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第136話 メリーは見た
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朝日がカーテンの隙間から差し込み、起床の時間となったマリはゆっくりと目を開ける。
暖かな日差しがマリに心地よい目覚めをもたらし、何とも素晴らしい寝起きだと思ったのもつかの間。
開けた目の前にはマリの顔を覗くメリーが立っていた。
当然、夜中に起きた出来事はばっちり現実であり隣に寝息を立てて寝てるジャックが居る。
勿論、固く手を繋いだままで更に恋人繋ぎだ。
「おはようございまーす……メリーさん?」
朝から小言を言われると思ったマリは恐る恐るメリーに話しかけたが、メリーは無言のままマリを抱きしめた。
その時にジャックを思いっきり踏んでいるが、メリーは全く気にする素振りは無い。
「陛下! 良かった……お目覚めになられたのですね」
マリは状況が理解出来ずにあたふたしたが、己の過ちを思い出す。
その間にもメリーの膝の下で寝苦しさから起きたジャックが苦しんでいるが、メリーは全く気にしたい。
むしろ、もう少しの間苦しんでおけとすらメリーは思っている。
「そっか……私、未来見ようとした時に激痛が走って……そのまま気絶したんだってけ?」
「陛下? 目に呪いが掛けられているのに、そんな力を使えば危険な事になると思わなかったのですか!? もーー! 私がどれだけ心配したと思っているのですか!」
メリーに両頬を引っ張られるマリは涙目で謝るが、2人共笑顔だ。
「ごめむなないー! やへへー!」
「全く、もう! キサラギを呼んで来ますので、安静になさってて下さい。 さて、ジャック!! 起きなさい!」
メリーはベットから出て、ジャックの頭を引っ叩く。
「痛てっ! 起きてるよ!!」
「知ってますよ!! 陛下のベットで共に寝るなど何を考えてるの!? さっさと出なさい!」
メリーに激怒されるジャックは、何故自分がマリのベットで寝ていたのか必死に思い出し……その瞬間顔が真っ赤になった。
ジャックは瞬時にベットから飛び退き、床に着地する。
それでも片手をマリから絶対に離そうとしないあたりに、ジャックのマリを想う気持ちが有り有りと出ている。
そんなジャックを見て色々察したマリも顔を真っ赤にし、俯いた。
2人の異変に気付いたメリーは後退りをし、ジャックを睨む。
「ジャック……貴方、もしや意識の無い陛下に手を出したの? 幼い頃から陛下一筋の純愛馬鹿だとは思ってましたが、そんなクズ野郎に育てた記憶はありませんよ!?」
「手等出していない!! 陛下の熱を測ろうと……しただけだ」
さらりとメリーがジャックの想いを暴露するが、昨日の夜中にそれ以上の言葉を貰ったマリはどう反応していいか困る。
意識すればするほど、顔の火照りが増すのをマリは感じていた。
「はぁぁぁ!? じゃあ、何で陛下と同じベットで寝てたんですかぁー? いいです、言い訳は後で聞きます! 今はキサラギに陛下を診てもらうのが先決です! 大人しく待ってなさい!」
怒り散らすメリーはヨハネを迎えに部屋に退出した。
ジャックはマリに背を向けたまま片手を繋いで黙っている。
マリは話すのは今だと思い、意を決してジャックに伝える。
前のマリと今のマリの気持ちを。
「ねぇ、ジャック……」
「ど、どうされましたか?」
ジャックの身体が跳ね上がり、耳まで真っ赤にしそれでもマリの方を見ようとしなかった。
「ちゃんと聞いて欲しいから、此方を向いて……くれる?」
「も、勿論です! その、何と言い訳をしたらよいか……本当に申し訳ありませんでした!」
「あはは……いいの。 だから、聞いて欲しい。 ジャックは私が好き?」
床に頭を打ち付けんばかりに謝るジャックは、マリの一言に動きを止める。
「……お答えできません」
ジャックは顔を上げずに答える。
「私を愛してくれてる?」
「お答え……できません」
空いてる方の拳を握り締め、ひたすらに己の感情を殺そうとする。
「昨日の夜に言ってくれた言葉は嘘だったの?」
マリの一言にジャックは顔色を変えた。
遂に、顔を上げマリを見つめる。
「っ!? そ、それは……まさか、聞いておられたとは……その」
「私は、ジャックを愛してる」
ジャックは己の耳を疑い、聞き返す。
「……陛下? 今、なんと?」
「詳しくは言えない、でも今なら分かる。 前の私も、今の私も貴方を愛してる」
「そ、そんな……マリ様にはヨハネという恋人が居られるではありませんか! そんな、そんな……いけません!」
ジャックは己の迂闊な告白が、マリを苦しめる未来へと誘ったと思い激しく後悔した。
このままでは、最愛のマリはヨハネと仲違いし幸せな道から外れてしまう。 でも、想い人に愛してると言われ嬉しすぎて鼓動も早くなる。
「私の、私の言った事はどうかお忘れ下さい! お願いです……陛下?」
マリはジャックが自身の葛藤で苦しんでいるのを見るのが堪らず、ジャックの頬に手を添えて口づけを交わした。
「あはは……私、ヨハネが居るのに最低な女だな~。 でもね、ジャックが好きなんだ~……ヨハネも好きなんだよ? 2人共が大好き。 それは……凄く最低な事。 だから、ヨハネにちゃんと話す。 その後、きちんと考えて欲しい」
「……陛下。 私は……」
マリの真剣な瞳に、ジャックは遂に何も言えなくなった。
「さて、そろそろよろしいですか? ジャックぅぅぅ?!」
2人の逢瀬を見ていたメリーが扉に爪を立て、憎らしげにジャックを睨み付けていた。
