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第4話 民の為、弟の為に
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新たな税務管キサラギは凄まじい手腕で税率を変更し、長年の重税から救われた民達が大喜びする一方。
贅沢三昧の生活を止めさせ、浅ましい亜人を税務管に任命した悪しき女王としてマリは女貴族達に嫌われていた。
「マリ陛下、次の陳情が此方です」
「まだあるの~? メリーさん、貴族からの陳情多すぎじゃない?」
どの陳情にも、同じ様な文句がたらたらと書いてある。
品格がどうたら、歴史がどうたら、民を甘やかすのがどうたら、亜人がどうたらと喧しい事この上ない。
「ふふ、ですがマリ陛下。 この陳情を出した貴族がわざわざ王国の膿だと宣言してくれているのです。 むしろ、嬉しい事では?」
メリーのおっとりとした笑顔の中に、どす黒い貴族への嫌悪感をマリは感じていた。
(あはは~……えーん、ルーたん成分が足りないよー!)
「マリ陛下、貴族達をどうするんだい?」
「ん~……邪魔なら消すかなぁ」
「ぷっ、ふふふふ、本当に君は面白い。 優しさと冷酷さを持っている。 どうして、血を流してまで改革を?」
窓際で王国の資産を計算していたキサラギが思わず吹き出す。
「そりゃ、可愛い弟の為よ? ルーたんが、この王国を継ぐ時迄に膿は出し切りたいの」
陳情に適当な返事を書きながら、思ってる事をキサラギに伝える。
マリは見ていなかった。
メリーとキサラギが目を見開いて驚いているのを。
「マ、マリ陛下? それは……」
メリーが言い掛けたその時、執務室のドアがノックされた。
「姉上、入っても宜しいですか?」
「あ! ルーたんだ! メリーさん、開けたげて~!」
「は、はい。 かしこまりました」
ドアを開けると、ルーデウスが大きなトレーを持って立っていた。
「ありがとうメリー。 姉上、おやつです! 1度、休憩しましょう!」
「きゃーー! ルーたんだー! ありがとう~! 凄く嬉しいぃぃ! クッキーだ、美味しそ~!」
大歓迎されたルーデウスは、照れながらクッキーが乗ったトレーをテーブルに置く。
「えへへ、実は……料理長にわがままを言いまして。 自分で作ってみたのです」
モジモジしながら、そんな可愛い事を言う弟にマリは既に死んでいた。
「………………はっ! 尊過ぎて死んでた! 」
「ええっ!? 大丈夫ですか姉上!」
「大丈夫じゃないかも! ほら! ルーたん、目覚めのキスを! さぁ!!」
「姉上、ダメです! ダメですってばー!」
仲良さげにじゃれ合う2人を、メリーは複雑な表情で見ていた。
「ねぇ、メリー。 後で少し話がある」
「えぇ、キサラギ。 私もです」
マリは2人に様子に気付かず、ルーデウスの手作りクッキーを堪能していた。
「ん~! サクサクで美味しい! 凄いねルーたん! 幸せ~♡」
(推しが作ったクッキーが食べれるとか、もう……死んでも本望)
「えへへ、姉上が喜んで下さって良かったです」
それから暫しの間ルーデウスとおやつを楽しんでいたが、執事のジャックがルーデウスを迎えに来た為お開きとなった。
「さぁ、殿下。 マリ陛下の執務の邪魔となります。 私と一緒に厨房の片付けをしますよ!」
「ジャック、すみません勝手して……。 では、姉上執務頑張って下さいね!」
太陽の様に笑うルーデウスの笑顔に、マリは改めて決意した。
(この子が私が居なくなった後にも、こんな笑顔になれるよう……私は血を流す。 お姉ちゃんに任せてねルーたん)
ルーデウスが退席した後、マリは執務に戻りメリーに命令する。
「メリーさん、陳情をしてない貴族を全員集めて」
キサラギと何やら相談していたメリーが一礼する。
「失礼致しました。 直ぐに手配致します」
メリーが執務室を出ていき、キサラギと2人になり気まずい沈黙が流れる。
「ねぇ、マリ陛下。 本当に私を税務管にして良かったのかい?」
ふと、キサラギが問うてきた。
その問いにマリはキョトンとする。
「え? どうして?? 民は皆喜んでるよ? 馬鹿みたいな税率が10%迄下がったって」
「くっくっくっ、もし私が王国を滅ぼす為に適当な税率に下げたとは思わないのかい?」
キサラギの意地が悪い質問に、マリは少しも躊躇わず答える。
「キサラギさんが、私に仕えると言ってくれた時に信じるって決めたから。 裏切られたら……どうしよう!!」
マリは、本当に考えていなかった顔で困る。
「ぷっ、あはははは! いや、すまない我が主よ。 意地が悪い質問だった、忘れてくれ。 おや、メリーが戻って来たようだ」
その様子を見て、キサラギは清々しく笑った。
キサラギは覚悟を決めたのだ、人間であるマリに本気で仕えようと。
それから、キサラギはマリを我が主と呼ぶようになったのだが……マリが気付くのは先である。
「失礼します、戻りましたわ陛下。陳情を出していない全ての貴族に手配が完了しました。 夕方には、会議室に集まります」
「ありがとメリーさん、じゃあ次は……王国の領地の分配状況を確認しなきゃね。 あ、キサラギさん其処の資料取って」
「はいはい、お安い御用さ我が主よ」
そして、夕方まで執務に没頭するのであった。
◆◇◆
夕方となり、マリ達は会議室へとやって来た。
「マリ陛下、既に皆着席しております」
会議室の前に立っていたジャックが、マリに告げる。
「ありがと、さて……やるかー。 メリーさん、例の物を」
一度深く背伸びをし、メリーから受け取った酒を一気に飲み干し気合いを入れてから入室する。
会議室の中には、円卓が有り周囲を椅子が囲んでいる。
席は半分程しか埋まっておらず、マリを見ると一様に席を立ち頭を垂れている。
(席は20で埋まってるのは半分……10人ね。 さぁ、ここから何人減るかな~)
女王の席に座り、開口一番にマリは発した。
「ひくっ、皆集まってくれて感謝する。 早速だけど、私は亜人奴隷の解放と全ての民が幸せになる王国を目指します。 反対する者は、ひくっ、出ていっていいよ~。
残った者達にだけ、今後は貴族として頑張ってもらうから」
いきなりの振るいに、集まった女貴族達は絶句した。
贅沢三昧の生活を止めさせ、浅ましい亜人を税務管に任命した悪しき女王としてマリは女貴族達に嫌われていた。
「マリ陛下、次の陳情が此方です」
「まだあるの~? メリーさん、貴族からの陳情多すぎじゃない?」
どの陳情にも、同じ様な文句がたらたらと書いてある。
品格がどうたら、歴史がどうたら、民を甘やかすのがどうたら、亜人がどうたらと喧しい事この上ない。
「ふふ、ですがマリ陛下。 この陳情を出した貴族がわざわざ王国の膿だと宣言してくれているのです。 むしろ、嬉しい事では?」
メリーのおっとりとした笑顔の中に、どす黒い貴族への嫌悪感をマリは感じていた。
(あはは~……えーん、ルーたん成分が足りないよー!)
「マリ陛下、貴族達をどうするんだい?」
「ん~……邪魔なら消すかなぁ」
「ぷっ、ふふふふ、本当に君は面白い。 優しさと冷酷さを持っている。 どうして、血を流してまで改革を?」
窓際で王国の資産を計算していたキサラギが思わず吹き出す。
「そりゃ、可愛い弟の為よ? ルーたんが、この王国を継ぐ時迄に膿は出し切りたいの」
陳情に適当な返事を書きながら、思ってる事をキサラギに伝える。
マリは見ていなかった。
メリーとキサラギが目を見開いて驚いているのを。
「マ、マリ陛下? それは……」
メリーが言い掛けたその時、執務室のドアがノックされた。
「姉上、入っても宜しいですか?」
「あ! ルーたんだ! メリーさん、開けたげて~!」
「は、はい。 かしこまりました」
ドアを開けると、ルーデウスが大きなトレーを持って立っていた。
「ありがとうメリー。 姉上、おやつです! 1度、休憩しましょう!」
「きゃーー! ルーたんだー! ありがとう~! 凄く嬉しいぃぃ! クッキーだ、美味しそ~!」
大歓迎されたルーデウスは、照れながらクッキーが乗ったトレーをテーブルに置く。
「えへへ、実は……料理長にわがままを言いまして。 自分で作ってみたのです」
モジモジしながら、そんな可愛い事を言う弟にマリは既に死んでいた。
「………………はっ! 尊過ぎて死んでた! 」
「ええっ!? 大丈夫ですか姉上!」
「大丈夫じゃないかも! ほら! ルーたん、目覚めのキスを! さぁ!!」
「姉上、ダメです! ダメですってばー!」
仲良さげにじゃれ合う2人を、メリーは複雑な表情で見ていた。
「ねぇ、メリー。 後で少し話がある」
「えぇ、キサラギ。 私もです」
マリは2人に様子に気付かず、ルーデウスの手作りクッキーを堪能していた。
「ん~! サクサクで美味しい! 凄いねルーたん! 幸せ~♡」
(推しが作ったクッキーが食べれるとか、もう……死んでも本望)
「えへへ、姉上が喜んで下さって良かったです」
それから暫しの間ルーデウスとおやつを楽しんでいたが、執事のジャックがルーデウスを迎えに来た為お開きとなった。
「さぁ、殿下。 マリ陛下の執務の邪魔となります。 私と一緒に厨房の片付けをしますよ!」
「ジャック、すみません勝手して……。 では、姉上執務頑張って下さいね!」
太陽の様に笑うルーデウスの笑顔に、マリは改めて決意した。
(この子が私が居なくなった後にも、こんな笑顔になれるよう……私は血を流す。 お姉ちゃんに任せてねルーたん)
ルーデウスが退席した後、マリは執務に戻りメリーに命令する。
「メリーさん、陳情をしてない貴族を全員集めて」
キサラギと何やら相談していたメリーが一礼する。
「失礼致しました。 直ぐに手配致します」
メリーが執務室を出ていき、キサラギと2人になり気まずい沈黙が流れる。
「ねぇ、マリ陛下。 本当に私を税務管にして良かったのかい?」
ふと、キサラギが問うてきた。
その問いにマリはキョトンとする。
「え? どうして?? 民は皆喜んでるよ? 馬鹿みたいな税率が10%迄下がったって」
「くっくっくっ、もし私が王国を滅ぼす為に適当な税率に下げたとは思わないのかい?」
キサラギの意地が悪い質問に、マリは少しも躊躇わず答える。
「キサラギさんが、私に仕えると言ってくれた時に信じるって決めたから。 裏切られたら……どうしよう!!」
マリは、本当に考えていなかった顔で困る。
「ぷっ、あはははは! いや、すまない我が主よ。 意地が悪い質問だった、忘れてくれ。 おや、メリーが戻って来たようだ」
その様子を見て、キサラギは清々しく笑った。
キサラギは覚悟を決めたのだ、人間であるマリに本気で仕えようと。
それから、キサラギはマリを我が主と呼ぶようになったのだが……マリが気付くのは先である。
「失礼します、戻りましたわ陛下。陳情を出していない全ての貴族に手配が完了しました。 夕方には、会議室に集まります」
「ありがとメリーさん、じゃあ次は……王国の領地の分配状況を確認しなきゃね。 あ、キサラギさん其処の資料取って」
「はいはい、お安い御用さ我が主よ」
そして、夕方まで執務に没頭するのであった。
◆◇◆
夕方となり、マリ達は会議室へとやって来た。
「マリ陛下、既に皆着席しております」
会議室の前に立っていたジャックが、マリに告げる。
「ありがと、さて……やるかー。 メリーさん、例の物を」
一度深く背伸びをし、メリーから受け取った酒を一気に飲み干し気合いを入れてから入室する。
会議室の中には、円卓が有り周囲を椅子が囲んでいる。
席は半分程しか埋まっておらず、マリを見ると一様に席を立ち頭を垂れている。
(席は20で埋まってるのは半分……10人ね。 さぁ、ここから何人減るかな~)
女王の席に座り、開口一番にマリは発した。
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