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うちの子は素直ですか?
【閑話】うちの子は一人暮らしできますか?
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みんな覚えているかな?
俺は両国はじめ。大塚海帆とは保育園から大学まで同じの腐れ縁だ。二回目の登場だから思い出してほしい。
思い出したかな?
では、続けよう。
俺は見た。
大塚の新しい?彼氏?を。
大塚は三月頃に一人暮らしをするために越していった。律儀にもうちに挨拶に来たのか、リーフパイがリビングに置かれていた。うまかった。まあ、俺が好きなのは煎餅なんだが。
うちの親が心配してうるさいので、菓子やら蕎麦やらミートソースやらの食料品を持って大塚の新居を訪ねた。
大塚の新居は俺の家と学校の間に位置する。元の家からそれほど離れてはいない。
前もって約束した時間にエントランスでインターホンをプッシュする。
大塚の新居であるマンションはなかなかしっかりした造りで、セキュリティも大丈夫なようだ。さっきマンション周辺も見回って来たが、治安も悪くなさそうでホッとした。
「はーい」
能天気な挨拶と共に自動ドアが開かれた。挨拶と同時にドアが開いたが、ちゃんと確かめてから開けたのだろうか。中に踏み込めば清潔なエントランスと常駐する管理人があった。ポスト周辺、掲示板、エレベーターも綺麗に整えられている。
うむ。管理会社もまともなようだ。
各フロアの玄関ドアまわりも生活感が無く、住人も比較的落ち着いている層なのかもしれない。非常階段も綺麗に清掃されている。火事の時も安心だ。
大塚の部屋は角部屋だった。ご近所トラブルが無ければいいが。
玄関の表札を見る。札は入っていない。偉いぞ大塚。防犯意識はあるようだな。
しかし、大塚家のドアは少し開かれていた。おい。ここにこそ、防犯意識を持て!
「不用心だろ。閉めておけよ」
ドアを開けると大塚がパタパタと廊下を歩いて来た。部屋着だ。やたらデカいパーカーを着てるな。趣味が変わったのか?
「すぐ来ると思ったんだよ。いらっしゃい」
しゃがみ込みスリッパを並べる大塚の首元から胸の谷間が少しだけ見えた。そしてデカいパーカーの裾から白い太ももが見え……それを見ないように視線を引き剥がしながら、持ってきた支援物資を渡す。母さんの「心配だわー」と言っていた様子を思い出して心頭滅却する。
「お邪魔します。これ、母さんから食料とミートソー……」
心頭滅却した俺の視界に入ってきたのは、大塚の後ろに立っていた優しく微笑む男だった。
「こんにちは。品川夏樹です。みほちゃんの幼馴染なんですよね? 会えてよかった」
そこには神々しいまでの美形がいた。日本人か? いや、そんなことはどうでもいい。長身の大塚と並んでも、なお大きい。そして長い。脚が。モデルか? ここはモデルルームだったか?
「はじめまして……両国はじめ……です」
「あ! おばさまのミートソース~これ好き! ありがとうハジメン! さ、中に入って。なっちゃんも、そこに立ってたら入れないでしょう」
"なっちゃん"だと? そんな可愛い名前で呼んでいるのか? もっと洒落た名前で呼ばなくていいのか!?
おいおい、なっちゃんが大塚の抱え込んでた荷物を持ったぞ! ジェントルマン!
そのままジェントルマンは大塚の家の冷蔵庫を開け、ミートソースのタッパーを仕舞った。そして流れるようにお茶を注ぎ、菓子をお盆に乗せ机に持ってきた。最後にはナチュラルに大塚の横に着席。なんだこのジェントルマン……近いぞ……? ゼロ距離だぞ?
「え、同棲……?」
「いや、違う。なっちゃんはお隣さん」
隣ってお前、ここは角部屋で隣は一部屋しかないじゃないか……!
「すでに! ご近所トラブルだと!?!?」
「え、あ、ちが、ええ?」
慌てる(怪しい)大塚の横からなっちゃんとやらがにこやかに割入り説明を始めた。
「ぼくもみほちゃんの幼馴染というか、昔からの知り合いなんです」
「あ、知り合い……なのか。なら大丈夫か」
大丈夫なのか?
