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第154話 巨大商業街の完成と帝国の末路
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「あはは~……ごめんねマリ族長。 つい」
「いや、遂じゃないですよアテスさん」
マリは頭を抱えながらアテス達を叱っていた。
「アテスって呼んでおくれよ。 ドワーフ族の族長何だから、他のドワーフ達に示しがつかないのさ」
「はぁ……分かりました。 アテス、これ以上街を大きくしないで」
「え~……でも、メル伯爵に聞いた計画とそんなに変わってない筈だよ~? ちょっと大きくなったけど」
アテスは周囲を見渡してからそんな事を言うが、羊皮紙を確認した時の数十倍は規模が違うのだ。
「あ~、頭痛い。 えっと……とりあえず、これ以上大きくするのは無しで。 ほら、農業地帯の復興もお願いしたいので」
「ふふ、族長に言われちゃ仕方ないな。 じゃあ、メル伯爵に頼まれた調度品だけ皆で作ったら移動するさ。 みんなー! 建てるの中止ー! えー? ごめんね族長、もう終わったって」
「ほらー! 早く止めないからー! 王都ぐらい大きいじゃん! 建物の中は因みに……空っぽなの?」
「いやぁ……ついでだから、内装も全部同時にしちゃった」
テヘペロと美少年のアテスがすると何とも可愛らしいが、マリはドワーフ達を好きにさせた事を後悔するのであった。
それから暫く経ち、ドワーフ達がメルに頼まれた調度品を作り終え、今度はきちんと計画を書いた羊皮紙通りにする様説明されたドワーフ達は農業地帯の復興に向かった。
それを見送ったマリはメリー達の方を見る。
「なので、貴女がしたのは謀反だと思われて仕方がないこ――
メル伯爵はメリーにガミガミと叱られているが、先程から山積みの調度品にしか目が言っていない。
豪華な皿に、壺や椅子。
恐ろしいのは材料が全てその辺の土や岩、木々から創り出したという事実だ。
頭の中では、これらの調度品を他国に売ってどれぐらいの儲けになるかを計算しているのだろう。
口の端から涎が垂れている。
「メル伯爵殿、聞いているのですか!?」
「え?! えっと、聞いてます! 勿論です! 儲けはちゃんと王都にも分配しますから!」
「聞いて無いじゃないですか!」
ぶち切れるメリーを見ながら、マリはまだ暫く説教は続きそうだと溜息を吐いた。
◆◇◆
ゴルメディア帝国の帝城にて。
「ルミニス様……これでは、これでは話と違うではありませんか! これは一体どういう事でございますか!」
ブラックが帝城に戻ると、以前の帝国では無くなっていた。
帝城を守るのは近衛兵達では無く、元近衛兵達だった。
「この者達も! 廊下に居たメイド達ですら、全て精霊人形にされ徘徊する様に歩き回っています!」
ブラックは女皇帝が座る玉座にちょこんと座り、不機嫌そうに頬杖をついていた。
『だから? 最後のチャンスを逃したんだよ? 当然よね、この結末は。 計画は破綻し、他の国は私の敵になった……そうでしょ?』
「それは……ですが、兵士達だけならまだしも何故メイド達や執事まで!」
ブラックの周囲には見知った顔のメイドや執事達も精霊人形に改造され、無機質な人形と成り果てていた。
『あはははは! そんなの決まってるじゃない! 奴等に良いようにされたのは、精霊人形の数が少なかったの。 なら、全てを押し流し魔族達諸共……世界を滅ぼすなら数が必要でしょ?』
ブラックは愕然とし、玉座の前で膝をついた。
玉座の隣には精霊人形にされたアバン皇帝が無機質な表情のまま冷たい床にバラバラで転がっている。
ルミニスの暇つぶしにバラされたのだろう。
「まさか……帝国民まで精霊人形にされるおつもりなのですか?」
ブラックは震える手を抑えながらルミニスに問う。
『はぁ? お前、使えない癖に私に歯向かうの? ねぇ、ブラック。 何だったけ? 私に忠誠を誓った理由って、女皇帝を裏切った理由って何だった? そうだ! 思い出したぁ、昔に追放されたご先祖様の無念を晴らしたかったんだよねぇ?』
ブラックはこめかみに青筋を立てながら、拳を握り締める。
『何て名前だっけ? 確か……ホワイト侯爵家だったかなぁ。 馬鹿だよねぇ、別の家に養子になってまで帝国を良くしようとしてたのに……自分がクズで間抜けなせいで帝国の人間が全員精霊人形になる羽目になるなんて! 馬鹿過ぎて笑えるわよブラック、あはははははははは!!』
いつか、いつかご先祖様の無念を晴らす為にガバムント フォル ブラックという名を父に与えられ、これまで牙を研ぎ続けてきた。
だが、己の無能さで。
クロモトの誘いに乗ったせいで。
この悪魔の様な妖精を信じたせいで。
今、何よりも大切な帝国は地獄に変えられようとしていた。
許せる筈が無い。 何が人類の為だ! 何が帝国の為だ!
ブラックの心は怒りで満たされ限界を迎えた。
「私が、私がお前等を信じたばかりに! 許せん! 帝国の民達は私が守る! 帝国の平穏を私が守るのだ!!」
ブラックは腰の剣を抜き放ち、己を嘲笑うルミニスに斬り掛かった。
周囲の精霊人形達は反応せず、ブラックの剣はそのままルミニスの頭を斬り裂いた。
『あはぁ……やっぱり馬鹿だね。 お前如きが私に勝てる訳ないじゃない』
しかし、傷口から黒い靄が溢れ出し瞬時にルミニスの傷は消える。
思わず剣を落としたブラックの前に、ルミニスは宙に浮かび頬まで裂けた口でニッコリと笑う。
『大丈夫よ、ブラック。 他の奴等が大人しくその身を捧げられる様に、お前はまだ殺さないから。 見てて、お前が守りたかった帝国が私だけのおもちゃ箱になるのを……あは! あははははははははははは!!』
項垂れるブラックをルミニスの靄が包みこんだ。
「いや、遂じゃないですよアテスさん」
マリは頭を抱えながらアテス達を叱っていた。
「アテスって呼んでおくれよ。 ドワーフ族の族長何だから、他のドワーフ達に示しがつかないのさ」
「はぁ……分かりました。 アテス、これ以上街を大きくしないで」
「え~……でも、メル伯爵に聞いた計画とそんなに変わってない筈だよ~? ちょっと大きくなったけど」
アテスは周囲を見渡してからそんな事を言うが、羊皮紙を確認した時の数十倍は規模が違うのだ。
「あ~、頭痛い。 えっと……とりあえず、これ以上大きくするのは無しで。 ほら、農業地帯の復興もお願いしたいので」
「ふふ、族長に言われちゃ仕方ないな。 じゃあ、メル伯爵に頼まれた調度品だけ皆で作ったら移動するさ。 みんなー! 建てるの中止ー! えー? ごめんね族長、もう終わったって」
「ほらー! 早く止めないからー! 王都ぐらい大きいじゃん! 建物の中は因みに……空っぽなの?」
「いやぁ……ついでだから、内装も全部同時にしちゃった」
テヘペロと美少年のアテスがすると何とも可愛らしいが、マリはドワーフ達を好きにさせた事を後悔するのであった。
それから暫く経ち、ドワーフ達がメルに頼まれた調度品を作り終え、今度はきちんと計画を書いた羊皮紙通りにする様説明されたドワーフ達は農業地帯の復興に向かった。
それを見送ったマリはメリー達の方を見る。
「なので、貴女がしたのは謀反だと思われて仕方がないこ――
メル伯爵はメリーにガミガミと叱られているが、先程から山積みの調度品にしか目が言っていない。
豪華な皿に、壺や椅子。
恐ろしいのは材料が全てその辺の土や岩、木々から創り出したという事実だ。
頭の中では、これらの調度品を他国に売ってどれぐらいの儲けになるかを計算しているのだろう。
口の端から涎が垂れている。
「メル伯爵殿、聞いているのですか!?」
「え?! えっと、聞いてます! 勿論です! 儲けはちゃんと王都にも分配しますから!」
「聞いて無いじゃないですか!」
ぶち切れるメリーを見ながら、マリはまだ暫く説教は続きそうだと溜息を吐いた。
◆◇◆
ゴルメディア帝国の帝城にて。
「ルミニス様……これでは、これでは話と違うではありませんか! これは一体どういう事でございますか!」
ブラックが帝城に戻ると、以前の帝国では無くなっていた。
帝城を守るのは近衛兵達では無く、元近衛兵達だった。
「この者達も! 廊下に居たメイド達ですら、全て精霊人形にされ徘徊する様に歩き回っています!」
ブラックは女皇帝が座る玉座にちょこんと座り、不機嫌そうに頬杖をついていた。
『だから? 最後のチャンスを逃したんだよ? 当然よね、この結末は。 計画は破綻し、他の国は私の敵になった……そうでしょ?』
「それは……ですが、兵士達だけならまだしも何故メイド達や執事まで!」
ブラックの周囲には見知った顔のメイドや執事達も精霊人形に改造され、無機質な人形と成り果てていた。
『あはははは! そんなの決まってるじゃない! 奴等に良いようにされたのは、精霊人形の数が少なかったの。 なら、全てを押し流し魔族達諸共……世界を滅ぼすなら数が必要でしょ?』
ブラックは愕然とし、玉座の前で膝をついた。
玉座の隣には精霊人形にされたアバン皇帝が無機質な表情のまま冷たい床にバラバラで転がっている。
ルミニスの暇つぶしにバラされたのだろう。
「まさか……帝国民まで精霊人形にされるおつもりなのですか?」
ブラックは震える手を抑えながらルミニスに問う。
『はぁ? お前、使えない癖に私に歯向かうの? ねぇ、ブラック。 何だったけ? 私に忠誠を誓った理由って、女皇帝を裏切った理由って何だった? そうだ! 思い出したぁ、昔に追放されたご先祖様の無念を晴らしたかったんだよねぇ?』
ブラックはこめかみに青筋を立てながら、拳を握り締める。
『何て名前だっけ? 確か……ホワイト侯爵家だったかなぁ。 馬鹿だよねぇ、別の家に養子になってまで帝国を良くしようとしてたのに……自分がクズで間抜けなせいで帝国の人間が全員精霊人形になる羽目になるなんて! 馬鹿過ぎて笑えるわよブラック、あはははははははは!!』
いつか、いつかご先祖様の無念を晴らす為にガバムント フォル ブラックという名を父に与えられ、これまで牙を研ぎ続けてきた。
だが、己の無能さで。
クロモトの誘いに乗ったせいで。
この悪魔の様な妖精を信じたせいで。
今、何よりも大切な帝国は地獄に変えられようとしていた。
許せる筈が無い。 何が人類の為だ! 何が帝国の為だ!
ブラックの心は怒りで満たされ限界を迎えた。
「私が、私がお前等を信じたばかりに! 許せん! 帝国の民達は私が守る! 帝国の平穏を私が守るのだ!!」
ブラックは腰の剣を抜き放ち、己を嘲笑うルミニスに斬り掛かった。
周囲の精霊人形達は反応せず、ブラックの剣はそのままルミニスの頭を斬り裂いた。
『あはぁ……やっぱり馬鹿だね。 お前如きが私に勝てる訳ないじゃない』
しかし、傷口から黒い靄が溢れ出し瞬時にルミニスの傷は消える。
思わず剣を落としたブラックの前に、ルミニスは宙に浮かび頬まで裂けた口でニッコリと笑う。
『大丈夫よ、ブラック。 他の奴等が大人しくその身を捧げられる様に、お前はまだ殺さないから。 見てて、お前が守りたかった帝国が私だけのおもちゃ箱になるのを……あは! あははははははははははは!!』
項垂れるブラックをルミニスの靄が包みこんだ。
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