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〈雑談〉ミルクティーの呪い
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九月中旬の放課後、千晴は練習のため部室に向かい、扉を開けた。
「こんにちわー」
「ちーっす」
返事をしてくれたのはコタツの定位置で壁を背もたれにくつろいでいるマリコ。ユカリは席を外していた。
私もコタツの定位置に座ろうとすると、マリコが手元で何かをしているのが見えた。
なにやらミルクティーのペットボトルを逆さにし、底を上にして飲み口の辺りを右手で持って優しくクルクルと回していた。
座りながら問いかける。
「なにしてるの? それ」
「お、聞いてしまったね? コレは呪いなのだー」
マリコはニヒヒと笑った。
「大丈夫? 病院行く?」
ちょっと心配になったので通院を勧めた。
「辛辣ー。いいから聞いて。ほらこれ見て」
マリコはニコニコしながらペットボトルの底を上にして見せて来た。
底には何かがこびりついている。
「……ミルクティーの素が沈殿して固まってるのかな」
「そうそう、そうなの。でね、コレは割と簡単に溶かせるの」
「なるほど、溶かすために回していたんだね」
「正解」
左人差し指をビシリと向けられる。
「いつも気にせず飲んじゃうけど」
「それはこのミルクティーを開発した人達に対する侮辱だね」
マリコはやれやれ、といった様子でくつろいでいた体制に戻り、またペットボトルを優しくクルクル回す。
「侮辱?」
「そうだよ。だって『コレが完璧で一番おいしんだ!』 って調合してくれてるのに、ソレを味わってないんだよ? それは侮辱だよ」
「侮辱は言い過ぎでしょ。でもなんでそれが呪いになるの?」
「くっくっく、聞いたからにはチハルもコレを溶かしてから飲みたくなるに違いないのだー!」
まるで漫画の魔王のように怪しく笑ったマリコを一蹴する。
「そんな訳無いよ」
後日、帰宅途中に喉が渇いてしまったのでコンビニで、ペットボトルのミルクティーを買った。
コンビニから出た後、すぐに飲もうとしてキャップを空けようとした時に、ふと先日のやり取りを思い出す。
「……」
ペットボトルを逆さにすると、ミルクティーの素が底に沈殿して固まっていた。
……き、気になる……
マリコがやっていたように、ペットボトルを逆さにし、飲み口の辺りを右手で持って優しくクルクルと回す。
すると、沈殿した固まりはすぐに溶けていった。
安心してキャップを空けて飲んだ。
喉は潤った。けど……もしかしたら今後ずっと気になってしまうかも……
ようやく『呪い』の意味が分かり、影響されやすい自分を恨んだ。
「こんにちわー」
「ちーっす」
返事をしてくれたのはコタツの定位置で壁を背もたれにくつろいでいるマリコ。ユカリは席を外していた。
私もコタツの定位置に座ろうとすると、マリコが手元で何かをしているのが見えた。
なにやらミルクティーのペットボトルを逆さにし、底を上にして飲み口の辺りを右手で持って優しくクルクルと回していた。
座りながら問いかける。
「なにしてるの? それ」
「お、聞いてしまったね? コレは呪いなのだー」
マリコはニヒヒと笑った。
「大丈夫? 病院行く?」
ちょっと心配になったので通院を勧めた。
「辛辣ー。いいから聞いて。ほらこれ見て」
マリコはニコニコしながらペットボトルの底を上にして見せて来た。
底には何かがこびりついている。
「……ミルクティーの素が沈殿して固まってるのかな」
「そうそう、そうなの。でね、コレは割と簡単に溶かせるの」
「なるほど、溶かすために回していたんだね」
「正解」
左人差し指をビシリと向けられる。
「いつも気にせず飲んじゃうけど」
「それはこのミルクティーを開発した人達に対する侮辱だね」
マリコはやれやれ、といった様子でくつろいでいた体制に戻り、またペットボトルを優しくクルクル回す。
「侮辱?」
「そうだよ。だって『コレが完璧で一番おいしんだ!』 って調合してくれてるのに、ソレを味わってないんだよ? それは侮辱だよ」
「侮辱は言い過ぎでしょ。でもなんでそれが呪いになるの?」
「くっくっく、聞いたからにはチハルもコレを溶かしてから飲みたくなるに違いないのだー!」
まるで漫画の魔王のように怪しく笑ったマリコを一蹴する。
「そんな訳無いよ」
後日、帰宅途中に喉が渇いてしまったのでコンビニで、ペットボトルのミルクティーを買った。
コンビニから出た後、すぐに飲もうとしてキャップを空けようとした時に、ふと先日のやり取りを思い出す。
「……」
ペットボトルを逆さにすると、ミルクティーの素が底に沈殿して固まっていた。
……き、気になる……
マリコがやっていたように、ペットボトルを逆さにし、飲み口の辺りを右手で持って優しくクルクルと回す。
すると、沈殿した固まりはすぐに溶けていった。
安心してキャップを空けて飲んだ。
喉は潤った。けど……もしかしたら今後ずっと気になってしまうかも……
ようやく『呪い』の意味が分かり、影響されやすい自分を恨んだ。
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