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第5話
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数百年前――隣り同士のある二つの国は、対立していた。
ここは、その二つの国のちょうど境にある大きな森――
美しい姫が一人、ドレスのまま森の中を小走りで進んでいた。
「今日は会えるかな……」
小さく呟いて、最愛の相手を思い出し小さく微笑むと美しい姫は、どんどん森の中を進んでいく。
そして、ある開けた場所に辿り着いた先にいる人を見て思わず叫んだ。
「ケルヴィン!」
そこにいたのは、隣国の王子ケルヴィンである。
美しい姫……シーア王女は、嬉しそうにケルヴィンの元へ駆け寄り、抱き着いた。
「ケルヴィン!会えてよかった!」
「シーア……、良かった……」
ケルヴィンもシーアを抱き締め返す。
二人は手近な石の上に腰掛けると、僅かな逢瀬の時間を過ごすのだった。
「いつまでお父様達は喧嘩しているつもりかしら!私、もう嫌よ。こんなふうにコソコソ会うなんて」
「でも、こうでもしないと会えないからなあ」
二人は幼い頃に婚約したが、両国の関係が悪化し、今は敵対するようになってしまった為、こうして人目に隠れて、こっそりと会うようになっていた。
「はぁ……、このままじゃあ、私達結婚も出来ないわ!」
シーアはプクリと頬を膨らませた。
そんなシーアが可愛くて、ケルヴィンは膨らんだ頬にそっと手を添えると口付けをしたのだった――
◇
眠りから覚めたケヴィは、明るくなっている窓の外を見つめた。
そして、膝に顔を埋めて少し頬を赤らめた顔で言う。
「セシリア……、今日も君に会いに行くから……」
すると、ドンドンと部屋の扉が乱暴にノックされて、扉が空いた。
「ケヴィ!いつまで寝てるんだ!」
「あ、師匠!おはようございまーす」
ニコニコとしてケヴィが答えると、ケヴィの師匠であるジェロムはため息を吐いた。
「お前は、寝起きから元気だなぁ。俺は朝は苦手だ……」
「師匠は、夜更しするからですよー」
ケヴィは手を伸ばして身体を伸ばすと、ベッドから降りて着替えを始めた。
ジェロムは壁に寄りかかると、ケヴィに言った。
「お前、今日と言う今日は、真っ直ぐ俺の所に戻って来いよ」
「ええー?俺まだ見習いなんで、また失敗しちゃうかも」
ケヴィは、戯けて答えた。
「その言い訳も、そろそろ通用しなくなるからな」
ジェロムは、着替え終わったケヴィに合わせるように、壁から身体を離した。
「分かってますよ。いつまでも見習いじゃ、セシリアに相応しい男にはなれませんから」
ケヴィは、憂いを帯びた表情でそう答えたのだった――
ここは、その二つの国のちょうど境にある大きな森――
美しい姫が一人、ドレスのまま森の中を小走りで進んでいた。
「今日は会えるかな……」
小さく呟いて、最愛の相手を思い出し小さく微笑むと美しい姫は、どんどん森の中を進んでいく。
そして、ある開けた場所に辿り着いた先にいる人を見て思わず叫んだ。
「ケルヴィン!」
そこにいたのは、隣国の王子ケルヴィンである。
美しい姫……シーア王女は、嬉しそうにケルヴィンの元へ駆け寄り、抱き着いた。
「ケルヴィン!会えてよかった!」
「シーア……、良かった……」
ケルヴィンもシーアを抱き締め返す。
二人は手近な石の上に腰掛けると、僅かな逢瀬の時間を過ごすのだった。
「いつまでお父様達は喧嘩しているつもりかしら!私、もう嫌よ。こんなふうにコソコソ会うなんて」
「でも、こうでもしないと会えないからなあ」
二人は幼い頃に婚約したが、両国の関係が悪化し、今は敵対するようになってしまった為、こうして人目に隠れて、こっそりと会うようになっていた。
「はぁ……、このままじゃあ、私達結婚も出来ないわ!」
シーアはプクリと頬を膨らませた。
そんなシーアが可愛くて、ケルヴィンは膨らんだ頬にそっと手を添えると口付けをしたのだった――
◇
眠りから覚めたケヴィは、明るくなっている窓の外を見つめた。
そして、膝に顔を埋めて少し頬を赤らめた顔で言う。
「セシリア……、今日も君に会いに行くから……」
すると、ドンドンと部屋の扉が乱暴にノックされて、扉が空いた。
「ケヴィ!いつまで寝てるんだ!」
「あ、師匠!おはようございまーす」
ニコニコとしてケヴィが答えると、ケヴィの師匠であるジェロムはため息を吐いた。
「お前は、寝起きから元気だなぁ。俺は朝は苦手だ……」
「師匠は、夜更しするからですよー」
ケヴィは手を伸ばして身体を伸ばすと、ベッドから降りて着替えを始めた。
ジェロムは壁に寄りかかると、ケヴィに言った。
「お前、今日と言う今日は、真っ直ぐ俺の所に戻って来いよ」
「ええー?俺まだ見習いなんで、また失敗しちゃうかも」
ケヴィは、戯けて答えた。
「その言い訳も、そろそろ通用しなくなるからな」
ジェロムは、着替え終わったケヴィに合わせるように、壁から身体を離した。
「分かってますよ。いつまでも見習いじゃ、セシリアに相応しい男にはなれませんから」
ケヴィは、憂いを帯びた表情でそう答えたのだった――
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