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第74話 キャミとドーラの一目惚れ
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「じゃあ、すまないが後は頼む。 私はルカに言われて王城の門で待機しないといけないんだ」
「そうでしたか、今日も大変ですがよろしくお願いします」
ルーデウスはルニアと言葉を数度交わし、見送った。 ルニアの背中に少し哀愁が漂っていたがルーデウスは見なかった事にする。
「ルーデウス様! 来てくれて嬉しいのじゃ! 妾はあのルニア侯爵殿が怖い、怖いのじゃ!」
怯えるキャミがルーデウスに抱き付き身体を震わす。
「お気持ちは察しますがキャミ王女、ルニア侯爵はキャット王国とドーラ王国から拉致されてきたお二人を1番に庇ったお方です。 いくら、お二人の母君を討った本人と云えど……少し不憫ですよ」
「う~……確かに恩はあるのじゃ。 次に会ったら謝るのじゃ……」
しおらしく項垂れるキャミをルーデウスは優しく撫でる。
「感謝します。 ドーラ王女は大丈夫ですか?」
「大丈夫です。 私はキャミと違い、最後まで戦い抜いた母を討ったルニア侯爵に敬意はあれど敵意はございません」
「そうですか。 その言葉、お二人の母君を討ち王国と王女の安寧を約束したルニア侯爵にとっても嬉しいでしょう」
ルーデウスがキャミを撫でながらドーラと会話していると扉が叩かれ、ウォンバットが菓子を運んで来た。
「ルーデウス代理国王陛下、お持ちしましたぞ」
部屋に入ってきたウォンバットが、キャミ王女の頭を撫でるルーデウスを見て意味深なウィンクをする。
「ウォンバット……ありがとう。 さぁお二人共、食べましょう。 今日は色々と大変な1日になります。菓子をたらふく食べないとやってられませんからね」
ウォンバットのウィンクに言いたい事があるが、今は我慢し2人の王女の機嫌を取る事を優先した。
ルーデウスの笑顔に2人の王女は顔を赤らめ、黙々とクッキーやケーキを食べる。
2人の王女は同じ齢14歳のルーデウスを横目で見て再度頬を赤らめた。 同じ齢とは思えないほどに大人びたルーデウスに2人は一目惚れしてしまっていたのだ。
事実、ルーデウスは修羅場を潜り大人びた雰囲気を出している。 それは、責任や後悔や覚悟等の様々な要因がルーデウスを成長させたのだ。
キャミは親友のドーラと好きになってしまったルーデウスの笑顔を見て太陽の様に笑う。 キャミは死を覚悟したあの日から何故こんな時間が過ごせているのか思い出し始めた。
◆◇◆
「んぐぐー! んぐ!」
キャット王国の王女、キャット フォル キャミは賊に拉致され何日も担がれ運ばれていた。
母である女王に、生き残る為とは云えゴルメディア帝国の命令で同じ属国ドック王国と共に隣国のエントン王国を全兵力で攻めると聞いた時から嫌な予感はしていた。
その予感は的中し、少数の兵しか残って居なかったキャット王国の王城に1人の賊が侵入。
その賊はまさかの武装したメイドだった。
そのメイドは瞬く間に全ての兵士を昏倒させ、使用人や民には一切の手出しをせずにキャミを拉致した。
キャミは王族として覚悟はしていたが、恐らくエントン王国の配下であるメイドが自分を直ぐ様殺さなかった事に恐怖した。
エントン王国を攻める母に対する人質にされると想像したからだ。
しかし、目隠しや猿轡をようやく外された時。
その考えが間違っていた事を知った。
「ぷはぁ! 酷いのじゃ! ずっと目も口も塞ぐなど……え?」
久し振りの視界には絶望が写っていた。
多くの死体。 斬られ、潰され、貫かれた死体が山積みにされ燃やされていた。
人間の燃える臭いが鼻に付き、吐き気を催す。
その死体が着ている服や鎧は、共にエントン王国を攻めたドック王国とキャット王国の兵士の物だった。
既に戦争は終わっていたのだ。
キャミが人質になる必要も既に無く。
その事に気付いたキャミはガタガタと震える。
自分もこの死体の様に……殺され焼かれるのだと。
其処に1人の騎馬に乗った女性が近付いてきた。
「ルカから聞いている。 極秘任務の達成、本当にご苦労だったな。 メリー殿がルカに手紙を預けているそうだ。 戻ったら手紙を受け取り、他の者達と合流してくれ」
その女性は、分厚いフルプレートの鎧を装着し、背中には身の丈以上の大剣を担いでいた。
そして、真っ赤な髪がキャミを威圧する。
(怖い、怖いのじゃ! 妾は……あの大きな大剣で首を斬ら……)
「も~、メリー隊長は人使いが荒すぎますよ! ルニア辺境伯様、すみませんがキャット王国の王女をお願いしてもよろしいですか?」
「勿論だ。 ルーデウス殿下達の下に必ず連れて行こう。 約束したからな……」
