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番外編

君から欲しがって **

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※意地悪してみたくなったフォールスと、すっかり泣き虫になったアステがいちゃいちゃするだけのお話です

――

 フォールスが、ベッドの上で私を背中から抱きしめながら、左手で胸を触ったり、右手で私の鼠蹊部のあたりを撫でている。
 気持ちよさはあるのにどこか物足りない。私は、もどかしくて仕方なくなる。

「ね……ねえ、フォールス……」
「ん?なあに?」
「いつまで……そう……してるの?」
「だめ?」
「だめ……じゃないけれど……んん……」

 私の首筋に、音を立てて口付けをしてくるフォールス。私は軽く身をよじる。

「は……んん……」
「どうしたのアステ?声……やらしくなってる」

 彼の言い方に、満たされない気持ちも合わさって、頭がどうにかなってしまいそうだった。
 もっと先を望んでいる気持ちと、彼にそのつもりがないかもしれないという考えの間で揺れる。だから、もっとしてほしいだなんて、言えない。
 それでも体の欲求は抑えきれず、気づけば、私の目から涙がこぼれていた。

「泣いてるの?」
「ち……違う」

 私は両手で涙を拭う。でも、涙は次から次へと溢れ出す。

「どうしたのアステ」
「…………」
「言わなきゃ分からないよ」
「……だって……いつもならもっと……」
「もっと?」

 その瞬間、彼の手が下へと動き、指が気持ちよさを感じる一点に軽く触れた。

「あっ!ああ……」
「ふふっ……どうしたのアステ」
「んんっ!はあ……あっ!」

 何度も軽く触れる彼の指に、その刺激を待ち望んでいた私の体は震えた。

「あ……気持ち……い……」
「そう……よかったね」

 でも、フォールスはそれ以上強くは触ってくれない。もどかしさに、私はとうとう我慢ができなくなる。

「はっ……フォールス……足りない……足りないの……」
「足りないの?何が?」
「んん……いつもより……」
「そう?」

 分かってもらえない事が、苦しくて苦しくて仕方ない。

「何で……?フォールス……いつもと……違う……」
「ふふ……何が違うのか、もっとはっきり言ってくれないと分からないよ?」

 その言葉は暗示のように私の頭に響き、必死で本音をとどめていた心の壁を崩してしまう。

「もっと……いつもみたいに……強く……触って」
「どこを?」
「……私の……クリトリス」

 その瞬間、彼の指がグッと強く私を刺激する。あまりの気持ちよさに声も出ない。

「これでいい?」

 私は必死で何度も頷く。急に満たされて、気持ちが追いつかない。頭が熱くて、ぼんやりする。

「ねえアステ、これだけでいいの?」
「違う……その先も……」
「先って、どんな事?」

 もう我慢などできなかった。私は、フォールスの腕を掴み、懇願する。

「わ……私の中に……フォールスの……挿れて……」
「僕の何を?君のどこに?」
「あ……あなたの……性器を……わたしの……膣の中に……」
「うん……分かった。挿れてあげる」

