21 / 65
20 こけっけとこけっけのひな!
しおりを挟む
ぼくは今庭にいる。
突然何だ?と思うかもしれないけど、そのまま聞いてください。
スタンピードが起きて3日目。ぼくは妖精達に感謝の気持ちを伝えるため、簡易の祠を作ろうと思ったのだ。ちゃんとしたやつは父達が帰ってきてから作ってもらおうと思っている。
トムが担当している畑と化した裏庭の隅に作ろうと、ディアに抱えられながら裏庭に向かっている途中、見覚えのない小屋から掃除・洗濯担当のラムたちが出てきた。そして、その手には黒い卵があった。
「おはよ。ここなに?」
と、ぼくがラム達に声をかけた。ぼくに気づいたラム達が
「オハヨウゴザイマス、アルジ。ココハ、ヨウセイタチガショウカンシタ、コケッケガイルコヤデス」
ラムの言葉に
「こけっけ?」
と首を傾げると、ディアが
「コケッケハ、シユウ(雌雄)コタイノ、トリノマモノノデス。コケッケノウムタマゴハ、ゼッピンナノデス」
コケッケ=鶏って事かな?でも雌雄個体ならコケッケの産む卵って、有精卵なんじゃ、、
「こけっけのたまごは、こけっけのこども?」
ぼくの言いたいことが伝わったのかディアが
「ユウセイランハ、アカ。ムセイランハ、クロイロノタマゴナノデ、ダイジョウブデス」
ディアの言葉に改めてラム達を見た。ラム達の抱えている籠には黒い卵がある。
「そっか。くれぐれも、あかいたまごは、とらないでね」
「ハイ。カシコマリマシタ」
ラムも無表情なのに、笑顔で答えたように見える。
「アルジ、コケッケヲミテミマスカ?」
「え?」
え?大丈夫かな?だって魔物なんでしょう?まぁ、ディアが居れば、、、いや、数で来られたら戦闘用じゃないディア一人では、、、
とグルグルと考えていると
「ミタメハアレデスガ、コドモヤナカマ二、キガイヲクワエナケレバ、キホンオトナシイマモノデス」
見た目がアレってなに?グロいの?不格好なの?
ラムの言葉に、怖いもの見たさの好奇心が勝ち、ディアに小屋に入ってもらった。
コケッケを見た第一印象は、
「やくじゃ(ざ)、、、」
だった。目付きが悪く、目元が黒でサングラスをかけているみたいな個体もいる。極めつけは鳴き声がまさかの
「ケッ、ケッ、ケッ、ケッ、チッ!ケッ、ケッ、ケッ、ケッ、チッ!」
だった。ガラが悪い!これで大人しい魔物だと言われても、信じられない!
何処から出したのか、ディア達は使用人の制服をいつの間にか着ていたので、その襟を無意識にキツく握っていた。
ぼくが怯えているのに気づいたディアが、ぼくをあやしながら小屋を出ようとしたら、コケッケがすごい勢いでディアの周りに集まってきた。
そして、円になりディアの周りを鳴きながら回りだした。
「にゃんのぎしき?!こあい!でぃあ、はやくでよう!」
あまりの恐怖に言葉が赤ちゃん返りしてしまった。
ぼくがパニクってディアを急かしていると、ディアが
「アルジ、ダイジョウブデス。コレハ、コケッケリュウノ、ユウコウノマイデス。アルジハコケッケ二、ミトメラレマシタ」
なんだろう。あまり嬉しくない。と、パニックから感情が無になった。
いつ終わるのかなぁと、コケッケ達を見ていたら、どこに隠れていたのかコケッケの雛と思われる小さなピンクのフワモコが出てきた。
「え?かわいい」
そう。ヤクザなコケッケの雛とは思えない位可愛いのだ。パッチリお目目に、自分の可愛さを分かってるような歩き方。極めつけは、上目遣いでディアを見上げるのだ。ぼくには目もくれない。なんなら、ディアに抱っこされているぼくを睨んでもくる。それを見て❝ああ、コケッケだな❞と納得した。
「あじゃとい」
かわいいけど、かわいくない。それがぼくの雛に対する最終感想だ。
