[完結]転生したのは死が間近の女王様!? ~超可愛い弟が王になれるよう平凡な女王が抗う奮闘記~

秋刀魚妹子

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第143話 亜人の援軍

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 「さて、そのまま動かないでくれ。 手元が狂うといけないからね……火の精霊、猛き燃える精霊、古き友の私が願う。 大切な人を辱めた敵を炭に変えておくれ、燃ゆる友よ」

 ブチ切れのヨハネは全力の精霊魔法をロキ達に向けた。

 「ぎゃぁぁぁ! おい、ババア! ヨハネの兄貴ブチ切れじゃねぇか! 何とかしろよ!」 「誰がババアじゃ! ヨハネ! 落ち着くのじゃ! ほれ、まだ全然始まって無かったし……」 「ルル……それ、多分火に油そそいでる」 「何やってるの……本当にごめんよヨハネ兄」 

 ヨハネの足下に火の精霊が集まり、燃やす対象を絞るかの様に細く燃え上がる。 それでも、部屋が燃えていないのはヨハネの精霊魔法が卓越しているからだろう。

 「ヨハネ、ストーーーップ! 待てだよ! 待て!」

 部屋の隅で震える4人の前に立ちはだかり、ヨハネを止めたのはマリだった。  

 因みに、メリーとジャックは黙って見ている。
 心の中では燃やしてしまえば良いのにと考えていたのは内緒だ。

 「うー……でも、マリが恥ずかしい目にあったのは彼等のせいだ」

 最愛のマリに止められても、ヨハネはまだ4人を睨みつける。

 「私は大丈夫だから。 ありがとう……大好きだよヨハネ。 続きは……また今度ね」

 最後の所を耳元で言われたヨハネは頬を真っ赤にし、精霊魔法を鎮めた。

 「はぁ~……助かったぜ。 ありがとうな嬢ちゃん」 「ありがと、マリ」 「本当に悪かったのじゃー! 二度としないのじゃー!」 「ごめんね、ありがとう陛下」

 4人はようやく解放され、各々マリに礼を言う。

 「あはは……うん、まぁ……タイミングが悪かったね。 それで? 4人はどうしてアーサー城に??」

 「あっ、そうじゃ。 お主の弟君と大臣のルカとやらに頼まれてな。 国境まで援軍として、兵を連れて来たのじゃ!」

 ルルは無い胸を張り、窓の外を指差す。

 「ふわぁ~! 凄い!」

 窓の外を見ると、国境に向けて武装した亜人軍が長蛇の列をなして進んでいた。

 「ふふん! 皆、お主の王国を救う為ならと協力してくれたのじゃ!」

 「そうだぜ! 鬼人、獣人、エルフ、ドワーフ、全部の種族からなる総勢1万の亜人連合軍だ! すげぇだろ!」

 鬼人のロキがマリの隣で自慢気に話す。

 「でも……もし、停戦が失敗したらゴルメディア帝国と全面戦争になるかもしれないんだよ?」 

 マリの言葉に、ルル達は笑う。

 「そうじゃな。 だが、此処で食い止めねばいずれ帝国とやらは我等亜人の所まで来るじゃろ? なら、命を賭けるべきは今じゃ!」

 「ルルの言う通り、俺達はその為に来た」

 「おう! 俺達の連携技見せてやるよ!」

 「防衛用の砦作りや対兵器はドワーフに任せて貰えたら完璧にするよ。 僕達ドワーフは、マリ陛下の為に全力を尽くすと誓ったのさ~」

 「皆、ありがとう。 あれ? アテスさん、それって……え?」

 マリが皆の言葉に感動していると、マリの目の前にアテスが跪いた。

 「大臣ルカ殿から聞いた。 妹を、同胞達を救い出してくれて本当にありがとう。 妹達には王都でキツイお灸をしておいたから、次に会うのを楽しみにしてて~。 それで、これはドワーフ族全ての意思だ。 エントン フォル マリ女王陛下、自らの命を危機に晒してでもドワーフを助けてくれた事、永遠の忠誠で恩返ししたい。 どうか、我等ドワーフ族の族長として配下に加えて欲しい」

 「……えぇ~、因みにそれって断れます?」

 「えぇ~……」

 マリとアテスは2人で同じ様に困った顔をして見つめ合った。
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