どうやら、随分前から2人の様子を見ていたらしい。
その首謀者っぽいヨハネはメリーの背中に乗り、マリとジャックに最高の笑顔で親指を立てていた。
暖かな日差しがマリに心地よい目覚めをもたらし、何とも素晴らしい寝起きだと思ったのもつかの間。
開けた目の前にはマリの顔を覗くメリーが立っていた。
当然、夜中に起きた出来事はばっちり現実であり隣に寝息を立てて寝てるジャックが居る。
勿論、固く手を繋いだままで更に恋人繋ぎだ。
「おはようございまーす……メリーさん?」
朝から小言を言われると思ったマリは恐る恐るメリーに話しかけたが、メリーは無言のままマリを抱きしめた。
その時にジャックを思いっきり踏んでいるが、メリーは全く気にする素振りは無い。
「陛下! 良かった……お目覚めになられたのですね」
マリは状況が理解出来ずにあたふたしたが、己の過ちを思い出す。
その間にもメリーの膝の下で寝苦しさから起きたジャックが苦しんでいるが、メリーは全く気にしたい。
むしろ、もう少しの間苦しんでおけとすらメリーは思っている。
「そっか……私、未来見ようとした時に激痛が走って……そのまま気絶したんだってけ?」
「陛下? 目に呪いが掛けられているのに、そんな力を使えば危険な事になると思わなかったのですか!? もーー! 私がどれだけ心配したと思っているのですか!」
メリーに両頬を引っ張られるマリは涙目で謝るが、2人共笑顔だ。
「ごめむなないー! やへへー!」
「全く、もう! キサラギを呼んで来ますので、安静になさってて下さい。 さて、ジャック!! 起きなさい!」
メリーはベットから出て、ジャックの頭を引っ叩く。
「痛てっ! 起きてるよ!!」
「知ってますよ!! 陛下のベットで共に寝るなど何を考えてるの!? さっさと出なさい!」
メリーに激怒されるジャックは、何故自分がマリのベットで寝ていたのか必死に思い出し……その瞬間顔が真っ赤になった。
ジャックは瞬時にベットから飛び退き、床に着地する。
それでも片手をマリから絶対に離そうとしないあたりに、ジャックのマリを想う気持ちが有り有りと出ている。
そんなジャックを見て色々察したマリも顔を真っ赤にし、俯いた。
2人の異変に気付いたメリーは後退りをし、ジャックを睨む。
「ジャック……貴方、もしや意識の無い陛下に手を出したの? 幼い頃から陛下一筋の純愛馬鹿だとは思ってましたが、そんなクズ野郎に育てた記憶はありませんよ!?」
「手等出していない!! 陛下の熱を測ろうと……しただけだ」
さらりとメリーがジャックの想いを暴露するが、昨日の夜中にそれ以上の言葉を貰ったマリはどう反応していいか困る。
意識すればするほど、顔の火照りが増すのをマリは感じていた。
「はぁぁぁ!? じゃあ、何で陛下と同じベットで寝てたんですかぁー? いいです、言い訳は後で聞きます! 今はキサラギに陛下を診てもらうのが先決です! 大人しく待ってなさい!」
怒り散らすメリーはヨハネを迎えに部屋に退出した。
ジャックはマリに背を向けたまま片手を繋いで黙っている。
マリは話すのは今だと思い、意を決してジャックに伝える。
前のマリと今のマリの気持ちを。
「ねぇ、ジャック……」
「ど、どうされましたか?」
ジャックの身体が跳ね上がり、耳まで真っ赤にしそれでもマリの方を見ようとしなかった。
「ちゃんと聞いて欲しいから、此方を向いて……くれる?」
「も、勿論です! その、何と言い訳をしたらよいか……本当に申し訳ありませんでした!」
「あはは……いいの。 だから、聞いて欲しい。 ジャックは私が好き?」
床に頭を打ち付けんばかりに謝るジャックは、マリの一言に動きを止める。
「……お答えできません」
ジャックは顔を上げずに答える。
「私を愛してくれてる?」
「お答え……できません」
空いてる方の拳を握り締め、ひたすらに己の感情を殺そうとする。
「昨日の夜に言ってくれた言葉は嘘だったの?」
マリの一言にジャックは顔色を変えた。
遂に、顔を上げマリを見つめる。
「っ!? そ、それは……まさか、聞いておられたとは……その」
「私は、ジャックを愛してる」
ジャックは己の耳を疑い、聞き返す。
「……陛下? 今、なんと?」
「詳しくは言えない、でも今なら分かる。 前の私も、今の私も貴方を愛してる」
「そ、そんな……マリ様にはヨハネという恋人が居られるではありませんか! そんな、そんな……いけません!」
ジャックは己の迂闊な告白が、マリを苦しめる未来へと誘ったと思い激しく後悔した。
このままでは、最愛のマリはヨハネと仲違いし幸せな道から外れてしまう。 でも、想い人に愛してると言われ嬉しすぎて鼓動も早くなる。
「私の、私の言った事はどうかお忘れ下さい! お願いです……陛下?」
マリはジャックが自身の葛藤で苦しんでいるのを見るのが堪らず、ジャックの頬に手を添えて口づけを交わした。
「あはは……私、ヨハネが居るのに最低な女だな~。 でもね、ジャックが好きなんだ~……ヨハネも好きなんだよ? 2人共が大好き。 それは……凄く最低な事。 だから、ヨハネにちゃんと話す。 その後、きちんと考えて欲しい」
「……陛下。 私は……」
マリの真剣な瞳に、ジャックは遂に何も言えなくなった。
「さて、そろそろよろしいですか? ジャックぅぅぅ?!」
2人の逢瀬を見ていたメリーが扉に爪を立て、憎らしげにジャックを睨み付けていた。
どうやら、随分前から2人の様子を見ていたらしい。
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