ちなみに、雛の鳴き声は
「チュ、チュ、チュ、チュ」
の後にウインク。どこまでもあざとい雛だ。
「ヨカッタデスネ、アルジ。コケッケガミトメナケレバ、ヒナヲミルコトハ、デキナイノデス」
いつの間にかコケッケは、ディアの周りから居なくなって、代りに雛が群がっている。
それを見て微笑んでいるようなディアには悪いが、ぼくは見なくても良かったと思った。
自分が一番かわいい!の雛は、幼いぼくを完全にライバルとして見ている。
ディアには媚を売って、ぼくをディアの腕から排除しようとしているのだ。
「でぃあ、ここをでよう。はやく、ほこら、つくらないと」
雛になに対抗しているのかと言われそうだけど、ここまで敵意?を向けられれば仕方がない。
ディアの優先順位はぼくだと、雛たちに知らしめる必要があるのだ。
ディアは決してぼくよりもお前らを優先することはないと
「ハイ、アルジ」
そう言って、ディアは群がる雛を蹴らないように慎重に、だけど素早く小屋から出た。
雛はディアの後を追って出ようとしたけど、そこは親鳥であるコケッケが阻んだ。そして、何やらお説教のように、雛に対して鳴いていた。
へっ、ざまぁ
ぼくは後ろを振り返り、あっかんべーと舌を出した。それに気づいた雛は「チュ、チュ」ではなく「ヂュ!ヂュ!ヂュ!」と目を吊り上げ鳴き出し、またコケッケに怒られていた。
突然何だ?と思うかもしれないけど、そのまま聞いてください。
スタンピードが起きて3日目。ぼくは妖精達に感謝の気持ちを伝えるため、簡易の祠を作ろうと思ったのだ。ちゃんとしたやつは父達が帰ってきてから作ってもらおうと思っている。
トムが担当している畑と化した裏庭の隅に作ろうと、ディアに抱えられながら裏庭に向かっている途中、見覚えのない小屋から掃除・洗濯担当のラムたちが出てきた。そして、その手には黒い卵があった。
「おはよ。ここなに?」
と、ぼくがラム達に声をかけた。ぼくに気づいたラム達が
「オハヨウゴザイマス、アルジ。ココハ、ヨウセイタチガショウカンシタ、コケッケガイルコヤデス」
ラムの言葉に
「こけっけ?」
と首を傾げると、ディアが
「コケッケハ、シユウ(雌雄)コタイノ、トリノマモノノデス。コケッケノウムタマゴハ、ゼッピンナノデス」
コケッケ=鶏って事かな?でも雌雄個体ならコケッケの産む卵って、有精卵なんじゃ、、
「こけっけのたまごは、こけっけのこども?」
ぼくの言いたいことが伝わったのかディアが
「ユウセイランハ、アカ。ムセイランハ、クロイロノタマゴナノデ、ダイジョウブデス」
ディアの言葉に改めてラム達を見た。ラム達の抱えている籠には黒い卵がある。
「そっか。くれぐれも、あかいたまごは、とらないでね」
「ハイ。カシコマリマシタ」
ラムも無表情なのに、笑顔で答えたように見える。
「アルジ、コケッケヲミテミマスカ?」
「え?」
え?大丈夫かな?だって魔物なんでしょう?まぁ、ディアが居れば、、、いや、数で来られたら戦闘用じゃないディア一人では、、、
とグルグルと考えていると
「ミタメハアレデスガ、コドモヤナカマ二、キガイヲクワエナケレバ、キホンオトナシイマモノデス」
見た目がアレってなに?グロいの?不格好なの?
ラムの言葉に、怖いもの見たさの好奇心が勝ち、ディアに小屋に入ってもらった。
コケッケを見た第一印象は、
「やくじゃ(ざ)、、、」
だった。目付きが悪く、目元が黒でサングラスをかけているみたいな個体もいる。極めつけは鳴き声がまさかの
「ケッ、ケッ、ケッ、ケッ、チッ!ケッ、ケッ、ケッ、ケッ、チッ!」
だった。ガラが悪い!これで大人しい魔物だと言われても、信じられない!
