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37.その手に乗らないためには
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瑞希のマンションを出たあと、待機してくれていたジャガーの助手席に乗り込んだ。
「呼び出さずに解決か?」
運転席から西園寺が訝しげに声をかけてきた。
もともとの計画では、途中で西園寺と弁護士を呼び出して対峙する手筈になっていたため、驚いたのだろう。
「いや、まるで振り出しだ」
「えっ? なにがあったの?」
後から声がしたので振り返ると、後部座席には弁護士だけでなく、八乙女の姿もあった。
「志信さん? どうしたんですか?」
かなり久しぶりである。忙しくて気に留めていなかったが、考えてみればかれこれ一ヶ月以上顔を合わせていなかった。
「クライマックスでしょ? 見学したいと思ってね」
「観客ってことですか?」
「いいじゃん。で、振り出しってどういうこと?」
促されるも、弁護士の前で話すにはディテール部分に気を使うため、自宅へと送り届けてから、瑞希の部屋で起きたことを説明した。
「なかなかの趣味だね」
「あの顔でそんなことされたら最悪だな」
にやにやとした八乙女とは裏腹に、さすが久世の元彼なだけはある西園寺のほうは、こちらの心境を推し量ってくれた。
「結果的に、なんの解決にもなりませんでした」
ため息交じりに言うと、八乙女は「そうかな?」との反論を返してきた。
「フランスはとっくの昔に貴族制度なんてなくなってるよ。言いくるめられてるんじゃないの?」
西園寺が「ああ」とその事実には肯定しつつも、割って入ってきた。
「だが、名乗っているやつはいるし、何だったか協会みたいなものは存在しているはずだ」
「そうなの? まあ、櫻田家の50倍だっけ? 資産はあるようだし、名ばかりでも伯爵夫人になれるなら、ファーストレディを諦めてもいいってことなのかな?」
「そのファーストレディに関しても諦めたわけではないかもしれない。相馬も一応は血統的に首相の孫なんだからな」
西園寺の指摘にも、八乙女は相変わらずの調子でせせら笑う。
「血統? バカバカしい。そんなのはおまけであって、重要なのはコネと履歴だよ。久世の名も継がず、しかも未婚で生まれた息子だろ? その程度でのし上がれるほど甘くはない」
ぴしゃりと言った八乙女は、普段のひょうひょうとした王侯貴族然とした調子とは違って、名家の跡継ぎたる表情になっていた。
最近はスマホゲームにのめり込んでいる様子だったが、会社へ通い始めたとも聞いていたから、遊び呆けてばかりいる頃とは心境も変わってきているのかもしれない。
「じゃあ相馬の狙いはなんだと思いますか?」
「なんでぼくに聞くの?」
「やっぱり同じグリードの志信だろ、やっぱり」
「グリードってのは否定はしないけど、雅紀くんに不愉快な真似をする奴らと一緒にされるのは面白くないな」
「……申し訳ありません」
「いいけど……ていうか、こんなのぼくじゃなくても考えつくだろ。要は透に一泡吹かせたかっただけの話じゃん。あいつは人より恵まれているくせに、それを利用しようともせず、無欲だし、そのうえ苦手なものもないだろ? 誰でも苛つくよ。櫻田を寝取ったのも、一応は対外的な婚約者なんだから、奪い取りたかったってだけだろ」
非常に納得のいく分析だった。
グリード仲間というよりも、八乙女と昴は久世に対して抱いている感情が同種だからかもしれない。
「確かに、弟の不幸が自分の幸福なんて台詞をその男に向かって言うんだから、相当歪んでいるよな」
西園寺の感心した声を聞いて、その台詞を吐かれた場面を思い出してしまう。
「しかもセックスを見せつけながらですからね」
思い出すだけで吐き気がこみ上げてくる。
