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最終回 最後の選択
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―――――と云う事があって、私は最後ルミニスの足止めが出来たんです。 これまでに出会った、本編ではモブとされる人々も強く、逞しく生きているんです! エナさんや、ヨハネ達が素晴らしいのには変わりません。 ですが、それと同じく尊い人々が確かにあの世界には居るんです! お願いです、ナバレスト様……エナさんや、妖精達に向けるような慈しみを、他の人々にも向けて下さい。 お願いします……」
マリは長々と、これまで乙女小説の資料として創られた世界であったことや出会った人々の事を全て話した。
女神ナバレストは終始笑顔でマリの話しを聞いていたが、マリの真意が何処まで伝わったかは分からない。
マリは大切な人達が生きている世界がこの後、ナバレストによってどうなるかある程度予想していた。
すると、側で聞いていた妖精達が泣き出し床を濡らす。
「ティナ、ティナかわいそう」 「ティナ、最後の最後に力を振り絞ったんだー」 「ナバレスト様が世界をあんな風に創ったからー」
「「そうだそうだ、ナバレスト様が悪いー!」」
号泣する妖精達に頭をポカポカと叩かれ、ナバレストは困った様に笑った。
「なはは……そうだね。 私は……本当に酷い女神だ。 真理さん、ありがとう。 確かに、君の言う通り私は……いつもその世界を見る時は主人公達ばかりに目がいっていた。 反省すべき何だろうね……」
「女神様に私如きが差し出がましい事を言って申し訳ありません……。 それでも、知っていて欲しかったのです」
「うん、君らしいなぁ。 でもね、この世界にはもう主人公が居ない。 世界のループを阻んだ妖精も居ない。 だから、この世界はまたやり直すべきだと思ってる……。 ごめんね、本当は君が地球に蘇ってからやる予定だったから、真理さんには教えないつもりだったんだ。 でも、言わないのは違うのかなって思った」
予想通りのナバレストの返答に、真理は本を守るように抱きしめて叫んだ。
「私の! 私の褒美として、この世界をこのままにしておいてはもらえないでしょうか! お願いです、この世界には私の大切な人々が生きてるんです!」
「ねぇ、落ち着いて真理さん。 その世界を愛してくれるのは嬉しいよ? でも、君の世界は地球の日本の筈だ。 小説の資料の為に創られた世界じゃない……分かるよね」
ナバレストから笑みが消え、真理は鼓動が早くなる。
「お願いです。 私は消えても構いません! この世界を、もう……消さないで下さい。 やっと、やっと平和を手に入れたんです! お願い……お願いだから!」
本を抱きしめたまま、マリの頬を涙が伝う。
冷徹な表情のナバレストが立ち上がり、マリは本を守る為に後ずさりしていた。
すると、その様子を見ていた妖精達が激怒する。
「あれー? ナバレスト様いじめてるー?」 「ほんとだ、良い子なのにいじめてるー!」 「ティナの友達いじめるなら、私達の敵だー!」
「「かかれー!」」
マリへと迫っていたナバレストの顔へと妖精達が掴み掛かり、頭をポカポカと叩く。
「わわ!? こら、分かったよ! 分かった分かった! 私の負けさ。 はぁ……せっかく先輩に土下座したのにな~。 まぁ、それが君の選択なら良いのかなぁ……」
両手を上げて降参のポーズをとったナバレストは妖精達に解放され、椅子へと座り直した。
「す、すみません……ナバレスト様」
「別に良いよ。 なはは……本当に君らしい選択だな~。 それでこそ、あんなに良い同人誌が書けるんだろうね」
ナバレストは先程までの表情とは打って変わり、優しい瞳でマリを見つめた。 その瞳は慈愛に満ちている。
「あ、ありがとうございます」
「最後の確認だよ? 君は……地球での人生では無く、その世界の存続を選ぶんだね? 本当に後悔はしない?」
ナバレストの問いに、マリは間髪入れずに頷いた。
