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だめにゃんですの?
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「駄目だよ、捨ててきなさい」
「…………だめにゃんですの?」
「うっ!」
黒猫の頭を口元にやり、ぷにぷに肉球で空を描き尋ねる。
目を見開き胸を押さえて何かに耐えているラカーシェの反応に、これはイケるなとルルーシェは駄目押しする。
「お父様、だめにゃんですの?」
「…………いいよ!」
「うふふ、ありがとにゃん」
「……可愛い」
ラカーシェは項垂れながらも身を悶えさせるという器用なことをやってのけた。
「さて。あなたの名前、どうしようかしら」
「にゃあ」
興味ないと体を丸められてしまった。
「あなたねぇ、自分の名前なのよ、もっと興味持って」
「に」
「クロにしちゃうわよ?」
「にゃ……」
「だったらもう少し関心を持ちなさい」
黒猫の脇を掬い、びろーんと持ち上げ鼻同士をちょん、とつける。
「うにゃぁ!」
「……可愛いわね」
んもう、と言いながら黒猫を膝の上に乗せてこねくりまわす。
「浄化する前もサラサラだったけれど、してさらにサラサラになったわねぇ」
ルルーシェは浄化して現れた毛艶に満足してふすんと鼻息を吐く。
元々、汚れているようには感じない子だった。
しかし部屋に上げるだけならともかく、ベッドで一緒に寝るならば浄化はかけておくべきだと思ったのだ。
(夢の猫吸いを思いっきりしたいわ!でも流石に信頼関係を築いてからの方がいいのかしら)
「黒猫ちゃん、猫吸いしていいかしら?」
「にゃあ?」
「頷いて?」
「にゃ」
「うふふ、ありがとう」
許可を得たのだから遠慮はいらないとルルーシェは黒猫の腹を思いっきり吸う。
「う、うにゃあぁーー!」
至福な時はそう長く続かないもので。
固まりから解けた黒猫が素っ頓狂な声を発しながらもがき、ルルーシェの魔の手から逃れてしまう。
しかしルルーシェは即座に黒猫の脇を掬い、体ごと自分の方を向かせる。
「いいって言ったのはあなたでしょう?」
「うにゃぁあ」
そうだけどダメ、とぷにぷに肉球でルルーシェの口をたしっと押さえる。
不覚にもルルーシェは黒猫を離す。
そしてベッドの上でごろんごろんと悶える。
(可愛い!可愛いすぎるわ、黒猫ちゃん!ナニそれ、どこでそんな魔性手に入れてきたの、黒猫ちゃん!!)
ひとしきり悶え終わった後。
乱れまくった髪を手櫛で軽く整え、真面目な顔を作る。
「黒猫ちゃん。あなたの名前、決めたわ」
「にゃあ!?」
まんまるな目をさらに丸くして驚く黒猫。
(悶えながらもしっかり考えたのよ、安心して?)
