真巨人転生~腹ペコ娘は美味しい物が食べたい~

秋刀魚妹子

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第192話 クウの過去話 その4

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 ◆黒髪のクウSide◆

 クウは祖父とハルキが殴り合うのを、なんとも言えない顔で見ていた。

 「……これ何の時間だ? お母さん、そろそろ次に行こうよ。 不毛な喧嘩を見るの疲れてきたんですけど?」

 母の方を見ると、お腹を空かせた小さなクウを超至近距離で堪能していた。

 「ちょっ!? お母さん、止めてくれる?! 幻だとしてと、絵面的に不味いよ!」

 「スーハーッ! スーハーッ!! あぁ……可愛いぃ、クウちゃん可愛い過ぎるぅぅぅぅぅ! はぁ……はぁ……はぁ……あいたぁっ?!」

 吸えない筈の匂いを嗅ぎ取ろうと母は鼻息を荒くし、クウに後ろから頭を叩かれた。

 「アウトだよ! はぁはぁしたら、それはもうアウトなんよ!」

 「あら♪ ごめんね、今のクウちゃんもとびっきり可愛いわよ? スゥゥゥゥ!」

 「違う、そうじゃない!! っていうか、吸わないでよ!」

 「はいはい♪ じゃあ、次は~……あら?」

 母が見えない何かを操作し直し始めると、何やら首を傾げた。

 「お母さんどしたの?」

 「クウちゃん、アースとの記憶ってどれぐらい有る?」

 母からの質問にクウも首を傾げる。

 「お祖父ちゃんとの記憶?? 思い出ってこと? 狩り教わったり、ぱおーんぱおーんとか色々有るよ? それと……あれ? おかしい、ここから先の記憶がぐちゃぐちゃになってる。 どうして……?」

 クウは確かにあった筈の祖父との記憶を思い出そうとすると、何故か鮮明に思い出せ無くなっていた。

 母はそんなクウの様子を見て、先程とは別人の様に真面目な顔で操作し始める。

 「ダメね……今のお母さんには無理かも。  一応見れるポイントを見つけたから飛ぶわね」

 「良く分からないけど、は~い! あ……えっと、ハル兄。 会えて嬉しかったよ。 じゃあね」

 きっと二度と会うことの無い、幼き頃のハルキにクウは別れを告げた。

 因みに、既に騒ぎを聞き付けて駐在の警察官によってハルキと祖父の喧嘩は止められており、現在は警察官に二人揃って怒られている所である。

 母の側に行き、又もや闇に包まれる。

 そして、深く深く落ちていく。

 深く、深く。

 「……え? 長くない? お母さん、大丈夫なのこれ」

 「もう少し待ってね。 これは……やっぱり」

 体感時間で数十分が過ぎた頃、突如として現れた光がクウの目を再び焼いた。

 「まっっぶし! 目がぁぁぁ! 目がぁぁぁ!」

 「ふぅ……着いたわよ。 さっき居た記憶から……だいたい7年後ね」  

 「待って、まだ何も見えない。 って、7年!?  私が小学校を卒業する頃って事?」
 
 「分からないわ。 さっきの記憶からこの記憶までは見る事が出来なかったから、数値上は7年後よ」

 ようやく目が慣れ、辺りを見回す。
 
 山小屋とも言える家の居間には幻のクウが1人で眠っていた。

 「今の私と同じ……低身長の私だ。 そうなんだよね~成長期はもう終えてんだよね~……悲しい」

 外から漏れる光は暗く、早朝なのだろう。

 「あら? アースの気配が無い……?」

 母がキョロキョロと見渡すが、確かに祖父は家に居ない様だ。

 「なんだ? 凄く嫌な汗が出る……お母さん、心臓がバクバクする!」

 「クウちゃん、大丈夫!? ほら、お母さんの側においで」

 母に後ろから抱きしめられ、少し落ち着いたクウは深呼吸をして幻のクウを見守る。

 コンコンッ! コンコンッ!

 早朝に玄関が荒っぽく叩かれた。

 流石に煩かったのか、眠っていた幻のクウは起き出しゆっくりと立ち上がる。

 『……はぃ』

 叩かれる音に誘われる様にフラフラと幻のクウが近付いていく。

 ズキッ! 