「そうやってダメージを受けていると相馬たちの思う壺だ。忘れろ。それより別の計画を立てなきゃならん」
西園寺の言うとおりだ。やつらの手に乗っている場合ではない。
セックスなんて、単なる行為だ。
八乙女が以前言っていたように、手を繋ぐのと似たようなものだと思うようにして忘れたほうがいい。
計画の仕切り直しのほうが重要というのも同感だ。
まさか実の兄から妨害を食らうとは思わなかったが、早いところ気持ちを切り替えて、別のアイデアを考え出さなければならない。
そう、兄の妨害なんて……と考えてふと思いつく。
「あのさ、久世の血を引いていればいいってことは、透の妹さん、悠紀さんだっけ? 彼女が婿を取るってのはだめなのかな?」
問いかけると、西園寺は珍しく顔を強張らせ、返答に詰まった様子を見せた。
「その反応はなに? どんな人なんだ?」
「……いや、透から聞いていないのか?」
「存在自体この間知ったばかりだ」
「帰国してからの様子は知らないから、今も相変わずかはわからないが……」
そう言いながらも西園寺が口重く説明してくれたことによると、久世の妹である悠紀は、二歳上の兄と比較しても劣らないくらいの変わり者らしい。
婿を取ることが難しいとされる理由は、金を積んで異国の大学を卒業しなければならないほど勉強嫌いだからでも、父親そっくりの不器量のせいでもなく、会話が成り立たないからだという。
「会話が成り立たないってどういうこと? 知的障害があるとか?」
「……いや、そういう意味ではない。簡単に言うと自分の世界に浸りきってるから……要は、重度のオタクなんだ」
「オタク? 映画バカの透と同じじゃん」
「透はまだ可愛げがある。あいつも一方的なところがあるが、一応は会話が成立してるだろ?」
「え……」
あれ以上のオタク語りなんてものがあるのだろうか。
まさかと思っていたところに、八乙女が詳しく解説してくれた。
「あの子の場合は度が過ぎているんだよ。挨拶くらいはできるけど、会話のキャッチボールが続かないんだ。こちらの世界にまったく興味がないって感じで、『はあ』とか相槌にもならないような反応しか見せないし、目を合わせないどころかうつむきっぱなしだしね」
「どんな場でもスマホばかり見てぶつぶつ何か言ってるしな」
「人から離れれば遠巻きにこちらの様子を見てるから、完全にやばい子ってわけじゃないんだけど」
「……神代を覚えているか?」
いきなり西園寺が懐かしい名前を出してきた。
神代とは、晶の相手を久世から逸らすために別の婚約者として提案した名家の御曹司だ。
「うん。神代氏がどうしたんだ?」
「後になって聞いた話によると、神代のところには悠紀が嫁ぐことになっていたそうだ」
そんなところが繋がっていたとは驚いた。
しかし、納得もいく。神代氏は一人息子だという話だから、婿に入ることができない理由にも繋がってくる。
「だから出ていくはずだって話だったんだ」
「ああ、あいつの母親が言ってたのか?」
「そう……でもまだ婚約の段階なら、相手を替えることはできる?」
問いかけると、西園寺が答える前に八乙女が笑い声をあげた。
「あの二人がくっつかなかったら、被害者が二人出ることになるって」
「被害者って……」
「まともに会話できない同士、その二人に収まってもらわないと」
酷い言い様だが、言わんとすることはわかった。
神代氏は精神的疾患があるという話だから、会話の成立しない悠紀と二人、そこでまとまって欲しいということなのだろう。
だとすると、もしかしたらそれ以外の要因はないのかもしれない。他に現れたら変更が効くのではないか。つまり、婿に入ってもいいという相手が見つかれば、一挙解決するのでは、と思いついた。
「僕が婿に入るってのはどう思います?」
御曹司連中の中では神代一択だとしても、婿に入るからと言えば一般人でもいけるのではないだろうか。
と、思ったのだが二人の反応は過度なほど、絶句といえるレベルだった。
「……おまえ、何言ってんだ?」
西園寺の震えた声を聞いて、やはり無茶な提案だったのだろうかと不安が走る。
「やはり僕じゃ相手にはならないでしょうか……」
「雅紀くん……冗談だよね?」
「結婚するってことは、おまえの子種で久世家の子孫を残すつもりなのか?」
「えっ……」
確かにそうだ。後継ぎの婿になるということは、つまり久世と同じ立場になるということである。
「透は許せないのに自分は棚に上げるのが? 勝手なやつだな」
それも西園寺の言うとおりだか、タチの彼が女を相手にするのと、ネコの自分がするのとでは状況が違う……ってのは身勝手過ぎるだろうか。
瑞希のあられもない姿を何度も見てきているのに、何も感じなかった。というか、久世を愛して以来、他の誰に対してもそういった気が起きなくなっている。
セックスは愛があれば意味のある行為になるが、愛がなければただ粘膜を擦り合わせるだけに過ぎない。
「セックスなんて愛がなくてもできるし、手を繋ぐのと変わらないじゃないですか」
これは八乙女しかり、彼らの常套句だ。
同調してくれると思ったのだが。
「ふざけるのもいい加減にしよ。俺が透の立場なら……いや、俺としてもキレるぞ」
「そうだよ。いきなりどうしたの? 透が嫉妬しないと思ってたら勘違いだよ。ぼくらにも二度と雅紀くんに触れるなとか宣ってきたんだから」
そう言えばそうだ。
なぜそれを忘れていたのだろう。というか、なんでこんなことを思いついたんだ?
二人の言葉で冷静になってみたら、自分らしくないどころか、狂ったレベルの提案だと気がついた。
「……すみません。手がなさ過ぎて藁にもすがりたくなったのかもしれません」
「そんな藁があるか。それを許容するなら、透の結婚を阻止する意味がないだろ」
「そうだよ。ていうか、二度とぼくのまえで他の孔に挿れる話はしないで」
結局はそんなバカな提案しか出ないまま自宅へ到着したため、計画を練るのは翌日ということになり、その場はお開きとなった。
「呼び出さずに解決か?」
運転席から西園寺が訝しげに声をかけてきた。
もともとの計画では、途中で西園寺と弁護士を呼び出して対峙する手筈になっていたため、驚いたのだろう。
「いや、まるで振り出しだ」
「えっ? なにがあったの?」
後から声がしたので振り返ると、後部座席には弁護士だけでなく、八乙女の姿もあった。
「志信さん? どうしたんですか?」
かなり久しぶりである。忙しくて気に留めていなかったが、考えてみればかれこれ一ヶ月以上顔を合わせていなかった。
「クライマックスでしょ? 見学したいと思ってね」
「観客ってことですか?」
「いいじゃん。で、振り出しってどういうこと?」
促されるも、弁護士の前で話すにはディテール部分に気を使うため、自宅へと送り届けてから、瑞希の部屋で起きたことを説明した。
「なかなかの趣味だね」
「あの顔でそんなことされたら最悪だな」
にやにやとした八乙女とは裏腹に、さすが久世の元彼なだけはある西園寺のほうは、こちらの心境を推し量ってくれた。
「結果的に、なんの解決にもなりませんでした」
ため息交じりに言うと、八乙女は「そうかな?」との反論を返してきた。
「フランスはとっくの昔に貴族制度なんてなくなってるよ。言いくるめられてるんじゃないの?」
西園寺が「ああ」とその事実には肯定しつつも、割って入ってきた。
「だが、名乗っているやつはいるし、何だったか協会みたいなものは存在しているはずだ」
「そうなの? まあ、櫻田家の50倍だっけ? 資産はあるようだし、名ばかりでも伯爵夫人になれるなら、ファーストレディを諦めてもいいってことなのかな?」
「そのファーストレディに関しても諦めたわけではないかもしれない。相馬も一応は血統的に首相の孫なんだからな」
西園寺の指摘にも、八乙女は相変わらずの調子でせせら笑う。
「血統? バカバカしい。そんなのはおまけであって、重要なのはコネと履歴だよ。久世の名も継がず、しかも未婚で生まれた息子だろ? その程度でのし上がれるほど甘くはない」
ぴしゃりと言った八乙女は、普段のひょうひょうとした王侯貴族然とした調子とは違って、名家の跡継ぎたる表情になっていた。
最近はスマホゲームにのめり込んでいる様子だったが、会社へ通い始めたとも聞いていたから、遊び呆けてばかりいる頃とは心境も変わってきているのかもしれない。
「じゃあ相馬の狙いはなんだと思いますか?」
「なんでぼくに聞くの?」
「やっぱり同じグリードの志信だろ、やっぱり」
「グリードってのは否定はしないけど、雅紀くんに不愉快な真似をする奴らと一緒にされるのは面白くないな」
「……申し訳ありません」
「いいけど……ていうか、こんなのぼくじゃなくても考えつくだろ。要は透に一泡吹かせたかっただけの話じゃん。あいつは人より恵まれているくせに、それを利用しようともせず、無欲だし、そのうえ苦手なものもないだろ? 誰でも苛つくよ。櫻田を寝取ったのも、一応は対外的な婚約者なんだから、奪い取りたかったってだけだろ」
非常に納得のいく分析だった。
グリード仲間というよりも、八乙女と昴は久世に対して抱いている感情が同種だからかもしれない。
「確かに、弟の不幸が自分の幸福なんて台詞をその男に向かって言うんだから、相当歪んでいるよな」
西園寺の感心した声を聞いて、その台詞を吐かれた場面を思い出してしまう。
「しかもセックスを見せつけながらですからね」
思い出すだけで吐き気がこみ上げてくる。
「そうやってダメージを受けていると相馬たちの思う壺だ。忘れろ。それより別の計画を立てなきゃならん」
西園寺の言うとおりだ。やつらの手に乗っている場合ではない。
セックスなんて、単なる行為だ。
八乙女が以前言っていたように、手を繋ぐのと似たようなものだと思うようにして忘れたほうがいい。
計画の仕切り直しのほうが重要というのも同感だ。
まさか実の兄から妨害を食らうとは思わなかったが、早いところ気持ちを切り替えて、別のアイデアを考え出さなければならない。
そう、兄の妨害なんて……と考えてふと思いつく。
「あのさ、久世の血を引いていればいいってことは、透の妹さん、悠紀さんだっけ? 彼女が婿を取るってのはだめなのかな?」
問いかけると、西園寺は珍しく顔を強張らせ、返答に詰まった様子を見せた。
「その反応はなに? どんな人なんだ?」
「……いや、透から聞いていないのか?」
「存在自体この間知ったばかりだ」
「帰国してからの様子は知らないから、今も相変わずかはわからないが……」
そう言いながらも西園寺が口重く説明してくれたことによると、久世の妹である悠紀は、二歳上の兄と比較しても劣らないくらいの変わり者らしい。
婿を取ることが難しいとされる理由は、金を積んで異国の大学を卒業しなければならないほど勉強嫌いだからでも、父親そっくりの不器量のせいでもなく、会話が成り立たないからだという。
「会話が成り立たないってどういうこと? 知的障害があるとか?」
「……いや、そういう意味ではない。簡単に言うと自分の世界に浸りきってるから……要は、重度のオタクなんだ」
「オタク? 映画バカの透と同じじゃん」
「透はまだ可愛げがある。あいつも一方的なところがあるが、一応は会話が成立してるだろ?」
「え……」
あれ以上のオタク語りなんてものがあるのだろうか。
まさかと思っていたところに、八乙女が詳しく解説してくれた。
「あの子の場合は度が過ぎているんだよ。挨拶くらいはできるけど、会話のキャッチボールが続かないんだ。こちらの世界にまったく興味がないって感じで、『はあ』とか相槌にもならないような反応しか見せないし、目を合わせないどころかうつむきっぱなしだしね」
