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黒猫匂いの子可愛い子
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雲が月を隠す夜、ルルーシェは目をパッチリと開けていた。
(よし!)
勢いよく飛び上がりたいところだが、自分の部屋だろうが気配を消すためにそろりと上半身を起こす。
そして目をぐしぐしと擦り眠気を飛ばす。
ルルーシェは靴を履き、ドレスルームに迷いなく向かう。
目的は一着の外套である。
さらに言うと、ルルーシェが行こうとしているのは庭で、そのためには外套が必須なのだ。
(今日こそは!)
「わあぁ!!」
金銀財宝が無雑作気味に置かれている此処は宝物室。
公爵家であるアページェントの宝物室は奥が見えないほど広く、ラカーシェへの言い訳に使った「探検」が本当にできる。
美しい美術品だけでなく、ボロっちい物もある。
多分性能的価値や、歴史的価値があるんだろうが、こうも無雑作に置かれているとゴミにしか見えなくて困る。
「…………うわぁ」
「大丈夫ですか?」
「……大丈夫よ、フレアンヌ」
物の多さ、壮大さに先程は驚き感嘆したが、今は引きの言葉だ。
公爵家に相応しい広さ、量はある。
しかし、公爵家とは思えないほどの杜撰さ。
果たしてこの中からルルーシェが望むモノは見つかるのか。
ルルーシェは気が遠くなりそうだった。
ルルーシェが欲しいモノは、姿隠しをしてくれる力だ。
そんな都合の良いモノを見つけられるかはわからないが、これだけあるのだから探してみる価値はあるだろう。
見つからなくても、此処にある物を見て回ること自体わくわくするから問題はない。
「ルルーシェ様?」
「…………」
「ーーえ?」
(み、見つけたわ……!)
姿を隠せるモノが本当に見つかるとは思っていなかったルルーシェ。
驚きすぎて目が落っこちてしまいそうだ。
フレアンヌが、外套のフードを被っているルルーシェの横を素通りした。
辺りを見回してもいるが、ルルーシェを目に留める様子はない。
しかし、気配は感じているらしい。
ルルーシェが居る辺りを重点的に見ている。
無表情ながらも焦っている姿を間近で見るのは中々面白い。
だが、心配をかけるのは本意ではない。
ルルーシェは後ろの棚に音を立てないよう忍足で回り込みそっと外套を脱ぐ。
「ルルーシェ様!何処にいらっしゃいますか!?」
「こっちよ、フレアンヌ」
どうしたのかと尋ねるように首を傾げつつ、おっとりと言うように心がけた。
しかしフレアンヌの焦った様子は変わらない。
「何処にいらっしゃっていたのですか!?」
「ずっと此処に居たわ?」
「…………本当ですか?」
フレアンヌの顔は変わらないが、声が固かった。
「ええ」
「…………。ともかく、無事でよかったです。何かあったのかと」
「あ」
ルルーシェの片手を両手で握りしめ、フレアンヌは縋るように引き寄せる。
「心配かけてごめんなさい……」
「はい」
少しだけ、温かい空気が戻ってきた。
そうだ、ルルーシェはこの前湖に落ちたばかりなのだ。
急にいなくなって、フレアンヌは心配で仕方なかっただろう。
今更ながらルルーシェは自分勝手すぎたかな、と思う。
項垂れるルルーシェの手を慰めるように一摩りして、手が離れる。
「あのね、これとこれが欲しいの」
ルルーシェは隣に置いておいた、外套とカモフラージュ用の繊細な花細工が施された手鏡を持って見せる。
外套だけだとそれが目立ちすぎてしまう。
それはよくないだろうと思ってのことだ。
「はい。ルルーシェ様は全ての持ち出し許可を頂いているのですから、問題ありません」
「ならよかったわ!」
抜け出す準備も万端、ルルーシェは今夜こっそりと庭に行くつもりだ。
(眠らないように、眠らないように、……眠らないよう、に、…………ねむらな…………ねむ……)
目を一度くっつけると、もう開けることはできなかった。
一夜目、失敗。
(今日は絶対に寝ないわ!)
ルルーシェは頭の中で素数を数えて深夜になるのを待った。
勿論、目はパッチリだ。
(やったわ!)
