知識スキルで異世界らいふ

菻莅❝りんり❞

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34 学園へ

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月日は流れて、4年。

この世界では、12歳になると学園に通うことになる。しかも、全ての国からだ。

学園があるのは、ドラグ国とビースク国の国境の街。しかも、全ての国から王族や特権階級、一般人までの12歳~18歳までが通うため、街全体が学園と言っても過言ではない。

そして、各国でお金を出しあって運営している為学費は無料。

王族や特権階級の人が通う学園と一般人が通う学園。そして、学園の近くにそれぞれの寮。
それから、カフェなどの飲食店や雑貨屋などのお店も立ち並んでいる。

一足先に学園に行っている兄姉達に続き、今年の6月から俺も学園に通う年になった。

しかし、一月前の俺の誕生日の朝。目が覚めた時にカチッと言う音が体から聞こえた。

最初は寝ぼけていたのもあり、体の関節でも鳴ったのかと思ったけど、頭が覚醒するにしたがい音の正体に気付き、絶望した。

成長期前に老化が止まった。そう、カチッという音はその音だったのだ。

ルージュ達が部屋に来た時、絶望にうちひしがれている俺に驚き、その理由を知るとなんとも言えない顔になった。

俺が父上のような高身長に憧れていたのを知っていたからだ。俺は絶望の中、皆のいる食堂に向かった。

俺が浮かない顔をしているのを心配した父上と母様がルージュ達を見た。

そしてルージュが説明中も、改めて突き付けられる現実に項垂れていた。

「ルイ。そう落ち込むな。晩成型だと思えば、、あー、すまん。言葉が見つからない」

俺が涙目で父上を睨むと、口ごもった。
晩成型?晩成型にも程がある!

知識スキルで調べると、異常者は一度、150歳前後で約5~10年間だけ時間が通常に進み、その後はまた老化が止まり、ゆっくりと時間が進むことになるらしい。

一月の間にどうにか気持ちを浮上させ、学園に向かった。
学園のある街まではルージュに運んでもらい、そのままルージュ達は、俺の護衛を兼ねてとどまることになる。

街の関門を通ってから、学園の寮へ向かった。寮の前には兄達が居た。
余裕を持って、入学式の3日前に来たのでそれ程混雑はしていなかった。

「ルイ、お疲れ。中に案内するよ」

笑顔で俺を迎えてくれて、アッシュ兄上が先頭に、寮を案内してくれた。

一般棟の寮は、学年ごとに寮の部屋が決められるが、ここ王族や特権階級の寮は、王族と特権階級に部屋が分かれ、王族は国ごとに、ワンフロアを与えられている。

「右が僕達、左がレーナ達が使っている。ルイの部屋は3つ先の部屋だよ。ルージュ達はそこから3つ先の部屋ね」

アッシュ兄上に案内され部屋に入ると、お城の部屋より少し狭いけど、生活するには十分な広さの部屋だった。

そして、この部屋には侍従部屋はない。だからルージュ達侍従には、部屋が別に用意されていた。

その日の夕食は、ワンフロア内の食堂でとった。

「そういえば、兄上達が番を見つけたと聞いたんだけど、どんな人達なの?父上も母様も教えてくれなくて」

そう、アッシュ兄上達が番を見つけたと、連絡したのは知っているけど、竜人なのか獣人なのか、俺には教えてくれなかった。

「仲間はずれは良くないよ」

俺が拗ねたように言うと、一瞬キョトンとした後、苦笑して

「別に仲間はずれにしたつもりはないよ。別に父上達に口止めもしてないしね。たぶん、先入観無しでルイに見てもらいたかったんじゃないかな?明日、紹介するね」

その後は他愛もない話をして、久しぶりの再会はお開きになった。

翌日のお昼過ぎに、約束通りアッシュ兄上達はそれぞれの番を紹介してくれた。

まずは、アッシュ兄上。
アッシュ兄上の番は、ラビー王国のお姫様。ピンクの髪に、真っ白な垂れ耳が可愛い獣人だった。

エレーナ姉上の番はビースク国の侍従の狐獣人の男性。しかし、格好はスレンダーなドレスを着た水色の長髪の美人。

今では完全に男装の麗人と化したレーナ姉上に、ドレス姿の美人な男性。完全に男女逆転した番だった。

リード兄上とセレナ姉様は揃って一般の双子の竜人の男女。どちらも騎士希望の有望株らしい。

リード兄上の番は、茶色の髪をポニテにしている美人な女性で

セレナ姉様の番は、茶色の短髪の格好いい男性だった。

自己紹介をした後は、少しの間お茶をしてから、お邪魔虫の俺は席を立った。

幸せそうな兄姉達を見て、まだ見ぬ番に思いをはせた。
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