 「ぁつっ!?」

 突然酷い痛みがクウの頭を襲う。

 「クウちゃん!? 大丈夫っ?!」

 「痛い、痛い痛い痛い痛い痛い! 頭が痛いよ、お母さん……待って、私! その扉を開けてはダメ!!」

 何かを思い出したクウは激しい頭痛と戦いながら幻のクウに叫んだ。

 『あ、早朝に失礼します。 喰さんですね? 警察です。 無事で何よりです』

 願い虚しく玄関が開かれ、1人の警察官が入って来た。

 それは、冷たく虚ろな目をした警察官だ。

 『ぇ……はぃ?』

 怯えた幻のクウが何の話かと首を傾げ、警察官はニッコリと笑う。

 『貴女の……祖父を名乗る男は死にました。 もう、安心ですよ。 誘拐犯の男は仕掛けた手製の罠に掛かり、動けない所を熊に襲われ死んでいる所が発見されました。 警察が貴女を保護しますので、今すぐ移動をお願いします』

 警察官を母は険しい顔で睨みつけ、抱きしめられるクウは頭痛が酷くなるのを感じた。

 「……今、何て言った?」

 『……ぇ? ぃゃ……ぁの』

 喋る暇もなく茫然自失のまま幻のクウは警察官に手を引かれ問答無用で連れて行かれてしまう。

 残されたクウは堪えられない程の激痛に悲鳴を上げた。

 「あぐっ?! 痛い! 痛い痛い痛い!」

 「クウちゃん!? 此処にはこれ以上居ない方が良いわ。 直ぐ次に行くから掴まって」

 母はクウの異変を鎮めるために、急ぎその場を後にする。

 闇に包まれ、今度は間を置かずに視界が開けた。

 「うぅ……? あぁ~、痛みが治まったよ~。 死ぬかと思った……お母さん、ここの記憶はどの辺なの?」

 「急いで飛んだから、多分数年の誤差だと思うわよ?」

 「つまり……絶賛引きこもり中の私が居るって事か」

 周囲を見渡すと予想通りの光景が広がっていた。

 ボサボサの髪に、隈で腫れた目。 部屋の周囲には大量の菓子とラノベに、かじりつくようにパソコンでオンラインゲームをしている酷い姿のクウが居た。

 それは、中学生の間ひたすら引きこもっていたクウだった。

 正確には警察に保護された後、何処からか現れた金持ちの爺さんに引き取られたのだ。 誘拐犯から救出された悲劇の少女を売名行為に使う為に。

 家を1軒宛がわれ、お金は使い放題、何でも買い放題。

 ただし、家から出る許可は全然下りずほぼ軟禁状態だった。

 それは、広い山の中を自由に祖父と遊んでいたクウにとって地獄であり、ある意味天国だったのだろう。

 ズキッ……!

 「……ぐ!?」

 「クウちゃん!? 大丈夫?」

 「ぅ……ん、多分大丈夫。 頭痛がまだ残ってるのかな」

 「精神体は痛みを感じない筈なのに……さっきの記憶をちょっと調べるから安静にしてて」

 「うん……分かった。 ちょっと大人しくしてるよ」

 真剣な顔で母が見えないパネルを操作し調べている間に、クウはクウを近くで見に行く事にした。

 虚ろな瞳でパソコンのキーボードを叩く。

 お腹が減れば、近くの菓子を食べる。

 「うん、知ってるよ。 食べても食べても……お腹が空くんだよね。 ゲームをしても、アニメを見ても、ラノベ読んでも癒えないんだよね」

 過去の自分がパソコンへと噛りつくのを隣で見つめる。

 「何かをしてる間は収まるけど、何もしてない時間がしんどいんだよね。 だよね、分かるよ。 今の私は、お祖父ちゃんが神様で簡単には死なないって知ってるけど……まだ君は知らないもんね」

 聞こえる筈の無い共感をクウは過去の自分を慰めるように呟いた。

 「だから、自分のせいだって思ってるんだよね。 山に手製の罠を仕掛けたのは私だから。 お祖父ちゃんが死んだのは私のせいだって思ってるんだよね」 

 クウは虚ろな目をした過去の自分を抱きしめた。

 正しくは触れられない幻だが、クウは優しく抱きしめる。

 「私もね、さっきまでずっと忘れてたんだ。 大丈夫だよ。 今は分からないけど、あと数年したら分かるから。 きっとお祖父ちゃんは生きてる。 探すよ」

 それは慰めにもならない願望だ。

 現実として、既にクウは地球にも居らず異世界へと転生してしまった。 可能性として、地球神である祖父を探すなら地球に帰らないと不可能だろう。

 現時点では、生死不明の祖父を探す事等無理なのだ。

 それでも、クウは口にせずにはいられなかった。

 それ程に、引きこもりのクウは絶望していたのだから。

 「ふー、クウちゃんお待たせ。 少し分かったわよ~」

 「あ、は~い。 で、どんな感じ??」

 「さっきの頭痛の原因は、記憶を誰か変えられて起こった副作用ね。 まぁ……誰がしたのかは分かってるわ」

 「私の記憶が変えられてる?? そんな事を誰が?」

 母は見えない操作パネルを触りながらクウに説明を始めた。

 「アースと会話していたオリジンと云う最下級神よ。 信じられないけど、創造神並の神力を使ってクウちゃんの記憶を変えてる。 多分、アースが居なくなった真実を無理矢理捻じ曲げたのよ。 だから、記憶がぐちゃぐちゃになってたのね」

 「あのオリジンが? で、でも格上の元創造の女神で暴食の邪神のお母さんなら治せるんじゃないの?」

 「ごめんなさい、今のお母さんはあくまでバックアップだから……其処までの力は無いの」

 申し訳なさそうに俯く母を見て、クウはどうすべきか悩む。

 「そっか……なら、仕方無いよね。 う~ん……でも、結局お祖父ちゃんが居なくなった理由は分からずじまいか」 

 「そうね。 でも、確実にオリジンと云う名の最下級神がアース失踪の鍵を握ってるわよ。 クウちゃんを無理矢理家から引きずり出した警察官、アレもオリジンが姿を変えてた。 なら、クウちゃんを無理矢理高校に入学させた女とやらも……異世界の創造神らしきオリジンも全て同じ神ね」

 母の説明にクウは目を見開いて驚く。

 「あの胡散臭い爺が……お祖父ちゃんが居なくなった真相を知ってる?」

 「う~ん……困ったわね。 何が目的かは分からない。 でも、クウちゃんが今異世界に転生しているのも全てオリジンの計画通りかもしれないわね」 

 クウは転生の時に会った胡散臭い爺が赤ん坊の頃に出会っており、更にはその後の人生でずっと関与して来ていた事に身震いした。
 
 「お母さん……私、どうしたら良い?」

 「大丈夫よ。 お母さんがクウちゃんを鍛えて上げるわ♪ じゃあ、クウちゃんの頭痛も心配だし過去を見るのは此処までにしときましょ?」

 母は震えるクウを優しく抱きしめる。

 「あはは……ありがとうお母さん。 うん、帰ろう」

 クウはパソコンに向かったままのクウに無言で手を振り別れを告げた。

 ◆◇◆

 クウネルと暴食の邪神が去った後の記憶に、ソレは来ていた。

 コレは現在のクウが覚えていない記憶だ。

 ピンポーン

 「ひっ!?」

 虚ろな瞳の少女の身体が跳ねる。

 何も注文してない、誰も来る筈がない。

 ピンポーン ピンポーン

 少女は恐る恐る1階に下りる。

 自室以外は家具も無い殺風景な家が、此処は自分の居場所では無いと言ってきているようで寒気を感じる。

 ピンポーン ピンポーン ピンポーン

 覚悟を決め、少女はゆっくりと玄関を開けた。

 『久し振りですね、お元気でしたか? 時が来ました、偉大なるお方の目的の為に……行きましょう』

 『……ひっ、ぁ』

 少女は震えながら後退りする。

 『おや? おやおや? 記憶は書き換えた筈。 なのに、なぜ逃げようとするのですか? どうして? なぜ? 仮にもあの偉大なるお方の孫でしょう?』

 ソレに睨み付けられた少女は身体が動かなくなったのか、その場でへたりこんでしまった。

 『ふふ、仕方ありません。 偉大なるお方の為です、また書き換えて差し上げますね?』

 ソレはおもむろに少女の頭を掴み持ち上げる。

 そして、手から放たれた光が少女の頭を壊し始めた。

 『ぁぐっ、あ、ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』

 耳から煙を吹き、ピクリともしなくなった少女をソレは抱える。

 『これで、もう大丈夫です。 素敵な記憶で行きましょうね。 邪神の集う学舎に。 ……ねぇ、さん? うふふ、あはははははは』

 ソレは少女を抱え、消えていった。
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