「はい! この世界には恋人も、大切な人達も、そして……私の推しが生きてるんです。 だから、お願いします」
「分かった。 約束しよう、二度とその世界をやり直す事はしない。 創造の女神ナバレストの名の下に宣言する、龕灯真理の褒美として資料として創造したこの世界を永遠のものとする。 以上をもって、君への褒美は終了だ」
ナバレストが宣言し終えると、マリの持つ本が光り始め、古い本の見た目から装飾のされた高級感溢れる本へと変化した。
そして、マリの姿も光り少しづつ消え始める。
「ナバレスト様……無理を言って本当にごめんなさい。 でも、ありがとうございます」
「さっきも言ったよ~? 別に良いよ。 そうだ、一応聞くね? 君の望むハッピーエンドってどんなの?」
「えっと……ふふ、そうですね。 小説としては駄作かもしれませんが、悪人以外の人々がみーんな不思議な力で蘇って笑って泣いて幸せに暮らしましたとさ。 とかですかね」
「なはははは! 確かにそれは駄作だね! ありがとう、参考にするよ」
「あはは、大好きな小説の原作者である乙姫先生にそう言ってもらえたら光栄です。 ……皆をお願いします」
「ん~、任せて。 ありがとう、私の世界を愛してくれて」
「ありがとー!」 「ティナの想いを継いでくれてありがとうー!」 「またねー! 元気でねー!」
マリは、ナバレストや妖精達に手を振りながら掻き消えた。
「ふ~……さて、やるかね」
マリが消えた直後、ナバレストはそそくさと変化した本を拾い上げ創造の女神としての力を行使し始めた。
「あれー?」 「ナバレスト様何してるのー?」 「その世界どうするのー? マリとの約束はー?」
「分かってるよ。 ちょっとね……私からの特別なサプライズってヤツさ。 これでよし、この本を動かしたらいけない本棚にしまっておいてくれる?」
「はーい」 「いいよー」 「あれー? でも、この本タイトルが無いよー」
「あ~……そっか。 ちょっと待ってて……うん、いい名前だ」
ナバレストが本の表紙を指でなぞると、文字が浮かび上がった。
「どうだい? 転生したのは死が間近の女王様!? ~超可愛い弟が王になれるよう平凡な女王が抗う奮闘記~ なはははは! きっと、君にピッタリのタイトルだよマリさん」
ナバレストは消えたマリがどうなったか想像しながら笑った。
◆◇◆
――そして、時は流れて十年後。
マリは長々と、これまで乙女小説の資料として創られた世界であったことや出会った人々の事を全て話した。
女神ナバレストは終始笑顔でマリの話しを聞いていたが、マリの真意が何処まで伝わったかは分からない。
マリは大切な人達が生きている世界がこの後、ナバレストによってどうなるかある程度予想していた。
すると、側で聞いていた妖精達が泣き出し床を濡らす。
「ティナ、ティナかわいそう」 「ティナ、最後の最後に力を振り絞ったんだー」 「ナバレスト様が世界をあんな風に創ったからー」
「「そうだそうだ、ナバレスト様が悪いー!」」
号泣する妖精達に頭をポカポカと叩かれ、ナバレストは困った様に笑った。
「なはは……そうだね。 私は……本当に酷い女神だ。 真理さん、ありがとう。 確かに、君の言う通り私は……いつもその世界を見る時は主人公達ばかりに目がいっていた。 反省すべき何だろうね……」
「女神様に私如きが差し出がましい事を言って申し訳ありません……。 それでも、知っていて欲しかったのです」
「うん、君らしいなぁ。 でもね、この世界にはもう主人公が居ない。 世界のループを阻んだ妖精も居ない。 だから、この世界はまたやり直すべきだと思ってる……。 ごめんね、本当は君が地球に蘇ってからやる予定だったから、真理さんには教えないつもりだったんだ。 でも、言わないのは違うのかなって思った」
予想通りのナバレストの返答に、真理は本を守るように抱きしめて叫んだ。
「私の! 私の褒美として、この世界をこのままにしておいてはもらえないでしょうか! お願いです、この世界には私の大切な人々が生きてるんです!」
「ねぇ、落ち着いて真理さん。 その世界を愛してくれるのは嬉しいよ? でも、君の世界は地球の日本の筈だ。 小説の資料の為に創られた世界じゃない……分かるよね」
