[完結]転生したのは死が間近の女王様!? ~超可愛い弟が王になれるよう平凡な女王が抗う奮闘記~

秋刀魚妹子

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第178話 旅立ち

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 遂に北へと旅立つ日となった朝。

 マリはゆっくりと起き上がり、隣で眠るルキに優しく口づけをする。
 暫しの別れは昨晩に済ませたマリは、速やかに支度を始めた。

 「さて、行きますか。 行ってくるね、ルキ」

 いつの間にか、自分で着替えるのが当たり前になったマリは動きやすい服に着替えを済まし部屋で出た。

 「あ、おはようメリーさん」

 「おはようございます、マリ様。 城の前にて、皆さんお待ちですよ」

 早朝であるにも関わらず、マリ達の見送りに大勢来てくれたらしくマリは照れ笑いしながら向かう。

 「朝食は馬車の中でお願い致します。 魔族の国は最北端ですから、1ヶ月は掛かるでしょう。 往復2ヶ月です。 これ以上の時間を掛けると、流石にゴルメディア帝国も動く恐れがあります」

 「うん、そうだね。 復興祭や選挙にもかなり時間掛かったから、なるべく急ごう。 必要な事だったとは云え、ルミニスが何してるか分からないのは正直怖かったからね」

 廊下を歩く最中に擦れ違うメイドや執事達、兵士達も皆マリに笑顔で挨拶をしてくる。 それにマリは応えながら、城の前へと到着した。

 「マリ、おはよう。 ルキは泣かなかったかい? って、ジャック!? うっ!」

 「ヨハネ、お前……もう少し考えてから言えよ。 マリ様、直ぐに会えます。 早く行って早く帰りましょう」

 ヨハネの軽口に、ジャックが肘で応戦する。 呻くヨハネを見てマリは苦笑いだ。

 「あはは……おはよう2人共。 ルキとは昨晩に話したから……大丈夫。 朝別れると、ルキはきっと泣いちゃうからね。 早く帰って来よう!」

 城の出口で待っていたヨハネとジャックを連れ立ち、マリは外へと出る。 すると、城の前には大勢の女貴族達や様々な人達が待っていた。

 詳しい説明を一部の者達は聞いておらず、エントン王国の為にマリがまた旅立つとしか知らされていない。

 それでも大勢の人々が、集まったのはひとえにマリの人柄だろう。

 「姉上! おはようございます。 どうか、どうかお気を付けて!」

 「マリお義姉様、必ず無事で帰ってくるのですじゃ!」

 「マリ義姉さん、ルーデウスとキャミの事は任せて」

 ルーデウスや2人の婚約者がマリに暫しの別れを告げに待っていた。 

 「おはよう。 ルーデウス、王国をお願いね。 キャミちゃん、ドーラちゃん、ルーデウスの事よろしく!」

 「「はい!」」

 2人に抱きしめられて照れるルーデウスを見てマリは嬉しそうに微笑む。

 「マリ様、道中の事はメリー達が居るので心配は無いでしょうが……亜人の森での時の様な無茶はしないで下さいね」

 武闘派女貴族達を引き連れたルニア侯爵が忠告するのを、マリは苦笑いで聞く。

 「あはは、ルニアさんもルカを余り怒らせないようにね?」

 「む……それは耳が痛いですね」

 「そうですよ? 母上……。 それはそうと、私の予想では早くとも2ヶ月後にはゴルメディア帝国は動くでしょう。 他の同盟国とも密に連絡を取り合い、迅速に動ける様にしておりますが……なるべく早くお願い致します」

 ルニア侯爵の後ろから現れた大臣ルカが冷静にマリへと進言する。

 「分かってる。 ルカなら正解を選べるって信じてるから、よろしくね」

 「マリ様、また無理したらあきませんよ? でも、もし魔族達と貿易出来そうならぜひぜひよろしゅうお願いします!」

 「メル、そういう事は言ってはなりませんよ。 マリ様、王都にての構成員達は私の方で統括しておきます。 また前回の様なイベント心待ちにしてます。 それでは……推しは」

 「尊い。 うん、イサミさんよろしくね。 全部終わったらゆっくり書こうとは思うから。 メルさんも貿易で荒稼ぎし過ぎるのも程々にね?」

 何時の間にか、マリの作った組織のトップに立っていたイサミ伯爵に跡を任せてマリは手を振りながら馬車へと向かう。

 「マリ様、おはようございます。 メイド部隊、四名準備完了しております」 

 変わった形の馬車の前には戦闘員である、ファースト、セカンド、フォース、フィフスの四名がマリ達の到着を待っていた。 

 北へは、マリ、ジャック、ヨハネ、メリー、そして四名のメイド部隊で向かう事となる。 これで残すことは出発のみとなった。

 目の前には長い豪華な馬車に、荷物を大量に積んだ連結馬車が10台ズラリと並んでいた。 しかし、肝心の引く馬が居らずマリが首を傾げていると長い豪華な馬車の前からアテスが顔を出し手を振る。

 「マリ族長~! どうかなコレ! 想像とあってるー?」

 マリは改めて変わった馬車の全体像を確認し、気付いた。

 「あ、これ貨物列車だ!!」

 「少し動くよ~! 火の精霊、お願いしまーす!」

 運転席のアテスが、車両の先端に話し掛けると徐々に動き始めた。

 見送りに来ていた人々から驚きの声が上がり、アテスは嬉しそうに鼻を伸ばす。

 「あはは……ごめんね乙姫先生。 世界観ぶち壊しちゃったかも……」
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