ルルーシェはにっこりと微笑む。
「ツクヨミ」
固まってしまっている黒猫、いやツクヨミをルルーシェは抱え、カーテンを開けてバルコニーに出る。
外套はとっくに脱いでしまっていた。
庭に出た時よりも寒いが、ツクヨミはぬくぬくとしているためなんとか耐えられそうだ。
「ツクヨミはね、遠い遠い国の月の神様の名前なのよ」
髭をひくひくと動かしているツクヨミに語る。
「私ね、夜が大好きなの。それと、あなたは夜に似ていると思ったから。勿論毛皮もだけれど、その目。きらきら輝いているのが、星みたいだとおもったの」
「にゃ」
「……ツクヨミは目立たない神様なのよ。でもそれでいいの。私ね、頑張るから。側でそっと私を癒してほしいの」
ツクヨミが痛くないように調整して、ギリギリの力でぎゅっと抱きしめる。
「お願いできるかしら」
「にゃあ!」
首をひと舐めされた。
ルルーシェは満面の笑顔になる。
「頼もしいわ、ありがとう」
知らない間に居たツクヨミに驚いたフレアンヌに、ベランダで拾ったのだという苦しい言い訳をした。
(そうよ、秘密裏に行って秘密裏に帰って来たのだから、ツクヨミを拾ったことを説明しづらいわ)
最初に話したのがフレアンヌだったからよかったものの、ラカーシェだったら根掘り葉掘り聞かれるはずだ。
これは困ったぞと眉を寄せる。
しかしそんな時ほど時間とは速く感じるもので。
ルルーシェの体感で、直ぐに食堂に着いてしまった。
「もうなるようになれ、よね?ツクヨミ」
「に」
ちなみにツクヨミはルルーシェの頭にべたぁとへばり付いている。
頭を傾けようがどうやってか上手くバランスを取り絶対に落ちないのだ。
「ルルーシェ、それは何かな」
「黒猫。昨日の夜、バルコニーで拾ったの」
ラカーシェは直ぐにツクヨミに気がつき、目を細める。
今ばかりはルルーシェに向けられる笑顔が痛い。
誤魔化すように頭の上に居るツクヨミをべいっと引き剥がし、ラカーシェによく見えるように掲げる。
「駄目だよ、捨ててきなさい」
「…………だめにゃんですの?」
「うっ!」
ツクヨミの頭を口元にやり、ぷにぷに肉球で空を描き尋ねる。
目を見開き胸を押さえて何かに耐えているラカーシェの反応に、これはイケるなとルルーシェは駄目押しする。
「お父様、だめにゃんですの?」
「…………いいよ!」
「うふふ、ありがとにゃん」
「……可愛い」
ラカーシェは項垂れながらも身を悶えさせるという器用なことをやってのけた。
(可愛いは勝つのよ!!)
ルルーシェは頭の中で勝利のゴングを鳴らす。
確かに可愛いは勝つ。
しかし可愛い違いだ。
ラカーシェはルルーシェの猫真似の可愛さに負けたのだ。
そしてルルーシェからは見えていなかったが、ツクヨミの顔は心底嫌そうに歪んでおりそこまで可愛い顔ではなかった。
言えてぶちゃかわだろう。
知らぬは本人ばかりである。
「…………だめにゃんですの?」
「うっ!」
黒猫の頭を口元にやり、ぷにぷに肉球で空を描き尋ねる。
目を見開き胸を押さえて何かに耐えているラカーシェの反応に、これはイケるなとルルーシェは駄目押しする。
「お父様、だめにゃんですの?」
「…………いいよ!」
「うふふ、ありがとにゃん」
「……可愛い」
ラカーシェは項垂れながらも身を悶えさせるという器用なことをやってのけた。
「さて。あなたの名前、どうしようかしら」
「にゃあ」
興味ないと体を丸められてしまった。
「あなたねぇ、自分の名前なのよ、もっと興味持って」
「に」
「クロにしちゃうわよ?」
「にゃ……」
「だったらもう少し関心を持ちなさい」
黒猫の脇を掬い、びろーんと持ち上げ鼻同士をちょん、とつける。
「うにゃぁ!」
「……可愛いわね」
んもう、と言いながら黒猫を膝の上に乗せてこねくりまわす。
「浄化する前もサラサラだったけれど、してさらにサラサラになったわねぇ」
ルルーシェは浄化して現れた毛艶に満足してふすんと鼻息を吐く。
元々、汚れているようには感じない子だった。
しかし部屋に上げるだけならともかく、ベッドで一緒に寝るならば浄化はかけておくべきだと思ったのだ。
(夢の猫吸いを思いっきりしたいわ!でも流石に信頼関係を築いてからの方がいいのかしら)
「黒猫ちゃん、猫吸いしていいかしら?」
「にゃあ?」
「頷いて?」
「にゃ」
「うふふ、ありがとう」
許可を得たのだから遠慮はいらないとルルーシェは黒猫の腹を思いっきり吸う。
「う、うにゃあぁーー!」
至福な時はそう長く続かないもので。
固まりから解けた黒猫が素っ頓狂な声を発しながらもがき、ルルーシェの魔の手から逃れてしまう。
しかしルルーシェは即座に黒猫の脇を掬い、体ごと自分の方を向かせる。
「いいって言ったのはあなたでしょう?」
「うにゃぁあ」
そうだけどダメ、とぷにぷに肉球でルルーシェの口をたしっと押さえる。
不覚にもルルーシェは黒猫を離す。
そしてベッドの上でごろんごろんと悶える。
(可愛い!可愛いすぎるわ、黒猫ちゃん!ナニそれ、どこでそんな魔性手に入れてきたの、黒猫ちゃん!!)
