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アラナギ編
愛のかたち2
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もうどれくらい揺すられているのかわからない。腹の奥深くまで届いたアラナギの猛りは、狂おしいほどの快感をサクヤにもたらした。
アラナギの身体の下に閉じ込められ、サクヤはアラナギの律動に合わせて揺すられた。
繋がった場所からは粘ついた音が立ち、腹の奥は熱く蕩けて、時折甘えるようにアラナギにしがみつく。
アラナギから際限なく与えられる快感を食って育った無数の卵は、サクヤの腹を丸く膨らませていた。
「んは……あ……ぅ、くるし」
圧迫感のような、甘い快感が腹を満たしている。力強い律動に揺さぶられるたび、胎の中で柔らかな卵が揺れる、それは快感の波となってサクヤを苛んだ。
「あらなぎ」
「大きくなったな」
サクヤが胎に抱える卵は随分と大きく育っていた。膨らみ張り詰めた腹をアラナギの手が慈しむように撫でる。その優しい手に、サクヤは甘やかなため息をつく。
「んあ、うごい、ぁ」
胎の中で卵たちが脈打ち始める。卵の脈動は漣のように胎に広がり、快感となって全身に広がっていく。胸に広がるのは幸福感だった。
「ふふ、もう産まれるか」
抜けていくアラナギの猛りに導かれるように、柔らかな球体がゆっくりと降りてくる。
「あうぅ」
柔らかな卵が腹の中を動くだけで、サクヤの身体は快感を拾う。
浅い呼吸を繰り返して、サクヤは卵が降りてくるのを待つ。ゆっくりと胎の中を転がる卵はしこりを押し潰し、すっかり柔らかくなった蕾を中から押し拡げる。
ひくつきながら口を開けるぬ窄まりからは白いものが覗く。卵だ。
「んう」
ゆっくりと皺を広げるように色付いた蕾を押し開いて、卵が顔を出す。柔らかな球体はその形を変えながら、ゆっくりと蕾から押し出される。
「んゅ」
濡れた音を立てて一つ目の卵が飛び出す。粘液に塗れたそれは音もなく白い敷布の上に転がり、透明感のある艶を放っている。
間を開けずに二つ目が顔を出す。一つ目よりも柔らかくなり馴染んだ蕾は簡単に皺が見えなくなるまで広がり、粘液を纏う白い卵を産み落とす。
「ふあ、ぁ」
卵にしこりを容赦無く擦られ、サクヤの花芯は震えながら白濁とともに金の卵を吐く。
「あう」
サクヤの腰が跳ねる。中のしこりはずっと卵に押されて、腹がじんじんと疼く。
「んあ、でる……!」
それから立て続けに五つの卵が飛び出した。
産卵の余韻で脚が震える。下肢は快感に浸されて昨夜の意思とは関係なく跳ねた。
「上手だな、サクヤ」
熟れきったサクヤの身体は耳朶をくすぐるアラナギの囁きにすら快感を見出す。
腹の中には、まだ卵が残っている。また、あの波が来る。
サクヤは期待に喉を鳴らした。
「もう一息だ」
アラナギの手のひらが腹を撫でる。
「あ、ふ」
また卵がゆっくりと降りてくる。
「あ、また、くる」
サクヤは声を震わせた。
しこりをすり潰され花芯は震え、申し訳程度に白濁と卵を吐く。もう何度も絶頂を迎えたサクヤの花芯から噴き上がる白濁は少なく、先端の小さな裂け目は苦しげにひくついていた。
「あらなぎ、でる」
降りてきた卵が外へと向かう。
「んうぅ」
蕾を押し拡げ、立て続けに出てくる卵は粘液を纏い、後を引いて足の間に転がる。
「ああ……!」
濡れた音を立て、続けて卵が飛び出す。
無数の卵を産み落とした余韻に、サクヤの薄い腹はひくつき、薄い胸が大きく上下する。
投げ出されたサクヤの脚の間には無数の卵が転がる。その数は前回よりも多い。
「上手に産めたな、サクヤ」
優しい口づけが降る。くすぐったくて心地好いアラナギの唇を受け止め、サクヤは意識を手放した。
「まだ眺めているのか」
サクヤに身体を沿わせ、アラナギはサクヤの艶やかな黒髪を撫でる。
「うん」
サクヤの視線は、枕元の初めて産んだ卵に向けられていた。
卵が孵る瞬間を見たかった。
アラナギに気を失うまで抱かれ、目覚めたサクヤは飽きもせずに卵を眺めた。
白く、うっすらと透けた卵の中で、時々何かが動くのが見える。そこに命がある。それが自分の中から出てきたことが不思議だった。
アラナギに迎えられなければ、サクヤは卵を宿すことも産むこともなかった。
「じきに次の満月だ。そうしたら、それが孵る」
「そうなのか」
サクヤの指先が丸い卵を撫でる。指先には、小さく跳ねるような鼓動のようなものを感じる。命のある証だ。
「我らは月のめぐりと共にある。その卵もな」
「さっき産んだのは」
「あれも、だ」
アラナギは幼子に言って聞かせるように穏やかな声で続けた。