「はい。みほちゃんは危なっかしいので心配ですよね。わかります」
なっちゃんは本当に心配しているような表情で大塚に笑いかけた。ちょっとイケメンが過ぎるが大丈夫なのかもしれない。なっちゃんは心があるイケメンなようだ。
「あぁ、本当に大塚は昔から……いやいや、それにしても大塚、こんなイケメンな彼氏がいたんだな」
「彼氏じゃないよ!」
「は? 別にルミさんにチクらねーよ」
照れるな大塚。俺にはわかる。
「お母さんはなっちゃんのことを知ってるし、彼氏とかそういうんじゃなくて……なっちゃんは、ペットなの!」
「いや、より心配だわ」
「みほちゃん、それは二人だけの内緒にしよう? ね?」
いや、なっちゃんよ。お前もか。
「じゃあ、あれか、家の近くのコンビニでよく一緒に買い物してたワイルド系イケメンが彼氏か」
「は? 違うけど」
違うのか!? あんなに甘酸っぱい空気だったのにか!?
「じゃ、じゃあムーンバックスで一緒に勉強デートしてた眼鏡の色男か!?」
「は?! もっと違うけど!?」
大塚は急にパーカーの紐を捻じりはじめ頬を染めて何やら言い訳を繰り返している。なんだよ、その反応!!
ねえ? となっちゃんの方を見たら、彼はとても綺麗な顔で笑っているのに雰囲気が明らかに怒っていた。
──俺は、とんでもない燃料を投下してしまったのかもしれない。
大塚は気付いていないのか、まだ色男はなんでもないんだとかなんとか言っている。もうやめておけ大塚。それ以上、色男について燃料を出すな。もう隣は大火事だぞ。
「……はじめさん。安心してください。みほちゃんはぼくが守りますから。家も隣ですし」
なっちゃんは大火事のことはさて置くらしく、今度は俺の心配する心に寄り添うような温かみのある表情で微笑んだ。なんだ、なっちゃんはいいヤツじゃないか。だいぶイケメンが過ぎるが中身もイケメンだな、おい。
確かに大塚のことは心配だが、毎日家まで様子を見に来ることは現実的じゃない。なっちゃんがそばにいるなら安全だろう。
「頼んだぞ。構内では任せておけ。幸い、学部も同じだ」
「はじめさん! ありがとうございます……みほちゃん、学校で変な奴に絡まれてないか心配だったんです」
「ああ。俺も、大塚が一人暮らしだなんて、変な奴に押し入られないか心配だったんだ。」
俺にはわかる。
なっちゃんは優秀な番犬に違いない。
なっちゃんと固い握手で、大塚の家を後にした。
大塚。がんばれよ……!
俺は両国はじめ。大塚海帆とは保育園から大学まで同じの腐れ縁だ。二回目の登場だから思い出してほしい。
思い出したかな?
では、続けよう。
俺は見た。
大塚の新しい?彼氏?を。
大塚は三月頃に一人暮らしをするために越していった。律儀にもうちに挨拶に来たのか、リーフパイがリビングに置かれていた。うまかった。まあ、俺が好きなのは煎餅なんだが。
うちの親が心配してうるさいので、菓子やら蕎麦やらミートソースやらの食料品を持って大塚の新居を訪ねた。
大塚の新居は俺の家と学校の間に位置する。元の家からそれほど離れてはいない。
前もって約束した時間にエントランスでインターホンをプッシュする。
大塚の新居であるマンションはなかなかしっかりした造りで、セキュリティも大丈夫なようだ。さっきマンション周辺も見回って来たが、治安も悪くなさそうでホッとした。
「はーい」
能天気な挨拶と共に自動ドアが開かれた。挨拶と同時にドアが開いたが、ちゃんと確かめてから開けたのだろうか。中に踏み込めば清潔なエントランスと常駐する管理人があった。ポスト周辺、掲示板、エレベーターも綺麗に整えられている。
うむ。管理会社もまともなようだ。
各フロアの玄関ドアまわりも生活感が無く、住人も比較的落ち着いている層なのかもしれない。非常階段も綺麗に清掃されている。火事の時も安心だ。
大塚の部屋は角部屋だった。ご近所トラブルが無ければいいが。
玄関の表札を見る。札は入っていない。偉いぞ大塚。防犯意識はあるようだな。
しかし、大塚家のドアは少し開かれていた。おい。ここにこそ、防犯意識を持て!
「不用心だろ。閉めておけよ」
ドアを開けると大塚がパタパタと廊下を歩いて来た。部屋着だ。やたらデカいパーカーを着てるな。趣味が変わったのか?