ルルーシェは意気揚々と靴を履き、ドレスルームで外套を手に取り廊下へと出た。
気配をひた隠して廊下を進む途中、トワイの姿が見えた。
ここで足を止め息を潜めていたらバレないだろうが、百パーセントではない。
既に部屋を内緒で抜け出している、というリスクがあるのだ。
さらにリスクを背負うことは避けたい。
よってルルーシェは元来た道を引き返し部屋に戻ろうとする。
しかし。
気配を消そうとすると、どうしても動作がゆったりになる。
あっという間にルルーシェとトワイの距離は縮まっていき、ルルーシェは焦った。
(もう偶然を装いましょう!夜の散歩、ええ素敵じゃない!イケるかしら。いいえ、イクのよ!イケるわ私!)
角を曲がったところで足を止め、フードを取る。
そうして、ルルーシェとトワイは夜の散歩ルートへと進む。
どちらも望んでいなかったというのに。
二夜目、失敗。
雲が月を隠す夜、ルルーシェは目をパッチリと開けていた。
(よし!)
勢いよく飛び上がりたいところだが、自分の部屋だろうが気配を消すためにそろりと上半身を起こす。
そして目をぐしぐしと擦り眠気を飛ばす。
ルルーシェは靴を履き、ドレスルームに迷いなく向かう。
(今日こそは!)
春の夜はまだまだ寒い。
しかも今夜は風が強い。
ルルーシェは強風に身を縮める。
外套の下は完全に室内用の寝巻きなのだ。
春夜には少しも向いている格好でない。
きょろきょろと辺りを見渡し、周りに誰もいないことを確認する。
そうしても大声は上げず、むしろ独り言のように言う。
「ねぇ、いるわよね?」
今度は確信を持って囁く。
「あなたの匂いがするの。いるとわかっているわ」
言い終わった途端、一際強い風が全てを拐うようにルルーシェの体を包み、抗えきれずに目を瞑る。
風が治るのを待ち、目を開ける。
当然ながら、風は全てを残していった。
そして風は新たなモノを置いていった。
黒猫が、目の前に居た。
ルビーのように真っ赤な、キラキラと輝く瞳がルルーシェを射抜く。
「きれい」
ルルーシェは思わず感嘆する。
「にゃ~」
ありがとう、と言うように鳴いてルルーシェの元へと擦り寄ってくる姿は愛らしい。
ぬくぬくとした毛皮も、愛くるしく、温かい。
そのまま持って帰って、可愛がり倒してしまいそうになるが、ルルーシェは絆されまいと踏ん張る。
口はゆるゆるなのを無理に引き結んでいることしかできていないが。
それでもずっとゆるゆるな状態でいるよりはマシだろう。
「あなた、私を突き落とした子ね?」
「…………」
ルルーシェの足に体を擦り付けるのを止め、無言を貫く黒猫。
都合が悪いとなると途端に素っ気なくなる。
正に猫だ。
だからこそ、普通の猫だなんてルルーシェは騙されたりしない。
動物は人間の感情を感じ取りはしても、人間の言葉を理解したりはできない。
先程、ルルーシェは穏やかな気持ちで黒猫に伝えた。
なのに黒猫は黙った。
これが意味することは、この黒猫は人間の言葉を理解している、ということだ。
「別に怒ってなんていないのよ。ただの事実確認にすぎないわ」
「にー」
本当に?と尋ねられたような気がした。
「本当よ」
「にゃ~」
ごめんなさい自分なんだ、と謝るように弱々しく頭を擦り付けてくる。
ルルーシェはしゃがみ込み、黒猫の頭をそっと撫でる。
「もうしたりしない?」
「にゃ」
うん絶対、そう言って黒猫は頷いた。
「じゃあいいわ」
今度は先程よりも少し強く頭を撫でる。
パサついてはいないが、艶やかでもない毛並み。
それでも、動物は動物だということだけで愛らしい。
だから、つい口走ってしまった。
「うちの子になる?」
「にゃ!」
今までで一番力強い返事が返ってくる。
そして黒猫は無断でルルーシェの膝の上に飛び乗った。
「全く、現金な子ね!」
「に」
そんなことはない、と不本意そうに鳴く。
そう鳴く時点で黒猫は現金だ。
(よし!)
