真巨人転生~腹ペコ娘は美味しい物が食べたい~

秋刀魚妹子

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第93話  圧倒的な力

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 「おーおー、同じ大きさの獲物を見付けて大喜びですか? 涎をダラダラと垂らして……全く食い意地の張った奴は恥ずかしいよね。 ジュルリ……おっと涎が」

 クウネルが思わず垂らした涎を拭っていると、地竜が地面に向かって前足を叩きつけた。

 「ゴォオオオオッ!」

 地鳴りが足下を揺らし、クウネルは戸惑う。

 「ん!? 何だ、何をするつもりだ? 嫌な予感がするぞー」

 棍棒を構えて様子を窺っていると、脳内に鑑定の忠告が響く。

 «――注。 対象――土魔法の発動ヲ確認»

 「オッケー! ありがとう、鑑定さん!」

 鑑定からの忠告が有った直後、クウネルの足下から土の槍が飛び出す。

 「おぉっと!! 鑑定さんに忠告貰って無かったらヤバかったかも!」

 直ぐ様飛び退き、担いでいた袋を離れた場所に放り投げる。

 「飛竜王の鱗をコイツが貫けるとは思えないけど、もし万が一が有ったら嫌だからねー。 滅茶苦茶苦労して作ったんだもん!」

 「ゴォオ! ゴォオオオオ!!」

 地竜は不意打ちで倒せると思っていたのか、クウネルが避けたのを見て怒る様に吠える。

 「うるせー! 当たらなかったからってキレるな!」

 大口を開けて鳴き散らすに地竜に、クウネルは棍棒を構え凄まじい速度で接近した。

 「死に晒せー! 叩き割り!!」

 お手製の棍棒を地竜の頭に振り下ろす。

 「ゴォオォォォァァァッ!?」

 棍棒を思いっきり叩き付けたが、地竜はまだ生きている。 クウネルとのステータス差を考えたら即死していても不思議では無いのだが、地竜は頭を振るだけで大したダメージを与える事は出来なかった様だ。

 「ちっ、さすがに竜鱗が有ると即死はさせれないか。 これ、直接殴った方が良いのかな? もしかして、この世界って威力は武器依存? 私の攻撃力結構な桁な筈何ですけど? 一応見とくか。 ステータスオープン!」

 ステータス画面

 名前 クウネル

 年齢 2

 職業 暴食の姫君

 種族 暴食の巨人

 レベル 523

 HP 305850/305850

 FP 151190/151190

 攻撃力 201220

 防御力 174520

 知力 101707

 速力 502504

 スキル 鑑定Lv3. 暴食. 消化吸収強化. 竜鱗Lv2. 火耐性Lv3. 竜殺しLvMax. 魔物食らい. 気配察知Lv2. 連携Lv1. 酸耐性LvMax. 即死耐性LvMax. 王喰い. 隠密Lv2. Hey鑑定. 錬金術Lv1. 森狼王を率いし者. 酸噴射Lv1(new)

 魔法 火炎Lv2. 土魔法Lv1. 水魔法Lv1

 戦技 叩き割りLv2. 槍突きLv1. 噛み付きLv5. 暴食の大口

 状態異常 飢餓

 加護 暴食の邪神の慈母愛 

 脳が揺れたのか、頭を振るばかりの地竜を横目で見張りながらクウネルはステータスを確認する。

 「やっぱり圧倒的なステータスだねー。 試しに武器に頼らずやってみるか。 お? ずっと手に入って無かった酸噴射ゲットしてんじゃん! いや~、昨日もスライム君沢山食べたもんね。 これで私もスライム君の仲間かな? 違うか。 さてさて、地竜はどんな感じだー? 鑑定!」

 ステータス画面

 種族 アース ドラゴン

 年齢 33

 レベル 80

 HP 8800/10000

 FP 2500/2500

 攻撃力 20000

 防御力 4000

 知力 2000

 速力 15000

 スキル 竜鱗Lv5. 土耐性Lv5. 魔物食らい. 魔物殺し. 大物食い. 同胞食い. 餓えし者

 魔法 土魔法Lv6

 戦技 爪連撃Lv7. 噛み付きLv6. 尻尾回転撃Lv4

 状態異常 餓え 空腹 飢餓 

 「あらまー、全然体力減ってないやーん!」

 地竜のステータスを確認していると、手に持つ棍棒が音を立てて折れた。

 「うわっ、お手製の棍棒が折れた! ん? あ~……分かったかも。 棍棒の先端を土魔法で固めてたから、土耐性で全然効かんかったんじゃね? くそー! 折角手頃な大きさだったのにー! もういい! 私の右フックをくらえぇぇぇー!」

 クウネルは地竜の視界から消え、超速度で横から接近し地竜の横っ面を思いっきり殴った。

 「手加減無しの全力パンチや! 死にされせぇぇぇ!」

 棍棒の時とは打って変わり、地竜の頭部にクウネルの大きな拳がめり込み衝撃波で後ろの巨木が吹き飛ぶ。

 「ゴォオオオ!? ゴォオァァァッ!! ゴッ!?」

 横っ面を思いっきり殴られた地竜の頭は衝撃に耐えきれず、首が千切れて飛んでいってしまった。

 「ぎゃぁぁぁぁ! えーんがちょ! えーんがちょっ!」

 頭部を失った地竜の身体が地面へと倒れ、血溜まりが出来る。

 「あ、折角だから食い殺せば良かったじゃん。 もぉ~私ったら、うっかりさんね! てへ!!」
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