「すぐ来ると思ったんだよ。いらっしゃい」
しゃがみ込みスリッパを並べる大塚の首元から胸の谷間が少しだけ見えた。そしてデカいパーカーの裾から白い太ももが見え……それを見ないように視線を引き剥がしながら、持ってきた支援物資を渡す。母さんの「心配だわー」と言っていた様子を思い出して心頭滅却する。
「お邪魔します。これ、母さんから食料とミートソー……」
心頭滅却した俺の視界に入ってきたのは、大塚の後ろに立っていた優しく微笑む男だった。
「こんにちは。品川夏樹です。みほちゃんの幼馴染なんですよね? 会えてよかった」
そこには神々しいまでの美形がいた。日本人か? いや、そんなことはどうでもいい。長身の大塚と並んでも、なお大きい。そして長い。脚が。モデルか? ここはモデルルームだったか?
「はじめまして……両国はじめ……です」
「あ! おばさまのミートソース~これ好き! ありがとうハジメン! さ、中に入って。なっちゃんも、そこに立ってたら入れないでしょう」
"なっちゃん"だと? そんな可愛い名前で呼んでいるのか? もっと洒落た名前で呼ばなくていいのか!?
おいおい、なっちゃんが大塚の抱え込んでた荷物を持ったぞ! ジェントルマン!
そのままジェントルマンは大塚の家の冷蔵庫を開け、ミートソースのタッパーを仕舞った。そして流れるようにお茶を注ぎ、菓子をお盆に乗せ机に持ってきた。最後にはナチュラルに大塚の横に着席。なんだこのジェントルマン……近いぞ……? ゼロ距離だぞ?
「え、同棲……?」
「いや、違う。なっちゃんはお隣さん」
隣ってお前、ここは角部屋で隣は一部屋しかないじゃないか……!
「すでに! ご近所トラブルだと!?!?」
「え、あ、ちが、ええ?」
慌てる(怪しい)大塚の横からなっちゃんとやらがにこやかに割入り説明を始めた。
「ぼくもみほちゃんの幼馴染というか、昔からの知り合いなんです」
「あ、知り合い……なのか。なら大丈夫か」
大丈夫なのか?
「はい。みほちゃんは危なっかしいので心配ですよね。わかります」
なっちゃんは本当に心配しているような表情で大塚に笑いかけた。ちょっとイケメンが過ぎるが大丈夫なのかもしれない。なっちゃんは心があるイケメンなようだ。
「あぁ、本当に大塚は昔から……いやいや、それにしても大塚、こんなイケメンな彼氏がいたんだな」
「彼氏じゃないよ!」
「は? 別にルミさんにチクらねーよ」
照れるな大塚。俺にはわかる。
「お母さんはなっちゃんのことを知ってるし、彼氏とかそういうんじゃなくて……なっちゃんは、ペットなの!」
「いや、より心配だわ」
「みほちゃん、それは二人だけの内緒にしよう? ね?」
いや、なっちゃんよ。お前もか。
「じゃあ、あれか、家の近くのコンビニでよく一緒に買い物してたワイルド系イケメンが彼氏か」
「は? 違うけど」
違うのか!? あんなに甘酸っぱい空気だったのにか!?
「じゃ、じゃあムーンバックスで一緒に勉強デートしてた眼鏡の色男か!?」
「は?! もっと違うけど!?」
大塚は急にパーカーの紐を捻じりはじめ頬を染めて何やら言い訳を繰り返している。なんだよ、その反応!!
ねえ? となっちゃんの方を見たら、彼はとても綺麗な顔で笑っているのに雰囲気が明らかに怒っていた。
──俺は、とんでもない燃料を投下してしまったのかもしれない。
大塚は気付いていないのか、まだ色男はなんでもないんだとかなんとか言っている。もうやめておけ大塚。それ以上、色男について燃料を出すな。もう隣は大火事だぞ。
「……はじめさん。安心してください。みほちゃんはぼくが守りますから。家も隣ですし」
なっちゃんは大火事のことはさて置くらしく、今度は俺の心配する心に寄り添うような温かみのある表情で微笑んだ。なんだ、なっちゃんはいいヤツじゃないか。だいぶイケメンが過ぎるが中身もイケメンだな、おい。
確かに大塚のことは心配だが、毎日家まで様子を見に来ることは現実的じゃない。なっちゃんがそばにいるなら安全だろう。
「頼んだぞ。構内では任せておけ。幸い、学部も同じだ」
「はじめさん! ありがとうございます……みほちゃん、学校で変な奴に絡まれてないか心配だったんです」
「ああ。俺も、大塚が一人暮らしだなんて、変な奴に押し入られないか心配だったんだ。」
俺にはわかる。
なっちゃんは優秀な番犬に違いない。
なっちゃんと固い握手で、大塚の家を後にした。
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