真巨人転生~腹ペコ娘は美味しい物が食べたい~

秋刀魚妹子

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第135話 暴食の女神

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 待ちながらギド将軍の方を見ると、事情を説明されている大勢の弓兵達が居た。

 恐らくは、キュウベイの元部下達なのだろうか。 説明を聞き終えた後、全員が号泣している。 自分達の上司が居なくなるのが嬉しいのか、悲しいのか、ここからではよく分からない。

 「しっかし、本当に小さいねゴブリンさん達は~。 いや、私が大きすぎるのか?」

 ゴブリン達は朝から休むこと無く残りの瓦礫を撤去している。 残り僅かなのでこの調子なら今日から街の復興に取り掛かれるだろう。

 すると、突然クウネルの周囲にゴブリン達が集まりだし、一斉に手を合わせ拝み始めた。

 既に慣れた光景ではあるが、集まるゴブリン達の数に驚く。

 「ん? もう朝の挨拶はしたよね? 何で、こんなに集ってるの?」

 クウネルの疑問に応えるように、一匹の年老いたゴブリンが前へと進み出た。

 「ギィガ……私達ゴブリンを救いし、癒しの女神よ! 本当に、本当に感謝致します!」

 年老いたゴブリンはクウネルにお礼を言いながら手を擦り合わせ拝み始めた。 その仕草は何処が大げさで、何やら違和感を感じる。

 「んー? この年老いたゴブリンさんは雌? ゴブリンの雄雌の見分けなんか分かんないよ。 あ、服が少し女物っぽいな。 じゃあ、お婆さんか」

 周囲のクウネルを囲むゴブリン達も、さっき何か大声を出したゴブリンに倣って手を擦り合わせ拝み始める。

 「え? 何事? 何してんの? ん? んん? ……違う、このゴブリンさっきなんて言った?」

 謎に囲まれ拝まれる気持ち悪さにクウネルはドン引きだが、老ゴブリンの言葉を思い出し硬直した。

 「確か……癒しの……女神? 待って待って! え? 私、女神じゃないよ? 巨人だし。 それに、癒しっていうより……暴食かな?」

 クウネルの戸惑いながら発した言葉を老ゴブリンは地獄耳で聞き取り、大げさに反応する。

 「なんと!? これは大変ご無礼を! 皆の者、暴食の女神様と訂正を! 早く皆に伝えるのだー!」

 「おいババァ! 違うって言ってるじゃんかー! 人の話聞いて無いね!? やめてーー! 違うから! 女神じゃない、巨人だってばー!!」

 クウネルの悲鳴も虚しく、大げさに反応した老ゴブリンは年寄りとは思えない速度で走り去った。 他のゴブリン達も崇めている筈のクウネルを無視し、各方面に散る。

 「キュウベイの言ってた奉られてるってこれの事だったのか! くそ! 話しをちゃんとキュウベイから聞いとくんだったよ!」

 アレだけ居たゴブリン達は全て走り去り、クウネルは気付けなかった自信への苛立ちとゴブリン達の行動に悪態をつくのであった。

 「私の話しなんか、誰も聞いてない! ガン無視だよ!? え? 仮にもさ、私の事を奉ってるなら私の話し聞けやぁぁぁ!」

 «――クウネル。ステータスを確認する事を推奨します»

 「このタイミングで言うのは無しだよ鑑定さーん! 絶対なんかあるやん!」

 «――面倒だからと、4日前から1度も確認しなかったクウネルが悪いです。 自業自得です»

 図星を突かれたクウネルは唸りながらも観念し、ステータスを確認する。

 「ぐぬぬぬぬ、分かった……見るよ。 ステータス……オープン」

 ステータス画面

 名前 クウネル

 年齢 2

 職業 暴食の女神(神化)

 種族 暴食の女巨神(神化)

 レベル 523

 HP 312450/312450

 FP 151190/151190

 攻撃力 204220+10000

 防御力 177520+5000

 知力 102107+80

 速力 503704+8000

 スキル 鑑定Lv4. 暴食. 消化吸収強化. 竜鱗LvMax(up). 火耐性Lv4. 竜殺しLvMax. 魔物食らい.  気配察知Lv2. 連携Lv1. 酸耐性LvMax. 即死耐性LvMax. 王喰い. 隠密Lv2. Hey鑑定. 錬金術Lv3. 森狼王を率いし者. 酸噴射LvMax. スライム食べ過ぎ. ゴブリン王国を救いし者. 混沌精王を率いし者. 土耐性LvMax(new). 竜が恐れし者(new). 竜神を退けし者(new). 亜神に到達せし者(new). 眷属強化(new)

 魔法 火炎Lv3. 土魔法LvMax(up). 水魔法Lv1

 戦技 叩き割りLv3. 槍突きLv1. 噛み付きLvMax(up). 暴食の大口

 状態異常 混乱 空腹

 加護 暴食の邪神の慈母愛 暴食の女巨神の恩恵Lv1(new)

 「うわぁ! 目がチカチカする。 このステータス画面作った馬鹿は誰だ? 欠陥だらけやん。 えっと~……んー、何度見直してもアレだね、見間違いじゃないね。 私……本当に女神になってる。 え……なんで?」

 半透明のステータス画面を見ながらクウネルは首を傾げるのであった。
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