「どんな場でもスマホばかり見てぶつぶつ何か言ってるしな」
「人から離れれば遠巻きにこちらの様子を見てるから、完全にやばい子ってわけじゃないんだけど」
「……神代を覚えているか?」
いきなり西園寺が懐かしい名前を出してきた。
神代とは、晶の相手を久世から逸らすために別の婚約者として提案した名家の御曹司だ。
「うん。神代氏がどうしたんだ?」
「後になって聞いた話によると、神代のところには悠紀が嫁ぐことになっていたそうだ」
そんなところが繋がっていたとは驚いた。
しかし、納得もいく。神代氏は一人息子だという話だから、婿に入ることができない理由にも繋がってくる。
「だから出ていくはずだって話だったんだ」
「ああ、あいつの母親が言ってたのか?」
「そう……でもまだ婚約の段階なら、相手を替えることはできる?」
問いかけると、西園寺が答える前に八乙女が笑い声をあげた。
「あの二人がくっつかなかったら、被害者が二人出ることになるって」
「被害者って……」
「まともに会話できない同士、その二人に収まってもらわないと」
酷い言い様だが、言わんとすることはわかった。
神代氏は精神的疾患があるという話だから、会話の成立しない悠紀と二人、そこでまとまって欲しいということなのだろう。
だとすると、もしかしたらそれ以外の要因はないのかもしれない。他に現れたら変更が効くのではないか。つまり、婿に入ってもいいという相手が見つかれば、一挙解決するのでは、と思いついた。
「僕が婿に入るってのはどう思います?」
御曹司連中の中では神代一択だとしても、婿に入るからと言えば一般人でもいけるのではないだろうか。
と、思ったのだが二人の反応は過度なほど、絶句といえるレベルだった。
「……おまえ、何言ってんだ?」
西園寺の震えた声を聞いて、やはり無茶な提案だったのだろうかと不安が走る。
「やはり僕じゃ相手にはならないでしょうか……」
「雅紀くん……冗談だよね?」
「結婚するってことは、おまえの子種で久世家の子孫を残すつもりなのか?」
「えっ……」
確かにそうだ。後継ぎの婿になるということは、つまり久世と同じ立場になるということである。
「透は許せないのに自分は棚に上げるのが? 勝手なやつだな」
それも西園寺の言うとおりだか、タチの彼が女を相手にするのと、ネコの自分がするのとでは状況が違う……ってのは身勝手過ぎるだろうか。
瑞希のあられもない姿を何度も見てきているのに、何も感じなかった。というか、久世を愛して以来、他の誰に対してもそういった気が起きなくなっている。
セックスは愛があれば意味のある行為になるが、愛がなければただ粘膜を擦り合わせるだけに過ぎない。
「セックスなんて愛がなくてもできるし、手を繋ぐのと変わらないじゃないですか」
これは八乙女しかり、彼らの常套句だ。
同調してくれると思ったのだが。
「ふざけるのもいい加減にしよ。俺が透の立場なら……いや、俺としてもキレるぞ」
「そうだよ。いきなりどうしたの? 透が嫉妬しないと思ってたら勘違いだよ。ぼくらにも二度と雅紀くんに触れるなとか宣ってきたんだから」
そう言えばそうだ。
なぜそれを忘れていたのだろう。というか、なんでこんなことを思いついたんだ?
二人の言葉で冷静になってみたら、自分らしくないどころか、狂ったレベルの提案だと気がついた。
「……すみません。手がなさ過ぎて藁にもすがりたくなったのかもしれません」
「そんな藁があるか。それを許容するなら、透の結婚を阻止する意味がないだろ」
「そうだよ。ていうか、二度とぼくのまえで他の孔に挿れる話はしないで」
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