性器も後孔もアラナギに見えてしまう。
サクヤの顔に熱が集まる。
「サクヤ、ここに手を」
恥ずかしいのに、アラナギに言われるまま、サクヤは膝裏に手をかける。そうすると美しい金色の目の前に秘所を余さず晒すことになり、サクヤは居た堪れない気持ちになる。
サクヤの震える後孔へ、アラナギは二本の指に、唾液を絡め、揃えて埋めていく。
すっかり馴染んだアラナギの唾液は、痛みもなく指を中へと導いた。
圧迫感と異物感はあるが、痛みはない。アラナギが丹念に解したからだ。
「は、ふ」
「そうだ、ゆっくり息をしろ」
アラナギはしこりに触れることはせず、ゆっくり根元まで埋めていく。
「っあ、深い」
深く埋まった指が、優しく隘路を押し拡げる。
「中、拡げ、にゃ、れ」
「拡げてやらねばここに俺は受け入れられぬぞ」
切羽詰まったサクヤの声とは対照的に、アラナギの声は楽しげで余裕すら見えた。
中を拡げた指はそのまま引き摺り出される。
「っひゃ」
後孔が口を開け、中がひやりとしたものに晒される。その隙間に、アラナギの指が捩じ込まれた。
「あ……!」
後孔が目一杯押し拡げられているのがわかって、サクヤは声を上げた。もう開かないと思えるくらいに拡がったそこは、遂にアラナギの三本目の指を咥え込んでしまった。
「ふふ、サクヤ、見えるか。三本、入ったぞ」
「ふあ」
おそるおそる目を向けた後孔には言われた通りアラナギの指が三本埋まっていた。
中を埋め尽くされている感覚に、サクヤは苦しげに息を吐く。唇が震える。落ち着いたはずの圧迫感と異物感が帰ってきて、サクヤの意識を苛む。
「よく頑張ったな、サクヤ」
甘やかな声に喉が鳴る。
アラナギがそれをゆっくりと抜き差しすると、中をみっちりと埋める肉の感覚に、サクヤはアラナギの性器を受け入れているように錯覚する。
「ひ、あ、あら、なぎ」
前立腺はずっと押され、中は今までにないくらいに押し広げられている。
中を質量で満たされる感覚に、サクヤは眩暈を覚える。
「うぇしぃ、あぁ、あぃ」
サクヤの舌っ足らずな声に、アラナギは甘やかに微笑んだ。
「よく頑張ったな、サクヤ。ご褒美をやろう」
挟まれたしこりを押し込むように潰されて、大きく見開かれたサクヤの目から涙が溢れる。
「あ、ひゃ、ら、ぇ」
ご褒美と言うには苛烈な快感に、サクヤは上擦り溶けた声しか出せない。
背はしなり、白い喉が晒される。
「ふあ、ぁ、あぅ、ぃぅ」
もう、自分が発する声がどうなっているのかわからないくらいに、サクヤは快感に飲まれていた。下肢は言うことを聞かなくて、勝手に跳ね回り、胎の中はきゅんきゅんと喜びにうねっている。
薄い腹がひくんと震えた。
その様を見て、アラナギは眩い金の瞳を揺らして満足げに笑った。
喜びに満ちたアラナギの綺麗な笑みを見て、安堵したサクヤは辛うじて繋ぎ止めていた意識を手放した。
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