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交差
奴隷市場 人妻13
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「はるはあけぼの」
はるのあさ
きぼうのひかり
さしこんで
あらたなせいを
むかえるものども
ひのでやま
むさしのだいちを
みおろせば
あらたないちにち
はじまるよろこび
わきみずで
ぶらっくこーひー
わかしのむ
かふぇいんを
からだにとりこみ
おもいだす
さくばんの
となりむらでの
できごとを
みつる、あわだつ
さいぼう、ざわつく
はるのひに
ふさわしいのは
どれいいち
たとえばむにゅうの
ろりいた・むすめ
「なつはよる」
ねったいや
ほたるまいとぶ
かわべには
こいびと、どうし
ゆかたが、にあう
くちづけで
すこしおとなに
なったよる
しょうじょじだいの
あわひおもひで
くちびるに
かんじるかれの
やさしさと
くびとこし
だきしめあった
からだから
つたわるぬくもり
せのびを、すこし
おもひでは
とてもあでやか
おしとやか
なつのよる
そんなろまんの
むこうぎし
よくぼうに
まみれたわむる
どれいいち
たとえばひとづま
ろうそく・ぷれい
「あきはゆうぐれ」
むれなして
おうちにかえる
からすたち
せんとうゆくは
さんぼんあしの
やたがらす
すべてをしった
まもりがみ
かたみむすびの
みちびきの、かみ
ついてこい
しょうかたいを
かいほうし
たがいのきょりを
たんぽしながら
もどろうぞ
われらがあるじ
そのもとへ
あきのくれ
ふさわしきもの
どれいいち
ぎろちん・こうそく
ことはなりゆき
「ふゆはつとめて」
そうちょうに
ゆらめくほのおで
めをさます
おっとはいった
からだに、さわるぞ
もうすこし
ねむるがいいぞ
まださむい
おれはどくしょを
しているからさ
ああ、あなた
いまがいちばん
すきよ、すき
おふとんのなか
もどりませぬか
もうすこし
せなかのぬくもり
ほしいのです
あなたのたいおん
わたしにください
あまりにも
そとがしろくて
さむいから
おとことおんな
あたためあった
しかし、まて
のっくのおとが
きこえるぞ
こんなあさから
だれがきたのだ
だれがいる
がやがやそとが
さわがしい
あさぼらけ
ふゆの、たにまに
どれいいち
あくまのてさきが
らいほうしよった
:::::::::::
「ありがたきもの」
あるおとこ
おんなに、ほれられ
もとめられ
なんねんも
こいぶみわたされ
そのすえに
やみよのでーと
おとなの、でゅえっと
べっどいん
すでにまたぐら
ぬれておる
ゆめのよう
あなたにだかれて
みたかった
そういい、おんなは
かれにまきつく
いきている
それだけでわれら
もうけもの
だいすきな
たばこをふかし
ほんをよむ
それだけで
じんせいみつる
ものなのに
ときどきに
おんなをだける
そのことに
ありがたきかな
そうおもうのだ
なあ、どうだ
どれいいちばを
みにいくか
きょうとはいわん
あすのよるにでも
となりむら
そこにきとくな
ばしょがある
このてにあるのだ
しょうたいじょうが
「むとくなるもの」
うわきもの
おっとのこころが
このばしょを
はなれたことを
わたしは、しった
わたしから
はなれたこころ
ゆるすまじ
そのこころ
さらったおんな
ゆるすまじ
このおとこ
ほかのおんなに
こい、してる
そのおんな
どこにいるのだ
いとくるし
のろいたもう
ろくぼうせいを
つかうのだ
ちぎり、たがえる
ものに、じごくを…
どくぐもの
むれがよなよな
はなたれる
さして、わがもと
つれて、まいれよ
やぶられた
ちぎりのしかえし
ゆくさきは
どれいいちばと
きまっているのだ
わがおっとの
こころをうばった
そのおんな
どれいいちばに
ゆうへいせんとす
::::::::::
「かたはらいたきもの」
どれいいち
ひとづまどれいの
せなかには
ろうそくぜめの
あかいてんてん
あえぎごえ
たすけをもとむる
そのこえを
まくらのそうしの
いちぶとしよう
…嗚呼
此の鳥籠に
棲まう鬼
三つかぞへて
大地をすべる
…二本棒
三本にかわり
袖平の
山に佇む
蟲へとへんげ
…下り坂
其のさいの果てに
あるものへ
必ず訪ね騒がむものぞ
ひとづまの
まっかにそまる
そのせには
おもいじゅうじか
ろうそくのあか
そのすがた
まるでまっかな
いもむしか
またはさんかく
やまのふもとの
あか・みいら
そのろうそくを
ふりおとす
くろくしなやかな
むちが、ふられた
::::::::::::
※枕草子より一部引用
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