90 / 247
第88話 別れと聖王の頭痛
しおりを挟む
「げっ! 急にどうしたんだよカズキ、キモいぞ?!」
「キモーい!」 「うむ、キモい」 「あはは……」 「ぶひゃひゃひゃ! キモいって言われてるやんカズキ!」 「……別に平常運転じゃん」 「うん? キモいってどういう意味? ヒカリわかんなーい☆」 「ぶほっ! み、皆さん、ヒカリたんの教育に悪いのでその単語は使わないように!」
一斉に仲間達からディスられたカズキは怒り散らす。
「うるせー! お前達はお前達で癖が強すぎるんじゃー!」
「あはは~、何かごめんねカズキ君」
「何、俺は気にしてないよマヒル」
怒るカズキを宥める様にマヒルは抱きつき、直ぐに良い雰囲気となった。 それを見てユズキはげんなりした顔であしらう。
「はいはい、イチャイチャするのは話の後ね! で? アズキっち、話しって?」
「おいユズキ、お前が仕切るな!」
カズキが抗議するが、ユズキは無視である。
「はぁ~、何か気が抜けちまったけど……話しは直ぐに終わるよ。 私、この国追放だってさ。 夜明けまでに出て行くように言われてる」
アズキの話を聞き、カズキ達は動揺した。
「は? はぁーーー!? アズキお前何したんだ? あれか? もしかして、何かに腹立てて誰か殺したのか?」
「そんな事する訳無いだろ?! 悪人ならまだしも、見境無く人殺しなんかしねぇよ」
「意味が分からん! 留守番してて、何で追放される事になってんだよ!」
「ちょっとカズキ落ち着いて。 アズキっち、留守番してる時に何が有ったのか教えてくれる?」
他のメンバーも、固唾を飲んで見守っている。 ユウは興味なさげだが。 そして、当のアズキの表情は暗かった。
「わりぃ、言えない。 でもね、私は今回の作戦に反対してたしさ。 どのみち、何処かでアンタ達とは一緒に居れないって分かってたし……丁度いいのさ」
「はぁ? どうせ、何か犯罪でも犯したんだろ? なぁ、アズキ」
アズキに詰め寄ろうとするカズキをユズキが止める。 この3人は元々小さな頃から共に育ち、名前の語呂が似ている事から親同士も仲が良い関係であった。
だからこそ、優等生のカズキは不良になったアズキを毛嫌いしているのだ。
「ちょっとカズキ! ちょっと落ち着きなさいよ! ねぇ、アズキっち。 理由が言えないのは良い。 でも、これからどうするの?」
「さてね~、まだわかんね。 地球でも……ずっとはみ出し者だったんだ、今回も適当に生きるさ」
「アズキっち……うん、分かった。 昔から、頑固なのは変わらないわよね。 でも、皆にちゃんと別れを言ってからにしなさいよ? またね……アズキっち」
「悪いなユズキ。 ……ありがとう」
ユズキはアズキに背を向けて、会議室から出て行く。
「アズキちゃん……どうして」
友人であるミカはアズキに問い掛ける。 しかし、アズキは首を横に振った。
「ごめんね、ミカ。 もう決まった事なんだ」
アズキはミカを抱きしめ、友へ別れを告げる。
「アズキ……何処かで会ったら、ミカと飯でも行こう」
「へっ! コジロウ、ミカの事頼んだよ? ちゃんと守ってやってよ」
コジロウとアズキは拳を合わせた。
「別にどうでもいい。 けど、アズキ。 またね」
「はっ、またなルウ」
あっさりとしたルウの言葉にアズキは苦笑いで応える。
「アズキさん、亜人の皆さんに私のステージを見てもらえたんだよ! キラッ☆」
「そうです。 ファンが沢山出来たんですぞ! 流石ヒカリたんです!」
「あはは……ねぇ、ヒカリ。 それとオタフク。 悪い事は言わないよ、あんた達に血生臭いのは合わない。 私みたいに早く出ていったほうがいい」
ヒカリとオタフクにアズキが小声で警告したのを、カズキの地獄耳はしっかりと聞いていた。 腰に下げた剣を今度こそ抜こうとした瞬間、柄を握る手をマヒルが優しく押さえた。
「ねぇ、カズキ君。 もぉいいじゃん……ね?」
「……だな。 アズキ、最後に警告だけはしておくぞ。 俺達の前に立ちはだかればその時は……殺すからな」
「へっ……分かってるよ。 じゃあな」
カズキは憎々しげに会議室を出るアズキを睨む。 そして、隣で人間とは思えない妖艶な笑みで嗤うマヒルの表情にカズキが気付く事は無かった。
「え? あれ? わてには何も無いの? 何でー!?」
リュウトが何やら叫んでいたが、全員無視であった。
◆◇◆
翌朝、執務をしている聖王の元へと兵士が駆け寄り報告していた。
「せ、聖王様! 例の裏切り者の事で御報告です」
「うむ、勧告通り国を出たか?」
報告に来た兵士の顔は真っ青だ。 聖王はこの時点で嫌な予感がしていた。 兵士の表情から察するに、余程報告したくない事が有るのだろう。
「は、はひ! 確かに国を出ましたが、深夜の内に宝物庫の壁を破壊し軒並みの金品を奪ってから国を出たようです!」