勢いよく飛び上がりたいところだが、自分の部屋だろうが気配を消すためにそろりと上半身を起こす。
そして目をぐしぐしと擦り眠気を飛ばす。
ルルーシェは靴を履き、ドレスルームに迷いなく向かう。
目的は一着の外套である。
さらに言うと、ルルーシェが行こうとしているのは庭で、そのためには外套が必須なのだ。
(今日こそは!)
「わあぁ!!」
金銀財宝が無雑作気味に置かれている此処は宝物室。
公爵家であるアページェントの宝物室は奥が見えないほど広く、ラカーシェへの言い訳に使った「探検」が本当にできる。
美しい美術品だけでなく、ボロっちい物もある。
多分性能的価値や、歴史的価値があるんだろうが、こうも無雑作に置かれているとゴミにしか見えなくて困る。
「…………うわぁ」
「大丈夫ですか?」
「……大丈夫よ、フレアンヌ」
物の多さ、壮大さに先程は驚き感嘆したが、今は引きの言葉だ。
公爵家に相応しい広さ、量はある。
しかし、公爵家とは思えないほどの杜撰さ。
果たしてこの中からルルーシェが望むモノは見つかるのか。
ルルーシェは気が遠くなりそうだった。
ルルーシェが欲しいモノは、姿隠しをしてくれる力だ。
そんな都合の良いモノを見つけられるかはわからないが、これだけあるのだから探してみる価値はあるだろう。
見つからなくても、此処にある物を見て回ること自体わくわくするから問題はない。
「ルルーシェ様?」
「…………」
「ーーえ?」
(み、見つけたわ……!)
姿を隠せるモノが本当に見つかるとは思っていなかったルルーシェ。
驚きすぎて目が落っこちてしまいそうだ。
フレアンヌが、外套のフードを被っているルルーシェの横を素通りした。
辺りを見回してもいるが、ルルーシェを目に留める様子はない。
しかし、気配は感じているらしい。
ルルーシェが居る辺りを重点的に見ている。
無表情ながらも焦っている姿を間近で見るのは中々面白い。
だが、心配をかけるのは本意ではない。
ルルーシェは後ろの棚に音を立てないよう忍足で回り込みそっと外套を脱ぐ。
「ルルーシェ様!何処にいらっしゃいますか!?」
「こっちよ、フレアンヌ」
どうしたのかと尋ねるように首を傾げつつ、おっとりと言うように心がけた。
しかしフレアンヌの焦った様子は変わらない。
「何処にいらっしゃっていたのですか!?」
「ずっと此処に居たわ?」
「…………本当ですか?」
フレアンヌの顔は変わらないが、声が固かった。
「ええ」
「…………。ともかく、無事でよかったです。何かあったのかと」
「あ」
ルルーシェの片手を両手で握りしめ、フレアンヌは縋るように引き寄せる。
「心配かけてごめんなさい……」
「はい」
少しだけ、温かい空気が戻ってきた。
そうだ、ルルーシェはこの前湖に落ちたばかりなのだ。
急にいなくなって、フレアンヌは心配で仕方なかっただろう。
今更ながらルルーシェは自分勝手すぎたかな、と思う。
項垂れるルルーシェの手を慰めるように一摩りして、手が離れる。
「あのね、これとこれが欲しいの」
ルルーシェは隣に置いておいた、外套とカモフラージュ用の繊細な花細工が施された手鏡を持って見せる。
外套だけだとそれが目立ちすぎてしまう。
それはよくないだろうと思ってのことだ。
「はい。ルルーシェ様は全ての持ち出し許可を頂いているのですから、問題ありません」
「ならよかったわ!」
抜け出す準備も万端、ルルーシェは今夜こっそりと庭に行くつもりだ。
(眠らないように、眠らないように、……眠らないよう、に、…………ねむらな…………ねむ……)
目を一度くっつけると、もう開けることはできなかった。
一夜目、失敗。
(今日は絶対に寝ないわ!)
ルルーシェは頭の中で素数を数えて深夜になるのを待った。
勿論、目はパッチリだ。
(やったわ!)
ルルーシェは意気揚々と靴を履き、ドレスルームで外套を手に取り廊下へと出た。
気配をひた隠して廊下を進む途中、トワイの姿が見えた。
ここで足を止め息を潜めていたらバレないだろうが、百パーセントではない。
既に部屋を内緒で抜け出している、というリスクがあるのだ。
さらにリスクを背負うことは避けたい。
よってルルーシェは元来た道を引き返し部屋に戻ろうとする。
しかし。
気配を消そうとすると、どうしても動作がゆったりになる。
あっという間にルルーシェとトワイの距離は縮まっていき、ルルーシェは焦った。
(もう偶然を装いましょう!夜の散歩、ええ素敵じゃない!イケるかしら。いいえ、イクのよ!イケるわ私!)
角を曲がったところで足を止め、フードを取る。
そうして、ルルーシェとトワイは夜の散歩ルートへと進む。
どちらも望んでいなかったというのに。
二夜目、失敗。
雲が月を隠す夜、ルルーシェは目をパッチリと開けていた。
(よし!)
勢いよく飛び上がりたいところだが、自分の部屋だろうが気配を消すためにそろりと上半身を起こす。
そして目をぐしぐしと擦り眠気を飛ばす。
ルルーシェは靴を履き、ドレスルームに迷いなく向かう。
(今日こそは!)
春の夜はまだまだ寒い。
しかも今夜は風が強い。
ルルーシェは強風に身を縮める。
外套の下は完全に室内用の寝巻きなのだ。
春夜には少しも向いている格好でない。
きょろきょろと辺りを見渡し、周りに誰もいないことを確認する。
そうしても大声は上げず、むしろ独り言のように言う。
「ねぇ、いるわよね?」
今度は確信を持って囁く。
「あなたの匂いがするの。いるとわかっているわ」
言い終わった途端、一際強い風が全てを拐うようにルルーシェの体を包み、抗えきれずに目を瞑る。
風が治るのを待ち、目を開ける。
当然ながら、風は全てを残していった。
そして風は新たなモノを置いていった。
黒猫が、目の前に居た。
ルビーのように真っ赤な、キラキラと輝く瞳がルルーシェを射抜く。
「きれい」
ルルーシェは思わず感嘆する。
「にゃ~」
ありがとう、と言うように鳴いてルルーシェの元へと擦り寄ってくる姿は愛らしい。
ぬくぬくとした毛皮も、愛くるしく、温かい。
そのまま持って帰って、可愛がり倒してしまいそうになるが、ルルーシェは絆されまいと踏ん張る。
口はゆるゆるなのを無理に引き結んでいることしかできていないが。
それでもずっとゆるゆるな状態でいるよりはマシだろう。
「あなた、私を突き落とした子ね?」
「…………」
ルルーシェの足に体を擦り付けるのを止め、無言を貫く黒猫。
都合が悪いとなると途端に素っ気なくなる。
正に猫だ。
だからこそ、普通の猫だなんてルルーシェは騙されたりしない。
動物は人間の感情を感じ取りはしても、人間の言葉を理解したりはできない。
先程、ルルーシェは穏やかな気持ちで黒猫に伝えた。
なのに黒猫は黙った。
これが意味することは、この黒猫は人間の言葉を理解している、ということだ。
「別に怒ってなんていないのよ。ただの事実確認にすぎないわ」
「にー」
本当に?と尋ねられたような気がした。
「本当よ」
「にゃ~」
ごめんなさい自分なんだ、と謝るように弱々しく頭を擦り付けてくる。
ルルーシェはしゃがみ込み、黒猫の頭をそっと撫でる。
「もうしたりしない?」
「にゃ」
うん絶対、そう言って黒猫は頷いた。
「じゃあいいわ」
今度は先程よりも少し強く頭を撫でる。
パサついてはいないが、艶やかでもない毛並み。
それでも、動物は動物だということだけで愛らしい。
だから、つい口走ってしまった。
「うちの子になる?」
「にゃ!」
今までで一番力強い返事が返ってくる。
そして黒猫は無断でルルーシェの膝の上に飛び乗った。
「全く、現金な子ね!」
「に」
そんなことはない、と不本意そうに鳴く。
そう鳴く時点で黒猫は現金だ。
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