ナバレストから笑みが消え、真理は鼓動が早くなる。
「お願いです。 私は消えても構いません! この世界を、もう……消さないで下さい。 やっと、やっと平和を手に入れたんです! お願い……お願いだから!」
本を抱きしめたまま、マリの頬を涙が伝う。
冷徹な表情のナバレストが立ち上がり、マリは本を守る為に後ずさりしていた。
すると、その様子を見ていた妖精達が激怒する。
「あれー? ナバレスト様いじめてるー?」 「ほんとだ、良い子なのにいじめてるー!」 「ティナの友達いじめるなら、私達の敵だー!」
「「かかれー!」」
マリへと迫っていたナバレストの顔へと妖精達が掴み掛かり、頭をポカポカと叩く。
「わわ!? こら、分かったよ! 分かった分かった! 私の負けさ。 はぁ……せっかく先輩に土下座したのにな~。 まぁ、それが君の選択なら良いのかなぁ……」
両手を上げて降参のポーズをとったナバレストは妖精達に解放され、椅子へと座り直した。
「す、すみません……ナバレスト様」
「別に良いよ。 なはは……本当に君らしい選択だな~。 それでこそ、あんなに良い同人誌が書けるんだろうね」
ナバレストは先程までの表情とは打って変わり、優しい瞳でマリを見つめた。 その瞳は慈愛に満ちている。
「あ、ありがとうございます」
「最後の確認だよ? 君は……地球での人生では無く、その世界の存続を選ぶんだね? 本当に後悔はしない?」
ナバレストの問いに、マリは間髪入れずに頷いた。
「はい! この世界には恋人も、大切な人達も、そして……私の推しが生きてるんです。 だから、お願いします」
「分かった。 約束しよう、二度とその世界をやり直す事はしない。 創造の女神ナバレストの名の下に宣言する、龕灯真理の褒美として資料として創造したこの世界を永遠のものとする。 以上をもって、君への褒美は終了だ」
ナバレストが宣言し終えると、マリの持つ本が光り始め、古い本の見た目から装飾のされた高級感溢れる本へと変化した。
そして、マリの姿も光り少しづつ消え始める。
「ナバレスト様……無理を言って本当にごめんなさい。 でも、ありがとうございます」
「さっきも言ったよ~? 別に良いよ。 そうだ、一応聞くね? 君の望むハッピーエンドってどんなの?」
「えっと……ふふ、そうですね。 小説としては駄作かもしれませんが、悪人以外の人々がみーんな不思議な力で蘇って笑って泣いて幸せに暮らしましたとさ。 とかですかね」
「なはははは! 確かにそれは駄作だね! ありがとう、参考にするよ」
「あはは、大好きな小説の原作者である乙姫先生にそう言ってもらえたら光栄です。 ……皆をお願いします」
「ん~、任せて。 ありがとう、私の世界を愛してくれて」
「ありがとー!」 「ティナの想いを継いでくれてありがとうー!」 「またねー! 元気でねー!」
マリは、ナバレストや妖精達に手を振りながら掻き消えた。
「ふ~……さて、やるかね」
マリが消えた直後、ナバレストはそそくさと変化した本を拾い上げ創造の女神としての力を行使し始めた。
「あれー?」 「ナバレスト様何してるのー?」 「その世界どうするのー? マリとの約束はー?」
「分かってるよ。 ちょっとね……私からの特別なサプライズってヤツさ。 これでよし、この本を動かしたらいけない本棚にしまっておいてくれる?」
「はーい」 「いいよー」 「あれー? でも、この本タイトルが無いよー」
「あ~……そっか。 ちょっと待ってて……うん、いい名前だ」
ナバレストが本の表紙を指でなぞると、文字が浮かび上がった。
「どうだい? 転生したのは死が間近の女王様!? ~超可愛い弟が王になれるよう平凡な女王が抗う奮闘記~ なはははは! きっと、君にピッタリのタイトルだよマリさん」
ナバレストは消えたマリがどうなったか想像しながら笑った。
◆◇◆
――そして、時は流れて十年後。
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