報告を聞いた聖王の手がブルブルと震え、怒りで目を見開いた。
「な、なんじゃと!? 兵士は、門番をしていた兵士はどうしたのじゃ!」
「そ、それが! 全員気絶しており、先程関所の早馬にて国を出たと報告が……届いた次第でありますぅ!」
聖王は持っていた羽ペンを叩き折り、それを壁へと投げつけた。
「ぬ、ぬぅぉぉぉー! ぁあんの、小娘がぁー!」
怒り狂う聖王の元へ、別の伝令がやって来た。
「聖王様に御報告!」
「えぇい! 次はなんじゃ!」
「勇者様の仲間、ヒカリ様がアイドルのライブを開きたいと早朝からオタフク様と共に騒いでおります!」
「はぁ!? なんじゃそれは、勝手に開けよ!」
「聖王様に御報告!」
「次はなんじゃ!」
「治療院より、ユズキ様がぼったくりな値段で患者を治療してるとクレームが!」
「はぁ!? あの娘、聖女じゃったよね?!」
「聖王様!「聖王様!「聖王様! 御報告が!」」」
早朝から止まらぬ伝令に、聖王のストレスは限界を迎えた。
「ぬ、ぬがぁー! 勇者の仲間はどいつもこいつも癖が強すぎるんじゃぁぁぁぁぁ!!」
執務室に、聖王の悲鳴が響き渡った。
「キモーい!」 「うむ、キモい」 「あはは……」 「ぶひゃひゃひゃ! キモいって言われてるやんカズキ!」 「……別に平常運転じゃん」 「うん? キモいってどういう意味? ヒカリわかんなーい☆」 「ぶほっ! み、皆さん、ヒカリたんの教育に悪いのでその単語は使わないように!」
一斉に仲間達からディスられたカズキは怒り散らす。
「うるせー! お前達はお前達で癖が強すぎるんじゃー!」
「あはは~、何かごめんねカズキ君」
「何、俺は気にしてないよマヒル」
怒るカズキを宥める様にマヒルは抱きつき、直ぐに良い雰囲気となった。 それを見てユズキはげんなりした顔であしらう。
「はいはい、イチャイチャするのは話の後ね! で? アズキっち、話しって?」
「おいユズキ、お前が仕切るな!」
カズキが抗議するが、ユズキは無視である。
「はぁ~、何か気が抜けちまったけど……話しは直ぐに終わるよ。 私、この国追放だってさ。 夜明けまでに出て行くように言われてる」
アズキの話を聞き、カズキ達は動揺した。
「は? はぁーーー!? アズキお前何したんだ? あれか? もしかして、何かに腹立てて誰か殺したのか?」
「そんな事する訳無いだろ?! 悪人ならまだしも、見境無く人殺しなんかしねぇよ」
「意味が分からん! 留守番してて、何で追放される事になってんだよ!」
「ちょっとカズキ落ち着いて。 アズキっち、留守番してる時に何が有ったのか教えてくれる?」
他のメンバーも、固唾を飲んで見守っている。 ユウは興味なさげだが。 そして、当のアズキの表情は暗かった。
「わりぃ、言えない。 でもね、私は今回の作戦に反対してたしさ。 どのみち、何処かでアンタ達とは一緒に居れないって分かってたし……丁度いいのさ」
「はぁ? どうせ、何か犯罪でも犯したんだろ? なぁ、アズキ」
アズキに詰め寄ろうとするカズキをユズキが止める。 この3人は元々小さな頃から共に育ち、名前の語呂が似ている事から親同士も仲が良い関係であった。
だからこそ、優等生のカズキは不良になったアズキを毛嫌いしているのだ。
「ちょっとカズキ! ちょっと落ち着きなさいよ! ねぇ、アズキっち。 理由が言えないのは良い。 でも、これからどうするの?」
「さてね~、まだわかんね。 地球でも……ずっとはみ出し者だったんだ、今回も適当に生きるさ」
「アズキっち……うん、分かった。 昔から、頑固なのは変わらないわよね。 でも、皆にちゃんと別れを言ってからにしなさいよ? またね……アズキっち」
「悪いなユズキ。 ……ありがとう」
ユズキはアズキに背を向けて、会議室から出て行く。
「アズキちゃん……どうして」
友人であるミカはアズキに問い掛ける。 しかし、アズキは首を横に振った。
「ごめんね、ミカ。 もう決まった事なんだ」
アズキはミカを抱きしめ、友へ別れを告げる。
「アズキ……何処かで会ったら、ミカと飯でも行こう」
「へっ! コジロウ、ミカの事頼んだよ? ちゃんと守ってやってよ」
コジロウとアズキは拳を合わせた。
「別にどうでもいい。 けど、アズキ。 またね」
「はっ、またなルウ」
あっさりとしたルウの言葉にアズキは苦笑いで応える。
「アズキさん、亜人の皆さんに私のステージを見てもらえたんだよ! キラッ☆」
「そうです。 ファンが沢山出来たんですぞ! 流石ヒカリたんです!」
「あはは……ねぇ、ヒカリ。 それとオタフク。 悪い事は言わないよ、あんた達に血生臭いのは合わない。 私みたいに早く出ていったほうがいい」
ヒカリとオタフクにアズキが小声で警告したのを、カズキの地獄耳はしっかりと聞いていた。 腰に下げた剣を今度こそ抜こうとした瞬間、柄を握る手をマヒルが優しく押さえた。
