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第36話 王族調停 その1
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「くぅ~! 久し振りにベッドで寝たらすっっごく眠れるねメリーさん」
窓の外は既に明るい。
マリはアーサー子爵から借りた部屋のベッドでゆっくりと体を起こしていた。
アーサー城に到着するまでは不眠不休で移動していた為、ヨハネの背中で仮眠する時間しか無かったのだ。
「おはようございます、陛下。 少しでも休めたなら何よりでございます」
メリーがマリを一瞬で着替えさせ、テーブルの上に何処からともなく出した朝食を運ぶ。
「ふぇー、メリーさんって手品師みたいだよね」
「ふふ、また陛下は不思議な事を仰いますね~。 なんですか? 手品師って」
カップに注がれた紅茶を啜りながらマリは答えた。
「あちっ、あ~そっか。 う~ん、魔法使いみたいなもんかな~」
何気なく言った言葉にメリーは一瞬硬直する。
しかし、一瞬だった為にマリが気付く事は無い。
「あらあら、じゃあヨハネの様な魔法使いになれるかもしれませんね」
「あはは、うんうんメリーさん才能あるかも。 まぁ……私、まだ魔法見たこと無いんだけどね」
和やかに雑談をしながら朝食を終え、2人は会議室へと向かう。
「昨日の夜はあれから大変だったけど、ルカとアーサー君は大丈夫かな」
マリが心配するのも当然だ。
昨晩、アーサーの傷が治り夕食が終わった後にルカが計画をアーサーに話したのだ。
結果は、当然アーサーは怒り反対した。
そして、ルカが仕方無く説得する為に会議室に2人で閉じこもっているのだ。
恐らくは激しい論争が起こった事だろう。
「そうですね~、アーサー子爵はムキムキになりましたから最悪ルカが殴り殺されているかもしれませんね」
「ダメじゃん! え?! 本当に大丈夫なの?」
マリは駆け出し、到着した会議室の扉を開け放つ。
「ルカ! アーサー君! 無事?!」
突如として女王が会議室に突撃した事に何やら話し合っていたルカとアーサーは目を見開いて驚いた。
「「陛下っ?!」」
「ふ~、良かった~無事だ……って、アーサー君?! 元のアーサー君に戻ってるじゃん!」
マリの言う通り、アーサーの体はムキムキのマッチョからまだ幼さの残る少年へと戻っていた。
「あはは、おはようございます陛下。 男としては複雑な思いですが、戻ってしまいました」
「どうやら、ハイポーションの副作用は短時間で治まるようですね。 陛下、おはようございます」
席を立ち穏やかに挨拶するルカとアーサーを見て、どうやら血を見ずに話し合いは終わったようだとマリは胸を撫で下ろした。
「お二人共、昨晩からご苦労様でした。 よろしければ朝食の準備を致しますが?」
メリーの問いに2人は答える。
「メリーさん、ありがとう。 ですが、大丈夫です」
「ぼ……私も大丈夫です。 それより、メリー殿。 昨晩は一昼夜、怪我人の手当てをして頂き本当に感謝致します」
アーサーが深々とお辞儀するのをマリは何故か驚きながら見ていた。
「えっ?! メリーさん、昨日の夜私が寝る寸前まで起きてたよね? 私が起きた時も部屋で待ってたよね? 本当にメリーさんっていつ寝てるの?!」
「ふふふ、メイドの嗜みです。 アーサー子爵殿もお気になさらずに、陛下の為、エントン王国の為に戦う兵士達を見捨てる事などできませんから」
天使の微笑みのメイド長メリーを見て、思わずアーサーは顔を赤らめ俯く。
その光景をマリはニヨニヨしながら見ていた。
(ふ~ん、アーサー君はメリーさんがタイプなのかな? 若いね~可愛いねぇ~)
「あ、で……結局アーサー君は納得してくれたの?」
「それが……エントン王国の為であり、陛下が望まれている事なら私にはもう反対する理由はございませんから」
「そっか……ありがとう。 大丈夫! 必ず生きて帰るから!」
「そうですよ、アーサー子爵。 私が陛下に付いています。 つまりは、ちょっとした旅行の様なものです」
「あはは、そうだね。 うん、お土産は何にしよう……」
「陛下、ゴルメディア帝国には名物として美味しいカステラがあるそうですよ」
「えぇっ?! 絶対食べたい!」
「ふふ……そうですよね。 陛下とメリーさんなら、きっと大丈夫ですよね。 少し安心しました」
皆が談笑する中、ルカは羊皮紙に何やら書き込み忙しそうだ。 しかし、この場に限り何とも穏やかな時間が過ぎていた。
しかし、何事にも始まりが有れば終わりがくる。
「失礼します! ゴルメディア帝国に動きあり!」
会議室の扉を開け放った兵士が告げる。
「ご苦労、休め。 陛下、ルカ殿……時間です」
アーサーに言われ、ルカが頷く。
「では陛下、アーサー子爵から聞いた情報から計画を修正したので説明させて下さい」
「うん、分かった。 でも、メリーさんもしっかり聞いててね! 忘れちゃうから!」
「ふふ、はいはい」
真剣な顔で情けない発言をするマリを見て、皆一様に頬を緩めるのであった。
◆◇◆
ルカの説明はゴルメディア帝国軍が城に近付くまで続いた。
「報告! 敵、数千! 先頭は黒騎士団で間違いありません! 後1時間で到着します!」
城の中庭に伝令が駆けて来た。
そして、伝令の報告にルカは微笑む。
「良かったです、どうやら私の予想は当たっていた様ですね」
安堵するルカと違い、マリは緊張でガチガチだ。
「そ、その黒騎士団の団長さんに最初交渉したらいいんだよね?」
「そうです、陛下が団長の元に行けるようにアーサー子爵とその兵士達が護衛します」
支度したマリの後方にはアーサー子爵と数百の兵士達が控えていた。
「陛下の身は我等が必ずお守り致します! ご安心下さい!」
「「「「「陛下の為に!!」」」」」
アーサーと兵士達に怯えはない。
黒騎士団といえば、黒色のフルプレートを身に付け、精鋭の騎馬で突撃する事を得意とし歴史上無敗の騎士団である。
この数日で何度も絶望的な状況で黒騎士団と殺り合い、多くの仲間を失った。
主であるアーサー男爵も敵である黒騎士団の団長に手酷くやられたばかりだ。
しかし、彼等に怯えはない。
戦士として、兵士として、騎士として、仕える女王を守護する任より名誉な事など無いからだ。
黒騎士団の団長に会うまでに戦闘が起きれば、彼等は死ぬまで戦うだろう。
「ありがとう……必ずこの戦争を終らせる。 だから、もうこれ以上死なないで! 貴方達も、私が守るべき民なんだから!!」
「「「「「はっ!!」」」」」
「では、行きます! 門を開けろぉぉーー!」
アーサー城より、騎士達が行く。
門が開いた先の景色は、遥か向こうまで敵兵士が犇めいていた。
目指すは、先頭の黒い集団。
歴史上無敗の騎士団を務める、ゴルメディア帝国最強の騎士デランだ。
少しすると、敵の後方より矢の雨が降り注ぐ。
アーサー達は直ぐ様片手に持った盾を空へと掲げ、守りを固める。
「矢がくるぞ! 陛下を中心に守りを固めろ! ルカ殿とメリーさんは陛下のお側を離れないようにお気をつけを! お前達、意地を見せろ!」
此方の先頭を務めるは、齢13のアーサー子爵だ。 城で談笑していた幼さの残る少年は居ない、此処で駆けるのは多くの命を背負う1人の領主である。
「「「「おぉぉぉぉぅっ!!」」」」
「いや、死にに行くんじゃないからね? はーい、白旗上げてー!」
「はいはーい」
ルカの合図にメリーが白旗を上げる。
「「「「えぇぇぇぇぇ?! 決死の覚悟が……」」」」」
アーサーと兵士達の決死の覚悟は空高く飛んでいった。
メリーが白旗を振ると、直ぐに矢は止み、1人の大男が黒騎士団の中から前へと出て来た。
その大男の顔は苦笑いを浮かべていた。
窓の外は既に明るい。
マリはアーサー子爵から借りた部屋のベッドでゆっくりと体を起こしていた。
アーサー城に到着するまでは不眠不休で移動していた為、ヨハネの背中で仮眠する時間しか無かったのだ。
「おはようございます、陛下。 少しでも休めたなら何よりでございます」
メリーがマリを一瞬で着替えさせ、テーブルの上に何処からともなく出した朝食を運ぶ。
「ふぇー、メリーさんって手品師みたいだよね」
「ふふ、また陛下は不思議な事を仰いますね~。 なんですか? 手品師って」
カップに注がれた紅茶を啜りながらマリは答えた。
「あちっ、あ~そっか。 う~ん、魔法使いみたいなもんかな~」
何気なく言った言葉にメリーは一瞬硬直する。
しかし、一瞬だった為にマリが気付く事は無い。
「あらあら、じゃあヨハネの様な魔法使いになれるかもしれませんね」
「あはは、うんうんメリーさん才能あるかも。 まぁ……私、まだ魔法見たこと無いんだけどね」
和やかに雑談をしながら朝食を終え、2人は会議室へと向かう。
「昨日の夜はあれから大変だったけど、ルカとアーサー君は大丈夫かな」
マリが心配するのも当然だ。
昨晩、アーサーの傷が治り夕食が終わった後にルカが計画をアーサーに話したのだ。
結果は、当然アーサーは怒り反対した。
そして、ルカが仕方無く説得する為に会議室に2人で閉じこもっているのだ。
恐らくは激しい論争が起こった事だろう。
「そうですね~、アーサー子爵はムキムキになりましたから最悪ルカが殴り殺されているかもしれませんね」
「ダメじゃん! え?! 本当に大丈夫なの?」
マリは駆け出し、到着した会議室の扉を開け放つ。
「ルカ! アーサー君! 無事?!」
突如として女王が会議室に突撃した事に何やら話し合っていたルカとアーサーは目を見開いて驚いた。
「「陛下っ?!」」
「ふ~、良かった~無事だ……って、アーサー君?! 元のアーサー君に戻ってるじゃん!」
マリの言う通り、アーサーの体はムキムキのマッチョからまだ幼さの残る少年へと戻っていた。
「あはは、おはようございます陛下。 男としては複雑な思いですが、戻ってしまいました」
「どうやら、ハイポーションの副作用は短時間で治まるようですね。 陛下、おはようございます」
席を立ち穏やかに挨拶するルカとアーサーを見て、どうやら血を見ずに話し合いは終わったようだとマリは胸を撫で下ろした。
「お二人共、昨晩からご苦労様でした。 よろしければ朝食の準備を致しますが?」
メリーの問いに2人は答える。
「メリーさん、ありがとう。 ですが、大丈夫です」
「ぼ……私も大丈夫です。 それより、メリー殿。 昨晩は一昼夜、怪我人の手当てをして頂き本当に感謝致します」
アーサーが深々とお辞儀するのをマリは何故か驚きながら見ていた。
「えっ?! メリーさん、昨日の夜私が寝る寸前まで起きてたよね? 私が起きた時も部屋で待ってたよね? 本当にメリーさんっていつ寝てるの?!」
「ふふふ、メイドの嗜みです。 アーサー子爵殿もお気になさらずに、陛下の為、エントン王国の為に戦う兵士達を見捨てる事などできませんから」
天使の微笑みのメイド長メリーを見て、思わずアーサーは顔を赤らめ俯く。
その光景をマリはニヨニヨしながら見ていた。
(ふ~ん、アーサー君はメリーさんがタイプなのかな? 若いね~可愛いねぇ~)
「あ、で……結局アーサー君は納得してくれたの?」
「それが……エントン王国の為であり、陛下が望まれている事なら私にはもう反対する理由はございませんから」
「そっか……ありがとう。 大丈夫! 必ず生きて帰るから!」
「そうですよ、アーサー子爵。 私が陛下に付いています。 つまりは、ちょっとした旅行の様なものです」
「あはは、そうだね。 うん、お土産は何にしよう……」
「陛下、ゴルメディア帝国には名物として美味しいカステラがあるそうですよ」
「えぇっ?! 絶対食べたい!」
「ふふ……そうですよね。 陛下とメリーさんなら、きっと大丈夫ですよね。 少し安心しました」
皆が談笑する中、ルカは羊皮紙に何やら書き込み忙しそうだ。 しかし、この場に限り何とも穏やかな時間が過ぎていた。
しかし、何事にも始まりが有れば終わりがくる。
「失礼します! ゴルメディア帝国に動きあり!」
会議室の扉を開け放った兵士が告げる。
「ご苦労、休め。 陛下、ルカ殿……時間です」
アーサーに言われ、ルカが頷く。
「では陛下、アーサー子爵から聞いた情報から計画を修正したので説明させて下さい」
「うん、分かった。 でも、メリーさんもしっかり聞いててね! 忘れちゃうから!」
「ふふ、はいはい」
真剣な顔で情けない発言をするマリを見て、皆一様に頬を緩めるのであった。
◆◇◆
ルカの説明はゴルメディア帝国軍が城に近付くまで続いた。
「報告! 敵、数千! 先頭は黒騎士団で間違いありません! 後1時間で到着します!」
城の中庭に伝令が駆けて来た。
そして、伝令の報告にルカは微笑む。
「良かったです、どうやら私の予想は当たっていた様ですね」
安堵するルカと違い、マリは緊張でガチガチだ。
「そ、その黒騎士団の団長さんに最初交渉したらいいんだよね?」
「そうです、陛下が団長の元に行けるようにアーサー子爵とその兵士達が護衛します」
支度したマリの後方にはアーサー子爵と数百の兵士達が控えていた。
「陛下の身は我等が必ずお守り致します! ご安心下さい!」
「「「「「陛下の為に!!」」」」」
アーサーと兵士達に怯えはない。
黒騎士団といえば、黒色のフルプレートを身に付け、精鋭の騎馬で突撃する事を得意とし歴史上無敗の騎士団である。
この数日で何度も絶望的な状況で黒騎士団と殺り合い、多くの仲間を失った。
主であるアーサー男爵も敵である黒騎士団の団長に手酷くやられたばかりだ。
しかし、彼等に怯えはない。
戦士として、兵士として、騎士として、仕える女王を守護する任より名誉な事など無いからだ。
黒騎士団の団長に会うまでに戦闘が起きれば、彼等は死ぬまで戦うだろう。
「ありがとう……必ずこの戦争を終らせる。 だから、もうこれ以上死なないで! 貴方達も、私が守るべき民なんだから!!」
「「「「「はっ!!」」」」」
「では、行きます! 門を開けろぉぉーー!」
アーサー城より、騎士達が行く。
門が開いた先の景色は、遥か向こうまで敵兵士が犇めいていた。
目指すは、先頭の黒い集団。
歴史上無敗の騎士団を務める、ゴルメディア帝国最強の騎士デランだ。
少しすると、敵の後方より矢の雨が降り注ぐ。
アーサー達は直ぐ様片手に持った盾を空へと掲げ、守りを固める。
「矢がくるぞ! 陛下を中心に守りを固めろ! ルカ殿とメリーさんは陛下のお側を離れないようにお気をつけを! お前達、意地を見せろ!」
此方の先頭を務めるは、齢13のアーサー子爵だ。 城で談笑していた幼さの残る少年は居ない、此処で駆けるのは多くの命を背負う1人の領主である。
「「「「おぉぉぉぉぅっ!!」」」」
「いや、死にに行くんじゃないからね? はーい、白旗上げてー!」
「はいはーい」
ルカの合図にメリーが白旗を上げる。
「「「「えぇぇぇぇぇ?! 決死の覚悟が……」」」」」
アーサーと兵士達の決死の覚悟は空高く飛んでいった。
メリーが白旗を振ると、直ぐに矢は止み、1人の大男が黒騎士団の中から前へと出て来た。
その大男の顔は苦笑いを浮かべていた。
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