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第137話 花咲く乙女と花咲かない乙女
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「メリーさん……ヨハネ。 何時から其処に……?」
「勿論、マリがジャックに聞いて欲しいって照れながら話し掛けた所からさ!」
マリの問いにヨハネは満面の笑顔のまま答えた。
「すみません陛下……キサラギに止められまして。 盗み聞きするつもりでは……。 それより、ジャック!!」
メリーはマリに申し訳なさそうにした後、ジャックに怒鳴る。
「は、はい!」
「陛下が本気で想いを伝えてくれたのなら、貴方はその場で答えるべきでしょうが! 何年片想い拗らせてんのか、分かってるの?!」
予想外の方向で叱られたジャックは面を食らう。
「いや、だが……陛下にはヨハネが」
メリーはヨハネを2人の前に叩き落とす。
「ぐえっ! あはは……ジャック、マリと別れた後に話した事を覚えているかい? あの時から、早くマリに告白すれば良いと言った筈だよ。 友である君が、同じ女性を好きだなんて……それは凄く素敵だと思う」
ヨハネの言葉に感動したジャックは友であるヨハネを見つめた。
「ヨハネ……お前」
笑うヨハネはマリにも優しく語り掛ける。
「それと、マリ。 君は最低なんかじゃないよ? 私は、君がジャックに無意識に好意を抱いているのを知っていた。 ジャックが君を好きなのもね。 なのに、私はあの取り引きに乗ったんだ。 最低なのは私だろう」
マリは首を振り、ジャックの隣にベットから降りる。
「ヨハネ、そんな事無い。 私は確かにジャックが好き、でもヨハネの事も好きなの。 そんなのおかしいよ」
「え? 何処がだい? マリは王族でしかも女王だろ? 夫の数人は普通じゃないのかい?」
ヨハネは振り返り、メリーに問う。
「はい。 陛下も女王教育の一環として勉強された筈ですが、一般的に王族や貴族は一妻多夫制が当たり前です。 敢えて、国を乱さない様に伴侶を1人だけにするのも珍しくはありません。 なので、陛下がジャックとキサラギの2人と交際、もしくは結婚しても何ら問題は有りませんよ」
「つまり……私のこの気持ちはおかしくないの?」
マリは前世の日本での常識に囚われているが、この異世界では当たり前の事らしい。
そもそも、マリは忘れているが乙女小説の世界では主人公のエナが逆ハーレムを築くのだ。
マリが何人の男を好きになり、逆ハーレムを作っても何ら問題は無いのだ。
「だから、ジャック。 マリの気持ちに答える番だよ」
ヨハネに言われ、ジャックはマリの手を握ったまま近付く。
「陛下……いえ、マリ様」
「は、はい!」
緊張するマリをジャックは優しく抱きしめ、想いを今度こそ伝える。
「貴女の事を子供の頃から、ずっとずっとずっと愛しています。 どんな時も、何を言われても、何をしても、私は貴女を変わらず愛しています。 この愛を受け入れて下さいますか……?」
「……はい。 受け入れます」
マリの返事を聞いたジャックはマリをしっかりと抱きしめ、固い口づけを交わした。
「うんうん、良かったね~! じゃあ、ちょっとマリの容態を診たいからベットに横になってくれるかい?」
「す、すまないヨハネ。 あ、手はもう離しても大丈夫なのか?」
ヨハネは片時も離さないジャックの手を見て思い出す。
「あ~! あれ嘘だから、離しても大丈夫だよ」
「……え?」
ジャックが固まるが、ヨハネはあっさりと真実を告げた。
「いやぁ、こうでもしないと君はマリに本心を伝えないかな~って思ってさ」
「き、貴様! よくもー! 感謝して良いのか悪いのか分からんじゃないかー!」
ジャックに首を締められたヨハネは楽しそう笑う。
そんな2人を見て、幸せそうにマリも笑う。
生まれてこの方、恋愛どころか一方的な失恋しか経験の無いメリーだけは虚無の目で見ていたが。
「勿論、マリがジャックに聞いて欲しいって照れながら話し掛けた所からさ!」
マリの問いにヨハネは満面の笑顔のまま答えた。
「すみません陛下……キサラギに止められまして。 盗み聞きするつもりでは……。 それより、ジャック!!」
メリーはマリに申し訳なさそうにした後、ジャックに怒鳴る。
「は、はい!」
「陛下が本気で想いを伝えてくれたのなら、貴方はその場で答えるべきでしょうが! 何年片想い拗らせてんのか、分かってるの?!」
予想外の方向で叱られたジャックは面を食らう。
「いや、だが……陛下にはヨハネが」
メリーはヨハネを2人の前に叩き落とす。
「ぐえっ! あはは……ジャック、マリと別れた後に話した事を覚えているかい? あの時から、早くマリに告白すれば良いと言った筈だよ。 友である君が、同じ女性を好きだなんて……それは凄く素敵だと思う」
ヨハネの言葉に感動したジャックは友であるヨハネを見つめた。
「ヨハネ……お前」
笑うヨハネはマリにも優しく語り掛ける。
「それと、マリ。 君は最低なんかじゃないよ? 私は、君がジャックに無意識に好意を抱いているのを知っていた。 ジャックが君を好きなのもね。 なのに、私はあの取り引きに乗ったんだ。 最低なのは私だろう」
マリは首を振り、ジャックの隣にベットから降りる。
「ヨハネ、そんな事無い。 私は確かにジャックが好き、でもヨハネの事も好きなの。 そんなのおかしいよ」
「え? 何処がだい? マリは王族でしかも女王だろ? 夫の数人は普通じゃないのかい?」
ヨハネは振り返り、メリーに問う。
「はい。 陛下も女王教育の一環として勉強された筈ですが、一般的に王族や貴族は一妻多夫制が当たり前です。 敢えて、国を乱さない様に伴侶を1人だけにするのも珍しくはありません。 なので、陛下がジャックとキサラギの2人と交際、もしくは結婚しても何ら問題は有りませんよ」
「つまり……私のこの気持ちはおかしくないの?」
マリは前世の日本での常識に囚われているが、この異世界では当たり前の事らしい。
そもそも、マリは忘れているが乙女小説の世界では主人公のエナが逆ハーレムを築くのだ。
マリが何人の男を好きになり、逆ハーレムを作っても何ら問題は無いのだ。
「だから、ジャック。 マリの気持ちに答える番だよ」
ヨハネに言われ、ジャックはマリの手を握ったまま近付く。
「陛下……いえ、マリ様」
「は、はい!」
緊張するマリをジャックは優しく抱きしめ、想いを今度こそ伝える。
「貴女の事を子供の頃から、ずっとずっとずっと愛しています。 どんな時も、何を言われても、何をしても、私は貴女を変わらず愛しています。 この愛を受け入れて下さいますか……?」
「……はい。 受け入れます」
マリの返事を聞いたジャックはマリをしっかりと抱きしめ、固い口づけを交わした。
「うんうん、良かったね~! じゃあ、ちょっとマリの容態を診たいからベットに横になってくれるかい?」
「す、すまないヨハネ。 あ、手はもう離しても大丈夫なのか?」
ヨハネは片時も離さないジャックの手を見て思い出す。
「あ~! あれ嘘だから、離しても大丈夫だよ」
「……え?」
ジャックが固まるが、ヨハネはあっさりと真実を告げた。
「いやぁ、こうでもしないと君はマリに本心を伝えないかな~って思ってさ」
「き、貴様! よくもー! 感謝して良いのか悪いのか分からんじゃないかー!」
ジャックに首を締められたヨハネは楽しそう笑う。
そんな2人を見て、幸せそうにマリも笑う。
生まれてこの方、恋愛どころか一方的な失恋しか経験の無いメリーだけは虚無の目で見ていたが。
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