6 / 25
ただの同期です
第3話
しおりを挟む
「ちなはさ、優しすぎる」
少しお酒が入ったからか、涼真は私をじっと見た。
あのあと、2人でやった仕事は早く終わり、肉まんだけではお腹が空いただろうと、近くの居酒屋にいた。
「だって……お願いしたらその人が負担になるし、私がやればいいかって思っちゃう」
私も目の前のビールをグイッと飲むと、ため息をついた。
「それは違うだろ?」
涼真もため息をつくと、私をジッと見た後言葉を続ける。
「みんなで仕事をやってるんだし、だれか1人が犠牲になるものでもない。ましてやちなは後輩を指導する立場なんだから、ちなが1人でやると、下が育たないぞ」
そう、涼真の言う通りだ。
うわべでは綺麗なことをいっているけど、人に仕事を任せられないのも、後輩を指導する立場として失格だ。
自分でやった方が早いとか思ってしまう。
「おっしゃる通りです」
反省して箸を置いた私に、涼真は「あーもう!」そう言うと、私の口に唐揚げを突っ込んだ。
「ううん!」
文句を言いたかったが、またもやきちんと声にならない。
そんな私を見て涼真はケラケラ笑っている。そしてそんな涼真に私も笑えてきた。
「俺はさ、ちなが一人でがんばるのが嫌なだけだからな。誤解するなよ」
笑いながらそう言ってくれる涼真に、私も笑顔を向ける。
この今の関係がやっぱり居心地がいい。
モゴモゴと唐揚げを咀嚼すると、改めて私は涼真に頭を下げた。
「ありがとう、涼真」
そこへメッセージが来たことをしらす音がして、私は机の上のスマホに目を落とした。
「あっ……」
つい、嫌そうな声が出ていたのだろう、涼真はそんな私を心配そうに見た。
「どうした?」
「あっ、なんでもないよ。昔の友達からの結婚式の招待状の返信がないって催促の連絡」
小さくため息をつきながら、私はそのメッセージを涼真に見せた。
[千夏ちゃん久しぶり。なんとか連絡先がわかったってよかった。結婚式の招待状手元にとどいているかな?まだ間に合うから、ぜひ出席してね。よければ彼か旦那様ときてね]
どうして、彼氏がいると決めつけてるんだろう……。
憂鬱な気持ちになり、返信しようと思ったものの、文面が思いつかずスマホを置いた。
「結婚式に招待されるぐらいだから、仲がよかったんだろ?」
涼真のもっともな意見に苦笑する。
「仲ね……」
「その言い方すると、そうでもないの?」
それほど興味のない話題だろうと、私は早く話を終わらせようと言葉を発した。
「そうだね。元カレを獲られただけ」
うわー。
本当に端的に言うと、どうしてその関係で招待状が送られてきたのか疑問になる。
「え?」
意外にもそれだけの話に、涼真は興味を示したようで、私をジッとみた。
「ちなって付き合ってた男いたの?」
少しお酒が入ったからか、涼真は私をじっと見た。
あのあと、2人でやった仕事は早く終わり、肉まんだけではお腹が空いただろうと、近くの居酒屋にいた。
「だって……お願いしたらその人が負担になるし、私がやればいいかって思っちゃう」
私も目の前のビールをグイッと飲むと、ため息をついた。
「それは違うだろ?」
涼真もため息をつくと、私をジッと見た後言葉を続ける。
「みんなで仕事をやってるんだし、だれか1人が犠牲になるものでもない。ましてやちなは後輩を指導する立場なんだから、ちなが1人でやると、下が育たないぞ」
そう、涼真の言う通りだ。
うわべでは綺麗なことをいっているけど、人に仕事を任せられないのも、後輩を指導する立場として失格だ。
自分でやった方が早いとか思ってしまう。
「おっしゃる通りです」
反省して箸を置いた私に、涼真は「あーもう!」そう言うと、私の口に唐揚げを突っ込んだ。
「ううん!」
文句を言いたかったが、またもやきちんと声にならない。
そんな私を見て涼真はケラケラ笑っている。そしてそんな涼真に私も笑えてきた。
「俺はさ、ちなが一人でがんばるのが嫌なだけだからな。誤解するなよ」
笑いながらそう言ってくれる涼真に、私も笑顔を向ける。
この今の関係がやっぱり居心地がいい。
モゴモゴと唐揚げを咀嚼すると、改めて私は涼真に頭を下げた。
「ありがとう、涼真」
そこへメッセージが来たことをしらす音がして、私は机の上のスマホに目を落とした。
「あっ……」
つい、嫌そうな声が出ていたのだろう、涼真はそんな私を心配そうに見た。
「どうした?」
「あっ、なんでもないよ。昔の友達からの結婚式の招待状の返信がないって催促の連絡」
小さくため息をつきながら、私はそのメッセージを涼真に見せた。
[千夏ちゃん久しぶり。なんとか連絡先がわかったってよかった。結婚式の招待状手元にとどいているかな?まだ間に合うから、ぜひ出席してね。よければ彼か旦那様ときてね]
どうして、彼氏がいると決めつけてるんだろう……。
憂鬱な気持ちになり、返信しようと思ったものの、文面が思いつかずスマホを置いた。
「結婚式に招待されるぐらいだから、仲がよかったんだろ?」
涼真のもっともな意見に苦笑する。
「仲ね……」
「その言い方すると、そうでもないの?」
それほど興味のない話題だろうと、私は早く話を終わらせようと言葉を発した。
「そうだね。元カレを獲られただけ」
うわー。
本当に端的に言うと、どうしてその関係で招待状が送られてきたのか疑問になる。
「え?」
意外にもそれだけの話に、涼真は興味を示したようで、私をジッとみた。
「ちなって付き合ってた男いたの?」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
324
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる