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第4章 資質~国をつかさどる者のとは
(3)介入~魔境王の采配
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「役不足だな。ライアス王子。お前では私を止めることはできぬ」
辛うじてその声の主をライアスは知っていた。
一度、ライアスの聖霊獣を見学にきたことがあるからだ。
じきに白銀の髪と漆黒の瞳、ワイルドな身体が姿を現した。
「魔境王、どうしてここに?」
エリオルの問いかけに、冷たい笑みを向けるガールダー。
「エリオル、お前はこの私が頼んだ件を果たすつもりはないだろう? あまり自らの手を汚すのは趣味じゃないんだが、仕方ないかな乗り出して来た」
確かにエリオルは誰も殺したくないし、端からガールダーの依頼をまともに受ける気持ちもない。
「王よ、貴方は一方的にガーリオとゾルクの始末をオレに依頼した。
オレはあの時『選択肢はないのか?』と問いかけたが、最終的に一言もガーリオを殺すともゾルクを仕留めるとも言っていない。
勿論、貴方の立場は重々分かるが、オレの目で見る限り、殺すに値するとは思っていない」
キッパリと言い切るエリオルに、魔境王の冷たい目が突き刺さる。
「ほう、いい度胸だな。ガーリャ、出てこい!」
魔境王の一言で、今まで大人しく気配を消していたガーリャがその姿を現した。黒ヒョウの身体に黄金の瞳。銀色の角に白い翼。
なかなか存在感のあるその姿に、一応みんな驚きの色を浮かべる。
「ガールダー様、オ呼ビデショウカ?」
「こいつを食い殺してしまえ!」
血走った目のガールダーが命令を下す。
それを見たライアスはとっさに自分の聖霊獣を呼ぶ。
エリオルとガールダーの馴れ初めを知りもないライアスだったが、そこに迷いは一欠片もなかった。
「シルフェ、エリオルを守れ!」
大きな翼を広げて、輝く聖霊獣が姿を現わす。
目が眩む様な黄金の輝き。大きな翼を広げた朱雀は、頭に銀色の角を持っている。
「やめろ! ライアス。お前の翼となる聖霊獣が死んでしまう。
王の獣はその王の体内を共有し、共に育つ。
絶対にお前の聖霊獣では太刀打ちできない。
そもそもの仕組みが違い過ぎる」
見た目の派手さはともかくとして、力の差は歴然としていた。
エリオルの的確な指摘を聞いても、ライアスは譲らなかった。
「それでも、お前はもう、俺の護衛剣士だ。お前だけじゃない。ジオールもガーリオも大切な仲間なんだ。
その為に必要なら、喜んでこの翼を使ってやろう」
そもそも王とは、こんなに強くひとりに対して思い入れを強くすることはないのかもしれないが、ライアスはためらいもなくそれを実行しようとしていた。
しかしそれは考えてみればすごく当然の人の姿で、それを王となるはずの人間が自然にできることが純粋にすごいとエリオルは思った。
「ライアス、ありがとう。だが、誠に申し訳ないが、お前の力は借りぬ。後で話がややこしくなってしまいそうだからな。
依頼されたのはオレだ。ケリはオレがこの手でつける」
そう言うとエリオルは何のためらいもなく剣を引き抜いた。
その様子に魔境王はニヤリと笑うと自分も剣を引き抜く。
「俺だとて手を抜くつもりは全くないぞ」
そして次の瞬間、もの凄い高速戦が始まった。
「でやー」
ほぼ、空間を裂くだけの音と人影らしい残像。
人の目では追うことができない素早さでふたりは相対していた。
誰もが動くことさえ出来ずに固唾をのんで見守る中、しばらくするとその動きが止まる。
エリオルがガールダーの首筋に剣を突きつけていた。
「エリオル、すごー」
ライアスがビックリした声をあげる。
しかし当のエリオルは冷静そのものだった。
「魔境王が手を抜いてくれたからな。でなきゃ、オレは今頃、串刺しだろうよ」
言いながら、剣を外すと鞘に収めた。
その言葉に魔境王は苦笑する。
「俺が王だからといって、そこまで立てなくてもいい。
これはお前の実力だ。俺は実践なんて皆無だからな。
あーあー、俺の国のものたちには見せられないな」
さも可笑しそうに魔境王は言った。
「ガーリオ、お前は二度と魔境国に戻ることは許さない。
俺がエリオルに負けるところを見ているからな。
分かったか? お前を仕留めようにも、エリオルとの戦いでかなり体力を消耗してしまったからな。無理だな。ああ、何から何まで失敗しまくりだな」
その言葉が表面的なものであることは、その場の誰もが分かっていた。ガーリオは涙声で言葉を紡ぐ。
「ガールダー様・・・・・・ありがとうございます」
口では結構なことを言う割に、ガールダーは意外にも優しい。
そう、エリオルは最初からそこに気がついていたのだった。
自分を挑発するにはそれなりの理由があると直感したエリオルは、獣の介入を拒んだのだった。
「あっ、魔境王、いろいろとありがとう。
結局、依頼は果たせなかったけど、半分だけ」
エリオルがそう言ってキールに目を向ける。
キールは何のことかすぐに気が付き、自分の懐の中に置いていた袋をエリオルに手渡す。
エリオルはそれを魔境王に手渡した。
「なんだ、結構律儀なんだな。見込んだ俺の目に狂いはなかったか」
笑いながらそう言うと、優しい目をエリオルに向ける。
「ライアス王子、いろいろと迷惑をかけた。
戦利品もあることだし、俺は魔境国に帰る。王と王妃にもよしなに頼む」
そのまま、魔境王の姿はかき消すように消えた。
勿論、器を同じくする魔境獣も一緒である。
残されたのは、気持ち悪いくらいの静寂だけである。
「はーあ、やれやれ。何とか穏便になりそうで良かった」
ライアスがしみじみと呟く。
「ですね。エリオルには大感謝ですね」
キールが言うと、みんなして大きく頷く。
「やめろ、あれは魔境王が譲歩してくれただけのことだ。
オレのせいではない」
「エリオル、お前本当にいい性格してるよな。どうすればそんなにいい人間に育つのか不思議だな?」
ライアスが妙に感心しながら、そんなことをぼやいている。
その言葉を完全無視して、エリオルは問いかける。
「で、結局、これからどうするつもりだ?」
「どうするって、邪魔する人間はいないわけだし、予定通りふたりを護衛剣士にするに決まってるじゃないか」
当然と言わんばかりのライアス。
「だから、オレはなるつもりはないって言ってるだろう。
当初の予定はゾルクの排除。それは果たされただろう?」
「ああ、ありがとう。ガーリオがここにいると言うことはもう、ゾルクは出ないということだものな」
ライアスにはゾルクの正体の話をしていなかった為、ガールダーが連れ帰ったことは知らない。
「さっき魔境王に渡したものが、ゾルクの本体だよ」
「えっ、そうなの? かなり小さいものみたいだったが。
だから戦利品って言ったのか。なるほど、とりあえず良かった」
ライアスは心から安心した表情を見せる。
「エリオル、私も貴方にはいて欲しいです。
貴方ほど素晴らしい剣士などなかなかいないと思います。
かなり変わった王かもしれないですが、貴方を失望させることはないと断言します。もしも、狂ったら、その時は私がこの手で息の根を止めます。ですから、私たちと一緒にこの無茶苦茶な王様に仕えて下さる気持ちはないでしょうか?」
キールの言葉はとても重い。
「本当にキールなら、ライアスを殺すかもしれないな」
そう言って、エリオルは少し押し黙る。
一生かけて仕える気があるからこそ言える言葉だ。
ハワードも自分に対しては、同じ様な言葉を言ってくれる気がする。
「ライアス王子、オレは混血種だ。そんな人間を側に置くことがどれ程のリスクになるか分かっているか?」
その言葉にライアスは少しだけ、考える仕草をした。
「確かにそうなんだろうけど、でも悪いが俺の中でお前を側に置いて、マイナスになる要素が全く見つからない。
第一、父上も母上もお前のことはめちゃくちゃ大事に思っている節がある。現状よく分からないが、お前は本当ならかなり地位のある位置にいるはずの人間なのかもしれないな」
次期王様の分析力はなかなかのものの様だ。
「あっ、もしかして王に仕えること自体ダメなのか?」
ライアスの思いつきに、即座に首を振るエリオル。
「お前の両親はオレの正体を知っている。だが、オレは自分の正体を誰にも話す気はない。お前の両親にも話さないでくれと頼んである。
だから、そこに関して、詮索は一切しないでくれ。
もしもバレたら、その時はオレがこの国を去る時だ。
いいか? 混血種を良しとしないのはどこでも同じだ。
そこは理解している。それでも直、オレを側に置きたいと言うのなら、お前の護衛剣士になってやろう」
エリオルの言葉に、ライアスはこの上もないほどの笑顔を浮かべた。
「やったー。マジ!、すげー嬉しい!!」
子どもか!
と茶々を入れたくなるほどの喜び様に、それでも周りの人間たちは一応にほっこりする。
「良かったですね。ライアス様」
キールがライアス以上に嬉しそうに言う。
「ああ、ありがとう。キール、お前のお陰かもな。
まあ、でも、せいぜいお前に殺されない様にがんばるよ」
「そうですね。そこは大丈夫だとは思いますが、変な人間に変なものを飲まされないとも限りませんし、暴走して王としての価値がなくなりそうなら、速攻で消しますから、そのつもりで」
なかなかに厳しいキールの言葉。
でも、裏を返せば、それがきちんとできると思っているからこその言葉でもある。キールほどの人間にここまで言わしめるライアスと言う人物がどんな人物で、どんな国を作って行くのかを見ていきたい。
それはエリオルの純粋な想いでもあった。
「それじゃあ、とりあえずタムール国に帰りましょうよ。全てはそれからでしょう?」
アーメルの言葉は最もだったので、一応にみんなが頷いて、のんびりとタムール国へと歩みを始めた。
エリオルとアーメル、キールは自分の服に着替えて、それぞれの武器を持つ。
いつもの服と武器がこんなに落ち着くものだと思いもしなかったエリオルは少し驚いた。
タムール国にいれば、もっとたくさん驚きがあるかもしれない。
エリオルはいつになく、楽しそうなイメージに少しだけ心を躍らせていた。
辛うじてその声の主をライアスは知っていた。
一度、ライアスの聖霊獣を見学にきたことがあるからだ。
じきに白銀の髪と漆黒の瞳、ワイルドな身体が姿を現した。
「魔境王、どうしてここに?」
エリオルの問いかけに、冷たい笑みを向けるガールダー。
「エリオル、お前はこの私が頼んだ件を果たすつもりはないだろう? あまり自らの手を汚すのは趣味じゃないんだが、仕方ないかな乗り出して来た」
確かにエリオルは誰も殺したくないし、端からガールダーの依頼をまともに受ける気持ちもない。
「王よ、貴方は一方的にガーリオとゾルクの始末をオレに依頼した。
オレはあの時『選択肢はないのか?』と問いかけたが、最終的に一言もガーリオを殺すともゾルクを仕留めるとも言っていない。
勿論、貴方の立場は重々分かるが、オレの目で見る限り、殺すに値するとは思っていない」
キッパリと言い切るエリオルに、魔境王の冷たい目が突き刺さる。
「ほう、いい度胸だな。ガーリャ、出てこい!」
魔境王の一言で、今まで大人しく気配を消していたガーリャがその姿を現した。黒ヒョウの身体に黄金の瞳。銀色の角に白い翼。
なかなか存在感のあるその姿に、一応みんな驚きの色を浮かべる。
「ガールダー様、オ呼ビデショウカ?」
「こいつを食い殺してしまえ!」
血走った目のガールダーが命令を下す。
それを見たライアスはとっさに自分の聖霊獣を呼ぶ。
エリオルとガールダーの馴れ初めを知りもないライアスだったが、そこに迷いは一欠片もなかった。
「シルフェ、エリオルを守れ!」
大きな翼を広げて、輝く聖霊獣が姿を現わす。
目が眩む様な黄金の輝き。大きな翼を広げた朱雀は、頭に銀色の角を持っている。
「やめろ! ライアス。お前の翼となる聖霊獣が死んでしまう。
王の獣はその王の体内を共有し、共に育つ。
絶対にお前の聖霊獣では太刀打ちできない。
そもそもの仕組みが違い過ぎる」
見た目の派手さはともかくとして、力の差は歴然としていた。
エリオルの的確な指摘を聞いても、ライアスは譲らなかった。
「それでも、お前はもう、俺の護衛剣士だ。お前だけじゃない。ジオールもガーリオも大切な仲間なんだ。
その為に必要なら、喜んでこの翼を使ってやろう」
そもそも王とは、こんなに強くひとりに対して思い入れを強くすることはないのかもしれないが、ライアスはためらいもなくそれを実行しようとしていた。
しかしそれは考えてみればすごく当然の人の姿で、それを王となるはずの人間が自然にできることが純粋にすごいとエリオルは思った。
「ライアス、ありがとう。だが、誠に申し訳ないが、お前の力は借りぬ。後で話がややこしくなってしまいそうだからな。
依頼されたのはオレだ。ケリはオレがこの手でつける」
そう言うとエリオルは何のためらいもなく剣を引き抜いた。
その様子に魔境王はニヤリと笑うと自分も剣を引き抜く。
「俺だとて手を抜くつもりは全くないぞ」
そして次の瞬間、もの凄い高速戦が始まった。
「でやー」
ほぼ、空間を裂くだけの音と人影らしい残像。
人の目では追うことができない素早さでふたりは相対していた。
誰もが動くことさえ出来ずに固唾をのんで見守る中、しばらくするとその動きが止まる。
エリオルがガールダーの首筋に剣を突きつけていた。
「エリオル、すごー」
ライアスがビックリした声をあげる。
しかし当のエリオルは冷静そのものだった。
「魔境王が手を抜いてくれたからな。でなきゃ、オレは今頃、串刺しだろうよ」
言いながら、剣を外すと鞘に収めた。
その言葉に魔境王は苦笑する。
「俺が王だからといって、そこまで立てなくてもいい。
これはお前の実力だ。俺は実践なんて皆無だからな。
あーあー、俺の国のものたちには見せられないな」
さも可笑しそうに魔境王は言った。
「ガーリオ、お前は二度と魔境国に戻ることは許さない。
俺がエリオルに負けるところを見ているからな。
分かったか? お前を仕留めようにも、エリオルとの戦いでかなり体力を消耗してしまったからな。無理だな。ああ、何から何まで失敗しまくりだな」
その言葉が表面的なものであることは、その場の誰もが分かっていた。ガーリオは涙声で言葉を紡ぐ。
「ガールダー様・・・・・・ありがとうございます」
口では結構なことを言う割に、ガールダーは意外にも優しい。
そう、エリオルは最初からそこに気がついていたのだった。
自分を挑発するにはそれなりの理由があると直感したエリオルは、獣の介入を拒んだのだった。
「あっ、魔境王、いろいろとありがとう。
結局、依頼は果たせなかったけど、半分だけ」
エリオルがそう言ってキールに目を向ける。
キールは何のことかすぐに気が付き、自分の懐の中に置いていた袋をエリオルに手渡す。
エリオルはそれを魔境王に手渡した。
「なんだ、結構律儀なんだな。見込んだ俺の目に狂いはなかったか」
笑いながらそう言うと、優しい目をエリオルに向ける。
「ライアス王子、いろいろと迷惑をかけた。
戦利品もあることだし、俺は魔境国に帰る。王と王妃にもよしなに頼む」
そのまま、魔境王の姿はかき消すように消えた。
勿論、器を同じくする魔境獣も一緒である。
残されたのは、気持ち悪いくらいの静寂だけである。
「はーあ、やれやれ。何とか穏便になりそうで良かった」
ライアスがしみじみと呟く。
「ですね。エリオルには大感謝ですね」
キールが言うと、みんなして大きく頷く。
「やめろ、あれは魔境王が譲歩してくれただけのことだ。
オレのせいではない」
「エリオル、お前本当にいい性格してるよな。どうすればそんなにいい人間に育つのか不思議だな?」
ライアスが妙に感心しながら、そんなことをぼやいている。
その言葉を完全無視して、エリオルは問いかける。
「で、結局、これからどうするつもりだ?」
「どうするって、邪魔する人間はいないわけだし、予定通りふたりを護衛剣士にするに決まってるじゃないか」
当然と言わんばかりのライアス。
「だから、オレはなるつもりはないって言ってるだろう。
当初の予定はゾルクの排除。それは果たされただろう?」
「ああ、ありがとう。ガーリオがここにいると言うことはもう、ゾルクは出ないということだものな」
ライアスにはゾルクの正体の話をしていなかった為、ガールダーが連れ帰ったことは知らない。
「さっき魔境王に渡したものが、ゾルクの本体だよ」
「えっ、そうなの? かなり小さいものみたいだったが。
だから戦利品って言ったのか。なるほど、とりあえず良かった」
ライアスは心から安心した表情を見せる。
「エリオル、私も貴方にはいて欲しいです。
貴方ほど素晴らしい剣士などなかなかいないと思います。
かなり変わった王かもしれないですが、貴方を失望させることはないと断言します。もしも、狂ったら、その時は私がこの手で息の根を止めます。ですから、私たちと一緒にこの無茶苦茶な王様に仕えて下さる気持ちはないでしょうか?」
キールの言葉はとても重い。
「本当にキールなら、ライアスを殺すかもしれないな」
そう言って、エリオルは少し押し黙る。
一生かけて仕える気があるからこそ言える言葉だ。
ハワードも自分に対しては、同じ様な言葉を言ってくれる気がする。
「ライアス王子、オレは混血種だ。そんな人間を側に置くことがどれ程のリスクになるか分かっているか?」
その言葉にライアスは少しだけ、考える仕草をした。
「確かにそうなんだろうけど、でも悪いが俺の中でお前を側に置いて、マイナスになる要素が全く見つからない。
第一、父上も母上もお前のことはめちゃくちゃ大事に思っている節がある。現状よく分からないが、お前は本当ならかなり地位のある位置にいるはずの人間なのかもしれないな」
次期王様の分析力はなかなかのものの様だ。
「あっ、もしかして王に仕えること自体ダメなのか?」
ライアスの思いつきに、即座に首を振るエリオル。
「お前の両親はオレの正体を知っている。だが、オレは自分の正体を誰にも話す気はない。お前の両親にも話さないでくれと頼んである。
だから、そこに関して、詮索は一切しないでくれ。
もしもバレたら、その時はオレがこの国を去る時だ。
いいか? 混血種を良しとしないのはどこでも同じだ。
そこは理解している。それでも直、オレを側に置きたいと言うのなら、お前の護衛剣士になってやろう」
エリオルの言葉に、ライアスはこの上もないほどの笑顔を浮かべた。
「やったー。マジ!、すげー嬉しい!!」
子どもか!
と茶々を入れたくなるほどの喜び様に、それでも周りの人間たちは一応にほっこりする。
「良かったですね。ライアス様」
キールがライアス以上に嬉しそうに言う。
「ああ、ありがとう。キール、お前のお陰かもな。
まあ、でも、せいぜいお前に殺されない様にがんばるよ」
「そうですね。そこは大丈夫だとは思いますが、変な人間に変なものを飲まされないとも限りませんし、暴走して王としての価値がなくなりそうなら、速攻で消しますから、そのつもりで」
なかなかに厳しいキールの言葉。
でも、裏を返せば、それがきちんとできると思っているからこその言葉でもある。キールほどの人間にここまで言わしめるライアスと言う人物がどんな人物で、どんな国を作って行くのかを見ていきたい。
それはエリオルの純粋な想いでもあった。
「それじゃあ、とりあえずタムール国に帰りましょうよ。全てはそれからでしょう?」
アーメルの言葉は最もだったので、一応にみんなが頷いて、のんびりとタムール国へと歩みを始めた。
エリオルとアーメル、キールは自分の服に着替えて、それぞれの武器を持つ。
いつもの服と武器がこんなに落ち着くものだと思いもしなかったエリオルは少し驚いた。
タムール国にいれば、もっとたくさん驚きがあるかもしれない。
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