ファーストからキャミを受け取ろうとした際にルニアは気付いた。
「おや……? 気絶してる……何故だ?」
キャミはルニア辺境伯の威圧感に耐えきれず、意識を絶ってしまっていた。
「そうでしたか、今日も大変ですがよろしくお願いします」
ルーデウスはルニアと言葉を数度交わし、見送った。 ルニアの背中に少し哀愁が漂っていたがルーデウスは見なかった事にする。
「ルーデウス様! 来てくれて嬉しいのじゃ! 妾はあのルニア侯爵殿が怖い、怖いのじゃ!」
怯えるキャミがルーデウスに抱き付き身体を震わす。
「お気持ちは察しますがキャミ王女、ルニア侯爵はキャット王国とドーラ王国から拉致されてきたお二人を1番に庇ったお方です。 いくら、お二人の母君を討った本人と云えど……少し不憫ですよ」
「う~……確かに恩はあるのじゃ。 次に会ったら謝るのじゃ……」
しおらしく項垂れるキャミをルーデウスは優しく撫でる。
「感謝します。 ドーラ王女は大丈夫ですか?」
「大丈夫です。 私はキャミと違い、最後まで戦い抜いた母を討ったルニア侯爵に敬意はあれど敵意はございません」
「そうですか。 その言葉、お二人の母君を討ち王国と王女の安寧を約束したルニア侯爵にとっても嬉しいでしょう」
ルーデウスがキャミを撫でながらドーラと会話していると扉が叩かれ、ウォンバットが菓子を運んで来た。
「ルーデウス代理国王陛下、お持ちしましたぞ」
部屋に入ってきたウォンバットが、キャミ王女の頭を撫でるルーデウスを見て意味深なウィンクをする。
「ウォンバット……ありがとう。 さぁお二人共、食べましょう。 今日は色々と大変な1日になります。菓子をたらふく食べないとやってられませんからね」
ウォンバットのウィンクに言いたい事があるが、今は我慢し2人の王女の機嫌を取る事を優先した。
ルーデウスの笑顔に2人の王女は顔を赤らめ、黙々とクッキーやケーキを食べる。
2人の王女は同じ齢14歳のルーデウスを横目で見て再度頬を赤らめた。 同じ齢とは思えないほどに大人びたルーデウスに2人は一目惚れしてしまっていたのだ。
事実、ルーデウスは修羅場を潜り大人びた雰囲気を出している。 それは、責任や後悔や覚悟等の様々な要因がルーデウスを成長させたのだ。
キャミは親友のドーラと好きになってしまったルーデウスの笑顔を見て太陽の様に笑う。 キャミは死を覚悟したあの日から何故こんな時間が過ごせているのか思い出し始めた。
◆◇◆
「んぐぐー! んぐ!」
キャット王国の王女、キャット フォル キャミは賊に拉致され何日も担がれ運ばれていた。
母である女王に、生き残る為とは云えゴルメディア帝国の命令で同じ属国ドック王国と共に隣国のエントン王国を全兵力で攻めると聞いた時から嫌な予感はしていた。
その予感は的中し、少数の兵しか残って居なかったキャット王国の王城に1人の賊が侵入。
その賊はまさかの武装したメイドだった。
そのメイドは瞬く間に全ての兵士を昏倒させ、使用人や民には一切の手出しをせずにキャミを拉致した。
キャミは王族として覚悟はしていたが、恐らくエントン王国の配下であるメイドが自分を直ぐ様殺さなかった事に恐怖した。
エントン王国を攻める母に対する人質にされると想像したからだ。
しかし、目隠しや猿轡をようやく外された時。
その考えが間違っていた事を知った。
「ぷはぁ! 酷いのじゃ! ずっと目も口も塞ぐなど……え?」
久し振りの視界には絶望が写っていた。
多くの死体。 斬られ、潰され、貫かれた死体が山積みにされ燃やされていた。
人間の燃える臭いが鼻に付き、吐き気を催す。
その死体が着ている服や鎧は、共にエントン王国を攻めたドック王国とキャット王国の兵士の物だった。
既に戦争は終わっていたのだ。
キャミが人質になる必要も既に無く。
その事に気付いたキャミはガタガタと震える。
自分もこの死体の様に……殺され焼かれるのだと。
其処に1人の騎馬に乗った女性が近付いてきた。
「ルカから聞いている。 極秘任務の達成、本当にご苦労だったな。 メリー殿がルカに手紙を預けているそうだ。 戻ったら手紙を受け取り、他の者達と合流してくれ」
その女性は、分厚いフルプレートの鎧を装着し、背中には身の丈以上の大剣を担いでいた。
そして、真っ赤な髪がキャミを威圧する。
(怖い、怖いのじゃ! 妾は……あの大きな大剣で首を斬ら……)
「も~、メリー隊長は人使いが荒すぎますよ! ルニア辺境伯様、すみませんがキャット王国の王女をお願いしてもよろしいですか?」
「勿論だ。 ルーデウス殿下達の下に必ず連れて行こう。 約束したからな……」
ファーストからキャミを受け取ろうとした際にルニアは気付いた。
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