ひとしきり悶え終わった後。
乱れまくった髪を手櫛で軽く整え、真面目な顔を作る。
「黒猫ちゃん。あなたの名前、決めたわ」
「にゃあ!?」
まんまるな目をさらに丸くして驚く黒猫。
(悶えながらもしっかり考えたのよ、安心して?)
ルルーシェはにっこりと微笑む。
「ツクヨミ」
固まってしまっている黒猫、いやツクヨミをルルーシェは抱え、カーテンを開けてバルコニーに出る。
外套はとっくに脱いでしまっていた。
庭に出た時よりも寒いが、ツクヨミはぬくぬくとしているためなんとか耐えられそうだ。
「ツクヨミはね、遠い遠い国の月の神様の名前なのよ」
髭をひくひくと動かしているツクヨミに語る。
「私ね、夜が大好きなの。それと、あなたは夜に似ていると思ったから。勿論毛皮もだけれど、その目。きらきら輝いているのが、星みたいだとおもったの」
「にゃ」
「……ツクヨミは目立たない神様なのよ。でもそれでいいの。私ね、頑張るから。側でそっと私を癒してほしいの」
ツクヨミが痛くないように調整して、ギリギリの力でぎゅっと抱きしめる。
「お願いできるかしら」
「にゃあ!」
首をひと舐めされた。
ルルーシェは満面の笑顔になる。
「頼もしいわ、ありがとう」
知らない間に居たツクヨミに驚いたフレアンヌに、ベランダで拾ったのだという苦しい言い訳をした。
(そうよ、秘密裏に行って秘密裏に帰って来たのだから、ツクヨミを拾ったことを説明しづらいわ)
最初に話したのがフレアンヌだったからよかったものの、ラカーシェだったら根掘り葉掘り聞かれるはずだ。
これは困ったぞと眉を寄せる。
しかしそんな時ほど時間とは速く感じるもので。
ルルーシェの体感で、直ぐに食堂に着いてしまった。
「もうなるようになれ、よね?ツクヨミ」
「に」
ちなみにツクヨミはルルーシェの頭にべたぁとへばり付いている。
頭を傾けようがどうやってか上手くバランスを取り絶対に落ちないのだ。
「ルルーシェ、それは何かな」
「黒猫。昨日の夜、バルコニーで拾ったの」
ラカーシェは直ぐにツクヨミに気がつき、目を細める。
今ばかりはルルーシェに向けられる笑顔が痛い。
誤魔化すように頭の上に居るツクヨミをべいっと引き剥がし、ラカーシェによく見えるように掲げる。
「駄目だよ、捨ててきなさい」
「…………だめにゃんですの?」
「うっ!」
ツクヨミの頭を口元にやり、ぷにぷに肉球で空を描き尋ねる。
目を見開き胸を押さえて何かに耐えているラカーシェの反応に、これはイケるなとルルーシェは駄目押しする。
「お父様、だめにゃんですの?」
「…………いいよ!」
「うふふ、ありがとにゃん」
「……可愛い」
ラカーシェは項垂れながらも身を悶えさせるという器用なことをやってのけた。
(可愛いは勝つのよ!!)
ルルーシェは頭の中で勝利のゴングを鳴らす。
確かに可愛いは勝つ。
しかし可愛い違いだ。
ラカーシェはルルーシェの猫真似の可愛さに負けたのだ。
そしてルルーシェからは見えていなかったが、ツクヨミの顔は心底嫌そうに歪んでおりそこまで可愛い顔ではなかった。
言えてぶちゃかわだろう。
知らぬは本人ばかりである。
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