 フォールスの言葉で、ようやく望みが叶うという喜びに全身が震える。

「フォールス……うれしい……」

 彼は、私の下半身から全てを脱がすと、私の体を持ち上げ、私の入り口に指で触れる。私は、それだけで嬌声が出てしまう。

「ぐしょぐしょに濡れてる。すぐ挿れられるね」

 私はコクコクと頷く。一刻も早く欲しくて仕方ない。フォールスは、彼のもので私の入り口を何度か刺激すると、グッと中に入り込んできた。

「あっ!!!」

 私は腕を引かれ、自分の体の重みで彼のものを飲み込んでいく。奥が強く抉られる。

「ね、こうしたかったの?」

 奥が疼いてたまらない私の耳元で、フォールスが囁く。それさえも気持ちよくて、私は吐息が出てしまう。

「は……うん……したかった……でも……あなたが嫌だったらと思ったら……ねだれなくて……」
「嫌じゃないよ……君がねだってくれるの……待ってた」

 私の首筋や肩に口付けをしながら、フォールスは言った。

「そ……なの?」
「だから今日は、ちょっと意地悪してみた」
「もう……フォールス……ひどい……」
「ほら、次は?言わないとずっとこのままだよ?」

 抗議の声をあげるけれど、フォールスは気にせず、さらに私を追い詰めるような事を言う。

「そんなの……や……」

 私は我慢できず、彼に頼む前に自分から腰を動かしてしまう。

「んっ……んんっ!」
「アステ……」

 彼の手が私の胸を揉みはじめる。下も上も気持ちよくて、声が止まらない。

「やっ……もうっ……あっ……きもち……い」
「自分から動くなんて……は……どんだけ僕のものが好きなの?」
「だって……はっ……欲しくて……我慢……できな……ごめん……なさ……」

 欲に溺れて自分を止められない事を責められているように感じて、私は涙がぼろぼろこぼれる。嗚咽と嬌声で訳が分からなくなる。

「泣かないでアステ。嬉しいよ……僕のものでおかしくなってる君が、最高に可愛い……もっと欲しがって」
「いいの……?欲しい……欲しかったの……ああ……中……フォールスの……奥……当たる……好き……」

 思考がまとまらず、単語しか口にできない。

「ああ……もうすっかり僕に囚われちゃったね。可哀想に。もう一生、僕から離れられないね」
「ん……離れたくない……ずっと……あ……ああ……も……だめ……んんっ!」

 その瞬間、頭が真っ白になって、私はフォールスを中に入れたまま前に倒れ込みそうになる。フォールスが私を支えて、抱きしめる。

「ひとりで頑張ったね……アステ」
「ごめ……なさい……私ばっかり……」

 そう言う私の頭を、フォールスは優しく撫でる。

「ううん。僕も、最高に気持ちよかった……ねえ、今日は最後までする?」

 フォールスが私に聞く。でも、答えなどもう決まっている。欲望の沼に完全に沈んだ私には、選択肢など一つしかない。
 私は、彼のものが抜ける感触に体を震わせながら、何とかフォールスに向き直る。

「する……」
「そう……なら僕は、どうすればいい?」

 意地悪そうに聞くフォールスに、私は少し体を離して彼を見る。その顔も意地悪そうに笑っている。そんな顔でさえ、私の欲を増幅させる。

「フォールスの子種……全部……私の奥に注いで……」

 私の言葉に、彼の瞳は暗く怪しく光る。私の心を絡め取り、欲の沼に引きずり込む瞳だ。

「いいよ……下の口にたくさん飲ませてあげる」
「うん……たくさん……のみたい……」

 私は、彼に手を引かれ、彼の上に跨る。もう、自分から彼のものを飲み込む事など、造作もなかった。

「は……きもち……い……」
「僕も、気持ちいいよ。僕のに、出してってねだるように絡みついてくる」

 フォールスの言葉に、私の頭はどんどん溶けていく。頭も体も私の全てが、彼を欲しがっている。私はゆっくり、自らの腰を動かし始める。
 彼のものが中を擦る。それだけなのに、あまりにも気持ちよくて、彼の先が色んなところを刺激するように動いてしまう。

「はは……やらし……。僕のアステ、最高だよ……」
「うん……私……あなただけのもの……」

 私は、彼に服従を誓うように彼に口付け、自ら舌を絡ませる。味なんてしないはずなのに、甘く感じて仕方ない。口にした途端、狂ってしまいそうなくらいの甘さに、頭が痺れる。

 私が口を離すと、フォールスの指が私の口の周りを拭う。私はそれさえも愛おしくて、彼の手を握って、その指に口付けた。上目遣いに見た彼の顔が、嬉しそうに微笑む。

「……全部……フォールスが教えてくれた事なの。私……上手に……できてる?」

 私の問いに、彼は口の端を上げて、怪しく微笑む。

「上手だよアステ。だから、もっとたくさん見せて……僕だけに……もっと」

 私は頷くと、また腰を動かし始める。気持ちよさと、彼に褒められたい、その一心で……。
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