「ねぇ、カズキ君。 もぉいいじゃん……ね?」
「……だな。 アズキ、最後に警告だけはしておくぞ。 俺達の前に立ちはだかればその時は……殺すからな」
「へっ……分かってるよ。 じゃあな」
カズキは憎々しげに会議室を出るアズキを睨む。 そして、隣で人間とは思えない妖艶な笑みで嗤うマヒルの表情にカズキが気付く事は無かった。
「え? あれ? わてには何も無いの? 何でー!?」
リュウトが何やら叫んでいたが、全員無視であった。
◆◇◆
翌朝、執務をしている聖王の元へと兵士が駆け寄り報告していた。
「せ、聖王様! 例の裏切り者の事で御報告です」
「うむ、勧告通り国を出たか?」
報告に来た兵士の顔は真っ青だ。 聖王はこの時点で嫌な予感がしていた。 兵士の表情から察するに、余程報告したくない事が有るのだろう。
「は、はひ! 確かに国を出ましたが、深夜の内に宝物庫の壁を破壊し軒並みの金品を奪ってから国を出たようです!」
報告を聞いた聖王の手がブルブルと震え、怒りで目を見開いた。
「な、なんじゃと!? 兵士は、門番をしていた兵士はどうしたのじゃ!」
「そ、それが! 全員気絶しており、先程関所の早馬にて国を出たと報告が……届いた次第でありますぅ!」
聖王は持っていた羽ペンを叩き折り、それを壁へと投げつけた。
「ぬ、ぬぅぉぉぉー! ぁあんの、小娘がぁー!」
怒り狂う聖王の元へ、別の伝令がやって来た。
「聖王様に御報告!」
「えぇい! 次はなんじゃ!」
「勇者様の仲間、ヒカリ様がアイドルのライブを開きたいと早朝からオタフク様と共に騒いでおります!」
「はぁ!? なんじゃそれは、勝手に開けよ!」
「聖王様に御報告!」
「次はなんじゃ!」
「治療院より、ユズキ様がぼったくりな値段で患者を治療してるとクレームが!」
「はぁ!? あの娘、聖女じゃったよね?!」
「聖王様!「聖王様!「聖王様! 御報告が!」」」
早朝から止まらぬ伝令に、聖王のストレスは限界を迎えた。
「ぬ、ぬがぁー! 勇者の仲間はどいつもこいつも癖が強すぎるんじゃぁぁぁぁぁ!!」
執務室に、聖王の悲鳴が響き渡った。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。
この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。
ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。
少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。
更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。
そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。
少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。
どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。
少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。
冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。
すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く…
果たして、その可能性とは⁉
HOTランキングは、最高は2位でした。
皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°.
でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
【完結】悪役に転生したのにメインヒロインにガチ恋されている件
エース皇命
ファンタジー
前世で大好きだったファンタジー大作『ロード・オブ・ザ・ヒーロー』の悪役、レッド・モルドロスに転生してしまった桐生英介。もっと努力して意義のある人生を送っておけばよかった、という後悔から、学院で他を圧倒する努力を積み重ねる。
しかし、その一生懸命な姿に、メインヒロインであるシャロットは惚れ、卒業式の日に告白してきて……。
悪役というより、むしろ真っ当に生きようと、ファンタジーの世界で生き抜いていく。
ヒロインとの恋、仲間との友情──あれ? 全然悪役じゃないんだけど! 気づけば主人公になっていた、悪役レッドの物語!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる