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第193話 ユアンの恋人
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1人の魔族が立ち上がり、マリ達を睨みつける。
「上級魔族のエブラノ殿。 陛下のお言葉を遮る事がどれほどの不敬か分かってますか……?」
大臣レーヨンがダイの隣で殺気立ち、今にも飛びかかりそうだ。 エブラノはレーヨンの殺気に包まれ息が止まる。
「まて、レーヨン。 エブラノ、どうしたのだ」
魔王ダイに止められ、レーヨンは殺気を消し去った。 解放されたエブラノは息を吸えることに感謝する。
「がはぁっ! はぁはぁはぁ……恩情感謝致します陛下。 ですが、どうか聞いて頂きたい」
「構わん、話せ」
ダイに促され、エブラノはマリとヨハネを睨みながら叫んだ。
「其処の、マリとやらにエルフの英雄ヨハネ! 貴様等のせいで、私のユアンが死んだのだ! 陛下、其処の小娘は信用できません! 私に報告しに来たメイドの2人から聞いたのです。 おとぎ話に出て来る妖精と墜ちた光の精霊が混ざり、不死身の化け物になったと! そんな与太話を平気でする者達を何故信用できるでしょうか!!」
どうやらこのエブラノが、サードでありユアンの恋人なのだろう。 その顔は怒りと悲しみに満ち、感情が暴走しているのが窺えた。
「エブラノ……。 そうだったな、ユアン叔母上とお前は恋仲であったな。 任務でお前達を引き裂いたのも、死なせたのも元は私のせいだ。 すまん……」
すると、ダイが全ての非を受け止め頭を下げた。
「そんな! 陛下は何も間違っておりませぬ! 悪いのは其処の小娘だ!」
エブラノは席から離れ、マリ達の下へと詰め寄る。
メリー達はエブラノを止めようと動こうとしたが、マリがそれを止めた。
「メリーさん、皆。 お願い、動かないで」
マリとヨハネは立ち上がり、エブラノの前へと立つ。
「覚悟しろ、小娘! エルフ! 私の、私の大切な……ユアンを! よくもユアンを死なせたな!!」
エブラノは額に青筋を立て、怒りで握り込む拳が震える。
「私は、サードのおかげで生きて帝国から生還出来ました」
「私の判断ミスで、彼女は死んだんだ。 彼女が助けに来てくれなかったら、私は其処で死んでいただろう」
「だから、だから何だと言うのだ! 彼女はもう帰って来ない! 帰って来ないんだ!」
頬から涙をボロボロと溢しながらエブラノは叫ぶ。 その光景を、ダイや他の魔族達は静観していた。
「本当に……ごめんなさい」
「償えるならどんな事でもしよう。 すまない」
「ふ、ふざけるなよ! なら、ユアンを取り返してくれよ! 貴様等の与太話が事実なら、彼女をそんな化け物の所に置いておけない。 頼むよ、頼むから……彼女を返してくれ」
エブラノはその場で泣き崩れ、静かな食堂にはエブラノの鳴き声が響いていた。
◆◇◆
「マリ、先程は身内がすまない。 許してくれ。 皆の者、待たせたな。 食べるとしようか」
エブラノはレーヨンに支えられ、食堂を後にした。 そして、ダイが料理を口にし始めた事でようやく夕食会が始まる。
「……美味い。 何かを食べたのはどれ程振りか。 感謝する、マリよ」
「……はい! お口に合ったなら良かったです」
マリは笑顔で応えるが、何処かぎこちなくダイは周囲を見渡す。
席に座る上級魔族達は久し振りの料理を美味しそうに頬張る。 しかし、先程のエブラノの件でマリを不審に思う者も居るようだ。
「ふぅ……さて、マリよ。 聞かせてくれ」
「っ!? え、あの……何をでしょうか」
「先程のエブラノが話していた事だ。 妖精と光の精霊に何があったのか、嘘か真かマリの口から聞いた後に判断したい。 恐らく、魔族との争いを無くしてから話そうとしていたのであろう?」
「あはは……お見通しですか。 本当に黙っておくつもりは無かったんです。 でも、信じていただけるか……」
「構わん。 皆も食べながら聞いてくれ」
ダイの指示で、魔族達はマリの話しに聞き耳を立てた。 そして、マリはヨハネ達を見渡してからポツリポツリと話し始めた。
「では……何があったのかお話しますね。 先ず、私が――――
「上級魔族のエブラノ殿。 陛下のお言葉を遮る事がどれほどの不敬か分かってますか……?」
大臣レーヨンがダイの隣で殺気立ち、今にも飛びかかりそうだ。 エブラノはレーヨンの殺気に包まれ息が止まる。
「まて、レーヨン。 エブラノ、どうしたのだ」
魔王ダイに止められ、レーヨンは殺気を消し去った。 解放されたエブラノは息を吸えることに感謝する。
「がはぁっ! はぁはぁはぁ……恩情感謝致します陛下。 ですが、どうか聞いて頂きたい」
「構わん、話せ」
ダイに促され、エブラノはマリとヨハネを睨みながら叫んだ。
「其処の、マリとやらにエルフの英雄ヨハネ! 貴様等のせいで、私のユアンが死んだのだ! 陛下、其処の小娘は信用できません! 私に報告しに来たメイドの2人から聞いたのです。 おとぎ話に出て来る妖精と墜ちた光の精霊が混ざり、不死身の化け物になったと! そんな与太話を平気でする者達を何故信用できるでしょうか!!」
どうやらこのエブラノが、サードでありユアンの恋人なのだろう。 その顔は怒りと悲しみに満ち、感情が暴走しているのが窺えた。
「エブラノ……。 そうだったな、ユアン叔母上とお前は恋仲であったな。 任務でお前達を引き裂いたのも、死なせたのも元は私のせいだ。 すまん……」
すると、ダイが全ての非を受け止め頭を下げた。
「そんな! 陛下は何も間違っておりませぬ! 悪いのは其処の小娘だ!」
エブラノは席から離れ、マリ達の下へと詰め寄る。
メリー達はエブラノを止めようと動こうとしたが、マリがそれを止めた。
「メリーさん、皆。 お願い、動かないで」
マリとヨハネは立ち上がり、エブラノの前へと立つ。
「覚悟しろ、小娘! エルフ! 私の、私の大切な……ユアンを! よくもユアンを死なせたな!!」
エブラノは額に青筋を立て、怒りで握り込む拳が震える。
「私は、サードのおかげで生きて帝国から生還出来ました」
「私の判断ミスで、彼女は死んだんだ。 彼女が助けに来てくれなかったら、私は其処で死んでいただろう」
「だから、だから何だと言うのだ! 彼女はもう帰って来ない! 帰って来ないんだ!」
頬から涙をボロボロと溢しながらエブラノは叫ぶ。 その光景を、ダイや他の魔族達は静観していた。
「本当に……ごめんなさい」
「償えるならどんな事でもしよう。 すまない」
「ふ、ふざけるなよ! なら、ユアンを取り返してくれよ! 貴様等の与太話が事実なら、彼女をそんな化け物の所に置いておけない。 頼むよ、頼むから……彼女を返してくれ」
エブラノはその場で泣き崩れ、静かな食堂にはエブラノの鳴き声が響いていた。
◆◇◆
「マリ、先程は身内がすまない。 許してくれ。 皆の者、待たせたな。 食べるとしようか」
エブラノはレーヨンに支えられ、食堂を後にした。 そして、ダイが料理を口にし始めた事でようやく夕食会が始まる。
「……美味い。 何かを食べたのはどれ程振りか。 感謝する、マリよ」
「……はい! お口に合ったなら良かったです」
マリは笑顔で応えるが、何処かぎこちなくダイは周囲を見渡す。
席に座る上級魔族達は久し振りの料理を美味しそうに頬張る。 しかし、先程のエブラノの件でマリを不審に思う者も居るようだ。
「ふぅ……さて、マリよ。 聞かせてくれ」
「っ!? え、あの……何をでしょうか」
「先程のエブラノが話していた事だ。 妖精と光の精霊に何があったのか、嘘か真かマリの口から聞いた後に判断したい。 恐らく、魔族との争いを無くしてから話そうとしていたのであろう?」
「あはは……お見通しですか。 本当に黙っておくつもりは無かったんです。 でも、信じていただけるか……」
「構わん。 皆も食べながら聞いてくれ」
ダイの指示で、魔族達はマリの話しに聞き耳を立てた。 そして、マリはヨハネ達を見渡してからポツリポツリと話し始めた。
「では……何があったのかお話しますね。 先ず、私が――――
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