「心配するな、孵るときがきたら教えてやる」
降ってきた優しい唇に、サクヤは笑顔を返す。
「ふふ、ありがとう、アラナギ」
アラナギの身体の下に閉じ込められ、サクヤはアラナギの律動に合わせて揺すられた。
繋がった場所からは粘ついた音が立ち、腹の奥は熱く蕩けて、時折甘えるようにアラナギにしがみつく。
アラナギから際限なく与えられる快感を食って育った無数の卵は、サクヤの腹を丸く膨らませていた。
「んは……あ……ぅ、くるし」
圧迫感のような、甘い快感が腹を満たしている。力強い律動に揺さぶられるたび、胎の中で柔らかな卵が揺れる、それは快感の波となってサクヤを苛んだ。
「あらなぎ」
「大きくなったな」
サクヤが胎に抱える卵は随分と大きく育っていた。膨らみ張り詰めた腹をアラナギの手が慈しむように撫でる。その優しい手に、サクヤは甘やかなため息をつく。
「んあ、うごい、ぁ」
胎の中で卵たちが脈打ち始める。卵の脈動は漣のように胎に広がり、快感となって全身に広がっていく。胸に広がるのは幸福感だった。
「ふふ、もう産まれるか」
抜けていくアラナギの猛りに導かれるように、柔らかな球体がゆっくりと降りてくる。
「あうぅ」
柔らかな卵が腹の中を動くだけで、サクヤの身体は快感を拾う。
浅い呼吸を繰り返して、サクヤは卵が降りてくるのを待つ。ゆっくりと胎の中を転がる卵はしこりを押し潰し、すっかり柔らかくなった蕾を中から押し拡げる。
ひくつきながら口を開けるぬ窄まりからは白いものが覗く。卵だ。
「んう」
ゆっくりと皺を広げるように色付いた蕾を押し開いて、卵が顔を出す。柔らかな球体はその形を変えながら、ゆっくりと蕾から押し出される。
「んゅ」
濡れた音を立てて一つ目の卵が飛び出す。粘液に塗れたそれは音もなく白い敷布の上に転がり、透明感のある艶を放っている。
間を開けずに二つ目が顔を出す。一つ目よりも柔らかくなり馴染んだ蕾は簡単に皺が見えなくなるまで広がり、粘液を纏う白い卵を産み落とす。
「ふあ、ぁ」
卵にしこりを容赦無く擦られ、サクヤの花芯は震えながら白濁とともに金の卵を吐く。
「あう」
サクヤの腰が跳ねる。中のしこりはずっと卵に押されて、腹がじんじんと疼く。
「んあ、でる……!」
それから立て続けに五つの卵が飛び出した。
産卵の余韻で脚が震える。下肢は快感に浸されて昨夜の意思とは関係なく跳ねた。
「上手だな、サクヤ」
熟れきったサクヤの身体は耳朶をくすぐるアラナギの囁きにすら快感を見出す。
腹の中には、まだ卵が残っている。また、あの波が来る。
サクヤは期待に喉を鳴らした。
「もう一息だ」
アラナギの手のひらが腹を撫でる。
「あ、ふ」
また卵がゆっくりと降りてくる。
「あ、また、くる」
サクヤは声を震わせた。
しこりをすり潰され花芯は震え、申し訳程度に白濁と卵を吐く。もう何度も絶頂を迎えたサクヤの花芯から噴き上がる白濁は少なく、先端の小さな裂け目は苦しげにひくついていた。
「あらなぎ、でる」
降りてきた卵が外へと向かう。
「んうぅ」
蕾を押し拡げ、立て続けに出てくる卵は粘液を纏い、後を引いて足の間に転がる。
「ああ……!」
濡れた音を立て、続けて卵が飛び出す。
無数の卵を産み落とした余韻に、サクヤの薄い腹はひくつき、薄い胸が大きく上下する。
投げ出されたサクヤの脚の間には無数の卵が転がる。その数は前回よりも多い。
「上手に産めたな、サクヤ」
優しい口づけが降る。くすぐったくて心地好いアラナギの唇を受け止め、サクヤは意識を手放した。
「まだ眺めているのか」
サクヤに身体を沿わせ、アラナギはサクヤの艶やかな黒髪を撫でる。
「うん」
サクヤの視線は、枕元の初めて産んだ卵に向けられていた。
卵が孵る瞬間を見たかった。
アラナギに気を失うまで抱かれ、目覚めたサクヤは飽きもせずに卵を眺めた。
白く、うっすらと透けた卵の中で、時々何かが動くのが見える。そこに命がある。それが自分の中から出てきたことが不思議だった。
アラナギに迎えられなければ、サクヤは卵を宿すことも産むこともなかった。
「じきに次の満月だ。そうしたら、それが孵る」
「そうなのか」
サクヤの指先が丸い卵を撫でる。指先には、小さく跳ねるような鼓動のようなものを感じる。命のある証だ。
「我らは月のめぐりと共にある。その卵もな」
「さっき産んだのは」
「あれも、だ」
アラナギは幼子に言って聞かせるように穏やかな声で続けた。
「心配するな、孵るときがきたら教えてやる」
降ってきた優しい唇に、サクヤは笑顔を返す。
「ふふ、ありがとう、アラナギ」
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