何処から出したのか、ディア達は使用人の制服をいつの間にか着ていたので、その襟を無意識にキツく握っていた。
ぼくが怯えているのに気づいたディアが、ぼくをあやしながら小屋を出ようとしたら、コケッケがすごい勢いでディアの周りに集まってきた。
そして、円になりディアの周りを鳴きながら回りだした。
「にゃんのぎしき?!こあい!でぃあ、はやくでよう!」
あまりの恐怖に言葉が赤ちゃん返りしてしまった。
ぼくがパニクってディアを急かしていると、ディアが
「アルジ、ダイジョウブデス。コレハ、コケッケリュウノ、ユウコウノマイデス。アルジハコケッケ二、ミトメラレマシタ」
なんだろう。あまり嬉しくない。と、パニックから感情が無になった。
いつ終わるのかなぁと、コケッケ達を見ていたら、どこに隠れていたのかコケッケの雛と思われる小さなピンクのフワモコが出てきた。
「え?かわいい」
そう。ヤクザなコケッケの雛とは思えない位可愛いのだ。パッチリお目目に、自分の可愛さを分かってるような歩き方。極めつけは、上目遣いでディアを見上げるのだ。ぼくには目もくれない。なんなら、ディアに抱っこされているぼくを睨んでもくる。それを見て❝ああ、コケッケだな❞と納得した。
「あじゃとい」
かわいいけど、かわいくない。それがぼくの雛に対する最終感想だ。
ちなみに、雛の鳴き声は
「チュ、チュ、チュ、チュ」
の後にウインク。どこまでもあざとい雛だ。
「ヨカッタデスネ、アルジ。コケッケガミトメナケレバ、ヒナヲミルコトハ、デキナイノデス」
いつの間にかコケッケは、ディアの周りから居なくなって、代りに雛が群がっている。
それを見て微笑んでいるようなディアには悪いが、ぼくは見なくても良かったと思った。
自分が一番かわいい!の雛は、幼いぼくを完全にライバルとして見ている。
ディアには媚を売って、ぼくをディアの腕から排除しようとしているのだ。
「でぃあ、ここをでよう。はやく、ほこら、つくらないと」
雛になに対抗しているのかと言われそうだけど、ここまで敵意?を向けられれば仕方がない。
ディアの優先順位はぼくだと、雛たちに知らしめる必要があるのだ。
ディアは決してぼくよりもお前らを優先することはないと
「ハイ、アルジ」
そう言って、ディアは群がる雛を蹴らないように慎重に、だけど素早く小屋から出た。
雛はディアの後を追って出ようとしたけど、そこは親鳥であるコケッケが阻んだ。そして、何やらお説教のように、雛に対して鳴いていた。
へっ、ざまぁ
ぼくは後ろを振り返り、あっかんべーと舌を出した。それに気づいた雛は「チュ、チュ」ではなく「ヂュ!ヂュ!ヂュ!」と目を吊り上げ鳴き出し、またコケッケに怒られていた。
932
あなたにおすすめの小説
【完結】奇跡のおくすり~追放された薬師、実は王家の隠し子でした~
いっぺいちゃん
ファンタジー
薬草と静かな生活をこよなく愛する少女、レイナ=リーフィア。
地味で目立たぬ薬師だった彼女は、ある日貴族の陰謀で“冤罪”を着せられ、王都の冒険者ギルドを追放されてしまう。
「――もう、草とだけ暮らせればいい」
絶望の果てにたどり着いた辺境の村で、レイナはひっそりと薬を作り始める。だが、彼女の薬はどんな難病さえ癒す“奇跡の薬”だった。
やがて重病の王子を治したことで、彼女の正体が王家の“隠し子”だと判明し、王都からの使者が訪れる――
「あなたの薬に、国を救ってほしい」
導かれるように再び王都へと向かうレイナ。
医療改革を志し、“薬師局”を創設して仲間たちと共に奔走する日々が始まる。
薬草にしか心を開けなかった少女が、やがて王国の未来を変える――
これは、一人の“草オタク”薬師が紡ぐ、やさしくてまっすぐな奇跡の物語。
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…
無自覚人たらしマシュマロ令嬢、王宮で崇拝される ――見た目はぽっちゃり、中身は只者じゃない !
恋せよ恋
ファンタジー
富豪にして美食家、オラニエ侯爵家の長女ステファニー。
もっちり体型から「マシュマロ令嬢」と陰口を叩かれる彼女だが、
本人は今日もご機嫌に美味しいものを食べている。
――ただし、この令嬢、人のオーラが色で見える。
その力をひけらかすこともなく、ただ「気になるから」と忠告した結果、
不正商会が摘発され、運気が上がり、気づけば周囲には信奉者が増えていく。
十五歳で王妃に乞われ、王宮へ『なんでも顧問』として迎えられたステファニー。
美食を愛し、人を疑わず、誰にでも礼を尽くすその姿勢は、
いつの間にか貴族たちの心を掴み、王子たちまで惹きつけていく。
これは、
見た目はぽっちゃり、されど中身は只者ではないマシュマロ令嬢が、
無自覚のまま王宮を掌握していく、もっちり系・人たらし王宮譚。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 エール📣いいね❤️励みになります!
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる