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第67話 黒騎士団団長デラン
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黒騎士団団長デランは爽快な気持ちで、久し振りの自宅へと帰宅した。
「ただいま戻った。 すまない、帰りがこんなに遅くなってしまった」
空は既に暗く、住宅街は街灯の明かりばかりで住人は寝静まっている。
「お帰りなさいませ、あなた」
部屋の奥から、デランの最愛の妻ユリが出迎える。
赤毛で小柄な妻はデランの黒い鎧を脱がすのを手伝う。 愛用の大斧は壁に立てかけた。
「ありがとう、ユリ。 もうソウタは寝てるか?」
息子の名前を呼ぶと、直ぐ様奥の部屋から少年が飛び出して来た。
「お帰りなさい父上!」
妻のユリに似た赤毛の少年だ。
勢いよく抱きつかれたデランは最愛の息子の重みに負けず、抱き上げる。
「はははは! また少し大きくなったなソウタ!」
「こらソウタ! 父上はお疲れなんだから」
「いいもん! ねぇ、父上! 何時まで居れるの?」
無邪気にはしゃぐ息子の頭を抱き上げたまま大きな手で撫でてやる。
「おいおい、帰って来たばかりでそれを言うか? まぁ、数日は居れるだろ」
「やったー! 父上、お仕事の話し聞きたい! 後、明日の朝は鍛錬に付き合ってね!」
「あぁ! もちろんだ!」
親子の様子をユリも幸せそうに見つめる。
そして、天井に潜む者も幸せそうな家族を見ていた。
◆◇◆
ソウタを寝かせたデランは、台所のテーブルで妻のユリと話していた。
それは、今日行われたエントン王国女王とゴルメディア帝国女皇帝陛下による王族調停での会談であった事だ。
「それでな、何故か戦勝祝いに発展してな~。 女皇帝陛下もご機嫌だったし、元だがマリ女王陛下もゴルメディア帝国に滞在出来る事になったんだ」
嬉しそうな顔で語るデランの大きな手をユリがつねる。
「あなた? まさか、そのマリ様に御執心じゃないんでしょうね?」
「痛たた! そんな筈無いだろう? マリ元女王陛下はこれまで会った事の無い統治者だ。 その器は、キャベル女皇帝陛下を上回るやもしれんし酒飲み比べでは明らかに上だ」
今日の会談に出席していた者が聞いていたら、酒飲み比べに関しては渋い顔で頷く様な事をデランは熱を持ってユリに話した。
「ふふ、面白い方なんですね。 もう、王族では無く平民としてのお客様になるのでしたら私も1度会ってみたいです」
「ははは! そうだな~、気さくなお方だから願えばふたつ返事で会って下さるだろうな」
朗らかに笑うデランは、明日の息子との約束を思い出し寝坊しないよう寝室へと向かった。
しかし、玄関のドアが叩かれた。
「夜分遅くに失礼する! 黒騎士団団長デラン殿はご在宅か?!」
急を要する声にデランは急ぎ鎧を身に纏う。
玄関の壁に立てかけた大斧も忘れず装備した。
「遅くなった! どうした!!」
ドアを開けると、白鎧を身に纏った近衛師団の兵士が4人待っていた。
「お休みの所すみません! 貴族エリアと住宅エリアを挟む門で問題が! 直ぐに来てください!!」
近衛師団の兵士に急かされ、デランは向かおうとするがユリに呼び止められた。
「あなた! どうかお気を付けて!」
心配するユリにデランは笑顔で答えた。
「大丈夫だ! 私は最強の黒騎士団団長だぞ? 戸締まりをしっかりして寝ておいてくれ。 直ぐに戻る!」
デランは重い鎧を鳴らしながら現場へと向かった。
◆◇◆
貴族街と住宅街を隔てる門の所に到着したが、誰も居らず静かなものである。
「見張りが居ないでは無いか! まさか、賊か? おい、何があったんだ?」
周囲を警戒していると、デランと共に来た近衛師団の兵士が腰の剣を抜く。
「貴様等……何のつもりだ?」
4人が住宅街側からデランを囲んでいると、後ろの門が開いた。
開いた門からは生首がゴロゴロとデラン達の足下に転がってきた。 46人分の生首が転がる様は、まさに悪夢のようだ。
「よし、挟み撃ちにし……な!? ひぃ、ひぃぃぃ! 皆……死んでる!?」
デランを案内した兵士達は腰を抜かし、その場に倒れ込んでしまった。
「なっ!? どういう事だ? 罠では無いのか……ん!? 其処に居るのは誰だ!」
薄暗い門の向こうから1人のメイドが歩いてきた。
後ろで結んだロングヘアーの茶髪が松明の灯りに照らされ輝いており、こんな状況で無ければ見惚れる程の美少女だった。
そんなメイドの両手には血に濡れたナイフが握られているが、メイド服には一切の血糊が付着していない事にデランは寒氣を感じる。
(手練れの近衛師団を相手に無傷どころか血糊すら付いていないだと!? さて、敵か……味方か)
デランは大斧を構え、腰を抜かした兵士達とメイドの両方を警戒した。
「黒騎士団団長デラン様でございますね。 お待ちしておりました。 私はエントン王国マリ女王陛下の命により、貴方様を助けに参りましたセカンドと申します」
両手のナイフを瞬時に消したセカンドは深くお辞儀をする。
「マリ陛下からの助けだと? つまり、貴女は味方なのだな?」
デランの問に答える様に、セカンドは微笑むと瞬時に闇に溶け込むように消え腰を抜かした4人の兵士の後ろに現れた。
「ひっ!? た、助けっ?!」
現れたと同時に這って逃げようとしていた兵士の首を跳ねる。
残りの3人の首を跳ねようとしたセカンドをデランが止めた。
「待ってくれ! 何故、私が近衛師団に襲われたのか知るために捕らえたいのだ!」
しかし、セカンドは止まる事なく残りの3人の首を跳ねた。首を跳ねられた3人は痛みも感じる暇も悲鳴を上げる時間も与えられずに地面に転がった。
「ご安心下さいませ、デラン様。 誰の指示か、何の為か。 全て周知しております。 それより、ご自宅に急ぎ戻られた方がよろしいかと……」
デランは反論する前に、セカンドの言葉で我に返った。
「ユリ! ソウタ! すまないセカンド殿、この礼は必ず!」
デランは大斧片手に自宅へと向かって走り出した。
「さて……こちらセカンド、任務完了。 対象は自宅へと向かいました。 私はこれより隠蔽を開始しますね」
残されたセカンドは何も無い空に話しかけた後、死体の山と共に闇へと消えていった。
「ただいま戻った。 すまない、帰りがこんなに遅くなってしまった」
空は既に暗く、住宅街は街灯の明かりばかりで住人は寝静まっている。
「お帰りなさいませ、あなた」
部屋の奥から、デランの最愛の妻ユリが出迎える。
赤毛で小柄な妻はデランの黒い鎧を脱がすのを手伝う。 愛用の大斧は壁に立てかけた。
「ありがとう、ユリ。 もうソウタは寝てるか?」
息子の名前を呼ぶと、直ぐ様奥の部屋から少年が飛び出して来た。
「お帰りなさい父上!」
妻のユリに似た赤毛の少年だ。
勢いよく抱きつかれたデランは最愛の息子の重みに負けず、抱き上げる。
「はははは! また少し大きくなったなソウタ!」
「こらソウタ! 父上はお疲れなんだから」
「いいもん! ねぇ、父上! 何時まで居れるの?」
無邪気にはしゃぐ息子の頭を抱き上げたまま大きな手で撫でてやる。
「おいおい、帰って来たばかりでそれを言うか? まぁ、数日は居れるだろ」
「やったー! 父上、お仕事の話し聞きたい! 後、明日の朝は鍛錬に付き合ってね!」
「あぁ! もちろんだ!」
親子の様子をユリも幸せそうに見つめる。
そして、天井に潜む者も幸せそうな家族を見ていた。
◆◇◆
ソウタを寝かせたデランは、台所のテーブルで妻のユリと話していた。
それは、今日行われたエントン王国女王とゴルメディア帝国女皇帝陛下による王族調停での会談であった事だ。
「それでな、何故か戦勝祝いに発展してな~。 女皇帝陛下もご機嫌だったし、元だがマリ女王陛下もゴルメディア帝国に滞在出来る事になったんだ」
嬉しそうな顔で語るデランの大きな手をユリがつねる。
「あなた? まさか、そのマリ様に御執心じゃないんでしょうね?」
「痛たた! そんな筈無いだろう? マリ元女王陛下はこれまで会った事の無い統治者だ。 その器は、キャベル女皇帝陛下を上回るやもしれんし酒飲み比べでは明らかに上だ」
今日の会談に出席していた者が聞いていたら、酒飲み比べに関しては渋い顔で頷く様な事をデランは熱を持ってユリに話した。
「ふふ、面白い方なんですね。 もう、王族では無く平民としてのお客様になるのでしたら私も1度会ってみたいです」
「ははは! そうだな~、気さくなお方だから願えばふたつ返事で会って下さるだろうな」
朗らかに笑うデランは、明日の息子との約束を思い出し寝坊しないよう寝室へと向かった。
しかし、玄関のドアが叩かれた。
「夜分遅くに失礼する! 黒騎士団団長デラン殿はご在宅か?!」
急を要する声にデランは急ぎ鎧を身に纏う。
玄関の壁に立てかけた大斧も忘れず装備した。
「遅くなった! どうした!!」
ドアを開けると、白鎧を身に纏った近衛師団の兵士が4人待っていた。
「お休みの所すみません! 貴族エリアと住宅エリアを挟む門で問題が! 直ぐに来てください!!」
近衛師団の兵士に急かされ、デランは向かおうとするがユリに呼び止められた。
「あなた! どうかお気を付けて!」
心配するユリにデランは笑顔で答えた。
「大丈夫だ! 私は最強の黒騎士団団長だぞ? 戸締まりをしっかりして寝ておいてくれ。 直ぐに戻る!」
デランは重い鎧を鳴らしながら現場へと向かった。
◆◇◆
貴族街と住宅街を隔てる門の所に到着したが、誰も居らず静かなものである。
「見張りが居ないでは無いか! まさか、賊か? おい、何があったんだ?」
周囲を警戒していると、デランと共に来た近衛師団の兵士が腰の剣を抜く。
「貴様等……何のつもりだ?」
4人が住宅街側からデランを囲んでいると、後ろの門が開いた。
開いた門からは生首がゴロゴロとデラン達の足下に転がってきた。 46人分の生首が転がる様は、まさに悪夢のようだ。
「よし、挟み撃ちにし……な!? ひぃ、ひぃぃぃ! 皆……死んでる!?」
デランを案内した兵士達は腰を抜かし、その場に倒れ込んでしまった。
「なっ!? どういう事だ? 罠では無いのか……ん!? 其処に居るのは誰だ!」
薄暗い門の向こうから1人のメイドが歩いてきた。
後ろで結んだロングヘアーの茶髪が松明の灯りに照らされ輝いており、こんな状況で無ければ見惚れる程の美少女だった。
そんなメイドの両手には血に濡れたナイフが握られているが、メイド服には一切の血糊が付着していない事にデランは寒氣を感じる。
(手練れの近衛師団を相手に無傷どころか血糊すら付いていないだと!? さて、敵か……味方か)
デランは大斧を構え、腰を抜かした兵士達とメイドの両方を警戒した。
「黒騎士団団長デラン様でございますね。 お待ちしておりました。 私はエントン王国マリ女王陛下の命により、貴方様を助けに参りましたセカンドと申します」
両手のナイフを瞬時に消したセカンドは深くお辞儀をする。
「マリ陛下からの助けだと? つまり、貴女は味方なのだな?」
デランの問に答える様に、セカンドは微笑むと瞬時に闇に溶け込むように消え腰を抜かした4人の兵士の後ろに現れた。
「ひっ!? た、助けっ?!」
現れたと同時に這って逃げようとしていた兵士の首を跳ねる。
残りの3人の首を跳ねようとしたセカンドをデランが止めた。
「待ってくれ! 何故、私が近衛師団に襲われたのか知るために捕らえたいのだ!」
しかし、セカンドは止まる事なく残りの3人の首を跳ねた。首を跳ねられた3人は痛みも感じる暇も悲鳴を上げる時間も与えられずに地面に転がった。
「ご安心下さいませ、デラン様。 誰の指示か、何の為か。 全て周知しております。 それより、ご自宅に急ぎ戻られた方がよろしいかと……」
デランは反論する前に、セカンドの言葉で我に返った。
「ユリ! ソウタ! すまないセカンド殿、この礼は必ず!」
デランは大斧片手に自宅へと向かって走り出した。
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残されたセカンドは何も無い空に話しかけた後、死体の山と共に闇へと消えていった。
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